ストラップハンギン/ブレッカー・ブラザーズ
STRAPHANGIN'/THE BRECKER BROS.
だいぶ爽やかな気候になってきました。陽射しも強くなく、どちらかと言うと心地よい感じ。運動には最適な季節です。と言うことで今日はブレッカー・ブラザーズのストラップハンギンでwalkingしました・・・。
ブレッカー・ブラザーズの6作目で1981年録音の作品です。この作品を最後に一端活動を休止するわけですが、ライナーノーツを読むと、すでにこのユニットの終末を決めていたようで、どうせ最後なら今までしていなかったアンサンブル重視のグループサウンドに・・・と言うコンセプトのもとに創った作品と言うことのようです。
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01:ストラップハンギン
マーチング風のイントロダクション。最初マイケル・ブレッカーさんがテーマを奏で、2コーラス目ではランディ・ブレッカーさんが前半を吹き、そのバックではマイケル・ブレッカーさんがロングトーンで対旋律。
そして後半はマイケル・ブレッカーさんが再びテーマでランディ・ブレッカーさんがハーモニーをつける・・・。
短いテーマの中で実に華麗な2管のアンサンブルを聴く事が出来ます。
そしてマイケル・ブレッカーさんの”これから行くぜ!”と言うような、ちょっとしたフレーズに続いて3拍目のスネアの“ひと叩き”。そして印象的なユニゾンからファンクっぽい少し跳ねたリズムへ・・・。この流れ・・・すでに肝!です。
ドラムが大きなノリで8ビートを少し跳ねたリズムで刻んで行きます。そこにギターとシンセがクリアトーンで16分音符のスタッカートでコード進行を刻みます。更にベースとギターのユニゾンで1、2拍目を中心とした細かいラインを奏でます。
この3つの流れは8小節ワンパターンで進み、それぞれは独立して進んで行きますが、流れが重なる4小節目や6小節目の3、4拍目では強烈なグルーヴが生まれています。
そしてテーマはもちろんブラザーズのユニゾン。テーマのメロディが入ると更にもうひとつの流れが生まれて、さらにメロディのリズムがバックと絡んで行きます。
実に見事なアレンジとアンサンブルです。この最初の部分を聴いただけで、この作品のコンセプトである“アンサンブル重視のグループサウンド”が炸裂しています!
ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
ソロのパターンは静かで優しい感じのバッキングとマーカス・ミラーさんのスラップが効いているファンキーな部分を繰り返して行きます。
当然マイケル・ブレッカーさんのソロもそのバックに上手く合わせて、静かな部分ではコード進行を捉えたジャズ的なフレーズで、ファンキーな部分ではややラウドな雄叫び風のフレーズを展開しています。2つのバックパターンをそれぞれに合った雰囲気で奏でているにも関わらず、実に自然で流れるようにソロが連続して行くところはすごいですね。
またつい速いパッセージに耳が行くのですが、個人的に好きなのは最初のワンコーラス目、CD Time=2:18からのフレーズ。コードトーンを的確に捉えつつ、実にメロディアスで優しさに満ちているフレーズです。多くを語らなくてもマイケル・ブレッカーさんのオーラをバンバン感じるのですが・・・。
次ぎはランディ・ブレッカーさん。
マイケル・ブレッカーさんと基本的に同じ様に、2つのパターンを吹き分けているのですが、特に静かな部分でのラインは綺麗で流れるようなラインです。少しテンポをずらし気味に16分音符のラインを吹くところは何とも言えない味があります。
ランディ・ブレッカーさんのソロをスッと持っていくようにマイケル・ブレッカーさんがサビのメロディに戻ります。そしてエンディグに再びイントロのマーチング風のパターンへ。最後に鐘の音の様な、半鐘の様な音が数発鳴って終わります・・・。
全体を通して見事なアレンジとアンサンブルで、全てが計算されていると言う感じがします。しかし、その中にもインプロビゼーションでの即興性や各ミュージシャンの小技など、盛りだくさんで、8分強の曲なんですが、全く飽きない名曲、名演、そして完成度だと想います。
02:スリーサム
大きなノリの3/4拍子の曲です。コード進行が印象的で明るいメジャーな曲かと想いきや、不穏なコードを間に挟んでいたり・・・。メジャーなのかマイナーなのか不安定な感じですがそれが逆に良い感じです。
ファーストソロはランディ・ブレッカーさん。
ミュートを使用したソロがなかなかグルービーで良いです。その後のマイケル・ブレッカーさんも負けずにブルージーなソロを展開しています。
03:バスシバ
これから始まる!と言うような感じが伝わってくるイントロダクションからスタートです。1曲目のストラップハンギンもそうだったのですが、このようにイントロダクションをつけるとその後の曲の展開がドラマティックにスタートして効果的ですね。
ドラムのリッチー・モラレスさんのタムの流しからサンバ調のリズムで曲が進んでいきます。左チャンネルのコンガと右チャンネルのカウベルが更にスピード感を増幅させていますね。パーカッションのクレジットが無いので誰が演奏しているか解りませんが・・・。
ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
リズムに乗って速い16分音符で、たたみ掛ける様にフレーズを奏でていきます。マイケル・ブレッカーさんの速いパッセージの中にある華麗なメロディラインとコード進行に巧みに従った絶妙なトーン選択を味わえるソロです。
次ぎはシンセのソロ。
マーク・グレイさんのソロと言うことになるのでしょうか?クレジットが無いので良く解りませんが、フレーズはなかなかのラインを奏でています。
その後でパーカッションとドラムのリフが入ってテーマに戻ります。
また、この曲でのマーカス・ミラーさんのラテンラインも絶妙にグルーブを出しています。ベーシックな部分はもちろんなんですが、テーマの頭の部分のみをユニゾンで弾くアイデアはかなり肝!です。
04:ジャックナイフ
シンセベースとマーカス・ミラーさんのベースラインのユニゾンが特徴的なファンクテイストのナンバーです。ギターのカッティングが歯切れ良く響いています。ギターはバリー・フィナティーさん。この曲ではテーマ部分もギターでユニゾンしています。
ファーストソロはランディ・ブレッカーさん。
途中4ビートになるのですが、個人的にはあまり聴き慣れていないマーカス・ミラーさんのランニング・ベースをバックにジャズテイストのソロを奏でていきます。
そしてマイケル・ブレッカーさんのソロ。
CD Time=3:54でマーカス・ミラーさんの細かいバッキングとマイケル・ブレッカーさんの細かいフレーズが絶妙に絡み合っているところや、CD Time=4:34の6連符の連続からそのまま4ビートパターンへ突入するところは、言葉に出来ないほどカッコ良い!まさに肝!です。
05:ホワイ・キャント・アイ・ビー・ゼア
全体の中でも何かほっと緊張感がとけるミディアムテンポの柔らかい曲です。ブラザーズのテーマは良く練られたハーモニーで綺麗ですね。
ランディ・ブレッカーさんのソロは、ゆったりとした暖かい感じのフレーズで前半は展開していきますが、途中マーナーコードで展開されるパターンの部分では、単にのんびりしているだけではなく緊張感のあるソロを展開して聴き所を創ります。
06:ノット・エチオピア
ラテンテイストでアップテンポの曲。前の曲はブラザーズとギターのユニゾンでしたが、この曲はマーク・グレイさんのアコースティック・ピアノとのユニゾンで、細かい譜割でテーマを奏でています。
ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
スタートこそゆったりと、マーカス・ミラーさんと掛け合うように進んでいきますが、それもつかの間、次第に熱くなっていきます。CD Time=1:46でのポリリズム的な得意フレーズが飛び出し始めるともう止められません。マイケル節大爆発です!
特に好きなのはCD Time=2:05から。少し跳ねたリズムをバックに細かいスタッカートのフレーズを挟みながら流れるフレーズを展開していく様子は、タンギングの上手さについ聴き入ってしまいます。この作品でのマイケル・ベストプレイだと個人的には想います。
続いてはマーカス・ミラーさんのソロ。
マーカス・ミラーさんと言えばスラップと言うイメージが強烈なんですが、このソロはピチカートです。どのようなスタイルでもこなしてしまう起用さの中にも、センスの良さを感じます。
続いてランディ・ブレッカーさんのソロ。
細かい音がコロコロと転がっていく様な気持ちの良いフレーズです。ペット特有の高音も綺麗な音です。
このソロのに重ねてマイケル・ブレッカーさんがサビに戻るのですが、この部分でこの作品での唯一とも言える”濁り”を感じてしまいます。
少しマイケル・ブレッカーさんの入りが変な感じですね。またランディ・ブレッカーさんのソロエンドのフレーズも少し慌てた?感じでしょうか。
ライヴ感があると言えば、そうなんですが、個人的には、これだけ計算された作品にしてはちょっと・・・って想ってしまいます。このようにテーマに戻るところはバッチリ決めて欲しかったですし、また決めるべきコンセプトの作品だと想うのですが。ストラップハンギンは見事なテーマ戻りなんですけど・・・。まあアドリブの出来を優先した結果だとは想いますが・・・細かいことですね。
07:スプレッドイーグル
スローテンポのブルースフィーリングの曲です。ブラザーズのテーマが”絶妙”と”微妙”の境の様なハーモニーです。サッと聴き流すと気にならないのですが、よく聴くとやはり微妙?でも計算されたこのハーモニーはもっと突っ込んで聴くとある種のトリップ状態になりそうな、クセになりそうな、そんな不思議な魔力がありますね。さらにそれに輪をかけているのがマーカス・ミラーさんのスラーを使用したベースラインです。
ここではギターのバリー・フィナティーさんが長尺のソロを取っています。
ロック・ブルーステイストのフレーズが中心ですが、途中のパターンが変わるところのコード進行では、ラリー・カールトンさんのテイストを感じるようなメロディアスなラインを奏でています。
曲は不思議なハーモニーから出るその”魔力”を吐きながらフェードアウトしていきます・・・。
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実は、マイケル・ブレッカーさんは好きですが、ブレッカー・ブラザーズ自体はそんなに聴かない方です。特別な理由はないのですが・・・。それでもこの作品は本当に愛聴しています。
作品のコンセプトが十分に伝わって来るし、またコンセプト通りの仕上がりになっていて、ソロやアレンジ、楽曲、そして全体の演奏のバランスが良く、完成度の非常高い作品だと想います。
この作品を最後にとりあえずブレッカー・ブラザーズは解散的な形に一端なりますが、最後の最後に、このグループとしてのまとまったサウンドと暗黙の了解とも取れる見事なアンサンブルを見せ付ける辺りは、やはりブラザーズと言う“血”のつながりの成せる技でしょうか。
(CD TOTALTIME:42:42 / Walking消費カロリー:171.65kcal
walkingには・・・バスシバでかなり速足でwalkingするとノリノリですが・・・疲れます。)
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