Walking de Music

2007年06月13日 23:04にアップしたエントリーです。

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ディープ・シティー・トラベラー/鳥山雄司

DEEP CITY TRAVELLER

大分暑くなってきて、少しwalkingしただけでも汗がにじむ季節になってきました。と言うわけでもないんですが、時々無性に聴きたくなるお気に入りの作品、鳥山雄司さんのディープ・シティー・トラベラーwalkingをしました。

この作品は鳥山雄司さんの7枚目の作品でコンセプトアルバムとして発売されました。ライナーノーツにも曲の紹介や鳥山雄司さんの紹介は一切ありません。掲載されているのはショートストーリー。このストーリーとコンセプトを考えたのは作家の保前信英さん。保前信英さんは建築家から作家になった理工学部出身と言う珍しい作家です。この保前信英さんの近未来トリップ小説がコンセプトになっています。小説の内容については、ネタばらしはしませんが、不思議さが漂っていて結構いい感じです。このようなコンセプトアルバムは、実際にコンセプトと楽曲がマッチしていないと、とんでもないものになってしまいます。結構ありますよね、そんな感じの作品は・・・。この作品においては実にマッチしているんです・・・。

スタートは近未来的なSEに英語のナレーション。そしてヴォイスの感じが印象的なスタートの1曲目SOMETHING IN THE WIND
かなり重い16ビートで曲は進んでいきます。エフェクターで歪ませたギターのテーマがなんとも言えずカッコ良いんです。さらに、ドラムのリフからのサビの部分はそのコード進行の良さと、いかにも気持ち良さそうなギターのメロディが肝!です。walkingしていても想わずエアギター状態になってしまいそうな感じ・・・。ギターソロは短いのですが、よくまとまっています。さらにいろいろなマテリアルが入っていて一見複雑そうな感じなんですが、アレンジがしっかりしているので実に完成度の高い楽曲、録音になっていると想います。このあたりを聴くと、鳥山雄司さんはただのギタリストではない!と言う感じが伝わってきます。

2曲目はスクラッチノイズが入って、懐かしいレコードを聴いている様な雰囲気ではじまるA POINT OF LAND
テーマは1曲目と同じく歪み系のギター。さらに左右のチャンネルで別々のギターのリフという具合にギターを上手く使用しています。ややテンポが遅くゆったりとした8ビートなのでギターソロはかなりハードなロック的なフレーズで攻めています。また、ハモンドオルガンが良い味を出しています。

3曲目は言わずと知れた名曲THE SONG OF LIFE
ご存知TV番組・世界遺産のテーマです。今のTVオンエアのものとは少し違っていて一番最初のバージョンです。(だと想います・・・。)この曲はTVの効果で聴いているだけでいろいろな世界の遺産が浮かんできますね。このCDでは、まさに近未来都市の風景を表していると言う感じで聴こえてきます。遺産と近未来都市。対極にあるのですが・・・。面白い感じですね。
曲としても良い曲だと想います。雄大で壮大で。ストリングスのアレンジが良いので、歪み系のギターに良くマッチしています。現代の名曲だと想うのですが・・・。

4曲目のSEのみのCLOSING TOYSに続いて5曲目はWHAT HAPPEND
リズムと雰囲気、それからテーマも含めて、ベンチャーズって言う感じの曲です。この曲でも左右のチャンネルで別々のギターバッキングを演奏しています。それぞれに集中して聴くとなかなか面白い演奏をしています。バッキングセンスが良いんですね。アコギのソロの部分は何故か、それまでのベンチャーズ風アメリカンサウンドが、中近東と言うか、スパニッシュ風になり、ソロもそんな感じをよく出したものになっています。そしてエンディング部分で再度アコギのソロがありますが、この部分ではバックがアメリカン、けれどもソロはスパニッシュと言う少し入り乱れた雰囲気がかえって近未来の混乱ぶりを表現していてなかなかコンセプトに合った感じで肝!の部分です。

6曲目はATE SABER
ヴォーカル入りのナンバーです。ウォーカルは山根麻衣さん。この曲でも左右のギターの16ビートのカッティングがファンキーで想わず腰が動きそう!な感じです。山根麻衣さんの歌も艶があって良いです。さらに短めのコーラスとディレイがかかっているため、震えた感じの効果が出ていてさらに良くなっています。鳥山雄司さんのソロは短いんですが、ロングトーンを中心にフィードバックやアームを絡めて効果的で広がりのあるソロを展開しています。前半のノリの良さと対比して、後半のコーラスは、ゴスペルの様な、子ども合唱団の様な・・・。でもけっこう自然なつながりなので、不思議な中にもアレンジセンスの良さを感じます。

7曲目はWITHOUT A DREAM
いろいろなマテリアルの入った雑然とした曲です。よく聴いてみるとギターもかなりいろいろと入れています。ギターソロの後半部分の駆け上がっていくフレーズは粒が揃っていて見事です。

8曲目はSHINING MONUMENT
アコギのバッキングを中心とした曲ですが、歪み系のギターのテーマが綺麗な曲です。曲調としては、3曲目のTHE SONG OF LIFEに通じるところのある雄大さがあります。

9曲目はLOOKIN' FOR ANOTHER PURE LOVE
軽いボサノバ調で、アコギのバッキングに絡むように、そしてささやくように歌う山根麻衣さんの歌が良い味を出しています。鳥山雄司さんのギターソロはちょっと聴くとラリー・カールトンさんっぽい雰囲気です。

10曲目はESCAPE FROM THE CITY
ブルース調の曲ですが、アコースティックギターが良い音をしています。ワンコーラスは完全なソロギターです。そしてインリズムになってから左右でギターの振り分けたバッキングと一気に音像が広がっていきます。ちょっとアメリカの荒野を古い車で走っている!そんな感じの曲です。

11曲目はBELEZA
6曲目のATE SABERのエンディング部分のゴスペルの様な、子ども合唱団の様な部分をピックアップしてリフレインしている短いSE的な曲です。

12曲目はBEFORE THE SUNRISE
アコギで2拍4拍にミュートカッティングを入れてビートを刻んで行く演奏をバックに、歪み系のギターでのテーマがなかなか哀愁を感じる旋律です。バックのストリングスが良い音ですし、さりげなく入ってくるピアノも良い雰囲気です。

13曲目は"WAS IT ALL A DREAM?"~THE SONG OF LIFE
3曲目のTHE SONG OF LIFEのアコギでテーマを奏でているバージョンです。完全にアコギバージョンとして独立している完成度があります。そして幻想的な雰囲気で幕を閉じます・・・。


この作品を聴き終わるといつも小説を読み終わったような感覚に襲われます。一番この作品の好きな部分はこの感じなんです。

作品を通して一貫したコンセプトが明確になっていて、しかもそれがコンセプト倒れになっていないクオリティのある作品って非常に貴重だと想います。その意味ではコンセプトアルバムとしては成功と言うことでしょうか。

鳥山雄司さんのデビューは1981年。デビュー当時から、知るひとぞ知る、と言う存在でした。ギタリストとしてはそんなに技巧的な感じは無かったのですが、当時結構めずらしかったギターシンセなどを使っていたのを覚えています。わたしも友人に薦められて聴きましたが、結構地味なギターでした。

その頃はまだ、楽曲のアレンジやプロデュース的なことは良く解らなかったので目が行かなかったんですね。派手で技巧的なギターに魅せられていましたので・・・。

でも、この作品を聴いて私の中では
ギタリスト・鳥山雄司さんから
音楽家・鳥山雄司さんになりました。
そのくらい、ギタリストとしてだけではなくて総合的なミュージシャンとして素晴らしい作品になっていると想います。
(CD TOTALTIME:49:08 / Walking消費カロリー:197.52kcal)
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DEEP CITY TRAVELLERDEEP CITY TRAVELLER
鳥山雄司

曲名リスト
1. サムシング・イン・ザ・ウィンド
2. ア・ポイント・オブ・ランド
3. ザ・ソング・オブ・ライフ
4. クロージング・トイズ
5. ホワット・ハプンド?
6. ATE SABER
7. ウィズアウト・ア・ドリーム
8. シャイニング・モニュメント
9. ルッキン・フォー・アナザー・ピュア・ラヴ
10. エスケープ・フロム・ア・シティ
11. ベレザ
12. ビフォー・ザ・サンライズ
13. “ワズ・イット・オール・ア・ドリーム?”~ザ・ソング・オブ・ライフ

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コメント (2)

こんばんは。
この度はコメントありがとうございました。
ayukiさんの記事をじっくり読ませて頂いて、
「LOOKIN' FOR ANOTHER PURE LOVE」での鳥山さんのギターが
ラリー・カールトンっぽいというのは全く同じ感想だったので驚きました(笑)
似てますよね?多分意識してそうしたのかも知れませんが・・・。

コンセプト・アルバムとしても完成度の高いアルバムだと思います。

kaz-shinさん
コメントありがとうございます。
ラリー・カールトンさんからの影響はだいぶあるような感じがしますね。意識的と言うか曲調が近いと意識的な無意識?見たいな感じでフレーズが似てくるのかも知れませんね。

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