Walking de Music

walking de music!
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2007年07月Archives

12

2007年07月27日

ポートレイト/リー・リトナー
PORTRAIT/ LEE RITENOUR



今日は風があって大変心地良い感じでwalkingをスタートしたのですが、やっぱり陽射しは夏。終わった時には汗だくと言う結果・・・。と言うことで今日もギター作品でwalkingです。リー・リトナーさんのポートレイトです。

今日のワイドショーで杏里さんとの破局が伝えられていたリー・リトナーさん。意外なところでその映像を見ることができました。真偽の程は解りませんが・・・。この作品は1987年のリリースです。

1曲目はアーザ(翼)
ブラジルのシンガー、ジャヴァンさんのヴォーカルがフューチャーされています。イントロが無く歌からスタートしてブレイクの部分のボサノバ風なナイロンギターのカッティングが良いですね。リー・リトナーさんの音楽の良いところは、このようなブラジルフレーバーの曲でも、またはRIT(*)の様なロック・ポップスでも、もちろん王道のフュージョンでも、全て世界を創って、リーリトナー色になってしまうところでしょうか。
テーマはストラト系のクリアなトーン。オクターブ奏法をふんだんに使っています。とにかく音が綺麗です。ソロはコンパクトにまとまっている中にも、ギターの音を生かした歯切れの良いフレーズと細かいブラッシングの入ったオクターブ奏法で、大変まとまったものになっています。

2曲目はターン・ザ・ヒート・アップ
こちらはヒットシングル、イズ・イット・ユーで歌ったエリック・タグさんをフューチャーしています。1曲目のアーザはブラジルテイストの曲でこの曲はアメリカンポップス的な曲。全く違うタイプの曲なんですが、連続して聴いても実に違和感無くリー・リトナーさんの世界です。この2曲を聴いただけでも先ほど書きました”どんな曲もリー・リトナー色にしてしまう・・・”と言うことが解ります。

3曲目はウィンド・ミル
ミディアムテンポの綺麗な曲です。ギターはナイロンのアコースティックギター。一瞬エレクトリックの様な感じもするのですが・・・。非常にクリアで煌びやかな音です。このナイロンギターの音もリー・リトナーさんの独特な音ですね。

4曲目はホワイト・ウォーター
イントロの部分のパーカッションはアレックス・アカーニャさん。一瞬ラテンか?と想ってしまいますが、シンセは入ると全く違ってもっと都会の雰囲気。16分音符の細かく速いユニゾンのテーマから長い音符と3連符で雄大で広がりのあるサビ。そしてサビの一番最後の部分は今までメロディをユニゾンしたり、対旋律を奏でていたシンセ類がロングトーンに・・・。そしてその間を縫うようにリー・リトナーさんの短いメロディ。それに少しシンセがかぶって次のユニゾンのメロディを先行して奏でて、最後にギターとユニゾンでエンド。わずか4小節くらい、時間で5~6秒くらいの部分ですが、この部分は本当に肝!です!そしてこの部分のアレンジが実に良く出来ていると想います。曲自体が素晴らしいのでこの部分が際たつのですが、この曲はラッセル・フェランテさんの作曲。そうですイエロー・ジャケッツですね。イエロー・ジャケッツの曲なのか、この作品のための曲なのかは解りませんが、実は演奏もイエロー・ジャケツのメンバーでこの曲がこの作品の前半のハイライトになっています。
リー・リトナーさんのソロはシンセ類のモチーフを受けて最初は掛け合いのように、そしてだんだんと盛り上がって行きます。基本的にはチョーキングを多用したロック調のソロですが、ロングトーンを上手く使用していて曲調にぴったりとはまっている名演です。このあたりのソロの構成は見事です。またこのソロのギターの音はストラト系でハーフトーンの歪みなんですが、私の大好きな音です。そしてリー・リトナーさん定番の”左にショートディレイ、すぐに右側でロングディレイ”もかかっています。当時私もライヴでこのセッティングを真似をしたものですが・・・。

5曲目はポートレイト
リー・リトナーさんとハービー・メイソンさんの共作です。ハービー・メイソンさんのタイトなリズムが心地よいです。この曲もナイロンのアコースティックギター。ここではかなりエレクトリック的な弾き方をしています。フレーズ自体もかなり速いパッセージがあったり、リズムカッティング的なものがあったりします。途中のスラップの音がこれまた綺麗。
ベースはネーザン・イーストさんです。

6曲目はグリット
ファンキーなナンバーです。この曲は後半のハイライトと言える曲です。何が?と言えばマーケット的な意味合いなんですが・・・。ゲストはケニーGさん。丁度ソング・バードが大ヒットした後くらいのセッションになります。当然ですが話題性もありその意味でのハイライトと言うことになります。演奏の方はハイライトか?と言うことなんですが、実はケニーGさんってあまりしっかりと聴いたことが今だないんです。私のまわりにもあまりファンは居なくて・・・。テナーサックスがフューチャーされているのですが基本的にリー・リトナーさんとの掛け合いの様な感じで進ん行く曲なのでケニーGさんのプレイを十分に聴くことが出来ないんです。確かに節々で良いフレーズを奏でてはいるのですが・・・。もっとフューチャーしても良かったのかなと、ちょっと欲求不満になりそうな感じです。忙しさもあったのでしょうけれど、話題性だけだったとしたら・・・いかがなものかと・・・。

7曲目はシェイズ・イン・ザ・シェイド
この曲もナイロンのアコースティックギター。やや陰鬱な感じのマイナーのコード進行とメロディが独特の雰囲気です。サビのオクターブ奏法の部分は一転変わって爽やかで明るいコード進行とメロディ。この対比が面白い曲です。それでも唐突ではなく繋がっているところがアレンジセンスの良さを感じます。

8曲目はチルドレン・ゲイム
この曲は私も好きなアーティスト、アントニオ・カルロス・ジョビンさんの曲。6/8拍子が何とも言えず、良いですね。ここでのリー・リトナーさんはナイロン、アコースティックギターシンセを使用して、ギターの音に口笛の様な音を重ねて演奏しています。この作品の前作があのシンセアックスと言うギターシンセをフューチャーしたアース・ラン(*)。今回も登場しているらしいのですが、あまり大々的には演奏していないようです。このナイロン、アコースティックギターシンセはスペックが不明なのですが、結構音の分離やシンセ部分の音の反応も当時としては良いようですね。このようないろいろなギターに兆戦したりする前向きな姿勢もリー・リトナーさんの魅力でもあります。

9曲目はランナウェイ
この曲ではサックスでマーク・ルッソさんが参加しています。ですからこの曲はイエロー・ジャケッツフルメンバーでの演奏です。この曲でも前の曲と同じギターシンセを使用しています。リー・リトナーさんの短めのソロに続いてマーク・ルッソさんのソロ。短いソロなのですが、超高音のフレーズなどかなりの熱演です。テーマでのギターとの絡みもなかなか良いです。サックスとの共演と言うことでみると先ほどの6曲目とは・・・差があります・・・。

10曲目はルート17
この曲もイエロー・ジャケッツのメンバーとの競演です。曲もキーボードのラッセル・フェランテさんとベースのジミー・ハスリップさんの作曲です。かなり洗練された曲ですが、ひとたびリー・リトナーさんが奏でると・・・やっぱりリー・リトナーさんの世界が広がってくるんですよね・・・。


全体的にはナイロンのアコースティックギターが多いためか、かなり優しい感じのソフトな作品になっていると想います。ライナーノーツにもありましたが、この時期はケニーGさんに代表されるようなソフト系のものがフュージョンでは人気のようでイエロージャケッツもアダルト路線に向かっていた頃だと・・・。

ですからこの作品の前のリーリトナーさんの世界とは少し違う感じもするので好き嫌いの分かれるところだと想います。

最近のリーリトナーさんが好きであれば、結構好みの作品なのでしょうが
キャプテンズ・ジャーニー(*)からジェントル・ソウツ(*)の頃が好きな方には多少と言うかかなり物足りないかと・・・。
RIT(*)の頃が好きな方には、最初の2曲をお薦めしたします・・・と言う感じでしょうか。

個人的には好きな作品です。ホワイトウォーターをはじめとする楽曲の良さもありますが、ギターの音がかなり好みなんです。特に歪み系のトーン。ある意味私の理想としていた音、出したくても出なかった音、憧れの音だったんです。いろいろな想いと共に超個人的には名盤と言える作品ですね。残念ながらアマゾンにも無いようですので廃盤のようですが・・・。
(CD TOTALTIME:45:03 / Walking消費カロリー:181.10kcal)
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ポートレイト
リー・リトナー

曲名リスト
1. アーザ(翼)
2. ターン・ザ・ヒート・アップ
3. ウィンド・ミル
4. ホワイト・ウォーター
5. ポートレイト
6. グリット
7. シェイズ・イン・ザ・シェイド
8.チルドレン・ゲイム
9. ランナウェイ
10. ルート17

(*)本文に登場したCD

RITRIT
リー・リトナー ポリーニョ・ダ・コスタ ジェリー・ヘイ

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キャプテンズ・ジャーニーキャプテンズ・ジャーニー
リー・リトナー デヴィッド・フォスター アーニー・ワッツ

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ジェントル・ソウツジェントル・ソウツ
リー・リトナー&ジェントル・ソウツ リー・リトナー ジェントル・ソウツ

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あとがき
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2007年07月25日

フォー・ジャンゴ/ジョー・パス
FOR DJANGO/JOE PASS

フォー・ジャンゴ

いよいよ夏らしくなってきた感じがします。そんなに激しいwalkingはしていないのですが、かなりの量の汗をかきます。と言うことで続けてギター作品でwalkingです。ジョー・パスさんのフォー・ジャンゴです。

ジャズギターの名盤のひとつであるこの作品は1964年の録音です。すでに40年以上経っているのですがそれでもジャズギターの基本的なフレーズ等が満載で、今でも色あせのない作品のひとつだと想っています。

1曲目はジャンゴ
ジャンゴとは言わずと知れた天才ジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトさんのこと。ジョー・パスさんはかなり影響を受けたようで、基本的にこの作品はジャンゴ・ラインハルトさんに捧げられたものです。
この曲はジャズファンには御馴染みのMJQのジョン・ルイスさんの曲。もちろんMJQの名演が有名ですね。ミルト・ジャクソンさんのヴァイヴも良いのですが、フルアコースティックギターでのテーマはけっこう涙もの!と言うくらい雰囲気が良いです。インテンポになってからジョー・パスさんのソロが炸裂するのですが、これが実に教科書的と言うか、この曲をコピーすれば、かなりのジャズギターフレーズを我が物に出来る・・・かも?と言う定番フレーズ満載です。しかしそれを定番のまま終わらせないで、見事に繋いでいるところが巨匠たる由縁ですね。最初の8小節を聴いただけで個人的には鳥肌ものです。2コーラス目に入ってからの16分音符の連続は粒が揃っていてこれまた見事。全体の構成も無駄がまったく無く、まさに名演と言えます。

2曲目はロゼッタ
軽快で楽しげなビート。1曲目とは全く違う感じです。特にリズムがかなりスウィングしています。ドラムはコリン・ベイリーさん、ベースはジム・ヒュアートさん。ジョー・パスさんもリズムにのって軽快なソロを展開しています。

3曲目は
始めはソロギターでスタートのバラードです。ジョー・パスさんのソロギターは言うまでもなく、一連のヴァチュオーゾ(*)シリーズで匠の域に達していますね。
ジョー・パスさんのバラードでのソロの特徴的な部分がこの曲でも出ています。それは8分音符をスタッカート気味に弾いてフレーズを繋げて行くと言うもの。バラードなのでレガートに弾いた方が雰囲気がでるのですが、このあたりは結構好みの分かれるところではないでしょうか。

4曲目はフォー・ジャンゴ
これはジョー・パスさんのオリジナルです。タイトル通りにジャンゴ・ラインハルトさんに捧げた曲。この曲の完成があってこの作品の全体のコンセプトが決まったと言うことです。曲は3/4拍子のマイナー調。少し暗めのテーマの中にも一陣の光があるような感じ・・・。ソロの出だし部分のだんだんと音が上がっていくフレーズはコード進行を上手く捉えていて見事です。

5曲目はナイト・アンド・デイ
超有名なスタンダードナンバーです。ここではかなりアップテンポで演奏されます。基本的に8分音符でのフレーズが連続していますが、このテンポで、しかもスタッカート気味の正確なピッキングはすごいです。実際に私もコピーをしたことがありますが、これが実に大変と言うか、疲れると言うか、気が抜けないと言うか・・・。また、バッキングのギターがまた良いんです。このギターはジョン・ピサノさん。この作品もそうなんですが、ジョー・パスさんの作品には2ギターカルテットのスタイルが多いです。しかもこのジョン・ピサノさんとのコンビがジョー・パスさんの2枚目の作品からこの4枚目の本作を挟んで、この後の作品に於いても定番になります。

6曲目は哀愁の花
ジャンゴ・ラインハルトさんのちょっと楽しげなジプシーギタリストらしい曲です。ここでは1:30位からの速いパッセージに続いてメロディアスなソロを展開しています。

7曲目はアンサンシブルマン
ミディアムスローのバラードです。ここでも先ほど書いたスタッカート気味のフレーズを聴くことができます。でもこの曲では少し抑えてあって、かなりメロディアスなフレーズに終始しています。

8曲目はアヴァレリー
イントロ部分でベースのジム・ヒュアートさんのソロを聴くことができます。この曲もジャンゴ・ラインハルトさんの曲で軽快なスウィング感のある曲です。

9曲目はジャンゴの城
コードワークを上手く使用したテーマのバラードです。ここでのジョー・パスさんのコードワークはもちろんソロギターの名手だけあって素晴らしいのですが、そのコードワークを、邪魔しないように、さらに効果的に隙間を埋めるように奏でているジョン・ピサノさんのバッキング・コード・ワークが実に上手いです。2つのギターが上手く絡んでいて、綺麗なハーモニーとなっています。

10曲目はライム・ハウス・ブルース
かなりアップテンポのブルースです。テーマはベースとギターのデュオから、ジョーパスさんのソロと同時にドラムが入ってスウィングして行きます。


基本的にソリストがジョー・パスさんのみなので、一曲が大体3分前後と短く聴き易い感じがあります。ただその分最近のやや長尺のソロが多いジャズの中では多少物足りなかったり、古さを感じる部分があったりします。

しかし、ジャズ・ギターを学ぶ作品としては、もう一人の巨匠だと想っているウェス・モンゴメリーさんとはまた違った得るところがあります。
ウェス・モンゴメリーさんは情熱的な感じがすごくするのですが、ジョー・パスさんは淡々と弾いている感じがしてより教則的に学ぶことが出来るような気がします。またフーレズ自体も非常に解りやすく、理解しやすいと言う面があります。

その分ややヒューマンな感じよりも器械的な感じもするのですが、それでもジャズ・ギターの王道を楽しめる作品であることには間違いありません。
(CD TOTALTIME:32:29 / Walking消費カロリー:130.58kcal)
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フォー・ジャンゴフォー・ジャンゴ
ジョー・パス ジョン・ピサノ ジム・ヒューアート

曲名リスト
1. ジャンゴ
2. ロゼッタ
3. 雲
4. フォー・ジャンゴ
5. ナイト・アンド・デイ
6. 哀愁の花
7. アンサンシブルマン
8. カヴァレリー
9. ジャンゴの城
10. ライムハウス・ブルース
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(*)本文に登場したCD

ヴァーチュオーゾヴァーチュオーゾ
ジョー・パス

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あとがき
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2007年07月20日

ストライクス・トワイス/ラリー・カールトン
STRIKES TWICE/LARRY CARLTON

ストライクス・トワイス

梅雨明けが待ちどうしいのですが、明日も雨の模様。その合い間を縫ってギター作品でwalkingです。ラリー・カールトンさんのストライクス・トワイスです。

名作の夜の彷徨(*)の次ぎの作品として1980年にリリースされたラリー・カールトンさんの名盤です。今まで廃盤だったのですが、ここで再発されました。なんとも嬉しい限りなんですが、久しぶりに聴いて見ました・・・。

1曲目はタイトル曲のストライクス・トワイス
この音を聴くとまさにフュージョン!と言うようなフェンダーローズの爽やかなイントロからスタートです。これはグレッグ・マティソンさん。そしてギター少年・少女達には難しかったギターのリフ。実際にこのリフはかなり難しくて、ラリー・カールトンさん自身も、ライヴなどではけっこう危なげなこともあったり・・・。そして、チョーキングを上手く使用した歌うようなテーマからサビへ。サビ部分ではロングトーンの綺麗なフィードバックを聴かせてくれます。この部分もギター少年・少女を悩ませた部分で、ご家庭ではほぼ不可能なフィードバックでした。今はエフェクターで簡単にできますけど・・・。
ファーストソロはブライアン・マンさんのシンセソロ。2:00過ぎに「ワァ」と言う声のようなSEが入ったりして、音色自体も含めて楽しげなソロです。でもこのソロはなかなか完成度の高いソロだと想います。このソロにインスパイアされてどんどんとビートが加速して行く感じがあります。その一端をになっているのがベースのロバート・ポップス・ポップウェルさん。実に良いベースラインですね。そして、ラリー・カールトンさんのソロは前半はチョーキングとハーモニクスの、ややロングトーンを中心に朗々と歌い上げています。後半はラリー節が炸裂しています。3:55あたりのフレーズは単純なんですが実に音の選び方が良く、まさに肝!です。そしてエンディングの部分でロバート・ポップス・ポップウェルさんのリフにインスパイアされた様にラリー・カールトンさんの同じようにあわせたフレーズから、ハーモニクスを使用したエンディング。久しぶりに聴きましたが、やはり名曲ですね。

2曲目はラリー・カールトンさんのヴォーカル曲、僕のハートエイク
歌の上手さ、下手さについては・・・お世辞にも上手いとは言えないのですが・・・。この曲では、ギターの使い方が実に上手いです。左右でハモリを入れ、カッティングも左右で別々に。さらに歌に絡むようにリフを入れたり・・・。このあたりはファースト作品のシンギング・プレイング(*)や一連のスティーリー・ダンの作品から引き継いでいる『歌ものラリー・スタイル』とも言えますね。

3曲目はミッドナイト・パレード
いかにもラリー・カールトンさんらしいメロディと曲調です。シンセストリングスがかなり厚く入っています。0:50過ぎ位に突然すごい広がりで入ってくるのでハッ!とします。ギターソロは良く歌っています。また3:16くらいの終りの部分の、なんとも解釈が難しそうな音選びは、一瞬合っていない?と想ってしまうくらい見事です。

4曲目はマジシャン
この曲もラリー・カールトンさんのヴォーカル曲。でも一連のヴォーカル曲の中では一番好きです。声と曲調が合っているし、また曲自体も良い曲です。この曲でも『歌ものラリー・スタイル』は健在でかなりいろいろなギターが効果的に入っています。1:40過ぎの曲調が変わる中サビでのシンセの対旋律を聴くと、カシオペアを想い出してしまうのですが・・・。

5曲目はスプリングヴィル
ギター2本でジャズっぽいリフから始まります。この様にギターを優しく、静かに弾く時のラリー・カールトンさんの音色、音量のコントロールは実に見事です。なかなかエレキを静かに弾くと言うのは難しいんです。ヴォリュームを下げれば静かに弾けますが、ヴォリュームを下げすぎるとこのニュアンスが逆に出せないと言うことがあります。ある程度の大きさのヴォリュームでこのニュアンス、まさに名人芸だと想うのです。ソロはワウをかけた音です。ワウはいかにも!と言う音とフレーズになりがちなんですが、さりげなくかけて効果的なフレーズを使っているのでセンスの良さを感じます。

6曲目はマルベリー・ストリート
この曲はテンポも良く、ちょっとルーム335的な感じもあるので好きな曲ですが、ギターソロに関して個人的にはラリー・カールトンさんのソロベスト3に入ると想っています。このソロはギターシンセを使用していると言う話で、クレジットにもギターシンセと書いてあります。ところが、以前読んだインタヴュー記事でラリー・カールトンさん自身が『テープの回転を遅くして録音してレギュラーに戻したもの』と言っていた記憶があります。確かに聴いて見ると、1:43あたりのフレーズなどはレギュラースピードだとすれば恐ろしく粒揃いです。名手ラリー・カールトンさんでもちょっと難しそうな感じがします。さらに2:29あたりの和音のフレーズはギターシンセにしては逆に、いかにもギターの音?と言う感じがします。真偽はわかりませんが・・・。
そんな一風変わった音にかくれているのですが、フレーズを良く聴くとこれが実にメロディアスで良いフレーズの連発なんです。どこの部分をとってもまさにラリー・カールトンフレーズが爆発しています。確かにソロの完成度と言うことで観るとルーム335の方が上だと想いますが、細かくフレーズを聴くとこの曲の方がよりギタリスト好み、コピーし甲斐のあるフレーズが満載です。またその一端にコード進行がソロ向きと言うこともあります。推測ですが、テーマ部分が多少あと付けっぽいメロディであることから、コード進行を中心にして創った曲ではないかと想います。実際に後のテリー・トロッターさんのエレピソロも抜群に良いですね。

7曲目はイン・マイ・ブラッド
この曲もヴォーカル物です。先ほどのマジシャンとは変わってロック調のナンバーです。ですが、声がやはりこの曲調には合っていませんね。またやや中途半端なロックと言う感じであまり好きではありません。途中、TOTOの様な雰囲気の部分があったりして・・・そうスティーヴ・ルカサーさんが弾くと似合いそうな曲です。でも、先ほどの『歌ものラリー・スタイル』は良く出ています。

8曲目はただ愛のために
クレジットを観ると、フェンダーローズからドラム、ベースまでラリー・カールトンさんの演奏です。それよりも特筆すべきことはギターコントロールです。基本は歪み系の音なんですが、実に見事に、小さく優しい音から歪みの強い音、そしてフィードバックをコントロールしています。これはエフェクターで歪ませた音では無理で、アンプのひずみと愛器ES-335のなせる技ですね。アンプは多分ブギーのアンプだと想います。哀しげで綺麗な曲です。


どうしても前作が超名作だった為に比較されがちです。確かに全体の完成度や楽曲の良さ、そしてギターソロや音色も含めて夜の彷徨の方に軍配が上がると想います。
夜の彷徨はもう少し楽曲の構成などがクリアでテーマからソロ、そしてテーマと言う流れが基本にあるために解り易さがあります。
しかしこの作品は『歌ものラリー・スタイル』を全体的に使用している感じで、いろいろなところにギターが入っていて、さらに短いリフなども多く解り難さがあるのではないかと想います。そのあたりもセールス的に水をあけられた要因のひとつだと想うのです。

しかし、実際には比較することよりも、この作品も含めた連作として捉えた方がこの時代のラリー・カールトンさんのやりたかったことやギタープレイが良く理解できるような気がします。

また歌ものとセッションの中で培ってきたノウハウとスタイルは、ラリー・カールトンさんの原点であり、それは最終的にはブルースへと繋がっていて、その中で、夜の彷徨から引き続いた流れと雰囲気を出していくと言う難しさがあったのかな、とも想います。
その意味でも夜の彷徨とはやっぱり対になる作品だと想っています。

まあ、難しい話は抜きにして聴き終わって、walkingし終わって、爽快な気分になりました!・・・これがなんと言っても音楽の醍醐味・・・ですね!
(CD TOTALTIME:44:14 / Walking消費カロリー:177.8kcal)
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ストライクス・トワイスストライクス・トワイス
ラリー・カールトン ロバート・ポップス・ポップウエル ジョン・フェラーロ

曲名リスト
1. ストライクス・トワイス
2. 僕のハートエイク
3. ミッドナイト・パレード
4. マジシャン
5. スプリングヴィル
6. マルベリー・ストリート
7. イン・マイ・ブラッド
8. ただ愛のために

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(*)本文に登場したCD

夜の彷徨(さまよい)夜の彷徨(さまよい)
ラリー・カールトン グレッグ・マティソン ポーリニョ・ダ・コスタ
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シンギング&プレイング
シンギング&プレイング
ラリー・カールトン
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2007年07月18日

Column:牛丼とピアノトリオ・・・!?

先日、私の近所に「牛丼の吉野家」さんが新規オープンしました。
そこで、早速行って見たのですが・・・。

吉野家さんの牛丼は学生の頃に本当にお世話になりました。
今でも東京方面に行くと利用しています。

この近所の吉野家さんは新しい戦略?なんでしょうか・・・。

まず、普通に見慣れているスタイル、
カウンター席の間を店員さんが行き来してオーダーを取ったり、料理を運んだり・・・
と言うスタイルが無い!

さらに、あの、ある種雑然とした、そしてのんびり食べることを許さないような雰囲気が無い!

この地方は大型のスーパーや電気店が多く
この吉野家さんもその一角にあります。

明らかに、都心の駅の近くにあって
昼時などは、当たり前のように、食べている人の後に立って順番を待ち
食べる時間も平均数分と言うあわただしさ・・・
とは違います。

テーブル席がほとんどで、カウンターは中心に楕円形の大型テーブルがあるのみ。

そして店員さんが
「ご注文が決まりましたら、ブザーを押してください!」と・・・。

さらに、料理を運んだ来たらお決まりの
「●●でございます・・・ごゆっくりどうぞ・・・」と・・・。

ターゲットは明らかに家族連れ。
その日も一人で入ってきたお兄さんは
居ずらそうにしていました。

そしてゆっくりとゆったりとした食事の提供。
どうもコンセプトは高級感らしい・・・。
でも、あの吉野家さんに慣れ親しんだ私には
どうにも勝手が狂う感じのスタイルで
”らしさ”を感じることが出来ませんでした・・・。

さらに高級感の演出の極めつけが
店内で流れていた音楽。

ジャズ。しかも女性ヴォーカル+ピアノトリオ。

これは意図としては良く解りますが・・・なんとも・・・と想いませんか?
そう言えば牛丼もいささか薄めの、品の良い味?のようにも感じました。

店舗用BGMの持つ効果って確かにあると想いますが
度が過ぎるとそれは逆に効果的では無いですね。
やっぱり根が音楽好き、店舗のBGMってすごく気になります。
少なくても吉野家さんの牛丼とピアノトリオは合わないと想うのですが・・・。
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2007年07月14日

Column:テンポの乱れは気持ち悪いが・・・

先日、クラシックギターの村治奏一さんのコンサートを聴きに行きました。
村治奏一さんは村治佳織さんの弟さんで4枚ほどの作品をリリースしている若手ギタリストです。

私も過去のロックやジャズ・フュージョンギターとは別に
クラシックギターをここ数年独学で練習してるのですが
最近ようやくなんとなく理解することが出来てきた、弾き方に対するアプローチがあります。
村治奏一さんのコンサートでも少し気になったと言えば気になったのですが・・・。

それはテンポのことなんです。
テンポと言っても、速い、遅いと言うことではなくて、
一定のリズムをキープして弾くと言うことにおいて
クラシックギターの場合、多少の感覚的なテンポの乱れ、と言うかルバートと言うのは
どうやらOKなのだと言うことなんです。

解り難いですね・・・。

例えばジャズギターのヴァチュオーゾ、ジョー・パスさん。
ソロギターを弾く時に、テンポを無視して弾く、ルバートと言う弾き方があります。
このような弾き方は良くバラード曲などでギターに限らず使いますね。
ところが一端インテンポになると、これが実に正確にテンポを刻んで演奏します。

クラシックギターの場合、これは今回聴いた村治奏一さんに限らず
CD録音であっても、インテンポの途中で難しいフレーズや高揚するようなフレーズが出てくると
一定のテンポから外れるんです。
これは、クラシック・ソロの表現のひとつでもあるんですが
ジャズ・フュージョンのインテンポで、テンポが乱れることを悪!とするような
中で育って?きた私の音楽生活においては、聴いていて一緒にテンポを取っていても
突然合わなくなることが、非常に気持ち悪かったんです。

今回の村治奏一さんのコンサートで
「A列車で行こう」をクラシックギター用にアレンジしたプログラムがありましたが
途中でやっぱりテンポが狂うんです。
ですから結果的に全くスイングしていないんですね。これが・・・。

実際にクラシックギターの奏者は、今回の村治奏一さんもそうでしたが
足などでテンポをほとんど刻みません。

それに対し、先ほどのジョー・パスさんなどは、足でテンポを刻みます。
ジョー・パスさんのソロギター作品にはそのストンピングの音が入っていて
なおかつ、非常に正確だったので、メトロノームを使用しているのでは?と言う疑惑さえあったほど・・・。

このテンポの考え方は
クラシックギターにおける表現方法のひとつなんだと最近解ってきた、と言うか
聴いていて気持ちの悪さが少なくなってきたと言う話でした。

ジャズのように、オーディエンスがテンポを一緒に取ってスウィングすると言うようなスタイルは
クラシックの世界ではあまり無いんですね。

でも、村治奏一さんの演奏は素晴らしかったです。
ジャズ好きの私がクラシックの世界を理解するには
まだまだ修行が足りないと言うことも・・・自覚しています・・・。
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