Walking de Music

2007年05月26日 18:02にアップしたエントリーです。

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聖地への旅/マイケル・ブレッカー
PILGRIMAGE/MICHAEL BRECKER

聖地への旅

最近ではもっとも発売を楽しみにしていた作品でwalkingです。
マイケル・ブレッカーさんのラストアルバム聖地への旅walkingしました。

マイケル・ブレッカーさんは近年特に好きで作品がリリースされるたびに驚きの連続でした。ラストアルバムがこんなに早くリリースされてしまうのは本当に残念です。ご冥福をお祈りします・・・。

1曲目はザ・ミーン・タイム
パット・メセニーさんとのテーマのユニゾンは相変わらずピッタリ合っていて見事です。しかもこのテーマはかなり複雑な譜割り。なにか凄みさえ感じるユニゾンです。
良く聴いてみるとシンセらしき笛の様な音も一緒にユニゾンしています。パット・メセニーさんがギターシンセで出しているように聴こえるのですが詳細はわかりません。
ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。少しラウドな感じがしますが、それでもかなり速いパッセージを吹きまくっています。そして、パット・メセニーさんのソロからハービー・ハンコックさんのソロへ。再び超絶なユニゾンのテーマでエンディングです。ハービー・ハンコックさんがピアノの音を切らずに延ばしたまま終わるところも些細なことですが良い感じです。

2曲目はファイブ・マンツ・フロム・ミッドナイト
複雑な拍子のマイナーな曲です。ここではテーマをパット・メセニーさんと、時にユニゾンになったり、対旋律になったり、バッキングになったりしながら複雑に、まるでマイケル・ブレッカーさんと会話をしているように進んで行きます。
ファーストソロはパット・メセニーさんとの作品も良かったブラッド・メルドーさんのピアノ。それを受けてパット・メセニーさんのソロへ。ギターの音が若干変わったような気がします。さらにリバーブのかけ方が綺麗になって生音との分離が明確になってより聴きやすくなった感じでしょうか。そして、マイケル・ブレッカーさんのソロです。このソロはフレーズも実に細かくて、さらにタンギングがスムーズなのでまさにコロコロと音が流れて行く感じです。そして時にフラジオやハイトーンのフレーズを挟んでいて見事です。

3曲目はアナグラム
この曲もテーマの複雑なこと。もちろんパット・メセニーさんとユニゾンなんですが譜面を見てみたいですね。またこの曲はテーマのバックもかなり複雑なシンコぺーションです。このような曲を聴くといつもながらマイケル・ブレッカーさんの作曲の力の高さをすごい感じます。
ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。ブレイクや間を効果的に挟んでいるソロです。少しいつもの感じとは違う感じのソロでブレイクや間が結構あります。でもこれが逆に効果的で、意図して演奏したのであれば見事ですね。その間を絶妙にドラムのジャック・ディジョネットさんとベースのジョン・パティトゥッチさんが埋めています。そしてパット・メセニーさんのソロに続けてブラッド・メルドーさんのソロ。このソロの中間部分での右手と左手のフレーズがすごいです。別々の人が弾いてるかのような、それでいて絶妙なハーモニーを出しています。さらに最後にはジャック・ディジョネットさんのソロがあります。印象的ベースラインのバックリフに乗せて怒涛のソロです。

4曲目はタンブルウィード
マイケル・ブレッカーさんのアフリカン・スカイの様な雰囲気をもったラテン色の入った曲です。途中で叫び?と言うか歌?が聴こえるのですが、クレジットにないので誰が歌っているのか・・・。
ファーストソロはパット・メセニーさんのギターシンセ。ソロが始まったとたんに雰囲気がパット・メセニーさんの名曲ソング・フォー・ビルバオの様な感じになります。パット・メセニーさんのソロの終りに少しかぶってマイケル・ブレッカーさんのソロです。この重なり方は結構肝!です。前の曲とは違ってこの曲でのソロは細かいフレーズを連続させて行くというスタイルのソロです。でも、ただ速く吹いているだけではなくて見事なフレーズになっていることはいつも通りです。そしてブラッド・メルドーさんのソロですが、またしても絶妙な右手と左手のハーモニーを聴かせてくれます。このソロもかなり力の入ったソロで前の曲と共に素晴らしいソロです。

5曲目はホエン・キャン・アイ・キス・ユー・アゲイン?
バリトン・サックスのような音が少し入っているのですが、テーマはテナーのバラードです。
ファーストソロはパット・メセニーさん。バラードでのフレーズに適度に速いフレーズを入れて盛り上げていくところはさすがのプレイです。良く歌っているソロでとてもメロディアスです。ソロのエンディング部分でビック・スクラッチ?か指でピックスクラッチの様な効果音を出しているのが感極まった!と言う感じでしょうか・・・。そしてハービー・ハンコックさんのソロです。リリカルで綺麗なソロです。続けてマイケル・ブレッカーさんのソロですが、この曲のタイトルは、無菌室に入っているときに息子さんに言われた言葉だそうです。深い想いが伝わって来るソロです。エンディングは哀しげにフェードアウトしていきます。

6曲目はカーディナル・ルール
ファーストソロはジョン・パティトゥッチさん。ブルージーなソロです。そしてマイケル・ブレッカーさんとブラッド・メルドーさんのソロの掛け合いになります。ブラッド・メルドーさんが終始マイペースと言う感じのソロであまり熱い掛け合いではなくて、マイケル・ブレッカーさんが優しく導いて見守っていると言う感じの掛け合いです。

7曲目はハーフ・ムーン・レーン
あえて言えばボサノバの様な感じのリズムに解りやすく親しみやすいメロディがテーマの曲です。今までかなり譜割りやリズムの難しいテーマが多かっただけに少しほっとする感じがあります。
ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。そしてパット・メセニーさんへ。エンディングはフェードアウトのようにだんだんと静かになっていきますが、この様にサックスでだんだんと小さい音で吹いていくのは簡単なようで難しいです。全体に解りやすく、スマートな感じの曲です。個人的には結構好きです。

8曲目はルーズ・スレッズ
前の曲とはうって変わって複雑なメロディとキメの曲です。リズム的にはボサノバ風と言うかラテン色と言うか。
マイケル・ブレッカーさんのソロはかなり気合が入っているのか見事なフレーズを高速で連続させています。途中5分過ぎ位に、かなりフレーズが高音になると想わずサックスを外し一瞬叫ぶマイケル・ブレッカーさんの声が聴こえます。今まであまり聴いたことがないのですが、まさに入魂!と言う感じでしょうか。それを受けてのハービー・ハンコックさんのソロもまさに入魂。かなり力の入った良いソロです。

9曲目は聖地への旅
マイケル・ブレッカーさんがテーマを吹いてそれに牽引されるようにその他の楽器が追従すると言う壮大な感じでスタートします。インテンポになってからのテーマは解りやすく、聴きやすいメロディです。
ファーストソロはハービー・ハンコックさんのエレピのソロ。なんでエレピなの?って想いましたがこの曲の持っている崇高な感じと雄大な感じとある意味神秘的な感じにはエレピが良くあっていることが聴いて行くうちに解ります。このような楽器の選択は誰がしたのか解りませんがベストチョイスですね。続いてパット・メセニーさんのソロの後はシンセの様なソロへ・・・。これはたぶんマイケル・ブレッカーさんのEWIのソロでは無いかと想います。そしてエンディングに向かってパット・メセニーさんのギターシンセとマイケル・ブレッカーさんのサックスがユニゾンで盛り上がって行きます。そして全体がまとまってエンディングへ・・・。


マイケル・ブレッカーさん本人はこの作品を本格的な復帰作として意欲的に取り組んだとのことです。確かに聴き終わって見ると終りと言う感じよりはこれからと言う感じのする作品です。

ただ、体調が悪かったのか、フレーズの特に高音の部分での幅が少なくて、比較的中音でのパッセージが連続しているように感じました。また得意のフラジオを使用したポリリズム的なフレーズがなかったりしますが、それでも多分この時に出来た最高のフレーズ、演奏だと想います。
熱気と意欲は十分に伝わってきてまさに入魂のプレイです。

死して最高傑作と言う評価もあるようですが、あえて感謝の意味と熱烈なファンとして・・・。
これは復帰第一弾で、次ぎの作品ではもっと良いものが出来る!
その前段階の作品と言う気がします。

個人的で勝手な想いですが、
ジャケットのマイケル・ブレッカーさんの笑顔と逆にパット・メセニーさんの悲しげで厳しい感じの表情を見ると、哀しんでいるのは生きている周りの人間でマイケル・ブレッカーさんは眠りながら、多分この作品の反省の部分と次ぎの作品への構想と意欲を持って、期待に胸を膨らませているのではないか・・・と信じます。
ファンとしては是非その構想を聴きたかった部分もあるのですが・・・。

個人的には、次ぎのマイケル・ブレッカーさんの新作を待ち続けたいと想います。
だから、終りではなくて次ぎの作品があると感じさせてくれる本作聖地への旅は、多分私の愛聴盤になると想います。
(CD TOTALTIME:77:46 / Walking消費カロリー:312.62kcal)

聖地への旅聖地への旅
マイケル・ブレッカー パット・メセニー ハービー・ハンコック

曲名リスト
1. ザ・ミーン・タイム
2. ファイブ・マンツ・フロム・ミッドナイト
3. アナグラム
4. タンブルウィード
5. ホエン・キャン・アイ・キス・ユー・アゲイン?
6. カーディナル・ルール
7. ハーフ・ムーン・レーン
8. ルーズ・スレッズ
9. 聖地への旅

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あとがき
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コメント (6)

お邪魔します。

このアルバム、まだ聴いていませんが今回のレビューを読むにつれ、やはり最優先で購入すべきアルバムだと認識しました。しかし、タイトルのPILGRIMAGEが悲し過ぎますね。

>マイケル・ブレッカーさんは眠りながら、多分この作品の反省の部分と次ぎの作品への構想と意欲を持って、期待に胸を膨らませているのではないか・・・と信じます。

胸にグッと来るコメントですね。

「次ぎのマイケル・ブレッカーの新作を待ち続けたい。終りではなくて次ぎの作品があると感じさせてくれる本作…」。
いいくだりですね。私も全く同感です。いや,この記事には学ばされました。
ayukiさんは私の素晴らしいジャズ仲間です!

「アドリブログ」からもリンクさせていただきました。
それで相互リンクのお願いですが「アドリブログ」は(http://adliblog.livedoor.biz/)でリンクお願いできますか?

こんにちは。
このアルバム今、車で聴いているところです。
パットの色の濃いアルバムですね。
思えばソロ一作目のマイケルブレッカーというタイトルのアルバムでもパットと一緒でしたね。
マイクスターンとのユニゾンとはまったく別世界のパットとのユニゾンもまたいいですね。
私も遺憾ではありますがマイケルのパワーに病の影を感じています。

FUSIONさん
コメントありがとうございます。
以前FUSIONさんのコメントにあった『音楽は絵画に似た側面がある・・・』と言う言葉を想い出しました。哀しげだけど名画ですよね。

セラピーさん
コメントありがとうございます。
お褒めいただき大変恐縮しています。これを励みに更なるアップをしていきたいと想いますので今後ともよろしくお願いいたします。なお、リンクアドレスの件了解いたしました。

bonejiveさん
コメントありがとうございます。
確かにパットメセニーさんとのユニゾンは素晴らしいですが、マイクスターンさんとのユニゾンも結構好きです。ステップスアヘッドの映像などを見ると感極まりますね。


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