残暑厳しき中、それでもwalkingします。とは言っても一時期に比べれば多少風が涼やかに・・・。今日はジェフ・ベックさんのブロウ・バイ・ブロウでwalkingしました。
先日、JazzLife特別編集「JAZZ GUITAR2007-2008」と言う雑誌を買いました。その中に"70年代ギターアルバム100"と言う特集がありました。実に良い特集だと想ったのが、単にギタリストのリーダー作だけではなく、セッション的な作品もかなり取り上げられていたことです。なかなかやるなJazzLife!と言う感じです。またその作品がけっこう今回のFUSION MASTERPIECE 1500のラインナップと絡んでいます。この時代のフュージョンにおけるギターの重要性を改めて感じたのですが、この中で今回walkingしたジェフ・ベックさんのこの作品が紹介されています。再び、なかなかやるなJazzLife!と想ったわけです。
この作品は1975年のリリース。ギターインストとしては当時異例のビルボード4位。そして100万枚を越える売上と言うロックギターの名盤中の名盤です。あのレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジさんに「ギタリストの為のギター・アルバム」と言わしめた作品です。
1曲目は分かってくれるかい。
ジェフ・ベックさんの歯切れの良いカッティングで始まるファンキーなナンバーです。
ジェフ・ベックさんはピックを使用しないで指で弾きます。少し引っ掛けるように弾くので音の切れが良いんですね。また、指を使うために2~3音の和音を使用してのソロも良く奏でます。その辺りのギターの特徴が良く出ている演奏がこの1曲目です。
2曲目はシーズ・ア・ウーマン。
ご存知ビートルズのナンバーです。レゲエのリズムにアレンジされています。フェンダーローズのようなエレピの音が実にフュージョンっぽい感じです。雰囲気は渡辺貞夫さんの感じと言えばお解かりでしょうか。
ここでジェフ・ベックさんはトーキング・モジュレーターと言うエフェクトを使用しています。シンセで言うところのヴォコーダーの様な感じのヒューマンヴォイスが出せるエフェクトなんですが、このトーキング・モジュレーターと言うのは、ゴムホースみたいなものを実際にクチに咥えて、ギターと一緒に歌うと言うもの。私は使ったことが無いのですが、かなり頭に響くと言う話も聞きました。使いすぎるとやや頭がイカレルと言う本当か嘘か分からない話もありました・・・。
この作品を良く聴いていたときはロック少年でした。ですからこのようなかなりフュージョンテイストの曲は飛ばしていた様な気がします。ここでのジェフ・ベックさんはクリアトーンでかなりジャズっぽいソロです。CD Time=2:18の速いパッセージやCD Time=3:25などを聴くとかなりジャズ的なフレーズです。また、細かいアーティキュレーションが絶妙で、CD Time=2:24あたりを始めに特にチョーキングのコントロールは絶品です。ちょっとラリー・カールトンさんのチョーキングコントロールに似ている感じもありますね。
3曲目はコンスティペイテッド・ダック。
1曲目と同じくファンクナンバー。CD Time=2:00からのこれまたチョーキングを上手く使用したフレーズが良いです。また、この曲ではタイトなドラミングのリチャード・ベイリーさんが良い味を出しています。なんとこの録音の時には18歳だったそうです。
4曲目はエアー・ブロワー。
雰囲気は今までの1曲目、3曲目と同じファンク色の強いナンバーです。でもメロディがかなりフュージョンっぽいのでカッコ良い曲に仕上がっています。
後半のエレピのソロがジャジーで良いです。エレピはマックス・ミドルトンさん。
後半スローになって、次ぎの曲のコード進行を使ってジェフ・ベックさんがソロを弾き、そしてドラムのフィルインから次ぎの曲に入ります。この辺りのつながりは個人的にはけっこう肝!です。
5曲目はスキャッター・ブレイン。
この曲は大好きな曲で、素直にカッコ良い!って想います。ですから前の曲からのつながりが肝!なんです。
この曲は9/8拍子と言うかなり変則的なリズムを持った曲ですが、テーマのフレーズがまるでスケールの練習をしているかの様な16分音符の連続。そしてコード進行がけっこう難解で、少し陰鬱で、段々と上がっていくコード進行。ストリンスが重厚に入っていてかなり劇的な感じのする曲です。
この難解なコード進行でジェフ・ベックさんは実に見事にソロを奏でています。フレーズ的にはロック調で、コードチェンジの部分などはあまり弾きまくらずシンプルに繋げています。多くを弾かずに多くを語る!と言う名演です。
そのソロを受けてマックス・ミドルトンさんのエレピソロもかなり良いですね。
更にリズム隊がかなり頑張っています。ベースのフィル・チェンさんも流れに沿ったフレーズを展開しつついろいろなおかずを入れてソリストを盛り上げます。
再びテーマに戻った後にジェフ・ベックさんのカデンツアです。
この部分でもチョーキングがまるで語っているかのような絶妙なアーティキュレーションです。そして、ギターのミュートを上手く使用したリフからテーマに戻るのですが、今度はストリングスでテーマを奏でつつ、ジェフ・ベックさんがソロを重ねて行きます。最高潮の盛り上がりでフェードアウト・・・まさに名曲、名演です。
6曲目は哀しみの恋人達。
ロックギターの定番的な曲。実に綺麗な曲でまさにギターで弾く為に創った感じのテーマ。これはスティービー・ワンダーさんの作曲。
ソロももちろん名演で、早弾きとかは無くてフレーズ自体は簡単なんですが、この独特のニュアンスを出すのがかなり難しいソロです。
そう言えば、スティーブ・ルカサーさんとリー・リトナーさんがリー・リトナー&フレンズ・ライブ (*)と言うDVDでこの曲をセッションしています。このセッションも聴き応えがあります。
7曲目はセロニアス。
この曲もスティービー・ワンダーさんの曲。かなりファンキーなナンバーです。
オクターバーと言うエフェクターで低音をギターで出しています。さらにサビではトーキング・モジュレーターと面白いギターのエフェクトを使っています。
8曲目はフリーウェイ・ジャム。
3連、シャッフルの曲です。まさにフリーウェイを走っているかのような曲です。
ラリー・カールトンさんの夜の彷徨(*)に入っているドント・ギヴ・イット・アップや渡辺香津美さんのMobo(*)に入っているハーフ・ブラッドなどと同じようなムードを持った曲ですね。
9曲目はダイヤモンド・ダスト。
3/4拍子のマイナーな中にも情緒的なメロディの美しい曲です。ストリングスアレンジが良く実にクラシカルに奏でられています。
エンディングとしてはギターをもっと弾いて欲しい感じもしたのですが、この辺りはミュージシャン・ジェフ・ベックと言うところでしょうか。それでもコード進行が複雑な中、クリアトーンでリリカルにソロを奏でています。このソロもかなりジャズ的な感じがしますね。
ストリングスに囲まれながら、厳かに、静かにエンディングです。
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ジャズとロックやポップスを融合させた名盤にウェス・モンゴメリーさんのア・デイ・イン・ザ・ライフ(*)があります。また、マイルス・デイビスさんをはじめにクルセイダーズなどなど・・・。
ジャズからのロックやポップスへのアプローチについては良く取り上げられるのですが、逆、つまりロック側からジャズへのアプローチは、あくまでもロックなんだ!と言うことでしょうか、ジャズ・フュージョンとして取り上げられることが少ないと想っていました。
でも、ロック側からのアプローチとして外すことが出来ない名盤だと個人的には想います。
その意味で今回のJazzLifeさんの特集は良かったと想うわけです。
ギターを練習していく中で、ジャズギターからロックギターを言う流れは少ないと想います。ロックからジャズへ移行していく方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
そう言うわたしも、超王道で、フォーク、ロック、クロスオーバー、フュージョン、ジャズと言う流れなんです。
私のような流れでギターを弾いてきたものにとっては丁度ロックからフュージョンへの"目覚め"を提供してくれた作品と言うことでより貴重な作品と言えます。
当時はロック的な視野で見ていましたの、ロック的には少々物足りないと言う感じもありましたが、いろいろなジャズ・フュージョンに接してきた今聴いてみると実にジャズ的、フュージョン的。
この作品のカテゴリーはまさにフュージョンと言う感じがします。
ですから、もし聴いたことが無い方がいましたら聴いてみてください。
フュージョンのルーツの一端が見えるような気がする・・・かも知れません・・・。
(でもロックで育った私にはジェフ・ベックさんはやはりロックギタリストなんです!)
(CD TOTALTIME:44:33 / Walking消費カロリー:179.09kcal)

![]() | ブロウ・バイ・ブロウ ジェフ・ベック 曲名リスト 1. 分かってくれるかい 2. シーズ・ア・ウーマン 3. コンスティペイテッド・ダック 4. エアー・ブロワー 5. スキャッターブレイン 6. 哀しみの恋人達 7. セロニアス 8. フリーウェイ・ジャム 9. ダイヤモンド・ダスト Amazonで詳しく見る by G-Tools |
(*)本文に登場したCD・DVD
![]() | リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1 リー・リトナー by G-Tools |
![]() | 夜の彷徨(さまよい) ラリー・カールトン グレッグ・マティソン ポーリニョ・ダ・コスタ by G-Tools |
![]() | MOBO 渡辺香津美 by G-Tools |
![]() | ア・デイ・イン・ザ・ライフ ウェス・モンゴメリー ハービー・ハンコック ロン・カーター by G-Tools |
![ジェイ・グレイドン・オール・スターズ・ライヴ・イン・ジャパン 1994.1.19 エアプレイ・フォー・ザ・プラネット[限定盤]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000XAMCA8.09.TZZZZZZZ.jpg)













コメント (5)
お邪魔します。
おっと!是が出ましたか!やはり避けては通れないアルバムですね。私もこのアルバムはロックを極めたギタリストでなければ作れない作品だと思います。そういった意味でも仰る様に「ロック側からのアプローチとして外すことが出来ない名盤」・・・その通りですネ。兎に角、素晴らしいとしか表現出来ない作品ですね。
>フュージョンのルーツの一端が見えるような気がする・・・
同感です。
余談ですが「哀しみの恋人達」のルカサーとリトナーの映像を見て思ったのですが、ルークのギターが見事にはまっていましたネ。と言うより、リトナーがベックの作品をライブで演奏した事も驚きだったのですが(笑)
JazzLife特別編集私も買おうか悩んで・・・立ち読みで我慢しました(涙)
長文で失礼致しました。
投稿者: FUSION | 2007年09月04日 19:47
度々失礼します。
下こんな映像ありました。やはり本家にはかないませんネ
http://jp.youtube.com/watch?v=msPiKYuuRiQ
投稿者: FUSION | 2007年09月04日 19:58
FUSIONさん。
コメントありがとうございます。
映像見ましたが、もうのっけから絶妙なチョーキングニュアンスですね。またジェフ・ベックさんってギターが実に似合います。無条件にカッコ良い!って想いました。
投稿者: ayuki | 2007年09月05日 15:59
ayukiさんこんにちは。
このアルバムとワイアード、ゼアアンドバックの三枚は本当によく聞きました。学生バンドで演奏もしました。しかし、スキャッターブレインってすごいタイトルですよね。曲調もまさに「脳味噌まき散らし系」です。
と思って念のために辞書ひいてみましたら、スキャッターブレインは「注意力散漫な人」という意味なんだそうです。(ご存知でした?)私、初耳でした。
投稿者: 猫ケーキ | 2007年09月12日 09:38
猫ケーキさん
コメントありがとうございます。
それは知りませんでした。そう聴けはなるほど、注意力と言う部分を細かいスケールライクなテーマで表現していて、さらにコードが微妙に変化していくところや9/8と言う拍子が散漫さを表現している感じですね。でも注意力が無いととても出来ない演奏ですよね。
投稿者: ayuki | 2007年09月12日 19:02