今日は、先日よりさらに暑かったので、もっと「夏」を感じることが出来るかも知れない角松敏生さんのLEGACY OF YOUでwalkingしました。
日本のシンガー、特に男性シンガーの作品ってほとんど聴かないんですが、角松敏生さんの作品は数枚CDを持っています。何故か私の周りに熱烈なファンが数人いてその影響もあって聴くようになったと言うわけです。その中でも、特に好きで良く聴いたインスト作品がこのLEGACY OF YOUです。久しぶりに聴いて見ました・・・。
1曲目はPremonition of Summer(KIYOMI)~Suma(MIDORi)。
聴いた瞬間に角松ワールドに入ってしまう個性的な声のコーラスと厚いシンセストリングスからリズムの頭を取るのが難しいギターのカッティング。雰囲気は夏!そのものと言う感じです。この曲はテーマを挟んでいろいろな楽器のソリストが短いソロを順番に奏でると言う構成なんですが、特にサックスの本田雅人さんのソロから角松敏生さんのギターソロ、そして再び短い本田雅人さんのソロに続いて、シンセドラムの激しいリフにあわせての村上”ポンタ”秀一さんのリフ・・・。この流れが肝!です。また後半の角松敏生さんのギターソロを聴いて想ったのですが、確かにギタリストではないのでフレーズ等のテクニック的な難易度は高くないのですが、それでも即興的な感じがすごくします。事前にある程度は考えていたソロだとは想いますが、とにかく、フレーズが丁寧で、さらにきちんとワンセンテンスづつまとめているところが大変良いです。自分のテクニックで出来る最上のプレイなんだと想います。さらにシンガーゆえのギターの歌いまわしの上手さ、さらにテーマのリズムなどを生かした
フレーズなどはソロ作りの起承転結の参考になります。若いアマチュアのギタリストさんたちには、このようなプレイは少々退屈かも知れませんが、コピーすると学ぶところは多いのではないかと想います。
2曲目は飛翔(SAYURI)。
村上”ポンタ”秀一さんと青木智仁さんのリズム隊の強いビートに、爽やかなテーマが夏の夕暮れっぽい感じです。
3曲目はAt Canal St Club(MISAKO)。
一転、打ち込みとナイロン弦のアコギがテーマの曲。もう少しアコギを綺麗な音で録音して欲しかった!と言う感じも若干しますが、メロディを聴くと本当に楽器を良く解っていると想ってしまう、ナイロン弦のアコギに合うメロディです。
4曲目は流氷(YURIKO)。
村上”ポンタ”秀一さんのスネアワークと攻めてくるような青木智仁さんのベースのリズムがかなり心地よいです。途中ユニゾンなどもあって展開が面白い曲です。またテーマ後のギターの音の処理を初めに、いろいろなマテリアルが入っていて秀作ですね。ところでサックスソロがあるのですが、クレジットがありません。一瞬シンセ?とも想いましたが、やっぱりサックスでした。本田雅人さんでは無いような気がしますが・・・。
5曲目はMystical Night Love(CHISATO'S Dream)。
まったりとした歪み系ギターとマイナーメロディは少しラリー・カールトンさんの世界の様でもあります。本田雅人さんのソプラノサックスソロに続いて角松敏生さんのギターソロですが、ハード目なソロを奏でていてなかなか良い感じです。最後のロングトーンからかかるフィードバックが綺麗です。
6曲目はTsugaru(KEIKO)。
この曲には三味線で高橋チクヨウさんが参加しています。一歩間違うと陳腐になりやす取り合わせなんですが、出だしこそ、そんな雰囲気もややありますが、斎藤ノブさんのパーカッションが入って、さらにテーマに入ると全くそんな感じは無くなって実に見事に三味線を生かしていると想います。三味線のフレーズをモチーフにして全体のリフとリズムを引き出して、さらに三味線をサンプリングのように使用するアイデアには脱帽します。テーマもこのようなコラボの場合には三味線っぽいフレーズだったり、民謡っぽかったりすることがあるのですが、この曲のテーマは実に普通にフュージョンなんです。個人的にはベストテイクではないかと想っています。また三味線ソロの部分とそのバックと言うか、ソロの青木智仁さんのスラップが良いです。三味線はバチでのアタックとバチバチと言うある意味SE的な音が特長で、考えてみればそれはスラップベースもそうですね。また、この曲のテンポがwalkingに良く合うんです。意識しなくても歩幅がこの曲のテンポに合って来るんです。久しぶりにwalkingに合う曲を見つけた感じです。
7曲目はStress by ストレス(CHISATO.M)。
変拍子でリフの難しい曲です。この曲も展開が複雑で聴き応えがある曲です。
8曲目はTwilight River(YUKARI)。
スローミディアムの曲。歌ものっぽいわかり易いメロディ、特にサビの部分は歌詞が付きそうな感じです・・・と想っていたらコーラスが入っていました・・・。
9曲目はDaylight of Alamoana(YUKO)。
この曲は前の曲とはうって変わってテーマらしいテーマの無い曲。エレクトリックシタールとクリーントーンのギターでソロを綴っていると言う曲です。それにしてもエレクトリックシタールを聴くと、パット・メセニーさんのラスト・トレイン・ホーム、もしくは野口五郎さんの私鉄沿線を想い出してしまうのです・・・。
10曲目はNH-CA's Struttin'(Crossing at Airport)(SANAE)。
印象的なテーマの曲です。この曲はCM、またはTVで使用されていたような、いないような・・・。青木智仁さんの細かいスラップも印象的です。
11曲目はParasail(at Ramada Beach)(REIKO)。
少しラテンぽいリズムがいかにも夏って言う感じですね。歪み系のギターのテーマも夏の感じです。良いメロディですね。サビはついにと言うか、最後にと言うか・・・歌っています。この歌とコーラスでさらに夏らしさは加速します。
12曲目はSATO。
シンセではない弦のストリングをバックにナイロン弦のアコギがテーマの曲です。ストリングスのアレンジが絶妙で綺麗です。1曲目がシンセストリングを印象的に使って最後の曲は弦のストリングスを美しく使用しているあたりは一貫性がありつつ、非常に上手い!憎い!使い方です。
ライナーノーツで角松敏生さんご本人はこの作品について
「私の究極の裏芸です!!」
と言っています。確かにギターに関しては角松敏生さん自体、裏芸的な感覚もあるのでしょうが、個人的には表道を行くフュージョンの名盤だと想っています。
ひとつは、参加ミュージシャンのプレイが実に良いと想います。
ジャムセッション的な要素があまりなくて、ソロを奏でるときも、他の楽器からの仕掛け?なども気にせず、打ち込みの雰囲気の中でソロプレイをすると言う、ある意味ライヴ感が無いのですが、その分、自分のソロに集中している感じがします。それが決して長々と奏でることも無く、心地よい長さと場所に上手く組み込まれている感じがします。
ふたつ目は、角松敏生さんもライナーで書いていますがtoo muchな、凝りまくった、アレンジや録音が、嫌味なく、素直に聴こえて来る感じがします。これは角松敏生さんのギターも同じです。本人曰く
「これぞ、てんこもりを身上とする角松敏生の生き様でございます。」
まさにそんな感じ。
そしてその、てんこもりされて、ちりばめられたマテリアルの中には、何回も聴いて初めて気がつくような部分があります。
それはちょうど今日の様な晴天の日にwalkingをしていて
ふっと立ち止まって空を見上げて
「今日は雲ひとつない、青空だ!」
と、想って横を見ると、小さい雲が浮かんでいた・・・!
そんな感じの、驚きを与えてくれます。
(CD TOTALTIME:75:45 / Walking消費カロリー:304.5kcal)
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Legacy of You 角松敏生 曲名リスト 1. Premonition of Summer(KIYOMI)~Suma(MIDORi) 2. 飛翔(SAYURI) 3. At Canal St Club(MISAKO) 4. 流氷(YURIKO) 5. Mystical Night Love(CHISATO'S Dream) 6.Tsugaru(KEIKO) 7. Stress by ストレス(CHISATO.M) 8. Twilight River(YUKARI) 9. Daylight of Alamoana(YUKO) 10. NH-CA's Struttin'(Crossing at Airport)(SANAE) 11. Parasail(at Ramada Beach)(REIKO) 12. SATO Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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コメント (4)
こんばんは。
このアルバムは大好きです。
1作目のインスト・アルバム『SEA IS A LADY』よりリラックスした感じのギター・プレイが良いですね。
結構好きな曲が「Tsugaru」でして、津軽三味線の高橋 竹与さんの演奏とサンプリングの使い方に
感心したのを覚えています。
今では、二代目・高橋 竹山を襲名した竹与さん。
これからは、こういう企画に参加してくれるかは解りませんから、貴重な演奏と言えるかも知れません。
近いうちに私も紹介しようと思っていたアルバムでした(笑)
投稿者: kaz-shin | 2007年06月24日 00:19
kaz-shinさん
コメントありがとうございます。
私が高橋チクヨウさんをカタカナで書いたのは検索しても漢字が良くわからなかったからです。襲名して今は竹山さんになっていたんですね。角松敏生さんの音楽をかなり深く聴いていらっしゃるkaz-shinさんのレビューを読ませていただきたいので、是非レビューしてください!楽しみにしてます。
投稿者: ayuki | 2007年06月24日 01:12
これもいいですね。
三味線との共演には感動しました。
でも、どうもあの音色は吹雪の日本海が目に浮かんで夏の気分がしないんです。
夏らしいというと前作のShe is ,,,
なんです、私にとっては。
サックスは本田雅人さんに似てると思ってクレジットみたら本田さんでした。
この後スクエアに加入したんでしょうか。
斉藤ノブさんもこのころ音楽番組に出演して露出度高かったですね。
投稿者: bonejive | 2007年06月26日 22:40
bonejiveさん
コメントありがとうございます。
仰る通りで、三味線って冬の日本海ですよね。夏らしいフュージョンはたくさんありますが、まさに厳冬の日本海を感じさせてくれるフュージョン作品って・・・少ないですね。音楽、特にインストで寒さを表現するのは、結構難しいかもしれませんね。
投稿者: ayuki | 2007年06月27日 17:33