Walking de Music

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このブログは、ウォーキングをしながら聴いたジャズ・フュージョン・CDのレビューを中心としたブログです。個人的に想い付くままに綴っています。

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増尾好秋

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セイリング・ワンダー/増尾好秋 【2】

セイリング・ワンダー

増尾好秋さんのセイリング・ワンダーのTrack05から先日の続きのレビューです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

05:カーク船長
ファンファーレ的と言うか出航の為のイントロダクション的なシンセから、雨の音のようなSEが左から右に流れると、それを裂くようにT.Mスティーヴンスさんのベースの激しいリフ。続いてギターとのユニゾン・・・。そのまま、増尾好秋さんの短いソロに入っていきます。
フュージョンらしい攻撃的なサウンドのこの曲はテーマらしいテーマが無く、短いユニゾンの部分を介して増尾好秋さんのソロが続いていきます。

ここでの増尾好秋さんは歪んだギターの音でフレーズをドライヴさせています。また、この曲はT.Mスティーヴンスさんのベースが強烈で、やはり曲をグイグイと牽引していきます。


06:クラッカー・ジャック
増尾好秋さんのカウントからゆったりとしたファンクビートで奏でられていく曲です。
とにかくビートがグルービーで抜群の乗りがあります。ドラムのスティーヴ・ガッドさんの重い2拍4拍のアクセントにT.Mスティーヴンスさんの細かいパッセージを挟んだフレーズ。そして、右チャンネルのエリック・ゲイルさんのカッティングに左チャンネルのリチャード・ティーさんのクラビのバッキング。
その強烈なリズムに乗ってクリアトーンでややファニーな中にも、綺麗なサビメロのテーマを増尾好秋さんが奏でていきます。

ギターソロは少し特殊な音。ライナーノーツからギターシンセを使用しているようです。種類等は良く解りませんが、音としてはワウがきつく掛っているような感じの音。細かいフレーズにもクリアに追従していますので、当時としてはかなりクオリティの高いものだった言えるのではないでしょうか。フレーズも丁寧に音を選択していてメロディアスな展開で聴かせてくれます。


07:豪風(ロリンズに捧ぐ)
T.Mスティーヴンスさんの印象的なラテン調のベースラインからスタートする曲。タイトルらしい激しい風のような雰囲気が伝わります。サブタイトルのロリンズは、ご存知ソニー・ロリンズさんのこと。
先日レビューをしたMASUOライヴ(*)でも、エンディング曲として怒涛の演奏がありますが、それよりはいくぶんかスマートな感じのテイクに仕上がっています。

テーマはナチュラルに歪んだ音でこれまた印象的なメロディを奏でていきます。ギター弾きが好みそうなメロディで、想わずコピーをしたくなるラインを持っています。

最初のテーマ部分はセンターにメロディが定位していますが、サビの部分でセンターが休み、左右のギターに変わります。ここでも、一貫した3ポイントのトライアングルギターを聴くことができます。

このサビのメロディですが、5音で出来たフレーズをわずかのブレイクを創りながら連続していく、と言うラインなんですが、良く聴くとそのブレイクの部分にB=「シ」の音がアクセントとして入っています。この音はギターで言う2弦の解放の音で、ワンフレーズごとに解放の音を鳴らしていると言うフレーズです。
簡単そうに聴こえるのですが、ちょっとコピーをしてみたらタイミングが実に難しい。しかもさり気無く解放弦の音を入れるのはさらに難易度を増しています。弾いているとちょっとグッとくるギタリスト好みのフレーズに想わず肝!ですね。

とにかくドラムのアル・マックさんとベースのT.Mスティーヴンスさんのバッキングリズムが強力。その上、両方ともにセンターに定位しているので、モノラル的にごちゃっとしているのですが豪風と言うタイトルに相応しい荒々しさを醸し出しています。

そのリズムに乗って増尾好秋さんはハードに攻めるソロを展開します。それでも、やはりナチュラル。無理なフレーズは無くてシンプルなラインを奏でていきます。

そんな豪風の中、海をテーマにしたこの作品はエンディングをむかえていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『海が見たくなった・・・』

海をひとつのテーマにして全体を構成しているのですが、前半はやや緩やかなリゾート気分で爽やかさが漂うサウンドなのに対して、後半はやや荒波の激しい海の表情を捉えています。
個人的には、最後に激しい豪風でエンディングではなくて4曲目の自然への賛歌あたりで爽やかさを持って終わった方が全体の構成としてはより好みだったと言えます。激しい航海で終わっていて、最後は無事に帰路についたのか?などと言う余計な心配もしたりしてしまいますので・・・。

増尾好秋さんのギタープレイは、超絶な速弾きや凝ったフレーズ展開はあまりなく、いたって解りやすくシンプル。先ほどからそれをナチュラルと言わせていただいていますが、まさにそんな言葉が似合います。

この作品にも参加しているエリック・ゲイルさんのことを良く、『ヘタウマギタリスト』などと言ったりしますが、増尾好秋さんもどちらかと言うとそんな感じでしょうか。
決して技巧派ではないのですが、それでもフレーズの素直さなどはアマチュアも参考にするところが大きいと想います。
まさにそれは心からナチュラルに出た1音の重みとでも言ったら良いでしょうか・・・。

この作品は、聴くと言うよりは、感じると言う作品で、ただ音に身をゆだねていくのが一番いい感じ・・・。
目の前に夏の景色が広がって来たら、気分はリゾート。
やっぱり、海が見たくなった・・・。

(CD TOTALTIME:37:37/ Walking消費カロリー:153.48kcal)

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セイリング・ワンダーセイリング・ワンダー
増尾好秋

曲名リスト
1. セイリング・ワンダー
2. トレジャー・アイランド
3. シューティン・ザ・ブリーズ
4. 自然への讃歌
5. カーク船長
6. クラッカー・ジャック
7. 豪風(ロリンズに捧ぐ)

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Masuo ライブMasuo ライブ
増尾好秋

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あとがき
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セイリング・ワンダー/増尾好秋 【1】

セイリング・ワンダー

今日は大変暑く、まさにリゾート的な穏やかさの中でwalkingをしました。と言うことで増尾好秋さんのセイリング・ワンダーwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1978年のリリース。増尾好秋さんのリーダー作としては4作目にあたるのですが、フュージョンサウンドを全面に出したものとしては最初の作品になります。
先日もMASUOライヴ(*)のレビューで書きましたが、この作品はあのハードで熱いライヴ盤の後に聴いた作品となります。当時はそのあまりにも大きいギャップに戸惑ったのですが、結局それが、増尾好秋さんの作品が個人的にお蔵に入ってしまった理由にもなっていましたが・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『海が見たくなった・・・』

少々センチメンタルな感傷に浸ってしまうくらい、とにかく爽やかなサウンドです。
この作品はタイトルからもお解かりだと想いますが、海をひとつのコンセプトにして全曲が仕上げられています。聴いていると想わずリゾートに行きたくなります。上手くその雰囲気を出していて、見事な統一感がある作品になっています。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:セイリング・ワンダー
とても涼しそうな波のSEからスタートします。しばらくするとピアノの何とも言えない爽やかなリフがスタートします。このピアノのリフのポイントは左手のベースライン。このラインが既に肝!
ちなみにこの作品では、今をときめくフュージョン界の凄腕ミュージシャンがたくさん参加しています。この曲は、鍵盤だけでも、デイヴ・グルーシンさん、リチャード・ティーさん、そしてマイク・ノックさんの3人が参加しています。ライナーノーツからするとこの心地よいピアノのリフはリチャード・ティーさんのプレイだと想われます。

テーマは増尾好秋さんのクリアトーンで優しく奏でられていきます。
ここで使用しているギターは増尾好秋さんのHP(http://www.ymasuo.com/top.htm)にインタビューがありましたが、ギブソンのレスポールのようです。

ここでのテーマは何故か右チャンネルに定位しています。左チャンネルにはピアノがイントロのパターンを刻んでいます。流れるようなリズムの中でのプイレです。
でも、何故に右チャンネルにてテーマなの?
と想っていると、入ってきました!左チャンネルでも増尾好秋さんのテーマが重なっている部分があります。さらに、その中心、つまりセンターで歯切れの良いカッティングが聴こえます。このプレイはエリック・ゲイルさん。

実はこのギターの定位がこの作品のひとつの特徴になっていて、ギターがセンターでメロディが基本なんですが、左右に振られている部分があります。この3ポイントでのギターを中心にして創られています。ですから物凄くギターがフュ-チャ-されていて、まさにギターサウンドと言うのに相応しい仕上がりになっています。

曲は、サビに入ります。
このサビのメロディが実にいいです。何と爽やか!そして哀愁もほのかに漂っていてまさに肝!
実はこのサビを印象的にしている要因としてサビ前のリフがあります。このリフは明確なメロディはなくて
分数コードの流れで聴かすリフになっています。正確にはベース音をE=「ミ」に固定したペダルトーン。その上に微妙にメジャーコード、マナーコード、そしてデミニッシュコードを重ねています。この少し不安な感じがまさに風で波が少し立ってきた荒めの感じを醸し出しています。その後のサビのメロディは、それを抜けた後の爽やかな海が広がっている大海原と言う感じで一気に世界を広げてくれるのです。さらに、このサビの部分でかすかに聴こえるオルガンの音がまたいいんです。

増尾好秋さんのソロは、緩やかに刻まれていきます。音は右チャンネルのみなんですが、そのすぐ横のセンターでのエリック・ゲイルさんのバッキングが絶妙に絡んでいます。そして展開部分でそのままエリック・ゲイルさんがいぶし銀の短いソロを聴かせてくれます。

再びテーマに戻ってサビのコード進行で増尾好秋さんのソロが、今度はセンターに定位して繰り広げられていきます。

そして、エンディング近くにシャーリーさんとジュディ・アントンさんのコーラスが絡んできます。ちなみにシャーリーさんは増尾好秋さんの奥様でジュディ・アントンさんはシャーリーさんのお姉さんだそうです。さらにジュディ・アントンさんはこの作品の前に日本にいた時に、11PMや天気予報に出たりしていたそうです・・・。

そのまま航海は静かにフェードアウトしていきます。そして再び波の音が広がって周りを包み込みます・・・。


02:トレジャー・アイランド
1曲目の波の音を聞いていると少しレゲエのリズムを持ったこの曲がフェードインしてきます。航海から早くも2曲目でトレジャー・アイランド=宝島についてしまいました。穏やかで楽しいムードでテーマが流れていきます。この曲は歌詞つき。歌うのはシャーリーさんとジュディ・アントンさん。

この曲でのギターも3ポイントでの定位になっています。
右チャンネルはこの曲を特徴付けているレゲエと言うかカリプソと言うか。アルペジオを刻んでいます。そして左チャンネルは歌と一緒にテーマを奏でます。記載が無いので何とも言えないのですが音的にこちらがエリック・ゲイルさんではないかと想いますが・・・。そしてセンターで時々カッティングが入ります。
とにかく左右のギターと女性2人の歌声で進んで行く感じが楽しそうです。

CD Time=1:44のソロ前のちょっとしたブレイクに入るドラムのリフが凄い切れ味。これはスティーヴ・ガッドさんのリフ。ここまでゆったりとしたカリプソ風のリズムを静かに奏でているのですがワンポイントで聴かせるところは流石です。

そして、それに続いてパーカッションとベースがリズムを刻みます。パーカッションはウォーレン・スミスさん。そしてベースはT.M.スティーヴンスさん。シェーカーとアフロ風のベースラインが夏っぽくていい感じです。

しばらくすると、左チャンネルからギターのカッティング、そしてそれに少し遅れてセンターからもギターのカッティングが聴こえてきます。そしてさらに遅れて右チャンネルでアルペジオが重ねて奏でられます。

スティーヴ・ガッドさんのおかずを合図に、全体がリズムインをしてギターソロに入ります。この部分は静かですが、段々と盛り上がっていく音の重なり方がいい感じです。また、先ほどのギターの3ポイントの定位がはっきりわかる部分になっています。

あくまでの爽やかに、そしてリラックスした雰囲気。夏の陽射しが目に眩しい感じとのんびりしたムードが心和む曲です。


03:シューティン・ザ・ブリーズ
のんびりとしたムードから、アップテンポのラテンのリズムの曲です。それでもリゾート風の楽しい雰囲気が漂っています。

テーマはセンター定位で増尾好秋さんがやや固めのコンプレッサーが良く効いたクリアトーンで奏でます。音を良く聴くとオクターバーもかかっていてオクターブ下の音をかすかに重ねています。

印象的で明るいテーマから増尾好秋さんがそのままソロへなだれ込んでいきます。
ここでもセンターにて定位しているのですが、ギターのカッティングが同じくセンターで奏でられています。ど真ん中にギターが寄っている感じが、モノラル的で逆にいい感じに聴こえてくるので不思議とレトロな感じのサウンドになっています。
それにあわせてか、ドラムやベースもかなりセンター寄りのサウンド。かなりノリノリのリズムを刻んでいますが、ベースのT.Mスティーヴンスさんがグイグイ引っぱっていく感じがいいですね。パーカッションのバシリさんとウォーレン・スミスさんもいい味です。

ここでの増尾好秋さんのソロは見事のひと言です。

CD Time=1:06からはひとつの簡単なモチーフを繰り返しながらも、コード進行によってノートを微妙に変えていくというフレーズ。単純なんですが、しっかりとワンコーラスそれだけで奏でていきます。

CD Time=1:44からはメロディアスな高い音でのフレーズ回しから、パーカッシブなリズムアプローチで弾き抜けていきます。

CD Time=2:11からも簡単なモチーフをコード進行にあわせて変えてていくアプローチです。単純なんですがここでも本当に良くギターが歌っています。

速いパッセージやフレーズ、ジャズ的なテンションノートを多用したフレーズやクロマティックなアプローチはありませんが、メロディアスでしっかりと歌っていますし、ジャズ的なテンションが溢れています。
ラインがシンプルで実にナチュラルなフレーズ回しで、ある意味素直で誠実な感じが伝わってきます。これは増尾好秋さんの底力と言うか強烈な個性。このナチュラルと言うキーワードは物凄くギター弾きにとっては参考になるソロでまさに肝!です。

後テーマは、カッティングをしていたギターがそのままテーマを一緒に奏でていきます。ですから最初のテーマから更に音の輪郭が増して、丁度コーラスのエフェクトをかけたような効果が出ていて、より華やかな感じに仕上がっています。


04:自然への賛歌
増尾好秋さんのナイロン弦のアコギのソロからスタートします。
ミディアムテンポに乗ってコード奏法で楽しい中にも美しいメロディを奏でていきます。
この部分はセンター定位の音なんですが、その後で、ベースがインしてくるとギターは一気に右と左に分かれて奏でられていきます。もちろん別々に録音をしているので、ここでも3ポイントのトライアングルギターを味わうことができます。ちなみにこの部分はセンターのギターはお休みです。

さらにドラムがインしてくると、今度は左のギターが休んでセンターと右のギターがメロディを奏でていきます。この部分ではドラムのスネアのロールが絶妙なビートとアクセントを創っています。見事なロールはスティーヴ・ガッドさん。

さらにサビに入ると今度はセンターのギターが休んで右と左のギターがメロディを奏でます。

CD Time=1:51からはギターソロです。
センターのギターのみになって奏でられていきます。単音でのプレイではなくてコードソロになっています。リリカルでリズミカルなソロラインを展開します。

3ポイントで鳴るギターが実に綺麗です。メロディも美しいので聴いていると段々と吸い込まれていくような感覚になります。不思議な魅力を持った楽曲に仕上がっていますね。


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と言うことで
続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:37:37/ Walking消費カロリー:153.48kcal)

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MASUOライヴ/増尾好秋 【2】

Masuo ライブ

増尾好秋さんのMASUOライヴのTrack05から先回の続きです・・・。

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05:アイ・ウィル・ファインド・ア・プレイス
サンバのリズムに乗って歪んだギターのトーンでカッコ良いメロディを増尾好秋さんが刻んでいく曲。コード進行や途中のリズムのシンコペーションなどが攻撃的でこの曲も時代のフュージョンサウンドと言う感じがします。

ファーストソロは軽快にヴィクター・ブルース・ゴッジーさんがエレピで奏でていきます。
コードが結構変わっていってスケールの選択も難しいのですが、流れるようなフレーズ回しで、バックのビートと合体して想わず体が動きます。

再びテーマを奏でた後のCD Time=2:22から曲はさらに展開していきます。
増尾好秋さんのローコードを使用したロングトーンにヴィクター・ブルース・ゴッジーさんのアフロキューバン的なエレピが重なるブリッジを経て、曲はさらにラテンのフレーバーを加速させていきます。
そのリズムを加速させるのに一役かっているのが増尾好秋さんのフィードバック。
今はエフェクターで簡単にフェードバックをかけることが出来ますが、多分この時代はストレートにアンプを使用していたと想います。綺麗に掛っていますね。

そのまま増尾好秋さんのソロに入っていきます。
前半はロングトーンをひとつのキーとしてその周りにスパニッシュと言うかラテンの小フレーズを展開します。

CD Time=4:44からのフレーズはちょっと理解が難しい音の選択。この合っているようで微妙にアウトしているのが実に心地よいです。

後半になるにしたがって次第に音数が増えて言って速いパッセージが飛び出し始めます。
CD Time=7:00からはクロマティックに下がっていって、アウトしている音での5連符のポリリズムの連続フレーズに入ります。このフレーズはちょっと宙に舞っているような感じがして結構好きです。

ちょっとしたキメのフレーズを挟んでCD Time=7:34からはサンバのリズムに乗せてロビー・ゴンザレスさんのドラムソロです。

細かいスネアワークからスタートして、段々とタムを絡めていき、そしてシンバルとスネアのアクセントでフレーズを広げていきます。再度キメを挟んで、今度は単独のドラムソロに入ります。
CD Time=9:00からのスネアワークが絶妙に上手いです。途中に入るハイハットのオープンがいいアクセントになっていますね。
ソロの後半はドラムの音が左右に行ったり来たりするエフェクトに、フランジャーなどで創り出したジェットマシーンのような効果が加わります。多少時代を感じる演出ではありますが、迫力のある展開になっています。

エンディングで増尾好秋さんのロビー・ゴンザレスさん紹介のMCが入ると、繋がったまま次ぎの曲へ入っていきます。


06:豪風
前のドラムソロから引き続いて、この曲はベースのT.M.スティーヴンスさんのソロフォーマンスからスタートします。ですから正確には5曲目と6曲目はドラムソロとベースソロを挟んでメドレーになっていると言うことになります。ライヴの演出上、なかなか盛り上がる構成です。

スペーシーなエフェクトをバックにしてベースでのロングトーンでのラインがスタートします。
しばらくしてそれを断ち切るようにヴォイスでの叫びが入ります。誰の叫びかの明確なクレジットはありませんがT.M.スティーヴンスさんのでしょうね。流れから・・・。

CD Time=2:40からは和音とハーモニクスを絡めた奏法で静かに奏でます。このあたりのハーモニクスセンスはちょっとジャコ・パストリアスさんを想い起こさせてくれます。

と、それを裂くように超スピードの速弾き6連符のダウンフレーズへ。これには想わずオーディエンスも手拍子を打ちます。

凄いのはこの後のCD Time=3:23のりズミックなフレーズ。
2拍4拍でアクセントを入れて和音でのフレーズを奏でていきます。この感じはエイブラハム・ラボリエルさんが得意としているようなファンキーなフレーズをもっとマイナーにして攻撃的にした感じと言えば良いでしょうか。この様なフレーズを聴いていると、単なる超絶ベーシストではない部分を物凄く感じます。

ドラムも入ったCD Time=3:52からのスラップフレーズは、櫻井哲夫さん的フレーズ。と言ったらT.M.スティーヴンスさんに申し訳ないのですが、櫻井哲夫さんの方が馴染みがありますので・・・。カシオペアサンダーライヴのベースソロの終りに演奏しているフレーズですね。
先ほどのドミノ倒しと言い、この作品をカシオペアのメンバーは良く聴いていたのでしょうか・・・。でも時期的にはほとんど同じ時期になりますね。まあ、スラップでは2人に限らず良く使用されるフレーズではありますが。

トリルからドラムが入ってアップテンポになります。そのバックで速いパッセージを連続して奏でていきます。でも、単に速いだけではなくて、フレーズが結構ギター的。そして途中のブレイクや和音などバリエーションに富んでいて、且つ迫力があって・・・やはりボキャブラリーの広いベーシストだと想います。その極めつけが、CD Time=5:56からの4ビートでのランニングベース。

そしてソロのエンディングでは再び超スピードの速弾き6連符のダウンフレーズ。今度はドラムとのユニゾンで決めます。そして、豪風に入っていくと同時に増尾好秋さんのMCが入ります。この展開も興奮しますね。カッコ良い・・・。

この曲はセイリング・ワンダー(*)に収録されていて括弧書きでフォー・ソニーとあります。ソニーと言うのは、増尾好秋さんが世界的なギタリストになるきっかけとなったバンドのリーダー、かのソニー・ロリンズさんのこと。個人的にはソニー・ロリンズさんとこの曲のイメージってあまり合わないのですが・・・。

この曲はテーマ自体が複雑な音の運びとリズムを持っていて、それでいて何ともラテンフレーバーのメロディアスなラインです。特に個人的には、スウィープピッキング的な奏法で効果を出しているCD Time=7:24のピックアップのフレーズが肝!です。
またテーマの面白さもありますが、何と言ってもベースのおしん的なラテンのリズムをもったパターンにも魅力があります。これをこのテンポで続けるのは結構大変だと想います。
さらにT.M.スイティーヴンスさんは、CD Time=8:15のように先ほどから連発している超スピードの速弾き6連符のダウンフレーズを絡めてアクセントとスピード感を加速させています。これは結構肝!です。

CD Time=8:30から増尾好秋さんのソロがスタートします。
最初はロングトーンのフレーズをバックの細かいビートに乗っかるように優雅に奏でていきます。CD Time=8:15からはポリリズムのフレーズ。音の選択が見事で機械的なフレーズであるにも関わらず歌っているフレーズに仕上がっています。そして微妙なバックとのズレを生み出していてなかなかグッと来るものがあります。

CD Time=9:47からは3連符とロングトーンに高い少し哀愁のあるような音を絡めたフレーズをモチーフに展開していきます。そして速いパッセージに突入します。やはり音の選択とモチーフの展開が見事で、このようなワンスケールでしかもフリーサイズのソロはネタ切れと言うことが起こりうるのですが、かなり効果的な奏法テクニックだと想います。

このままソロのエンディングに向けて、段々と熱くなっていく増尾好秋さんのプレイを聴くことができます。

再びテーマに戻りそして、怒涛のエンディング。オーディエンスの大拍手と大歓声の中、増尾好秋さんのお礼のMCでフェードアウトしていきます・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『やっぱりすげェ・・・これは』
それは細かく聴いた今も全く同じ感想です。

サウンド的に言うと、全体の音がオーバーめでかなり歪んでいます。特にギターの音がハウリングギリギリのような感じの設定で多少聴き難い鋭い音になっています。
また、2曲目では増尾元章さんのソロをパンニングしたり、ドラムにジェットマシーンのような効果をエフェクトしたり、4曲目のドミノ倒しの時のT.M.スティーヴンスさんの音を唐突にセンターから左チャンネルにふったり・・・。

その意図している効果は良く解るのですが、創りが全体的に粗いというのは確かです。もちろん同時に演奏自体も同じで、細かな部分ではかなり荒削りのところがを感じます。あくまでも今聴くと・・・と言うことなんですが。

それでも、そんなものを全て吹っ飛ばすだけのパフォーマンスとテンション。
そして粗さも味のうち!と言えるライヴ感、臨場感。
さらに迫ってくるようなパワーがあるのが実際で、それだけで名盤と言えるだけの凄さのある『すげェ』作品だと想うのです。

トータルで約50分。切れ目無く繰り広げられるパフォーマンスにしっかりと聴き入ってしまいます。

増尾好秋さんのこの作品だけではなくて、この近年にはJ-フュージョンの名作と言えるライヴ作品が生まれています。
1979年の渡辺香津美さんのKYLYN LIVE
1979年のプリズムプリズム・ライヴ
1980年のカシオペアサンダー・ライヴ
そして1980年のこの作品・・・。
全て1~2年の期間ですので、リアルタイムで観た方は、本当にうらやましいと想います。

いずれもパワーに溢れていて、J-フュージョンのエポック的な創成期の名作たち。
これらの作品のパワーはまさにあの時代が創ったエネルギーと言う感じがします。

(CD TOTALTIME:48:34/ Walking消費カロリー:195.24kcal)

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曲名リスト
1. ディーリング・ウィズ・ライフ
2. グッド・モーニング
3. ルック・アウェイ・フロム・ミー
4. ア・スリーサム
5. アイ・ウィル・ファインド・ア・プレイス
6. 豪風

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