Walking de Music

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TOTO

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宇宙の騎士 【2】/TOTO

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宇宙の騎士

今日のwalking MusicはTOTO宇宙の騎士、Track06からトータル・レビューです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

06:ガール・グッドバイ
久し振りにこの作品の曲リストを見て、実は一番気になったのがこの曲。何故かというと、どんな曲だったのか全く想い出せなかったのです。大好きな曲で、物凄くカッコ良い曲だった・・・ということは想い出したのですが、肝心なメロディなどは全く・・・。ですから、ものすごく期待していて、心待ちにしながらwalkingをしてたのです。

シンセベースの跳ねたビートにEm/B→Bのコードの繰り返しが乗り、さらに、TOTOホーンをはじめに、いろいろなSE的なメロディが重なってきた瞬間に「これだ!」という感じで、一気に想い出しました。まさにパンドラの箱がひも解かれて、何かが一斉に飛び出したかのように一瞬で脳裏に曲の細部まで蘇ったのです。ものすごく不思議な感覚でした・・・。

イントロダクションが最高潮に盛り上がったところで1小節のブレイク。そして、ノリが良く印象的なギターとベースのリフにオルガン・サウンドのシンセがロングトーンで分数コードを流す・・・。

また、ドラムのジェフ・ポーカロさんのトップシンバルでのリズムとバスドラムのビートが実に肝!です。
特にバスドラムのビートは、一聴、ギターやベースと連動しているようですが、実はパータンの4拍めを普通に8分音符で「ドン・ドン」と次の小節の頭につなげて叩いているのがミソ。

歌のバックでは、トップシンバルからハイハットに移り、しかも、トップシンバルでは少し跳ねたリズムでしたが、ここでは完全な8ビートに変わります。

これによって、完全にギターやベースと同期するより、イントロと歌の明確な雰囲気の違いの演出と、歌に入ったときの8ビート感をしっかりと出すことができるわけです。さりげないドラミングですが見事です。

ヴォーカルはボビー・キンボールさん。ややハイトーンを落とした前半ですが、熱く歌い上げています。そして、CD Time=1:23の印象的なアップのユニゾンからサビへ。

サビはボビー・キンボールさんのハイトーンを中心としたいかにもTOTOらしいコーラス。

そして、曲のキャッチーなパターンを挟み、次は、ボビー・キンボールさんのシングルでのハイトーンのメロディ。その終りのロングトーンに重ねてキャッチーな「ラ」と「シ」を使用したパターンが「レ」と「ミ」を使用したパターンに変わります。つまり曲のキーがBからEに転調します。そして再びBに戻りサビのエンディングからイントロのパターンに突入していきます。

このサビの一連の流れと組立は、個人的には文句なしに盛り上がってしまいます。まさに肝!

ギター的には、Eに転調した時のCD Time=1:36でのスティーヴ・ルカサーさんの微妙なヴィブラートをかけたユニゾン・パターンが見事。このアーティキュレーションは、とても有効に効いていると想います。

2コーラスめが終わりCD Time=3:45からスティーヴ・ルカサーさんのソロです。

5曲目では、実にジャズ・フュージョン的なラインで華麗に弾き抜けていましたが、ここでは、ロック調の熱いソロを展開しています。このソロはコピーをしたことがありますが、かなり難しいラインでした。

イントロの8小節のパターンを3回繰り返すコード進行でソロを弾いています。

1回目は、テーマのメロディをモチーフにしています。ここでは、あくまでもメロディのフェイクという感じでコード感をそれほど出していないラインを奏でています。そして、クロマティックなラインを上手く挟んでマイナーコードへの導入を作って2回目に入ります。

2回目は、ペンタトニックというスケールを中心にして、微妙なコントロールのチョーキングを使って組立ていきます。最初の2小節はコード・トーンそのものの「シ」の音の周りを行き来するように、リズムにしっかり乗らずにクネクネとした感じで奏でます。そして、CD Time=4:05からの2小節では、コード感を出して、クオーターチョーキングでさらにクネクネしたようなフレーズ。終わり部分では右手でのタッピング。そして次の2小節ではペンタトニックでストレートにアップしていくフレーズですが、スライドを上手く挟み込んで奏でてからハイトーンのチョーキング。そしてダウンフレーズからCD Time=4:16で大きなヴィブラートをかけての着地。

3回目は、最初の2小節がロックの古典的なラン奏法を超高速に展開するスティーヴ・ルカサーさんの得意フレーズ。そして次の2小節の頭、CD Time=4:21に2音チョーキングを決めてスタッカートでダウンしていき、次の2小節のCD Time=4:28でゆっくりとアップするベンド・チョーキングを決め、最後の2小節の終わり、CD Time=4:31でロングトーンにヴィブラートをかけながらイントロダクションのパターンへ曲を引き継いでいきます。

このソロの部分は、バッキングがギターとベースのユニゾンモチーフを繰り返している上でコードがBm→E/B→Em/B→Bと2小節づつ変わっていきます。実は、コードを意識してコード感がでるようにソロ・ラインを弾かないと、ギターとベースのユニゾンが効いているのでコード感がなくなってしまいがちの難しいパターンなんです。

でも、スティーヴ・ルカサーさんは、それほど強烈なコード感のあるラインはあまり弾いていなくて、特に後半はスケール一発的なフレーズが多いように想います。

それでも、聴いていて単純なワンコードに聴こえず、しっかりとコードが動いているのを感じることができるように仕上がっているのは、ワンコーラスめをメロディのフェイクで仕上げていることと、2コーラスめの最初の4小節のクネクネフレーズでコード感をしっかりと出しているためだと想います。

メロディをフェイクすることで、リスナーがメロディとコードの関係を再度認識して、さらに2コーラスめの最初でコード感を出すフレーズを弾くことで、よりコード感を頭で捉えることができるわけです。ですから、その後の後半で比較的コード感の少ないロック的なフレーズで攻めても、聴いている方が勝手にコードの流れを感じてしまうわけですね。

これは見事に構成されたソロラインで、全体の組み立てが抜群です。まさに肝!であり、この作品のベスト・ソロだと想います。

そしてエンディングがまたカッコ良い!特に、ユニゾンにジェフ・ポーカロさんのドラムが絡んで盛り上がり、そして一番最後に、拍で上がっていく全体のサウンドにスティーヴ・ルカサーさんの速いパッセージが絡んでいくところはこれまた肝!です。

まさにハード・フュージョンといったら良いでしょうか。かなり洗練されているので、ハードAORでしょうか。何と言っても、個人的にはベスト・トラックです。


07:ふりだしの恋
一転してアダルトでポップなナンバーです。この曲は、お恥ずかしながらずっとスティーヴ・ルカサーさんのリードヴォーカルだと想っていたのですが、これはスティーヴ・ポーカロさんのリードだったんですね。

そう言われると、TOTOは4人のシンガーがいるという非常に稀有なバンドでした。ちょっとスティーヴ・ポーカロさんの存在を忘れていた感がありますが・・・。

この曲を聴くとラリー・カールトンさんを想い出します。ラリー・カールトンさんの声に似ていることと、夜の彷徨のヴォーカル曲に似た雰囲気がありませんか?

CD Time=1:55からスティーヴ・ルカサーさんのギターソロ。ここではナイロン弦のアコギでリリカルに決めます。音はお世辞にも良い音とは言えないのですが、それでも、曲の雰囲気にあったラインを奏でます。

そして、途中からナイロン弦に重なるようにひずんだギター音がソロを奪い取ります。個人的には、そのままナイロン弦で盛り上げた方が良かったと想うのですが・・・。


08:ロック・メーカー
デヴィッド・ペイチさんの明るく、前向きで、楽しい曲。このテイストもTOTOには欠かせない部分だと想いますのでけっこう好きな曲です。

特にサビの部分のコード進行とメロディ、そしてハーモニーが個人的には肝!

ここでの、スティーヴ・ルカサーさんは、少しひずみを抑えた音で全体的に奏でています。

CD Time=2:34からのエンディング・ソロは、ちょっとシングルコイルの音のようにも感じますね。この頃のスティーヴ・ルカサーさんのイメージは、レスポールという感じがあるのですが・・・ということで、愛する君にホールド・ザ・ラインのビデオクリップをちょっと見てみたら、ゴールドのレスポールを弾いていますね。


09:ホールド・ザ・ライン
米ヒットチャート5位になったTOTOの代表的な曲でありデビューシングル曲。ピアノにハードな音でのギターリフというスタイル。

このギターリフは難しくはないのですが、それでも印象的。弾いてみるとさらにいい感じのリフです。

また、ジェフ・ポーカロさんの8ビートと16ビートの中間で少しシャッフルテイストのドラミングが良いですね。しかも、しっかりと2、4拍のビートが効いていて、重いリズムになっているのもさすがです。

曲も複雑な展開はなくて、かなりストレートなサウンドに仕上げています。このあたりが大ヒットした理由の一つでしょうか。

CD Time=1:48からはスティーヴ・ルカサーさんのソロです。ディレイを深くかけて、良くひずんでいる音なんですが、曲に上手く溶け込んでいて、耳ざわりではない音に仕上げています。

ソロスタート直後のCD Time=1:51ではいきなりの強烈なチョーキング・ヴィブラート。ディレイの効果と相まってさらに強烈になっています。続いての速いダウンパッセージからCD Time=1:54のヴィブラートも強烈です。

後半になるとさらに強烈なチョーキングとヴィブラートを適格にビシビシ決めます。CD Time=2:11の一音半チョーキングから大きなヴィブラートやCD Time=2:21の速いパッセージからの終始のヴィブラートなどはホントにアーティキュレーションが見事だと想います。

速弾きはもちろんですが、このようなチョーキングニュアンスとヴィブラートの妙が聴きどころのソロになっています。


10:アンジェラ
リコーダーのさみしげな旋律から、ピアノをバックにスティーヴ・ルカサーさんが、ささやくように歌うバラードです。

綺麗なメロディラインや情緒的なコード進行からCD Time=2:02から8ビートに展開をします。そして再び最初の世界へ。

曲に変化があって飽きのこないバラードで作品は幕を閉じていきます・・・。


★☆宇宙の騎士・トータルレビュー★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『完成度が高く、やっぱり名盤・・・』

一曲目がインスト。そしてキャッチーな2曲目、さらに、アダルトな3曲目。そして楽しいライトな4曲目。そして、フュージョンテイストの5曲目。リード・ヴォーカルを曲調に合わせて変えながら、バラエティーに富んだ構成で楽曲を優先した構成ですね。ここまではレコードで言うとA面。

そして、ややハードなテイストの6曲目。ライトな7曲目。再び楽しいロックの8曲目。そしてハードなテイストの9曲目からクラシカルなテイストの10曲目。ここまでがレコードで言うとB面。

全体の構成や流れが見事です。それはレコード文化の遺産でもあるA面、B面という聴き方を意識すると、なおさら顕著にわかります。

また、聴き終えた後で想ったのが、ギターが全面に出ている作品ということです。もちろん承知はしていたのですが、改めて聴いてみると、イメージ的にはもっとピアノやシンセのソロなども含めて楽器の演奏バランスが良いバンドのような気がしていましたが、ギター作品と言っても過言ではないくらい、ギターがフューチャーされているということを再認識しました。

とにかく、通して聴いても飽きのこない作品の構成が見事だと想います。また各曲のクオリティが高く、どの曲も秀作なのも特徴。
まさに、ロック、ポップス、そしてジャズなどのエッセンスを散りばめた作品で、これはまさに違う意味でのフュージョンと言えますね。
だいたい、ひとつの作品で最低でも一曲くらいは駄作のものがあるのが普通なんですが、それが無いのもある意味奇跡的かと。ですから、そのことも作品全体の完成度をのもすごく高くしている要因ですね。

聴いていて「気持が愉快になる」作品。

こういった作品は、自分にとってもあまりないので愛聴盤と言えます。

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宇宙の騎士宇宙の騎士
TOTO

曲名リスト
1. 子供の凱歌
2. 愛する君に
3. ジョージー・ポージー
4. マヌエラ・ラン
5. ユー・アー・ザ・フラワー
6. ガール・グッドバイ
7. ふりだしの恋
8. ロックメイカー
9. ホールド・ザ・ライン
10. アンジェラ

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あとがき
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宇宙の騎士 【1】/TOTO

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宇宙の騎士

今日のwalking MusicはTOTO宇宙の騎士です。
walkingで通して聴いた印象と、Track01からTrack05までのレヴューです。

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この作品は1978年の作品。言うまでもなくTOTOのデビュー作であり、名盤と呼ばれている作品。実はCDを持っていなくて、長い間聴いていませんでした。先日BOOK OFFでたまたま見つけたので、購入したというわけなんです。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『完成度が高く、やっぱり名盤・・・』

久しぶりに興奮をしてしまった一枚で、忘れかけていた想いとともにTOTOの凄さを改めて感じた一枚です。細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。

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01:子供の凱歌
TOTOのオープニングには欠かせない定番のインスト。頭のユニゾン部分の3連符フレーズは、休符でスタートをしているのですがそれが頭のようにも聴こえるので、拍を一瞬失うようなスタートになっています。

そして、ピアノで奏でられる3連のアルペジオとTOTOホーンと呼ばれている音色でのシンセがテーマを奏でます。

再びユニゾンからリズムインになり、今度はスティーヴ・ルカサーさんのギターとシンセのユニゾンでテーマが引き継がれていきます。

このスティーヴ・ルカサーさんの音が実にいいですね。また、アーティキュレーションが良いのでなおさらカッコ良く聴こえます。特に、CD Time=1:04から1:05のチョーキングなどは絶妙です。

スティーヴ・ルカサーさんは、つい速弾きや大胆なアーミングなどに耳が行ってしまうのですが、実は、細かいヴィブラートやチョーキングのニュアンスが絶妙で、このようなメロディや間奏部分の旋律などを弾かせると実によく歌っていて、その底力をいつも感じます。

また今回久し振りに聴いてみて想ったのが、やはりジェフ・ポーカロさんのプレイの華麗さ。ドラムがインしたワンコーラスめのハイハットは単純に叩いているように聴こえるのですが、ゴースト的にリズムが刻まれていてしっかりと3連のリズムになっています。

さらに、2コーラスめは、そのリズムを崩さずに細かくアクセントとしてシンバルワークを加えています。特にCD Time=1:55のさりげなく入れるおかずや、CD Time=2:12からの頭入れシンバルの部分でハイハットのリズムが切れていないのが見事。
淡々とリズムを刻んでいるのですが、この曲のビートを生み出しているのは、まさにジェフ・ポーカロさんのプレイだと想います。

そして、ユニゾンに続いてのエンディングのコード。一聴、複雑なコードのようにも想えるのですが、どうもここはG♯mのような感じ・・・。でも、シンセがそのコードの3度の音を中心としたヴォイシングになっているようなのでちょっと不安定なコードにも聴こえます。このアレンジも見事です。


02:愛する君に
米ヒットチャートで45位になったヒット曲。簡単なコードのギターリフからスタートするのですが、とても印象的なフレーズになっています。単純な方がより印象深いギター・リフになる、という典型的なフレーズと言えます。

そのギターリフに乗ってサビから始まるという曲の構成。特に最近のJ-POPなどには多いパターンですが、曲のキャッチーな部分を先に出してしまうというテクニックとさらにラジオやTVなどを意識したアレンジと言えます。

テーマに入ると、ギターのクリアなカッティングが曲を牽引します。この部分はもう少しハードなイメージがあったのですが、今回改めて聴いてみると意外に可愛らしい感じがしました。テーマを歌うボビー・キンボールさんのシャウトスタイルがいかにもTOTOのサウンド・・・。

そしてCD Time=1:32から印象に残る間奏部分へ。今までの曲の雰囲気とは全くと言って良いほど違うムードの間奏をここに持ってくるところが曲全体を物凄く絞めていると想います。もともと、サビとテーマが単純に繰り返されている曲なのでその効果は絶大です。
また、スティーヴルカサーさんの弾くメロディが、先ほども書きましたが、やはり上手いですね。特にオクターブ上がってからのCD Time=1:51は、クイックなチョーキングが、正確な音程にビシッと決まってグッとくるものがあります。

再びサビに戻り、繰り返します。ここで、カウンターとして絡むボビー・キンボールさんのシャウトがいい感じです。コーラスのパターンが少し変わったのをサインにして、CD Time=2:40のワンブレイク・コーラス。そして、エンディングへ。
この流れ、短いながらも、良く練られていて、アレンジの巧みさを感じます。

エンディングは再び展開をして、今まで出てこなかったパターンになります。ベースとギターのユニゾンのフレーズをキーにして16ビートのリズムにTOTOホーンが細かいフレーズを奏でます。まさにエンディングという感じでこの曲をさらに絞めていて、まるで組曲のようにさえ感じさせてくれます。特に、ドラムがツービートになるCD Time=3:21からはかなりカッコ良いですね。

4分弱の短い曲ですが、それでもバリエーションが豊富で曲が変化に富んでいて、アレンジの妙を楽しめる名曲です。


03:ジョージー・ポーギー
この曲もTOTOではお馴染みの大ヒット曲。米ヒットチャートで48位になった曲です。
前の2曲は少し派手めの曲でしたので、このアダルトな雰囲気は少し落ち着く感じがします。さらに、この曲はピアノとドラムのバッキングがフェードインしてくるというアレンジ。これも、作品の流れから言うと実に、洒落た、そしてワンパンチ効いているアレンジだと想います。

ヴォーカルは、TOTOのバラード系担当とも言えるスティーヴ・ルカサーさん。決して技巧的ではないのですが、何とも味がある声と歌い方だと想います。スティーヴ・ルカサーさんが歌えてさらにデヴィッド・ペイチさん、そしてメイン・ヴォーカルのボビー・キンボールさんと、3人のヴォーカリストがそれぞれの特徴を出して曲を振り分けて歌っているのがTOTOの魅力のひとつですね。

CD Time=0:31からのギターのバッキングはクリアトーンで歌に絡みます。このバッキングセンスはスタジオワークでつちかったもの。とても、いい感じですね。

そして、タイトルを歌う印象的な部分に入ります。この部分はデヴィッド・ペイチさんが歌っていると想っていたのですが、ライナーノーツで、シェリル・リンさんのヴォーカルのようなことが書いてあります。確かにライナーノーツに名前がクレジットされていますし、デヴィッド・ペイチさんがシェリル・リンさんの作品をプロデュースをしたという縁もあるようですが。詳しいことは良く解りません・・・。

ブリッジのユニゾンを挟んでスティーヴ・ルカサーさんの間奏です。ここでは、ボトルネックを使用してプレイをしています。特に最後に上がっていく高音はとても丁寧でさらに綺麗な音です。

全体にさらりと駆け抜けていくような曲ですが、非常に印象深い名曲です。


04:マヌエラ・ラン
作品のスタートからインスト、ボビー・キンボールさん、スティーヴ・ルカサーさんとメインヴォーカルを取ってきて、この曲は3人目のヴォーカルであるデヴィッド・ペイチさんがリードを歌います。ここまでの作品の流れは本当によく考えられていると想います。

曲はいかにもTOTOらしい曲です。ピアノとハードな音のギターという取り合わせはこの時代のAORでの定番のパターンとも言えます。明るい雰囲気で曲は進んで行きます。

CD Time=0:37からの中サビの部分は、まさにTOTOらしい厚いコーラス。さらにCD Time=0:42のスティーヴ・ルカサーさんのワンポイント・フレーズが良い味です。のようなワンポイントでは本当に絶妙なアーティキュレーションを聴かせてくれますね。

サビの部分は少しカントリーの雰囲気を持った、聴いていて想わず口ずさんでしまう楽しいメロディに仕上がっています。

CD Time=2;03からは間奏で、スティーヴ・ルカサーさんのギターがメロディを奏でます。このメロディの歌い方も上手いです。特に、ヴィヴラート・ニュアンスの使いわけが聴きどころ。

CD Time=2:08はロングトーンですのでほとんどヴィヴラートが掛かっているか、掛かっていないか、という感じ。そしてCD Time=2:17は短い音符ですので、やや大きめのヴィヴラートでつないで、CD Time=2:18の速いパッセージからCD Time=2:20でかなり大きめにヴィヴラートをかけてサビにつないでいます。単純なメロディとパッセージですが、このようなギターの歌わせ方は見事です。まさに肝!です。

エンディング近くではボビー・キンボールさんがシャウトで仕掛けます。このあたりもTOTOの真骨頂でグッときます。

そして、エンディングはスぺーシーなSEにピアノがポロリと。そしてドアの閉まる音で終わる・・・。
この演出は次の曲へのプロローグというか、ごく短い曲間で次の曲が始まりますので効果的だと想います。少し宇宙の彼方へなどが大ヒットしたバンド・ボストンの楽曲のような雰囲気もありますね。

ここまでの作品の流れはまさに肝!。想わずのめり込んでしまう絶妙な流れを持っていると想います。


05:ユー・アー・ザ・フラワー
前の曲を受けて間髪入れずにピアノのブルージーなフレーズからスタートします。フルートなども入っていて今までの曲の雰囲気とはずいぶん違う感じのアダルトなナンバーです。前の4曲はすべてデヴィッド・ペイチさんの作曲ですが、この曲はボビー・キンボールさんの曲。

この曲でのボビー・キンボールさんは、シャウトスタイルではなくて地声で歌っています。ボビー・キンボールさんのシャウトスタイルの歌ももちろん良いのですが、この地声も個人的には結構味があって好きです。

サビの部分はつながりの綺麗なコード進行で印象深い部分です。コーラスも綺麗にハマっていますね。また、テーマから左右のチャンネルでかなり渋いカッティングをしていたスティーヴ・ルカサーさんのバッキングプレイが光っています。

基本的には、左チャンネルが少しひずんだ音でミュートや短音を中心にして奏でて、右チャンネルはコードカッティングを中心としています。CD Time=1:01では、ほんのわずか全体がブレイクするのですが、それを絶妙に埋める短音バッキングを聴かせてくれます。
2回目のサビでは、さらにバッキングの妙を聴くことができて、CD Time=1:52での両チャンネルでのクリアなカッティングやCD Time=1:58の右チャンネルのブレイクを埋めるカッティングなど・・・。このあたりは単なる『ロック野郎』ではないまさに『セッション・マン』という感じのセンスの良さですね。

さらに、そのセンスの良さを聴かせてくれるのがCD Time=2:09からのギターソロ。サビのコード進行はけっこう複雑な展開をしているのですが、このサビのパターンでスティーヴ・ルカサーさんはソロを奏でます。

まずは、サビのメロディをフェイクしたフレーズでスタート。CD Time=2:11の終わりのチョーキング、さらに1音挟んでチョーキング・・・そして大きめのヴィヴラート。このチョーキングした音は両方とも同じ音。最初は、少し喰ってコード・D/Cの3度の音に解決し、再びクイックに3度の音を奏でています。このあたりのニュアンスは絶妙ですね。

続けて、3度の音そして5度の音を経て、次のコードのDmaj7の3度の音に向けてCD Time=2:15でハイノートのチョーキングを決めます。そのチョーキングがそのままスケールのチェンジを牽引します。それぞれのコードトーンを上手くとらえて、自然でありながら、スケール感を十分感じさせてくれるフレーズになっていると想います。この部分はまさに肝!

続くアウト風のフレーズからCD Time=2:17のチョーキングを絡めたフレーズでいったん閉めて、さらに、CD Time=2:20からのアップしていくメロディアスなラインでワンコーラスを終えます。

そしてこのソロの一番の聴きどころである2コーラスめのスケールチェンジ後のフレーズへ。

CD Time=2:36からCD Time=2:40までのフレーズがそれで、絶妙な音の選択とアーティキュレーションで再び肝!です。この部分はまさにジャズ的というかフュージョン的と言ったらよいでしょうか。CD Time=2:36から2;37あたりでの高音の使い方や歌い方などは、ラリー・カールトンさんの影響をもろに感じるフレーズです。

実は一曲目からスティーヴ・ルカサーさんのソロらしいソロ・プレイはないんですね。ですから5曲目のこのソロが一番初めのソロになるわけです。ロックフレーバーで派手なプレイも多いスティーヴ・ルカサーさんが、デビュー作品でこのような渋いソロが最初のお披露目ソロだったというのは、今回聴いて改めて気がついたことです。

この曲までが、作品が創られた当時のレコードではA面ということになります。まさにA面は楽曲優先という色合いで創られている感じがしますね。
ですからスティーヴ・ルカサーさんのソロもあえて派手なものは入れずに、間奏的なメロディのみで収めたということでしょうか。
このあたりのソロサイズへのチョイスも、全体のバランスと流れが上手く仕上がっている要因になっている、という感じがするのです。

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続きは後日に・・・

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1. 子供の凱歌
2. 愛する君に
3. ジョージー・ポージー
4. マヌエラ・ラン
5. ユー・アー・ザ・フラワー
6. ガール・グッドバイ
7. ふりだしの恋
8. ロックメイカー
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TOTOⅣ~聖なる剣/TOTO 【2】

TOTO IV~聖なる剣

TOTOTOTO Ⅳ~聖なる剣のTrack06から細かく聴いてみます・・・。

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06:アフレイド・オヴ・ラヴ
イントロのギターのパターンが『ギタリスト心』をくすぐります。このようなフレーズは実はキメどころ。
1弦の解放の音を上手く使用したリフで、その後で8ビートのバッキングに入って歌前に低音弦で同じフレーズをリフレインするところが、更に弾き甲斐のあるフレーズです。

曲はTOTOの特徴的な雰囲気と言える8ビートのロックテイストにピアノの音や少し優しい音などが盛り込まれて、単に激しいロックではなくてあくまでもポップなテイストがあるナンバーです。
それでも決して軟弱なロック?に仕上がっていないのは、スティーヴ・ルカサーさんのバッキングの妙と言えますね。また、ジェフ・ポーカロさんのドラミングのタイトで正確な8ビートにも仕上がりの良さの要因があると言えます。時折入れるちょっとしたおかずなどは抜群の上手さとグルーヴ感がありますね。


07:ラヴァ―ズ・イン・ザ・ナイト
前の曲との切れ目がほとんど無く突入する同じくロックテイストの曲。ほとんどメドレーのようになっていて、あわせて1曲と言う聴き方がいい感じですね。

基本的にアフレイド・オヴ・ラヴと同じ8ビートの曲でスティーヴ・ルカサーさんの歪みギターでの8ビートバッキングがメインになります。

最初の中間部分でのスティーヴ・ルカサーさんのソロは、チョーキングでの大きなフレーズを中心としたラインで奏でられていきます。基本的な譜割は8分音符でストレートなフレーズ回しと言えます。
ソロ終りの部分が少し歌の方へはみ出しているのですが、このあたりは勢いを選んだテイクと言うことでしょうか。個人的にはキッチリフレーズを納めて歌へ・・・と言う流れが欲しかったと想いますが。

その分エンディングでのソロは爆発している感じです。
スタート部分のトレモロ・アームを絶妙に使ったうねりのあるフレーズからバッキング的な和音と速いダウンパッセージを絡めたフレーズに入り、続けてCD Time=3:43からのロック定番フレーズを高速でキメ、ピッキングハーモニクスでチョーキングを決めてアームでダウン・・・。
この流れは肝!です。
その後は音の運びが見事なパッセージ。あくまでも8ビートに乗ったフレーズで余裕を感じるラインです。実に軽く弾いている感じがしますね。

この曲と前の曲でのギターのバッキングは、物凄く歪んでいるのも関わらず、それでいて非常に耳に優しい音だと想います。それでも、激しいロックな音で、そのあたりの塩梅が実に良いバランスになっています。この作品全体でのギターのバッキングの音色とその選択の妙を味わうことが出来るメドレー風の2曲と言えます。


08:ウィ・メイド・イット
この曲も8ビートで乗りの良いナンバーです。ギターのバッキングは更に複雑になっていて、ここでは2~3種類くらいの音を入れているように想います。

サビに入る前のギターのちょっとしたフレーズはやはりピッキングハーモニクスで締めています。
この奏法はピックで弦を弾くと同時にピックを持っている人差し指もしくは親指を時間差で弦と触れさせると言う奏法です。音が歪んでいると出やすいのですが、ライヴなどで決める場合はけっこう緊張をしたりします。
全部で3回このフレーズは出てくるのですが、2回目はハーモニクスを出していません。これは失敗したのではなくて、2回目は外すことでのアクセントですね。

ここでもジェフ・ポーカロさんのドラミングがタイトでいいですね。やはり上手いプレイヤーの8ビートって当たり前ですが上手いです。

3曲連続で8ビートのロックテイストの曲だったのですが、1曲目がスティーヴ・ルカサーさん、そして次がデヴィッド・ペイチさん、そしてこの曲はボビー・キンボールさんのリードヴォーカル。三者三様の持ち味でのロックテイスト。
これが出来ると言うものTOTOの大きな強みであり、この作品のバリエーションを豊にしていますね。


09:ユア・ラヴ
少し跳ねた8ビート曲。前3曲の持っているロックテイストとは違ったアダルトなムードがあります。ここでのヴォーカルはボビー・キンボールさん。シャウトスタイルがお馴染みなんですが、この曲では少し落ち着いた感じで歌います。もちろんシャウトもいいですが、とても歌の上手さと言うかテクニックを聴くことが出来るトラックです。

少しシンセをかぶせたような音のデヴィッド・ハンゲイトさんのベースラインがよく動いています。さらにここでのスティーヴ・ルカサーさんのバッキングはクリアトーンでさり気無く奏でられています。


10:アフリカ
全米チャート1位になったTOTO最大のヒット曲です。当時のMTVやラジオでは盛んにこの曲がオンエアされていたのを想い出します。

この曲の最大の魅力のひとつはそのアフリカンなリズムにあると想います。
ライナーを読んで初めて知ったのですが、この曲はリード・ヴォーカルをとっているデヴィッド・ペイチさんとドラムのジェフ・ポーカロさんの共作になっています。個人的には1、2を争うくらいTOTOの楽曲の中では好きな曲です。

まずイントロに流れるリズムが非常に重厚でいてスムーズな流れをもっています。このあたりは流石のジェフ・ポーカロさんと言う感じのリズムアレンジだと想います。
ちなみに、コンガはレニー・コステロさんでマリンバをジェフ・ポーカロさんが演奏をしているようです。

そして、何とも印象的なアフリカの大地と民族的なサウンドを想わせる様なバッキングパターンへ。この部分は、ちょっと聴くと変拍子のような感じに聴こえます。バッキングが3拍で完結していて、その後リズム的なリックが5拍で完結しているためです。

テーマはデヴィッド・ペイチさんが囁くように歌い上げていきます。
コーラスの切れ目でイントロのアフリカンなモチーフがブリッジとして入るのですが、ここでは2/4拍子を挟むことで3拍で完結しているモチーフを上手くまとめています。
さらに、このモチーフは3拍で完結してはいるのですが、実はそのままテーマの頭のコードに解決するように創られていて、さらに曲の流れを見事に繋いでいます。
つまりイントロでは3拍で完結、ブリッジ部分では4拍で完結して次ぎのメロディ頭のコードに繋ぐと言うアレンジ。このアレンジはいつ聴いても肝!で、このモチーフがブリッジに入るのがこの曲の最大の聴き所と言えますね。

サビに入る前はあえて2/4拍子を挟まないでジェフ・ポーカロさんのおかずで流れを創っています。そしてヴォーカルがボビー・キンボールさんにチェンジします。

綺麗なハモリと厚いコーラスでのサビがまた印象的で盛り上がります。さらに、サビ終りの部分でさり気無く入るスティーヴ・ルカサーさんの歪み系の音でのバッキングが効いています。
ちなみに、スティーヴ・ルカサーさんのバッキングは歪み以外の部分では、スチール弦のアコギを使用しています。ライナーを読むとタカミネのアコギの様でそれだけでも日本人としては嬉しくなってしまいますね。
また、このアコギがあまりしっかり聴こえないのですが、それでも時々流れの隙間から煌びやかに聴こえると抜群の効果で迫ってきます。

そしてデヴィッド・ペイチさんのシンセでのソロ。と想っていた部分ですがリコーダーのクレジットでジム・ホーンさんの名前がありますので、ここは一緒に奏でていると想われます。その部分を挟んで再びサビに入ります。

このサビに入る部分のコーラス部分からジェフ・ポーカロさんのドラムリフが入るまでの空間部分で右チャンネルに入るピアノのベルのようなフレーズが個人的には肝!です。ちょっとしたことですが、非常に哀愁が漂っていて曲調にあっていると想います。

そしてサビ。
ここで効いているのは、スティーヴ・ルカサーさんのアコギ。今までより大きく、アルペジオがしっかり聴こえるようにヴォリュームがアップされています。
さらに、今までシンセでさり気無く奏でられていたテーマの対旋律を歪みギターで奏でています。そしてボビー・キンボールさんのシャウトが重なってくるころにはすっかり、しかも自然に盛り上がってしまいます。

エンディングはイントロのモチーフを連続していきながら段々とフェードアウトをしていくように静かになっていって、最後はリズム隊だけになって本当にフェードアウトをして終わっていきます・・・。

それにしてもいい曲だと想います。
単純に聴こえるようで実は演奏をするには難しい曲に仕上がっています。以前コピーバンドで演奏をしたことがあるのですが、これが、決まりそうで決まらないと言う不思議な難しさのある曲で、それでもこのリズムに身を委ねて演奏をしていると、これまた不思議に引き込まれて、陶酔していってしまうと言う楽曲でした。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『良く出来ている作品・・・』

CDの帯にも『完成されたロックの美しさを表現した傑作』
と言うコピーがありますが、まさにそんな感じです。

ロックと言うものをどのように理解するかによって違ってくると想うのですが
人によっては『これはロックじゃないぜ!』みたいなところもあるかと想います。
総じて攻撃的な側面を持っているのがロックだと個人的には解釈していますので
その意味ではロックではないのかなと。
でも精神はロックだと想うし、これを称してAORと言うのかと・・・。
あまり得意なジャンルではないのでよく解りませんが。

それでも全体に余裕を感じるサウンドで、アップアップではなく余裕が創り出す緻密さが溢れていると想います。
完成度が非常に高く、またコマーシャル的な売れ線をしっかりと意識した中にもキャリアに裏打ちされたテクニックとサウンドの構成やアレンジ、そして楽曲の良さなど、隙のないサウンドと密度の濃さを持った名作だと想います。

(CD TOTALTIME:42:12/ Walking消費カロリー:196.74kcal)

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TOTO IV~聖なる剣TOTO IV~聖なる剣
TOTO

曲名リスト
1. ロザーナ
2. メイク・ビリーヴ
3. ホールド・ユー・バック
4. グッド・フォー・ユー
5. イッツ・ア・フィーリング
6. アフレイド・オブ・ラヴ
7. ラヴァーズ・イン・ザ・ナイト
8. ウィ・メイド・イット
9. ユア・ラヴ
10. アフリカ

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あとがき
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