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アル・ディメオラ

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エレガント・ジプシー【2】・アル・ディメオラ

Blu-spec CD エレガント・ジプシー

今日のwalking Musicはアル・ディメオラさんのエレガント・ジプシーです。

先日の続きで5曲目からです。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


05:レース・ウィズ・デビル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ
とにかくスピード感とスパニッシュな雰囲気。さらに少しダークな感じを『これでもか!』という感じでタイトルの言葉に織り込んだ曲ですね。

スタートのアンソニー・ジャクソンさんのベースとレニ―・ホワイトさんのハイハットでの16ビートがスピード感の触手をくすぐります。
そして、アル・ディメオラさんのハードなギターがユニゾンで入ってくると、いやでも盛りあがってきます。
さらに、ここではアル・ディメオラさんと同時にミンゴ・ルイスさんのコンガが左チャンネルに入ってきます。このコンガがさらに盛り上がる要因で肝!です。想わず腰とアゴが動いてリズムを取ってしまう!そんな感じでしょうか・・・。

曲が進むとCD Time=0:23から突然のユニゾン。しかもとても速いパッセージ。2回目のユニゾンはもっと複雑さを増して襲いかかってくる感じです。さらに3回目のユニゾンは、まるでデビルが覆いかぶさってくる恐怖すら覚えます・・・。

そのユニゾンの恐怖から、スーッと解き放たれるようにCD Time=1:05からハーフテンポに落ちます。ここはデビルから逃れて一瞬ホッとする展開。しかし、コード進行などはまだまだ近くに潜んでいるのでは?と想わせる暗鬱なコードが続く・・・。

そしてCD Time=2:06からのアル・ディメオラさんのミュートを上手く挟み込んだ16ビートの単音バッキングを合図に再びデビルが登場します。

アップテンポのままブレイクを上手く使用したリフにアル・ディメオラさんのミュート・ギターが重なってきてCD Time=2:53から短いソロに突入です。

ここでは、エフェクトとしてセンターチャンネルを中心に右、左に音を動かしています。アル・ディメオラさんのフレーズは高速フレーズを弾きまくっているので、このエフェクトの効果もあってまさに頭の中を音が駆け巡る感じ。少し、頭がフラッとするくらい強烈な部分で肝!です。デビル再登場という感じでしょうか?

そして、ストップモーションからハーフテンポに変わって展開していきます。

そしてさらに高速に再び展開して・・・。


とにかく目まぐるしくテンポが展開していき、その合間合間には高速のユニゾンや短いソロなどが組み込まれていて劇的な展開を持った曲に仕上がっています。

エンディング部分のCD Time=5:49からのアル・ディメオラさんの速いパッセージが凄いです。デビル降臨という感じかと・・・。この粒揃いな連続技は・・・ためいきですね。


06:レディ・オヴ・ローマ、シスター・オヴ・ブラジル
今度は一転してスチールのアコギでの軽いボッサのリズムのアル・ディメオラさんのオーバーダビングによるデュオ曲。

トレモロを上手く使用したフレーズで、前の曲とは全く違うリリカルな展開でフレーズを決めます。1分強と短い曲ですが、CD全体の流れの中で、バラエティーに富んだ展開に想わずうなずいてしまいます。


07:エレガントジプシー組曲
曲はゆったりと進んでいくラテンというかメランコリックな色を持っています。曲調は少しチック・コリアさんの影響を感じるような展開です。

CD Time=1:33が最初のキメとユニゾン。ここではドラムのスティーヴ・ガッドさんのユニゾンしていない、いわゆる合間を埋める部分のドラミングが効いています。
それまでの曲のビートを継続しつつ、ここでリズムが少し跳ねて、4ビート的なリズムパターンを匂わせていきます。これは肝!です。

エフェクトされたアル・ディメオラさんのミュートした速いパッセージが続く部分が終わったCD Time=4:21から静かな展開へ。

ここから、ヤン・ハマーさんのミニ・ムーグのソロ。
このヤン・ハマーさんの硬質な音の感じは、前のアル・ディメオラさんのミュートの部分と良く似ていて上手く雰囲気を合わせた仕上がりになっています。ボーッと聴いているとアル・ディメオラさんのギターにも聴こえてくるのが技と言ったら良いでしょうか。
また、ここのバックのアル・ディメオラさんのアコギのバッキングが美しい響きで奏でられています。

CD Time=8:00過ぎくらいから、曲はだんだんとエンディングに向かっていくという感じで、今まで出てこなかったモチーフなども登場してきます。

これだけ目まぐるしく曲が展開していくと、演奏している方も大変かと。まあ、そつなくこなしているのが当たり前ですが、流石と言えばさすが。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


アル・ディメオラさんというギタリストは、非常にワールドワイドな感じがします。この時期の作品ではラテンやブラジル的な方向が強いのですが、その基本はそのままに近年はもっとワールドワイドな世界を展開しています。そのルーツ的な作品ですので、ファンに愛される作品と言えますね。

アル・ディメオラさんのギターは基本的に、今でも大きなアプローチの違いはない感じがしますがやはり超絶、そして粒揃いなのが凄い。
使用しているスケールなどは比較的オーソドックスで、スケールのお手本のようなフレーズも多いのですが、それでも、壮大で雄大で迫力のあるパッセージを弾くことができるのはやはり流石。並のギタリストだったら陳腐なフレーズのオンパレードになりかねないスケールをときに速く、そしてミュートを入れたりしながらバリエーションをつけています。
また、16分音符がだんだんとその倍になったり、戻ったり。16分音符の連続フレーズの中にときどきアクセントをつけるために3連の速いフレーズを挟みこんだり。しかもそれらが実にスムーズに繋がっていくところが最大の魅力で肝!な部分であります。

そんな、アル・ディメオラさんのルーツ的な作品ですので、ギター弾きにとっても楽しい作品であることは間違いないです。

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曲名リスト
1. フライト・オーヴァー・リオ
2. ミッドナイト・タンゴ
3. 地中海の舞踏
4. レース・ウィズ・デヴィル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ
5. レディ・オブ・ローマ,シスター・オブ・ブラジル
6. エレガント・ジプシー組曲

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エレガント・ジプシー/アル・ディメオラ

Blu-spec CD エレガント・ジプシー

今日のwalking Musicはアル・ディメオラさんのエレガント・ジプシーです。


この作品は1977年の作品で、アル・ディメオラさんの「白夜の大地」に続く2枚目のリーダー作品になります。

アル・ディメオラさんの作品は、「スーパー・ギタートリオ」に代表されるアコースティックものが個人的には好きですが、近年のワールドミュージック指向の作品も好きで良く聴いています。
エレガント・ジプシーを聴くのはかなり久しぶりです・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


01:フライト・オーヴァー・リオ
何とも言えない、スパニッシュというかエスニックと言うか・・・。何とも重厚な雰囲気で曲はスタートします。

かなり硬質な音でチューンされたベースはアンソニー・ジャクソンさんのプレイ。そこに、ヤン・ハマーさんのシンセが重なってくるとマハヴィッシュヌ・オーケストラ的と言ったら良いか、ジェフ・ベックさんの世界と言ったら良いか。
その感じを打ち破るのが、CD Time=1:28からのアップテンポ。
ここで肝!になっているのがドラムのスティーヴ・ガッドさんのドラムワーク。
最初はパーカッションに絡みながらハイハットのオープンでリズムを牽引していきますが、CD Time=2:07からは、8分音符の裏で奏でられるトップシンバルを3拍、そして4拍めのハイハット・オープン・クローズ。このリズムが全体のラテン調のアップテンポをグイグイと引っ張っていきます。


CD Time=2:33からがアル・ディメオラさんのソロ。
当時は、ジャケットにあるように、黒のレスポールを使用していたのでしょうか?強力な歪音なんですが、芯がハッキリと聴きとれる音。ピッキングのごまかしがしにくい音と言ったら良いでしょうか。
それは音符の粒が正確に揃っている冒頭のCD Time=2:45からいきなり解ります。
まるで、ご挨拶のように、しかも簡単そうに超速いパッセージをキッチリ決めます。
基本的に16分音符での連続したパッセージなんですが、CD Time=2:46にさりげなく入る倍の6連フレーズが強烈なスピード感をかも出しています。しかもスムーズな繋がり。そして正確な粒。ピッキング・・・。


CD Time=2:52からはフランジャー(当時だったらジェット・マシーン)でスぺーシーな浮遊感を演出しています。そして、ヤン・ハマーさんとの掛け合いに入ります。
この2人の『高速掛け合い』は言うまでもなく凄いのですが、そのバックで掛け合いの微妙な隙間を、奪うわけでもなく、出しゃばることもなく、見事に埋めているアンソニー・ジャクソンさんのベースが肝!です。
2人の掛け合いのバックですので、つい聴きそびれてしまうのですが、この、「聴こえているはずだけど、耳に入ってこない・・・」でも、「しっかりと曲を構成していて、かつじっくり聴くと凄いことをプレイしている・・・」、まさに、ベーシストの極みと言ったらよいでしょうか。


02:ミッドナイト・タンゴ
今度は一転してクリアトーンでアル・ディメオラさんがメロディを奏でていきます。このようなリズムをタンゴというのかどうか、専門的なことはわかりませんが、ちょっとアルバムタイトルのようにエレガントな感じで曲はスタートします。


リズムを牽引しているのが、ドラムのハイハットワーク。これは、レニ―・ホワイトさんのプレイ。そこに、アンソニー・ジャクソンさんの、エフェクトされた、やはり硬質な音色のベースが長めの音符でゆったりと乗ってきます。


曲は途中で展開をして、歪系の音色で奏でられたギターが入ってきます。・・・と想ったら、アコースティックギターのリフからアコースティック・ピアノのソロへと。さらに、ベースソロに繋がっていきます。

複雑な展開部分や楽器選択を持った曲で、このあたりの作曲とアレンジはまさにアル・ディメオラさんの真骨頂と言えますね。


03:パーカッションイントロ
ミンゴ・ルイスさんのパーカッションとレニ―・ホワイトさんのテンパレスのソロ。1分強と短い曲ですが、次の曲へのイントロということでしょうか。
でも、このワンポイントがあるとないのとでは、次の曲のスタートのインパクトが違うように想います・・・。


04:地中海の舞踏
パーカッションイントロを経てこの作品の大きな聴きどころである地中海の舞踏がスタートします。
個人的には、「アル・ディメオラさん=地中海の舞踏」という感じのときがあったくらい大好きな曲です。これは、別の言い方をすると「アコギバトル=地中海の舞踏」とも言えますね。
この曲がいきなり始まるよりは、3曲目のパーカッションイントロがあった方が最初のギターでのアルペジオが冴えて聴こえるような気がしませんか?その意味では3曲目のパーカッションイントロは、アルバムの構成、流れとして一味効いていると想うのです。


曲はご存じフラメンコ・ギタリストのパコ・デ・ルシアさんとのデュオ。
イントロのアルペジオを聴くだけでもわくわくしてくる!そしてギターを弾きたくなる!ギター弾きにはたまらないアルペジオです。
イントロの部分での肝!パコ・デ・ルシアさんのアルペジオ。
1小節めの2拍裏に入る3連符や2小節めの3,4拍部分の3連が実に効いています。
これは1弦から3弦に向かって、一本の指で引っ掻くように弾く奏法で奏でています。基本のアルペジオが8分音符なので単純に聴こえてしまいかねないところを、アル・ディメオラさんと同じようにアルペジオをするのではなく、この3連符を入れるだけで、物凄いビート感、スピード感があると想いませんか?
また、このパコ・デ・ルシアさんのアルペジオは弾いてみると想ったより難しいです。フラメンコギターでは良くある奏法ですが、これは指弾きの成せる技と言えますね。
そう、パコ・デ・ルシアさんは当たり前ですが指弾きです。
基本的には、フラメンコギターですので、人差し指と中指で弾いていると想うのですが、それにしてはイントロ部分のCD Time=0:28のユニゾンなどは、ピック弾きに負けないスピードと正確さ奏でています。このスピードで指で弾くのはかなり難しいですね。
以前、パコ・デ・ルシアさんのフラメンコ音楽のライブを観たことがありますが、それはそれは、物凄く速いパッセージをバシバシ決めていたことを想い出しました。


ファーストソロはアル・ディメオラさん。
トレモロ奏法からゆったりとしたフレーズまわして展開していきます。

CD Time=1:09から8分音符の3連符でややゆったりめの速弾きを決めて、そのまま倍速になる・・・かと想っているといったんゆったりとしたフレーズをはさんでから、CD Time=1:16で倍速の16分音符フレーズに突入していきます。
このブレイクとも言えるワンフレーズが実に効いている見事な組み立てと流れだと想います。


そしてアル・ディメオラさんのソロのハイライトはCD Time=1:37からの連続フレーズ。スタートはミュート奏法。これは右手の腹の部分をギターのブリッジの部分にのせてミュートしています。
16分音符でのフレーズを連続して奏でて、CD Time=1:43で8分音符の3連符に速度ダウンしてしばらくフレーズを続けたあと、CD Time=1:46で一瞬倍速の32分音符の3連に入りすぐに16分音符での連続フレーズから8分音符の3連、そしてフレーズ終わりは4分音符の3連で締めています。
この自在な速度変化が滞りなく、綺麗に、しかも粒揃いで、さらにテンポの乱れなく連続するところはまさに肝!
アル・ディメオラさんのフレーズの特徴であり、唯一無二のもので大好きなパターンです。
このフレーズはコピーをしましたが、まあ、そのまま演奏するには難易度が高すぎて・・・。仕方がないので、CD Time=1:55のようなパコ・デ・ルシアさんの掛声を完璧にコピーして、勝手に盛り上がっていたことを想い出します・・・。


続いてはパコ・デ・ルシアさんのソロ。
スタートから、アル・ディメオラさんのソロにインスパイアされたのか高速フレーズで飛ばしていきます。それにしても、まるでピックを使用していいるかのようなアタックの強さと正確なテンポキープ。
ソロのスタートから2小節めの終わりの同じ音を連続して16分音符で奏でるところなどは、常人が指で弾くにはかなりの難易度です。まあ、クラシック系のギタリストであれば何とかなるのかな、とも想いますが・・・。

CD Time=2:42からの少しトリッキーなフレーズから和音でのフレーズ、そして8分音符のゆるやかなフレーズに流れていくところはグッときます。

CD Time=3:06からが個人的には肝!
速いソロラインではないのですが、アル・ディメオラさんの超絶フレーズとの対比として、個性が出ているゆったりとした和音を使用したラインです。特にCD Time=3:08のコード「D」の部分が非常に綺麗な和音になっていますね。

そして、開放弦を絡めたCD Time=3:17のフレーズ。
これを見事に決めて、フレーズ終わりの6弦の解放の「E」を一発。
そして、それにすかさず反応してカッティングを入れるアル・ディメオラさん。
無茶苦茶カッコイイ部分で肝!です。

そしてここから、お互いにフラメンコ的なカッティングで呼応しながら、段々とソロの掛け合いに突入していきます。まさに、ギターバトルに突入です。


ここはただただ息を飲んで聴き入るのみですね。


それにしてもフレーズが良く呼応しています。お互いの音やフレーズをしっかり聴いていて、ギター同士の会話が物凄く雄弁に活発にディベートしています。
バトルの終わりは、搔きむしり奏法をお互いに負けずと奏で、そしてテーマに戻り、まるでバトルが嘘だったかのように静かめに終わっていきます。


ギターのロングトーンが終わるか終らないかくらいのところで、パコ・デ・ルシアさんのため息とも口笛とも聴こえる歓喜の声が・・・。
ここで、リスナーも、あのバトルが嘘ではなくかなり激しかったことを再認識することになるわけです・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


続きは次回に・・・。

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ライヴ!/スーパー・ギター・トリオ 
FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO/AL DiMEORA,PACO DE LUCIA,JOHN McLAUGHLIN

フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!

昨日はとっても寒かったです。いよいよwalkingにも冬の2アイテム、手袋とマスクが必要になってきました・・・。と言うことで昨日のwalking musicは、スーパー・ギター・トリオライヴ!です・・・。


アコースティック・ギターによる緊張感の高いバトル風戦闘!の先駆的な作品です。これは1981年のリリース。前年のライヴを収録したスーパー・ギター・トリオの激演が楽しめる作品です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:地中海の舞踏/広い河
右チャンネル、手で拍子を取りながら囁くようなアル・ディメオラさんのカウントに続いて煌びやかなアル・ディメオラさんのスチール弦ギターとパコ・デ・ルシアさんのナイロン弦ギターのアルペジオ。それに重なるようにオーディエンスの大歓声・・・。まさにライヴ会場での臨場感がひしひしと伝わってくるオープニングです。

このアルペジオは2人と基本的には同じラインなんですが、良く聴くと左チャンネルのパコ・デ・ルシアさんが3連の16分音符を入れたアルペジオになっていて、さりげなくスピード感を演出しています。これはアル・ディメオラさんがピックで弾いているのに対して、パコ・デ・ルシアさんは指で弾いているために出来る技と言えます。当然、パコ・デ・ルシアさんはフラメンコギターの大御所ですので指弾きと言うことなんです。

速弾きのユニゾンとテーマを挟んで、CD Time=1:10での一瞬のブレイクにアル・ディメオラさんの「イエーッ」のひと言が実にカッコ良くて肝!です。

実は、地中海の舞踏のスコア譜があってそれを見ていたのですが、どうもここからのテーマが記載されていないんです。コード進行も違うようですし・・・。この曲はアル・ディメオラさんのオリジナルでエレガント・ジプシー(*)と言う作品に収録されているのですが、実は、このライヴのインパクトがかなり強かったのでオリジナルはそれほど聴き込んでいないのです。ちょっと確かめようと想って探したのですがテープが見つからなかったので、結局良く解りませんでした。
この部分は広い河と言うことになるのでしょうか?

まあ、いずれにしてもテーマらしきメロディを2コーラス弾いてからアル・ディメオラさんのソロになります。
そのテーマの2回目CD Time=1:30では、スチール弦ギターでの絶妙なチョーキングでメロディに抑揚をつけています。どうしても16分音符の超絶技巧に耳が行くのですが、このようなところが実は渋い!のです。
CD Time=1:45からは得意技のミュートした速弾きフレーズ。スケール練習の様な音使いなんですが、このフォーマットにおいてはそれも良し!と言うことですね。ひたすら正確にスピードの勝負と言う感じです。
CD Time=1:54の速弾きフレーズが、低音まで言って終焉したとたんのオーディエンスの絶叫!待ってました!と言う感じが伝わってきます。
しかしCD Time=1:59からの優しいフレーズが速弾きの反動のフレーズとしてメロディアスで実に良いです。この対比と抑揚のあるフレーズを奏でることが出来る力があるところが、アル・ディメオラさんの凄いところだと想います。

次ぎはパコ・デ・ルシアさんのソロです。
先にも書きましたが指弾きですが、実に速いパッセージを奏でます。まあフラメンコやクラシックではある意味当たり前に速く弾くことが出来るのですが、それでもCD Time=3:47からの超絶フレーズなど、アル・ディメオラさんのピックでのプレイと遜色がありませんね。
CD Time=4:06からのフレーズは音使いが面白いフレーズです。このあたりはバックボーンがフラメンコと言うところに起因している感じですね。メロディアスな中にも、スパニッシュな音の選択がエキゾティックなムードを漂わせています。

再びテーマを挟んで今度はテンポアップして2人とも弾きまくります。
CD Time=6:25からのパコ・デ・ルシアさんのソロから少し静かになるのですが、そのバックのアル・ディメオラさんのバッキングがコードを上手く分散して奏でていて上手さを感じます。このようなワンポイントが実に上手いです。
さらにこれを発展させて、上手いコードトーンの選択をしているバッキングがCD Time=8:09から。パコ・デ・ルシアさんもここでは同じようなラインでソロを奏でているために、絶妙なコンビネーションになっています。

それにしても迫力満点で、アコースティックギターのパーカッシブな部分の醍醐味を味わうことが出来る名演です。

02:ショート・テイルズ・オヴ・ザ・ブラック・フォレスト
トレモロ奏法をモチーフにした超絶な曲。テーマらしきテーマはなく、リズムで押していくアプローチです。途中、掛け合いのようになりますが、これが宇宙人の様な会話と言うか、コンピューターの信号音のようにも聞こえてくる掛け合い。とにかく速い!
この部分では遊んでいて、ライヴの面白さと、ギター2台と言うフリーで束縛のないパフォーマンスの面白みを味わうことが出来ます。
途中、ピンクパンサーのテーマを入れつつ、ブルースに移行していくところは本当に楽しそうです。でも、さりげなく演奏していますが、もしこれが全くの打ち合わせなしとすれば、力のある2人だからこそ出来る匠の技と言えます。さりげなくこの様な即興を決めるのって凄く難しいんです・・・。

03:フレボ・ラスガド
今度は、アル・ディメオラさんに変わってジョン・マクラフリンさんが左チャンネルに登場です。パコ・デ・ルシアさんは右チャンネルに移動するのですが、録音の関係でしょうか、そのまま左チャンネルに定位しておいた方が聴きやすかったと想うのですが・・・。

ファーストソロはジョン・マクラフリンさん。
2人に負けずと速いパッセージを中心に奏でます。その部分はもちろん超絶なんですが、やはり本当の渋さはCD Time=2:35からの様なコード進行にのったメロディアスなライン。アル・ディメオラさんと同じで、このようなフレーズが出来るので速いパッセージも生きてくるわけです。

続いてはパコ・デ・ルシアさんなんですが、今までと同じ様なフレーズを弾いてはいるのですが雰囲気はだいぶ違います。これは、バッキングのジョン・マクラフリンさんのギターがナイロン弦ギターであると言うことが大きいと想います。スチール弦とナイロン弦の音の煌びやかさと音圧の違いを感じることができます。
CD Time=4:36では今まであまり弾いていないラスゲヤード奏法が登場です。これはフラメンコギターの代表的な奏法で、右手の指をバラバラの動かしてジャカジャカと弾く奏法。少し年配の方には夏木マリさんの名曲絹の靴下の指のアクションを、右手で高速にしながら弾くと言うことなんですが・・・お解かりでしょうか?

その後、掛け合いを挟みながらエンディングです。演奏内容は凄いのですが、雰囲気はけっこうアダルトな感じで落ち着いた感じが良いですね。また2人ともナイロン弦なので耳ざわりが良いのが、その、落ち着いた感じとアダルトさをさらに演出しています。

04:幻想組曲
この曲はライナーノーツにクレジットが何故か書いてないのですが3人の演奏です。しかしこの曲は音が悪いです。多分、左チャンネルがパコ・デ・ルシアさんでセンターがジョン・マクラフリンさん、そして右チャンネルがアル・ディメオラさんだと想うのですが、アル・ディメオラさんの音がかなりセンターよりで、ほぼジョン・マクラフリンさんの音と重なって聴こえます。まあ私の再生機の問題もあると想いますが・・・。
この作品もリマスターとかリリースされているのでしょうか。このようなピュアな音源で左右の分離が、ある意味重要な作品こそリマスター盤をリリースして欲しいと想うし、またその違いが良く解るのではないかと想うのですが・・・。

3人が3様で速いパッセージを中心に弾きまくります。3人で弾くとかなりの迫力ですね。どの部分をとっても、そのかけ引き、そしてお互いがインプロヴァイズし合いながら更に白熱していく熱気が伝わってきます。
また、CD Time=3:00からのアル・ディメオラさんのトレモロ奏法は本当に粒が綺麗に揃っていて見事です。しかも、段々とその粒揃いのままでデクレッシェンドしていくところはかなり難しいです。正確なピッキングは神的なオーラさえ感じてしまいます。

05:ガーディアン・エンジェル
この曲のみニューヨークでのレコーディング。スタジオでの録音だと想われます。もちろんオーバーダビングをしたような感じはありませんので、多分一発録りだと想います。

複雑な拍子とアンサンブルでスタートします。まさにジョン・マクラフリンさんの曲と言う感じです。スケール感があって、ちょっと哀愁のあるメロディの秀作ですね。

テーマからソロの部分は3/4拍子。速弾きには少し弾きにくいリズムではあります。

ファーストソロはジョン・マクラフリンさん。
スタートの音使いやCD Time=0:58の速いスライドダウンなど曲の雰囲気を掴んだラインを奏でていきます。その後CD Time=1:08からは16分音符の連続で息をつくヒマも与えてくれない感じです。

続いてはアル・ディメオラさんのソロ。
音使い的にはジョン・マクラフリンさんと似ているラインを奏でていくのですが、CD Time=1:42のセクシー?なチョーキングニュアンスやCD Time=1:46のスチール弦では大変そうなチョーキングからの怒涛の速弾きはグッ!とくるものがあります。ソロエンドもチョーキングで締めます。

最後はパコ・デ・ルシアさん。
やはりフラメンコがバックボーンなので、2人とは少し違ったアプローチでよりストレートと言うか、そんな感じがします。またCD Time=2:29からの速弾きラインは、頭の部分でコード和音の分散を上手く使用して、煌びやかな音色を奏でています。これは指弾きならではの音使い。実に味ががあります。

その後は掛け合いに入ってからテーマに戻ってエンディングです。短い曲ですが、3人の弾き方やフレーズの違いが一番良くわかるプレイになっていると想います。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

どうしてもこのフォーマットの場合は、誰が一番上手い?速い?的なバトルになってしまいがちなのですが、もちろんその意図は少なからずあるにせよ、もうこの3人のレベルになるとテクニック的なことは本当に互角で、後はお好みの世界になりますね。

逆に、これだけ超絶技巧の速弾きを聴き続けると、途中で満腹感を得てしまいます。個人的には・・・。

若かりし頃はこの雰囲気が好きで、とにかく速く弾く!と言うのがリスニングポイントだったのですが、今回聴いてみると、この3人にとっては速弾きは普通、当たり前。

とすると“味”が出るのは、その速弾きと速弾きの間を埋める為のフレーズやバッキングワークではないか、と想ったのです。

その部分をポイントに聴いていくと、より3人の“味”の違いを感じることが出来て、また新しい気持ちで聴くことが出来ました。

もちろん超絶技巧を単純に味わうのもまた良しですが、秋の夜長には、その間を埋めるメロディアスな部分やバッキングワークなどの妙を探して聴くのも、また“オツ”な感じがするのです・・・。

(CD TOTALTIME:41:07/ Walking消費カロリー:165.29kcal
 walkingには・・・適度な緊張感が良いです!その迫力に想わず早足になります・・・。)

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ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシア アル・ディ・メオラ

曲名リスト
1. 地中海の舞踏~広い河
2. 黒い森
3. フレボ
4. 幻想組曲
5. ガーディアン・エンジェル ※〈CDテキスト〉

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エレガント・ジプシーエレガント・ジプシー
アル・ディ・メオラ ミンゴ・ルイス バリー・マイルス
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