Walking de Music

walking de music!
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ジョン・スコフィールド

          

ブルー・マター/ジョン・スコフィールド 
BLUE MATTER/JOHN SCOFIELD

Blue Matter


今年もあと10日となりました。年末になるとオリコンなどの年間の売上NO.1などの発表がありますが、今年は『千の風になって』だそうですね。まあ、それはまた後日にするとして、今日は、ジョン・スコフィールドさんのブルー・マターでwalkingです・・・。


これは1987年リリースの作品です。先日、パット・メセニーさんとのアルバムをレビューさせていただきました。その時に感じた今までとは違う感じ・・・。ジョン・スコフィールドさんにハマルかも?と言う感じ・・・。それを確かめる意味もあって今日はこの作品を選んでみました。本当にご無沙汰の作品ですが、すっかり内容も曖昧で覚えていなくて・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:ブルー・マター
ドラムのスネアが16分音符喰って先行、続けてジョン・スコフィールドさんのハンマリングが絶妙なニュアンスのテーマへ。
さらに重々しいベースの重低音。始まった瞬間に『これか!』って想い出しました。この曲の持っている、何とも言いがたいダークな感じと重々しい感じ、これが私の持っているジョン・スコフィールドさんの世界観の代表的なサウンド・・・。

怪しげでダークなムードで曲は進みます。
CD Time=0:06のパーカッションのフレーズが更にその怪しげな雰囲気を盛り立てます。パーカッションはドン・アライアスさん。

更に曲は進み、CD Time=0:25のこの曲の最も肝!の部分とも言えるフレーズへ・・・。
ドラムのデニス・チェンバースさんのバスドラとゲイリー・グレインジャーさんのスラップのベースライン。この2つが織り成す重厚なビート。特にCD Time=0:35からの波状攻撃的な連続の6連符のユニゾンから、ジョン・スコフィールドさんのギターカッティングが入るところはまさに肝!かなりカッコ良いです。

さらにこの部分があるが故に、可憐に、そして厳かに聴こえるCD Time=0:50からのサビのメロディ。更に追い討ちをかける様なミッシェル・フォアマンさんのオルガンの響き・・・。
背中に電気が走る!ってこのような感じのことでしょうか。

その電流はそのままジョン・スコフィールドさんのソロの間も流れ続けます。
ここでのソロはチョーキングや和音を使用したかなりブルージーな雰囲気。さらにクネクネとしたフレージングがよりブルース的です。
CD Time=1:15からは絶妙なインターバルの和音から、スタッカートのラインを刻み、CD Time=1:21の1音半チョーキングを”クネッ”と決めるところは見事です。さらにこのバックでのデニス・チェンバースさんのバスドラの連続攻撃にベースのゲイリー・グレンジャーさんが反応するも、更に長くバスドラ攻撃を続けてそれを”かわす”ところもいい感じです。

CD Time=2:04からは後半のキャッチーな部分と言えるユニゾン的リズムリックに入ります。さらにこのリズムリックの間にあるCD Time=2:12からのユニゾンがカッコ良いフレーズで肝!です。特にこの部分に入る直前のジョン・スコフィールドさんの”クネッ”と入るチョーキングが何とも言えない”味”ですね。

特に後半はこのパターンにノッてジョン・スコフィールドさんのソロがあります。
始めはBmなんですが、Dm→Gm→Emと転調を繰り返して、それに合わせてファンキーなソロを奏でていきます。このアレンジもいいですね。

転調を繰り返して元に戻って、さらに静かにテーマに戻ります。
そして今までのパワーの源の電池が段々切れていくかの様に、静かにチャイムの様なフレーズで終わります。そして、リスナーの背中に走った電流も消えていきます・・・。

02:トリム
細かい16分音符でのキメなどが沢山ある中にも、強力なビート感がある曲。雰囲気はまさにフュージョン!
ジョン・スコフィールドさんのテーマには生っぽさがあります。言い換えるとライヴ的と言うか、即興的と言うか・・・。例えばCD Time=0:11などはロングトーンなんですが、少しピッキングが弱くて十分に音が延び切っていない感じです。さらにテーマ全体を聴いても音の強弱が激しくて、テーマがはっきりととしたリズムになっていないところがあります。
でも、これこそがジョン・スコフィールドさんのタイム感なんですね。このメリハリのある弾き方、そしてポイントの音をハンマリングなどで強く引っ掛ける様に弾くのがスタイルであり、魅力であり、”クネッ”と言う絶妙なニュアンスの元であると想います。

ジョン・スコフィールドさんのソロはテーマ部分では、スケールの変化とリズムのキメを多用している部分を上手く捉えながら弾き抜けていきます。
その後はベースとドラムの細かいリズムをバックに、逆にスケールに準じたようなフレーズで16分音符の速いパッセージで奏でます。そして、CD Time=2:33からは、微妙なスケールアウトを使ったフレーズで、解りやすく、メロディアスでありながら独特のアーティキュレーションのあるラインを奏でます。

全体的にリズム隊の強力なビートが際立っています。特にデニス・チェンバースさんが前の曲とは違って、軽やかな中にも重さがあり、細かい小技が沢山詰まったプレイは凄いです!特にエンディング部分でのドラムソロや終りのスネア・タムなどを使ったロールなどは超強力ですね。

03:へヴン・ヒル
スローテンポの壮大なブルース風の曲。単にジャズやロックをルーツとしたギタリストとは違う、BBキングさんなどのブルースがルーツになっていることが良く解る演奏です。同じルーツを持つラリー・カールトンさんと似たフレーズがあるのが面白いですね。

CD Time=1:15のブルースの典型的なフレーズからCD Time=1:19のチョーキングニュアンス、そしてCD Time=1:22からのチョーキングのフレーズのニュアンスとピッキング、その他にもチョーキングからのスライドダウンや独特のタメもかなりブルージーです。

04:ソー・ユー・セイ
この曲は一転してメジャーなコード進行を持った明るいメロディラインの曲。イントロの部分のドラムのカウベルワークがファンキーでいい感じです。

テーマは和音を上手く取り入れたジョン・スコフィールドさんらしいフレーズで奏でられます。サビの部分がちょっと渡辺香津美さんの曲に似た雰囲気があり、ここでも和音でメロディを刻んでいきます。

ファーストソロのミッシェル・フォアマンさんのシンセソロは、音質的にもライン的にも曲調に良くあったファニーで明るいソロです。

それを受けてジョン・スコフィールドさんのソロは、ラインの基本は変わらないのですがここではナチュラルにギターを歪ませて、さらにオクターバーでエフェクトをかけてオクターブ下の音を重ねています。それが明るい感じを良く出していますね

05:ナウ・シーズ・ブロンド
ミディアムテンポで綺麗なメロディとコード進行の曲です。この曲のテーマ部分ではジョン・スコフィールドさんのハンマリングとその音をやや強めに弾いてアクセントを出す、と言う感じが良く解ります。

ソロは前半はアウトフレーズや”クネッ”としたフレーズは無くて、いたってメロディアスに奏でていきます。後半に入ると、CD Time=2:25でのダブルチョーキングをタメて入るタイミングの妙や、CD Time=2:48からのコードが綺麗に流れていく進行の部分でのメロディアスなラインを聴かせてくれます。特にソロの入り部分のスケールチェンジの見事さやCD Time=3:07のフレーズなどは本当に良く歌っています。

06:メイク・ミー
重いビートを持っているファンキーな曲です。この曲ではバッキングのギターが入っています。このカッティングがなかなかいいんです。これはハイラム・ブロックさん。こうやってカッティングが入るだけで随分とダンサブルになりますね。

ジョン・スコフィールドさんのソロはかなりファンキーで熱いソロを奏でています。
CD Time=1:54の切れのあるチョーキングからCD Time=1:59の16分音符の3連のダウンフレーズ、唸っているようなスライドを使用したフレーズから、さらにロック的なラインで締めるソロエンドの部分はかなり熱い!

07:ザ・ナグ
激しいドラムのビートとベースのスラップ。そしてブレイクを上手く使用してテーマが奏でられます。
サビの部分でその激しいリズムにギターとシンセのユニゾンが次第に激しく重なってきてサビの爽やかな感じのラインに突入します。この2つの部分のコントラストが面白いです。マイナーな部分とメジャーな部分のメリハリが効いています。

ジョン・スコフィールドさんのソロはクロマティックなラインを上手く使用して、スタートのフレーズからリズムにノッて速いパッセージを奏でます。基本的にワンコードの部分ですので、かなりいろいろなスケールなどを多用していてギターコピーをするには、アウトフレーズ&速いパッセージの参考にかなりなります。さらに付け加えると”カッコ良いはずし方”の格好の例になりますね。

また、ここはマイナーな部分とメジャーの部分が交互に出てくるコード進行です。ポイントは明るい部分をどうやって一貫したイメージで連続させてマイナーからメジャーへフレーズを繋げるか?と言う部分。言うまでもなく見事にジョン・スコフィールドさんは弾き抜けていきます。
1,2コーラス目では比較的マイナーとメジャーを解りやすく弾き分けていますが、3コーラス目からはマイナーな部分でもメジャーなラインを入れていきます。4コーラス目のドラムがサンバ的なリズムに換わる部分ではマイナーですが完全にメジャーフレーズで奏でて、逆にメジャーなコードに換わったところでマイナー的なフレーズを奏でます。
ワンコードと言う自由度があるのですが、それを発展させたユーモアとインスパイアの鋭さを感じるソロです。

08:タイム・マーチズ・オン
落ち着きのある曲調でコード進行も綺麗な流れを持っている曲です。
テーマらしいテーマと言うよりはジョン・スコフィールドさんがソロを奏でながら進行していきます。メロディアスに良く歌っているラインです。

CD Time=2:02からは珍しくオクターブ奏法を聴かせてくれます。また、CD Time=2:44の和音のタイミングが実にいいです。それに続いて再びオクターブ奏法。CD Time=3:10の和音もかなりアウトな音使いなんですが、これがまたいいタイミングで肝!だったりします。

ゲイリー・グレインジャーさんの今までイメージとは違うメロディアスで良く歌っているベースソロを挟んで盛り上がり、スネアの拍打ちのリズムと言うかなり意外な感じでスローダウンしていき、本当に電池が切れたように終わっていきます・・・。完全燃焼!と言う感じです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品の魅力のひとつに何と言って上げたいのがリズム隊。
特にデニス・チェンバースさんの強力で重く、かといって単に”荒くれ者”ではない繊細さも持っているプレイ。そしてその相棒としてスラップを中心に追従していくゲイリー・グレンジャーさんのプレイ。
この強力なリズム隊が生み出すビート感が実に凄いです。

そしてそのリズムにきっちりと乗って行くと言うよりは、”あくまでも俺流!”見たいな我の強さを感じる
ジョン・スコフィールドさんのプレイが良く合っています。

もっとダークで捉えどころのない作品と言うイメージがあったのですが、まったくそんな感じではなくて、逆にしっかりとしたコンセプトを感じた作品でした。

同時にジョン・スコフィールドさんのプレイも捉えどころのない・・・って想っていた部分がありましたが、メロディアスな部分、そしてブルージーな部分、さらにロック的な部分やジャズラインなど実に多用なプレイで、印象派は逆でした。

それらの、しっかりとしたフレーズを繋ぐ部分のアウトフレーズやチョーキングニュアンス、タイミングの絶妙な和音などが実に魅力的で、さらに何とも言えない独特の浮遊感を生み出しています。

この世界にハマルと多分抜け出せなくなる、言うなら媚薬の様なプレイ。
これはやばい!と想いました。
久しぶりに、CDラックの隅に忘れていた名盤を見つけた想いがしました。

(CD TOTALTIME:43:03 / Walking消費カロリー:173.61kcal)

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Blue MatterBlue Matter
John Scofield

曲名リスト
1. Blue Matter
2. Trim
3. Heaven Hill
4. So You Say
5. Now She's Blonde
6. Make Me
7. Nag
8. Time Marches On

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あとがき
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アイ・キャン・シー・ユア・ハウス・フロム・ヒア【2】/ジョン・スコフィールド&パット・メセニー  
I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HEAR/JOHN SCOFIELD-PAT METHENY

I Can See Your House from Here


先日の続きです。ジョン・スコフィールド&パット・メセニーアイ・キャン・シー・ユア・ハウス・フロム・ヒアの7曲目から11曲目です。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

07:セイ・ザ・ブラザーズ・ネーム
パット・メセニー さんの曲。軽いボッサ・リズムの、フォークテイストと言うかカントリーテイストと言うか・・・。とても懐かしいその感じはECM時代の パット・メセニー さんの世界かと。
ここでは、パット・メセニー さんがナチュラル・トーンのフルアコで ジョン・スコフィールド さんがスチール弦のアコギでのプレイです。

ファーストソロは ジョン・スコフィールド さん。
ボッサのリズムに乗って余裕のあるフレーズを展開しています。5曲目も同じくスチール弦のアコギでのプレイでしたがアコギだと全く別人の様なプレイですね。エレクトリックでのプレイは、私の様な凡人には理解不能なアウトフレーズやスケールが特徴的で耳が向くのですが、その部分のみではなくて、このアコギでのプレイのようにリリカルでメロディアスな部分こそを聴くべきミュージシャンなのかなと想いました。それくらい良いプレイです。そう言えば ジョン・スコフィールド さんが以前リリースしたアコギの作品は聴いていないのですが、この感じからするとかなり良さそうです。

続いて パット・メセニー さんのソロ。
このような曲調の場合には前半はリリカルに弾いて後半は得意のフレーズでやや速いパッセージを弾きそうなんですが、ここでの演奏はけっこう速いフレーズを押さえてあくまでもメロディアスに奏でています。これは想うに ジョン・スコフィールド さんのソロを受けてのことだと想います。それでも、我慢できずと言うか、ここぞ!と言うところでCD Time=4:00のカウンター的なフレーズ。リフレインのフレーズですが、そのアーティキュレーションの妙で印象的な部分になっています。

このトラックは曲も良いのですが演奏もかなり良いです。特に ジョン・スコフィールド さんのプレイは、ソロは先ほど書いた通りですが、バッキングにおいても一聴の価値があると想います。

08:S.C.O
複雑に変化していくコード進行に、複雑でリズムのとり難いメロディが乗っている パット・メセニー さんの曲です。

ファーストソロは ジョン・スコフィールド さん。
3/4拍子にのって時にアウトしながらも、メロディアスなフレーズを奏でています。複雑なコード進行のコード特徴を捉えたソロになっています。コードごとにフレーズを組み立てて、そのジョイントをアウトフレーズで繋ぐようなイメージでしょうか。それでも全体の雰囲気と香りに一貫したものがあるのは流石だと想います。

そしてドラムの スティーヴ・スワロウ さんのソロを挟んで パット・メセニー さんのソロ。
ジョン・スコフィールド さんのソロとは若干違って、全体を大きな流れで捉えているようで、フレーズも、コード進行の複雑を全く感じさせないラインです。速いパッセージが連続していて見事な流れを創り出しています。
このような複雑なコード進行でのソロは、やはり創った人の方が弾きやすいはずですよね。

09:クワイエット・ライジング
マイナーバラードです。2人がテーマをクリアなトーンで奏でていきますが、それぞれのアーティキュレーションの微妙な違いがショート・ディレイのように呼応していて雰囲気を盛り上げると同時に、メロディに広がりを与えています。

2人ともマイナーな雰囲気を捉えたダークなソロを展開しています。
このユニットはギター2台とドラム、ベースですので、当然1人がソロをしているときには、キーボードが入っているユニットと比べると広がりとコード感が弱くなりがちです。
でも、ソロのバックはまるでそれを感じさせない広がり感と抜群のコード感が漂っています。まるでシンセが鳴っているような錯覚さえ感じて、逆に2人のソロラインに集中できます。これはバッキングのギターが共に絶妙なコードワークを奏でているためだと想います。

10:クワイエット・ライジング
この曲は軽快な4ビート。曲調的には丁度2人の中間のような感じ。どちらが創ったとも言える様な世界観が広がっていますが、これは ジョン・スコフィールド さんの曲。2人の音楽的バックボーンの共通性を聴く想いがしますね。また4ビートの曲ですので、ソロでの2人の共通性も良く解ります。今まで何度となく書きましたが本当に良く似ています。特にこの曲で顕著にそれが解りますね。

このソロでの ジョン・スコフィールド さんは、上昇フレーズに際立つものを感じます。
CD Time=044でまずは軽く上昇フレーズを”かまし”ます。CD Time=0:58では上昇フレーズの頂点から少し高い音にアクセントをつけて引っ掛けるようなフレーズ、CD Time=1:22は絶妙なアウトトーンを選択しながらも上昇していき、そして静かに下降するフレーズ、CD Time=1:36からは上昇フレーズではないのですが、絶妙で良く理解出来ない音の選択から、CD Time=1:43の音があちらこちら、高低に飛ぶフレーズ。これは肝!です。CD Time=2:10からがまさに ジョン・スコ節 で、上昇フレーズから派生したアウトフレーズを組み込みながらも、鋭い流れのパフォーマンスを展開しています。

続くのは パット・メセニー さんのソロです。
パット・メセニー さんは特徴的であるクロマティックに下降するフレーズを中心に奏でます。
CD Time=2:53はいきなりのメセニー流、アウト音飛びフレーズでかなりトリッキーに聴かせてくれます。CD Time=3:00はいつものクロマッティクに下降していくライン。そしてそのまま少し上昇ラインを奏でるのですが、この上がり方を聴くと、ジョン・スコフィールド さんとの違いが良く解ります。
CD Time=3:11からの下降ラインはクロマッティクでは無くて独特のプリングと言うテクニックを使用してそれを連続しながらアウトな音を時々挟んで下降していくフレーズ。CD Time=3:26でもクロマティックな下降フレーズは冴えています。
CD Time=3:40からは上がったり下がったりしながらの浮遊感のあるフレーズから、CD Time=3:44の同じ音を16分音符で2回づつ繰り返しながら上がっていくフレーズに繋いでいます。これは肝!です。

4ビートだからこそ、2人の共通性を聴くことが出来ると同時に、その違いも感じることが出来るトラックになっています。2人のフレーズに共通している”大きな浮遊感”を堪能できます。

11:ユー・スピーク・マイ・ランゲージ
この曲は ジョン・スコフィールド さんの書いた4ビート・ブルース。かなりストレートなブルースですので、コード進行はもちろんブルース進行。

2人のソロは パット・メセニー さんが比較的と言うか、ストレートに メセニー節 で攻めます。
ライン的には流れるようなラインで、先ほどのクロマティックな下降フレーズも連発しています。良く聴いている メセニー節 で、流れといい、フレーズといい実に見事ですね。

そして ジョン・スコフィールド さんは、私が今まで聴いたことがある中で感じている ジョン・スコ節
合っているか合っていないか、微妙な中にも抜群にいい雰囲気の和音を挟みながらフレーズを展開しています。前の曲とは全く違うフレーズと雰囲気。まさにジョン・スコ・ワールド炸裂と言う感じがします。

その後 ビル・スチュワート さんのソロがありますが、ソロの最後CD Time=4:55から重なって始まる パット・メセニー さんのラインから ジョン・スコフィールド さんとの掛け合いが始まります。

2小節づつの掛け合いなんですが、主導は パット・メセニー さん。先にフレーズを奏でてそれを追うように ジョン・スコフィールド さんが奏でます。
CD Time=5:35から1小節づつに替わり、そして最後の方は音が重なって波のようにうねっていきます。その盛り上がったままテーマに戻ってストレートなブルースのエンディングと共に作品もエンディングです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

何回も書きましたが、とにかく似ている2人。
パット・メセニー さんは歪み系の音を、特にジョン・スコ・ワールドの香りがする曲で積極的に使用しています。
これは、曲の持っている雰囲気を出す為、言うならば ジョン・スコフィールド さんへのリスペクト・・・。
フレーズとしてはお馴染みのメセニー節の中に、ジョン・スコフィールド さんにインスパイアされたようなフレーズを挟みながら展開しています。

ジョン・スコフィールド さんは、私が聴いたことのある数少ない作品でのイメージが
作曲した曲調には良く出ているのですが、プレイに表れているのがけっこう少ないと言う印象です。
しかし、ジョン・スコフィールドさんを良く聴く方にとっては多分そのものと言うフレーズが連発しているのでしょう。逆に、あまり聴かないために、こんなプレイが出来るのか!と言う部分が多かったのが実際です。
何故にそんなに聴いていないかと言うと、特別な意味や理由は無いんです。
あえて言うならばタイミングと言うか・・・。買ったりする機会がいつも外れてしまうと言うか・・・。
これだけ似ているのであれば、多分聴き込むとパット・メセニー さんと同じくらいにのめり込みそうな気がします。
まあ、演奏する曲調の好き嫌いはあると想いますが、少なくても、4ビートでのプレイやアコギでのプレイに関しては相当いいのではないかと想います。

パット・メセニー さんはお馴染みでいつも通りの感動を
ジョン・スコフィールド さんは持っている作品を聴き直して見たいと言う興味が沸いた・・・
そんな作品でした。

だた、作品をトータルとして聴いてみると、淡々と皆がプレイをしていて、例えばジャズコンボやグループ、ライヴ盤などにある緊張感みたいなものをあまり感じることが出来ませんでした。
2人のギターの絡みやインタープレイなどはほとんどなくて、
その意味では大人しい作品で優等生的。
ジャズ的なテンションに期待して聴くと肩透かしを食らう感じがします。

しかしギターが好きで、なお且つ2人のどちらかでも好きな方にとっては
2人が織り成す浮遊感のあるフレーズの嵐にノックアウトされることは確かです。

(CD TOTALTIME:69:44 / Walking消費カロリー:280.33kcal)

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I Can See Your House from HereI Can See Your House from Here
John Scofield Pat Metheny

曲名リスト
1. I Can See Your House from Here
2. Red One
3. No Matter What
4. Everybody's Party
5. Message to a Friend
6. No Way Jose
7. Say the Brother's Name
8. S.C.O.
9. Quiet Rising
10. One Way to Be
11. You Speak My Language

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アイ・キャン・シー・ユア・ハウス・フロム・ヒア【1】/ジョン・スコフィールド&パット・メセニー 
I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HEAR/JOHN SCOFIELD-PAT METHENY

I Can See Your House from Here

そろそろ街では、クリスマスやお正月のムードが少しづつ漂って来ました。午前中はやや雲りで今にも雪が降ってきそうな寒さがありましたが、夕方はいくぶん暖かいような感じになったのでwalkingに出掛けました。と言うことでジョン・スコフィールド&パット・メセニーアイ・キャン・シー・ユア・ハウス・フロム・ヒアwalkingです・・・。


これは、ジャズ界の大御所2人が組んだ作品として1994年にリリースされた作品です。当時の期待は物凄いものがあってリリースを本当に心待ちしていました。そして最初に聴いた時はかなり興奮したのを想い出します。久しぶりに通して聴きましたが、その興奮は蘇ったのでしょうか・・・。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:アイ・キャン・シー・ユア・ハウス・フロム・ヒア
ベースが2拍で進んで行く、いわゆるハーフノートの曲。独特のブルージーな曲調を聴いた瞬間にジョン・スコフィールドさんの世界がいきなり広がります。

ファーストソロはパット・メセニーさん。
ソロが始まって一瞬『このソロはどっちだったっけ?』と迷うくらい音の使いかたやフレーズがよく似ています。CD Time=2:10くらいから段々とパット・メセニーさんの得意フレーズが出始めて、CD Time=2:41からのフレーズではそれが確信に変わります。ジョン・スコフィールドさんの曲ですので、このソロはジョン・スコ・ワールドパット・メセニーさんが乱入したと言う感じのプレイですね。

そして、テーマを挟んでジョン・スコフィールドさんのソロ。
実はジョン・スコフィールドさんの作品は数枚しか持っていません。ですからどうしてもパット・メセニーさん側から見てどうか?と言うような感覚があって申し訳ないのですが・・・。その意味で、本当にパット・メセニーさんに似ています。特にスローな、音数の少ないフレーズでの音の選択や速いパッセージの入り方などは、ちょっと聴き分けるもの難しいくらいですね。
この共通点の他に、今回聴いてみて想ったのが、が似ていると言うことです。特にこの曲のように、ワンコードで進み、しかもフリー的なソロの場合には、自分のタイミングでブレイクを入れます。そのフレーズから次のフレーズへ入る時のが同じようなタイミングを持っていると想いました。

02:ザ・レッド・ワン
1曲目がジョン・スコ・ワールドとするとこの曲はメセニー・ワールド。ロックテイストを持っている曲ですが、特に印象的なCD Time=0:37からの部分はF♯sus4をジャーン♪と鳴らしてペンタトニックと言うスケールを使用したメロディで奏でます。いかにも!って言う感じの、物凄くベタなラインです。しかし、そうなっていず、むしろカッコ良く聴こえるのは2人のアーティキュレーションの成せる技でしょうか。

ファーストソロはジョン・スコフィールドさん。
このメセニー・ワールドをどう処理するのか!と期待してスタートを聴いてみると、意外にストレートなロックフレーズで入ってきます。ところがCD Time=0:53のまさにジョン・スコ的和音をロックフレーズに繋げてワンポイント、インパクトを与えてくれるフレーズ展開は見事です。その後はロックフレーズと言うよりはかなりブルージーにジャズラインを刻みます。
そしてこの曲のソロのポイントになるのが、先ほどの部分ほどベタではありませんがE7が長く続く部分。ここでどう展開するかがこの曲のソロの聴き所でもあります。
1回目のCD Time=1:04は、コードのベース音であるE=ミの音をギターの1弦の解放で鳴らしながらフレーズを重ねる、ちょっとカントリーテイストのラインを中心に弾き抜けます。ちなみにこのバッキングでのパット・メセニーさんのトレモロ・アームが効果的ですね。
2回目のCD Time=1:39は高い音でのフレーズと低い音でのフレーズをこだまのように呼応させたフレーズからハーモニクスを使用したロックフレーズを奏でます。

先ほどのベタなラインのブリッジからパット・メセニーさんのソロ。
いきなりの駆け上がりライン。しかもギターシンセ。このスタート部分、おっ!来たか!と言う感じでまさに肝!です。ソロラインはメセニー節で、ジョン・スコフィールドさんとは対照的な感じのラインです。
そして、1回目のポイントであるCD Time=2:23は、いわゆる何処をどう取ってもメセニー!と言う感じのメセニー節で弾き抜けます。実はこの部分はE7が連続するのですが最後の2小節はCmaj7/Eと言う分数コードになっています。テーマの部分を聴いて見ると少し最後が展開しているのが解ると想います。
ジョン・スコフィールドさんのソロでは、この部分のコード感がはっきりと解り難いフレーズになっていました。つまり、あまり意識しないでE7で弾き切ったという感じです。しかしパット・メセニーさんの場合は、この部分をしっかりと意識したフレーズになっていて、その前のCD Time=2:28の上昇フレーズから実にスムーズにこの部分へ繋いでいます。まあ、ジョン・スコフィールドさんもこの部分でしっかりバッキングをしていると言うのもありますが。その分ラッキーだったかも知れませんね。
2回目のCD Time=2:58はジョン・スコフィールドさんの1回目と同じように、1弦の解放のE=ミの音をずっと鳴らしてフレーズを弾いています。そして1回目に比べるとよりコード感を出した分数コードの部分へ突入して弾き抜けます。
また、このソロのバックでのジョン・スコフィールドさんのバッキングも聴きところです。

03:ノー・マター・ホワット
ミディアムテンポの3/4拍子の曲です。お互いにクリアトーンで静かに、美しくメロディを奏でていきます。
パット・メセニーさん、ジョン・スコフィールドさんのソロは、それぞれのメロウな部分を聴くことが出来ます。音にもお互い特徴があって、今までの曲は、お互いの世界をお互いにリスペクトした様なフレーズ展開でしたが、このようなジャズ的でシンプルな曲では個性が良く出ますね。
パット・メセニーさんの音はいつも通りのリヴァーヴを強めに効かせたクリアトーンでソロ。
そしてジョン・スコフィールドさんは歪みが丁度掛るか掛らないかぐらいの絶妙なトーンでソロ。
また、そのソロにインプロヴァイズされたお互いのバッキングプレイも聴き所です。

そしてもっと聴き所がベースのビル・スチュワートさんのソロ。
まるでギターの様なクリアでまろやかな音で優しいラインを刻んでいきます。

04:エヴリバディズ・パーティー
ベースラインが印象的なソウルフルなジャズファンク・ナンバーです。ドラムのスティーヴ・スワロウさんのスネアワークが絶妙なビート感を出しています。

ファーストソロはジョン・スコフィールドさん。
単純なコード進行ですので、いかにいろいろなスケールを組み合わせてラインを奏でていくかと言うのがポイントになります。まさに、アウトフレーズが連発していて、私では何のスケールを使用しているかも解りませんね。とにかく気持ちの良いアウトフレーズです。

それを受けてパット・メセニーさんのソロ。
これもジョン・スコ・ワールドに入って、フレーズ的にはかなりインスパイアされていて、メセニー節と言うよりはジョン・スコ節的。この臨機応変な柔軟性はセッションワークの賜物と言う感じがします。

そしてスティーヴ・スワロウさんのソロ。
淡々とビル・スチュワートさんが同じラインを刻むバックで、今までのノリをそのままにしたソロを展開しています。

05:メッセージ・トゥ・マイ・フレンド
パット・メセニーさんらしいアコースティックなバラードです。パット・メセニーさんがナイロン弦のアコギ。そしてジョン・スコフィールドさんがスチール弦のアコギです。

ファーストソロはジョン・スコフィールドさん。
アウトフレーズもほとんど無く、そして速いパッセージも無く、とにかくリリカルにメロディアスに奏でています。ピックコントロールが見事で、単純なフレーズに色を添えています。

そしてパット・メセニーさん。
ジョン・スコフィールドさんよりは音数が多いのですが、メロディアスさにおいてはもちろん互角です。

この曲のテーマ部分はジョン・スコフィールドさんが単音でメロディを奏でているのですが、パット・メセニーさんは和音を入れながら奏でています。相変わらず和音の部分とメロディの部分の分離と音の大きさのバランスが凄いです。メロディだけが際立って聴こえて、まるでもう1人ギターがいるような感じさえします。また、このパット・メセニーさんの演奏をより効果的にする意味でジョン・スコフィールドさんの、あえて単音で弾く、と言う選択も見事ですね。

06:ノー・ウェイ・ホセ
3人のユニゾンでのテーマにドラムが絡んでいく曲。サビの部分が少しファニーな感じでなかなか面白いです。
ソロの部分はワンコードでまさに2人のボキャブラリーとジャズセンスがわかるソロです。
ただ漫然と弾くのではそれこそアマですので、ワンコードのなかで、いかに仮想コードを想定しながらフレーズを展開するか、またノンコード的なフレーズを展開するか、トリッキーな奏法を展開するか、マンネリではなくソロの構成を組み立てていくか、そしていかに自分の感覚を鋭く出していくかなどなど・・・。聴き所はたくさんあります。
ここは黙ってただただ音を追いかけて見てください。見事なソロを2人とも展開しています。
個人的にはパット・メセニーさんの『ひとりジョン・スコ対メセニー』みたいな音の切り替えとフレーズの切り替えは、あまりにもトリッキーで肝!です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

考えてみたら、パット・メセニーさんもジョン・スコフィールドさんもソロを弾きまくっています。
ですから、これを1回のレビューでまとめてしまうのにはちょっと無理がありました。
またまた長くなってしまいましたので
あとの07~11は次回に・・・。

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I Can See Your House from HereI Can See Your House from Here
John Scofield Pat Metheny

曲名リスト
1. I Can See Your House from Here
2. Red One
3. No Matter What
4. Everybody's Party
5. Message to a Friend
6. No Way Jose
7. Say the Brother's Name
8. S.C.O.
9. Quiet Rising
10. One Way to Be
11. You Speak My Language

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あとがき
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