梅雨らしい天候が続いています。九州地方などあまりにもたくさんの雨で被害・・・お見舞い申し上げます。この長雨の合い間を縫って久しぶりにwalkingです。実際は忙しかったのも、運動をサボっていたのも事実ですが・・・。という訳で、しばらくはギターを中心に聴いてみたいと漠然と想っていますが、次回は全くギターに関係ないものだったりする場合があるかも知れないことはご愛嬌として・・・。まずは、パット・メセニーさんのクエスチョン&アンサーでwalkingです。
パット・メセニーさんの活動として、通常のパット・メセニー・グループとは別に、他のミュージシャンとのセッション、それから自分のソロ名義の作品と主に3つに分類されます。どの活動も実に精力的にしていますね。この作品は1990年リリースのソロ名義のトリオ作品です。
1曲目はマイルス・デイビスさんの曲、ソーラー。
ロイ・へインズさんのドラムのリフから独特の空中浮遊をしているかのようなリヴァ-ブの効いたパット・メセニーさんのテーマが入ります。
ソロの前半は、ややドラムのロイ・へインズさんやベースのデイヴ・ホランドさんとのインタープレイを楽しんでいる感じで進んで行くのですが、2:00過ぎからリズム隊の怒涛のビートに乗ってグルーヴして行きます。音的に気がついたのですが、ドラムの音がやや全面に定位しているような感じがします。丁度ドラマーの後に立っているような感じと言えば良いでしょうか。その代わりややドラムが耳ざわりな感じも多少ありますが・・・。
2曲目は名曲、クエスチョン&アンサー。
パット・メセニーさんの曲の中でも名曲中の名曲ですね。数々の名演がありますがここでの演奏がオリジナルです。全体的にやや抑え気味と言うか、静かな感じの演奏です。2:50過ぎからの定番の駆け上がり?フレーズからサビ部分のコード進行でのソロがまるで事前に創ってあったかのようなメロディアスさです。
3曲目はH&H。
複雑な譜割とリズムがテーマの曲。ソロはブルースのコード進行です。ジャズではFとかB♭のブルースが多くまた、ギタリストはギターの解放弦を有効に使えると言う意味もあってGやEのブルースが多いのですが、ここではBのブルースになっています。
パット・メセニーさんのブルースフレーズはもちろん基本的にはバップフレーズなんですが、ところが、これがなかなかわかり難いんです。と言うものいわゆる定番的なフレーズが少ないからなんです。実はこの定番フレーズを上手く利用することでコード感のあるソロが取れたりするわけなんですが、パット・メセニーさんの場合は、コード感を一瞬感じさせない様なフレーズとも想えるのですが、全く違和感無く、逆にコード感が十分に出ていると言う不思議な感じがあるんです。コピーなどをしてみると、複雑で難解なフレーズの端々で実に見事にコードトーンを使用してフレーズを繋げていることが解ります。
4曲目はネヴァー・トゥー・ファー・ウェイ。
カントリー風の優しい曲です。この様なカントリー、フォークフレーバーもパット・メセニーさんの特徴であり魅力のひとつでもあります。
この曲でのソロは実に和音の入れ方が絶妙でさらに良く聴くと、メロディのみ際立っていて、まるでバッキングのギタリストが居るかのような錯覚にさえ陥ります。フレーズなどは簡単そうなんですが、実に奥の深い演奏です。
5曲目はロウ・イヤーズ。
この曲はオーネット・コールマンさんの曲。ファーストソロはデイヴ・ホランドさん。そのバックでソロに応えるかの様なロイ・へインズさんのスネアワークが良いです。そのスネアワークはパット・メセニーさんのソロに入ってからも基本的には同じでこの演奏全体をグイッと引っぱって行きます。
6曲目はチェンジ・オヴ・ハート。
この曲もカントリーフレーバーの曲。テーマを通じてずっと「ミ」の音が入っています。この音はギターで言うと1弦の解放になります。この奏法がよりカントリーフレーバーを際立たせています。
7曲目はスタンダード、オール・ザ・シングス・ユー・アー。
この曲はそのコード進行の為に、アドリブをする面白さがあります。特にギタリスト好みと言われているスタンダードです。
ここでのパット・メセニーさんの演奏は、数あるアドリブの中でも個人的にベスト3に入るソロだと想っています。このソロについての解説をギタリストの矢掘孝一さんが解説してるビデオが発売されています。そのビデオを観ると実に明確な理論に基づいての演奏だと言うことが解ります。もちろんジャズのアドリブは『理論よりも感情で演奏!』だと想いますので、後付すれば・・・と言うことなんでしょうけど。もちろんコピーしましたが、アドリブのコピーそのまま弾くことが出来ても全く意味がないので、いかに自分のアドリブに組み込むか!と言うことで、かなりこの演奏でのフレーズが私のアドリブの参考になっています。でも実際は『ここで、このフレーズだ!』と想った時に、曲は無情にも次ぎのコードへ進んでいることが多いんですが・・・。
8曲目もスタンダード、オールド・フォークス。
ゆったりとしたテンポの中でパット・メセニーさんらしいフレーズが連発しています。3:30過ぎからの速いパッセージからロングトーンが多くなり、ゆったりしたフレーズが多くなって、デイヴ・ホランドさんのソロへ繋げて行くアドリブの構成が見事です。
9曲目はスリー・フライツ・アップ。
かなりアップテンポの曲です。今までアコースティックなトリオ作品だったのですが、この曲にはシンセが入っています。確かに、コードが結構長尺なので、シンセを入れたい気持ちは良く解るのですが、それにしても今までの感じからするとちょっと違和感があります。ギターソロは速いパッセージが爆発しているのですが・・・。
そもそもパット・メセニーさんの個人名義の作品のデビューがジャコ・パストリアスさん、ボブ・モーゼスさんとのトリオ作品ブライト・サイズ・ライフ(*)。
そしてこの作品の前に、チャーリー・ヘイデンさん、ビリー・ヒンギスさんとのリジョイング(*)。
そして近年の、ギタートリオとしては極みに達したと個人的に想っているトリオ99>00(*)、Trio Live(*)へと続きます。
ギタートリオ作品はパット・メセニーさんの音楽活動の重要な位置をしめていますね。
その意味でもストレートアヘッドなトリオ作品として、その後のジャズ的なセッションやトリオ99>00へ向かうキー的な作品になっていると想います。
(CD TOTALTIME:62:53 / Walking消費カロリー:252.79kcal)
![]() | クエスチョン&アンサー パット・メセニー(g) デイヴ・ホランド(b) ロイ・ヘインズ(ds) 曲名リスト 1. ソーラー 2. クエスチョン&アンサー 3. H&H 4. ネヴァー・トゥ・ファー・アウェイ 5. ロウ・イヤーズ 6. チェンジ・オブ・ハート 7. オール・ザ・シングス・ユー・アー 8. オールド・フォークス 9. スリー・フライツ・アップ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
(*)本文に登場したCD
![]() | ブライト・サイズ・ライフ パット・メセニー ジャコ・パストリアス ボブ・モーゼス by G-Tools |
![]() | リジョイシング パット・メセニー チャーリー・ヘイデン ビリー・ヒギンス by G-Tools |
![]() | トリオ99>00 パット・メセニー ラリー・グレナディア ビル・スチュワート by G-Tools |
![]() | Trio Live Pat Metheny Trio by G-Tools |
![ジェイ・グレイドン・オール・スターズ・ライヴ・イン・ジャパン 1994.1.19 エアプレイ・フォー・ザ・プラネット[限定盤]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000XAMCA8.09.TZZZZZZZ.jpg)













コメント (2)
来ました。クエスチョン&アンサー! メセニーのギター・トリオ作品は全て好きです。どれがどうと甲乙つけられませんが,クエスチョン&アンサーは行きつけのジャズ喫茶のマスターが大好きです。趣味でセッションしているうちにレコーディングに突入したという「いわくつき」のトリオだけに,ストレートに訴えかける力は抜群ですよね。レビュー参考に聴き直してみますね。
投稿者: セラビー | 2007年07月12日 14:38
セラピーさん
コメントありがとうございます。
私もパット・メセニーさんのトリオはどの作品も甲乙つけがたいのですが、オール・ザ・シングス~のソロと最後の曲を除いてストレートアヘッドでジャムっぽさがあるのでやはり一番か二番には上げてしまいます。
投稿者: ayuki | 2007年07月14日 18:42