台風の影響で風が強かったのですが、雨は降っていませんでしたので汗もそんなにかかないで快調にwalking出来ました。と言うことで今日のレビューはグローヴァ―・ワシントンJr.さんのワインライトでwalkingです。
この作品を始めて聴いた時の印象はとにかく、お洒落、大人、渋い、と言う感じでした。後にケニ―Gさんを経て90年代からののスムース・ジャズへと向かう原点的な作品だったと言うことは当時は全く想いもよらず、ただ、お洒落、大人、渋い、と言う感覚でした。多分しっかりと聴くのは、ふた昔くらいぶりとなります。
1曲目はワインライト。
印象的なベースラインとギターのミュート奏法。そして少しフェイクしたようなアーティキュレーションのサックステーマ。もうこのイントロで”すでにワインライト”(?)と言う感じです。
ソロの部分は一転してインパクトのあるスラップベース。これはマーカス・ミラーさん。かなり若い頃だと想うのですが切れの良いスラップです。
グローヴァ―・ワシントン・Jr.さんのソロはいわゆるCm一発と言うものですが、実にバリエーション豊富なラインを奏でています。特に3:30過ぎくらいの超高音でのフレーズからサビの部分に戻って行くまでの構成は見事です。
また、ここでのギターのバッキングはエリック・ゲイルさん。実に歯切れ良くてカッコ良いカッティングです。マーカス・ミラーさんとユニゾン的に進む感じがこれまた良いですね。再び、後半からエンディングまでグローヴァ―・ワシントン・Jr.さんのソロが長尺で続きますが吹きまくり、熱演と言う感じです。
2曲目はレット・イット・フロウ。
この曲も印象的なベースラインから曲はスタートします。イントロ部分は少しこのベースラインのためか、マイナーで、テンポも少し跳ねたビートになっているのですが、テーマに入るとスーッとアダルトで綺麗なメロディになり、すぐにまたイントロのパターンになり、更にそれを繰り返すと言う構成。面白い感じですが実にクセになりそうな流れです。左チャンネルで聴こえるパーカッションが効果的です。パーカッションはこの作品のプロデュースもしているラルフ・マクドナルドさん。
グローヴァ―・ワシントン・Jr.さんのソロはもちろん熱演なんですが、この曲で肝!なのはサビの部分。「ソ・ファ・レ」と言う単純なメロディのバックでコードが変わって行くという構成なんですが、本当に単純なこの3音を実に豊に表情をつけて演奏しています。同じメロディを吹きつつ、コードに”微妙に雰囲気を合わせ”ると言うアーティキュレーションの妙技を味わうことができます。
3曲目はイン・ザ・ネーム・オヴ・ラブ。
明るいムードのミディアムバラードです。ソプラノサックスでのテーマですが実に音が良いですね。この作品は全体を通して音の抜けが良く、また各楽器の音の分離と定位も決クリアなので全体的に音の良さがあります。この曲でもパーカッションのカウベルが左チャンネルにスネアと同じテンポで入っている部分がありますが、それもやけにリアルに聴くことができます。
4曲目はテイク・ミー・ゼア。
ライトな感じのボサノバ調の曲です。この曲でもテーマを少しフェイクしたような吹き方が実に艶を感じます。グローヴァ―・ワシントン・Jr.さんのソロの部分はサルサ風に盛り上がって、そしてサンバ風に更に盛り上がって行きます。マーカス・ミラーさんのスラップではないサンバ調のベースラインが絶妙です。
さらに3:00過ぎくらいから、ドラムも絡んだインタープレイや、スネアの小技が入ります。今まで淡々と、ほとんどおかずも無く叩いていたドラムにここでハッ!と気がついた感じがします。ドラムはスティーブ・ガッドさん。実は淡々と存在感が無い様で、実は強力な存在感があったのだと言うことに気づくわけですね。
5曲目はクリスタルの恋人たち。
全米2位まで行った説明不要の大ヒット曲です。イントロのフェンダーローズはリチャード・ティーさん。そして、高音のベースラインが絡んできて、雰囲気は”イントロでクリスタル”(?)と言う感じです!
この作品ではもう一人ポール・グリフィンさんがフェンダーローズを弾いています。まさに70年から80年のフュージョンには欠かせない音ですね。歌はビル・ウィザースさん。独特の歌いまわしと声質があります。
歌に入ると今までの高音のベースラインがそのままオクターヴ下がってバッキングのベースラインになっています。このあたりのアレンジセンスはマーカス・ミラーさんでしょうか・・・。
ワンコーラス目の後のサックスの短いリフは2回繰り返しなんですが、1回目が高音、2回目がオクターヴ下げて奏でています。イントロのベースラインと同じですが、最初が低い音で2回目が高い音だと自然に盛り上がりパターン!になるのですが、この場合は一端全体を静めると言う効果があります。ですから続くスティールドラムのソロ部分が更に盛り上がると言うわけです。このあたりのアレンジセンスも良いですね。
グローヴァ―・ワシントン・Jr.さんのソロは基本的にスケールが一発なんですが、ここでは、少しバップ的なフレーズを折りまぜていて、かなりジャズ的な要素を聴くことができます。このあたりを聴くと上手いと言う感じがしますね。
6曲目はメイク・ミー・ア・メモリー。
イントロ部分でギターのエリック・ゲイルさんの短いソロを聴くことが出来ます。曲調はまさに夜、アダルト、酒、ワイン、ネオン・・・と言う感じ。サブタイトルがサッド・サンバとあります。ややサンバ調なんですがかなりスローなサンバですのでサンバらしさはあまり感じることが出来ません。でも逆にそれが全体に良い雰囲気を出しています。
この曲でのグローヴァ―・ワシントン・Jr.さんのソロはかなりの熱演。この作品中でのベストテイクだと個人的には想います。今までのややブルージーなフレーズにジャズ的なフレーズ、そして速いパッセージと盛り沢山ですが、基本的な曲の雰囲気と言うものは外していない名演です。
この作品では、グローヴァ―・ワシントン・Jr.さん以外のソロはほとんどありません。
テーマのメロディを中心に実に歌心満載と言うか、わかりやすくポップスの様なアレンジと楽曲なんですが、それに相反するようにソリストとしてサックスを想う存分奏でているし、その量も普通のサックス奏者の作品と比較しても圧倒的に多いです。
この対比が実に面白く、また不思議な感じがします。そして聴いていても飽きさせないソロフレーズはやはり見事と言うしかありませんし奥行きを感じます。
ふた昔まえの印象は、お洒落、大人、渋い、でしたが
今回聴き直してみてもうひとつ、深い、と言う印象が加わりました。名作です。
(CD TOTALTIME:39:22 / Walking消費カロリー:158.25kcal)

![]() | ワインライト グローヴァー・ワシントンJr. グローバー・ワシントン・Jr. 曲名リスト 1. ワインライト 2. レット・イット・フロウ 3. イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ 4. テイク・ミー・ゼア 5. クリスタルの恋人たち 6. メイク・ミー・ア・メモリー Amazonで詳しく見る by G-Tools |































コメント (4)
『ワインライト』! メチャメチャ聴いていました。当時【クリスタルの恋人たち】がバカ売れしたこともあって,にわかフュージョン・ファンに,グローバー・ワシントンJRではなく,マーカス・ミラーを聴くように言い張っていた記憶があります。今聴くと,やっぱりグローバー・ワシントンJRのCDですね。久々に聴いてみようっと。
投稿者: セラビー | 2007年08月05日 22:56
セラピーさん
コメントありがとうございます。
私も聴き始めはマーカス・ミラーさん好きのベーシストから紹介されたことなんです。昔はやっぱりマーカス・ミラーさん中心?に聴いていたような気も・・・。
最近ようやく、いろいろな作品をグローバルに聴けるようになった気がします。
投稿者: ayuki | 2007年08月06日 09:00
お邪魔します。
このアルバムには私もお世話になりました。兎に角、聴き易て尚且つ完成度の高いアルバムですネ。ヒットするのもうなずけます。また、私の好きな「ラルフ・マクドナルド」のプロデュースも光りますね。
しかし、このワーナー時代とCTI時代を比較するとスタイルが違うので、尚更このアルバムのサウンドとヒットにはビックリする次第です。
投稿者: FUSION | 2007年08月06日 11:06
FUSIONさん
コメントありがとうございます。
この作品は仰る通りに、ラルフ・マクドナルドさんのプロデュースの力が大ですね。故にこの完成度と言うことになった訳ですね。
投稿者: ayuki | 2007年08月08日 01:06