今日はジョー・ザビヌルさんへの追悼の気持ちを込めてウェザー・リポートのヘビー・ウェザーでwalkingしました。
私がジャズ・フージョン系の音楽を愛する中で、自分的な”七不思議”って言うものがあります。
自分で自分のことについて”七不思議”と言うのも変な話なんですが・・・。例えばトランペット奏者のリーダー作はほとんど聴かないとか・・・。その中でウェザー・リポートはほとんど聴かない。と言うものが実はありましてジャコ・パストリアスさんは大好きなんですが、にもかかわらずほとんど聴かずに唯一持っている作品がこのヘビー・ウェザーなんです。それもそんなに深く、じっくり聴いたことが無いんです。
それにも関わらす、本屋に並んでいるジョー・ザビヌルさんが表紙の雑誌を手に取って立ち読みしている少し若い人をみると「表紙、誰だか知ってる?」など想い、優越感を感じたり・・・。
そう言う私も実際はジョー・ザビヌルさんのプレイ自体、そんなに詳しく無いと言うのが実情なんです。
いわゆる食わず嫌い、であることは間違え無いのですが・・・。
でも、偉大なるミュージシャン。リスペクトを込めまして今更ながらじっくり聴いてみました。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
1曲目はバードランド。
ウェザー・リポートと言えばこの曲。全米でシングルカットされてヒット。さらにマンハッタン・トランスファーのコーラスカバーが大ヒット。そのために超定番に。
聴き始めて想ったのが意外にテンポが速いと言うことでした。いろいろなカバーもありますが本家はノリが違います。
ジャコ・パストリアスさんの、当時、どうやって弾いているのか不思議?とも言われていたハーモニクス奏法が印象的です。ギターの世界ではクラシックギターの奏法としてはるか昔から使われていた奏法、ギタリストが居ないゆえのフレーズ?そうですね、ギタリストが居ないバンドですよね。この辺りもあまり聴かなかった理由かなと・・・。
印象深い様々なフレーズが連続してさらに連結して、サビの部分のメロディアスで覚えやすいメロディへ。このキャッチーなメロディならヒットする理由も良く解ります。でも単純な中にも実に計算されたメロディとコードがあって見事です。まさに名曲ですね。もちろんジョー・ザビヌルさんのペンによる楽曲。
エンディングはこのメロディを繰り返しながらジョー・ザビヌルさんのソロが展開して行きます。音的にもフレーズ的にもかなりギターの様な感じです。また、この部分のハンドクラップも印象的です。フェードアウト近くでは8分音符でのハンドクラップ。忙しそうですが盛り上がります。
2曲目はお前のしるし。
ジョー・ザビヌルさんのエレピからスタートするバラード。ウェイン・ショーターさんのテナーが綺麗な音です。CD Time=1:59からのジャコ・パストリアスさんのフレットレスベースとのユニゾンは実に良いですね。かなり肝!です。続くテナーサックスのソロもリリカルで朗々と歌い上げています。
3曲目はティーン・タウン。
この曲はドラムがアレハンドロ・ネシオス・アカーニャさんでは無く、ジャコ・パストリアスさんとクレジットされています。まあ、ほとんどハイハットだけなんですが・・。テーマともソロとも取れるような速いパッセージを聴くとやはりジャコ・パストリアスさんはすごいと想います。曲自体は劇的な変化をしそうで、しないと言う不思議な静寂があって引き込まれる曲です。
4曲目はアルルカン。
ジョー・サビヌルさんのエレピの4つ打ちのフレーズで始まるバラードです。この曲はウェイン・ショーターさんの曲。
CD Time=1:15からのソプラノサックスと速いパッセージのジョー・ザビヌルさんのピアノが絡む所ではジョー・ザビヌルさんのピアノプレイを堪能することができます。当たり前ですが上手いですね。
5曲目はルンバ・ママ。
この曲は1976年のモントルー・ジャズ・フェスティバルのライヴ録音。パーカッションのバドレーナさんとドラムのアレハンドロ・ネシオス・アカーニャさんのデュオ。大変短い曲なんですがやっているプレイはすごいです。
6曲目はパラディアム。
ある意味もっともフュージョン的な曲です。でもカッコ良い曲ですね。学校のチャイムをモチーフにしたようなフレーズのバックでウェイン・ショーターさんのテナーサックスソロ。短いのですが、低音でモチーフを少しずらしながら奏でてそのままジョー・ザビヌルさんのソロへ。この辺りのつながりは絶妙です。さらにジョー・ザビヌルさんのこのARP 2600でのソロは良いですね。
全体的にずっと”おしん”的なフレーズを繰り返しているジャコ・パストリアスさんも得意技!と言う感じで強烈なビートを爆発させています。
7曲目はジャグラー。
この曲はやや神秘的なテーマモチーフをいろいろに展開していきながら、かなり計算されたオーケストレーションで壮大な曲。この作曲とアレンジはもちろんジョー・ザビヌルさん。クラシカルな味わいがあります。
8曲目はハボナ。
ジャコ・パストリアスさんの超絶なパッセージにロングトーンのテーマが絡んでいくと言う曲。ワンコーラスエンドのピアノとベースのユニゾンがかなりカッコ良いです。
ファーストソロはジョー・ザビヌルさんのピアノ。CD Time=1:34からのコード進行にあわせて、ジャズ的なフレーズで展開していくところは見事です。
次ぎはウェイン・ショーターさん、続けてジョコ・パストリアスさんのソロへ。
そして、誰のソロとも言えず、テーマとも複雑に絡んでいって、フリーに進んで行くのかと想えば、サックスとベースがユニゾンしたり・・・。なかなか掴めない展開の中でグルーヴだけが加速して行く・・・。
そしてエンディングでのジョー・ザビヌルさんのピアノでの単音の16分音符の連打に重なるようにジャコ・パストリアスさんの正確な16分音符でのパッセージ。同じようにウェイン・ショーターさんも・・・。でもサックスでは限界があるため途中休んだり・・・。でも一番最後に少し高い音でスペーシーに逆転の連打的フレーズ・・・。
この展開はかなり肝!たまらない展開ですね。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
全体的にはソロが多いようで少なく、展開としてはいろいろなモチーフがプログレ的にまた、クラシカルに連続していくと言う楽曲が多いですね。これがひとつの魅力と言うことでしょうか。
私がウェザー・リポートをあまり聴かなかった理由のひとつに、ギターが居ないバンドと言うことがありますが、多分このウェザー・リポートの魅力が逆に好みではなかったのだと想います。
今回聴いてみて、食わず嫌いであったことは明確になったのですが、それでも毎日と言う感じではなく、たまに想いだしたように食べたくなる、言うならば”老舗の銘菓”の様な味わいです。
実はこの作品は以前からレビューしたいと想っていて今回たまたまジョー・ザビヌルさんの逝去と重なったのです。何故レビューしようと想っていたかと言うと、実はフュージョンにおけるスタンダードを考えていたからです。
4ビートジャズにオリジナルとは別にスタンダードを奏でると言うカテゴリーがあります。多くは映画音楽だったりしたものを誰かが演奏をして、それを聴いた違うミュージシャンが”俺ならこう奏でる!”と展開していったもの。もちろんミュージシャン本人のオリジナルがスタンダードになったものもありますが・・・。
演奏を聴かせると言う意味においてはフュージョンはまさにその典型的な音楽。
ならばフュージョンにおけるスタンダードソングがあっても良いのでは?と想ったわけです。
フュージョン系のミュージシャンってオリジナルにかなりこだわりますよね。
そんな中でも、スタンダードフュージョンのみの作品やミュージシャンが居ても良いのでは?と想うわけです。もちろん今でもそのようなミュージシャンやバンドもあるとは想いますが、独立したカテゴリーと言うよりはあくまでもカバー曲集と言うことになってしまうことが多いのではと想います。
そんなときに、さてフュージョンでスタンダードになりうる楽曲は?と・・・。
すぐに想いついたのがバードランドだったんです。
現在でもフュージョンに限らずジャズも含めていろいろなカバーがある楽曲ではあるのですが、1曲の中にいろいろなモチーフやメロディ、コード進行などがたくさんあって、それらをいろいろな繋ぎ方でアレンジして行く事ができると言う、非常に希有な楽曲だと想うのです。
まあ、スタンダードフュージョンについては異論反論もあるでしょうけれど・・・。
ジョー・ザビヌルさんはもちろん偉大なミュージシャンなんですが、今後、超個人的には広まって欲しいと想っているスタンダードフュージョンの世界でその偉大なる作曲家としても名を刻むことを切に願っているのです・・・。
ご冥福をお祈りいたします。
(CD TOTALTIME:37:55 / Walking消費カロリー:152.4kcal)

![]() | ヘヴィー・ウェザー ウェザー・リポート 曲名リスト 1. バードランド 2. お前のしるし 3. ティーン・タウン 4. アルルカン 5. ルンバ・ママ 6. パラディアム 7. ジャグラー 8. ハヴォナ ※〈CDテキスト〉 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![ジェイ・グレイドン・オール・スターズ・ライヴ・イン・ジャパン 1994.1.19 エアプレイ・フォー・ザ・プラネット[限定盤]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000XAMCA8.09.TZZZZZZZ.jpg)








コメント (6)
お邪魔します。
今回紹介された「HEAVY WEATHER」は私にとって衝撃的なアルバムでした。特にバードランドからアルルカンまでの流れは今聴いてもゾクゾクします。
正直、ジョー・ザビヌルのサウンドはウェザー・リポート以外はほとんど知らなかったりしますが、、、それでも私にとってはジョー・ザビヌルの偉大さを知るには十分過ぎるほどのアルバムです。
ご冥福をお祈りいたします。
投稿者: FUSION | 2007年09月13日 21:14
どうもです。
私にとってのウェザー・リポートはジャコのプレイを聴く事に徹していた感があります。
しかしサウンド的には私もあまり好みではないところがあり、何故かな?と思いながら今回ayukiさんのレビューを読みながらソロ等聴き返してみたのですが・・・やはりウェイン・ショーターのフレーズが好みではない事を痛感しました。
そう言えばウェイン・ショーターのソロを1枚持っているのですが、1度聴いたきりで2度と聴いていない(聴く気が起きない)事も思い出しました(ウェイン・ショーター・ファンの方々には申し訳ないですが・・・)。
モンドラゴン・リオ然り、やはりジャコのみでは聴けない作品も多々あるという事ですね。
ザビヌルのプレイはFUSIONさん同様ウェザー・リポートでのものしか聴いていませんが、割と好きではあります。
偉大なアーティストが次々と逝き悲しい限りです。
心よりご冥福をお祈り致します。
投稿者: もりゃ | 2007年09月13日 22:57
FUSIONさん
コメントありがとうございます。
私もジョー・ザビヌルさんのサウンドはウェザー・リポート以外ほとんど聴いたことがないと言っても良いくらいですが、聴いて素直に想ったことをレビューするのが最高の敬意と想って今回書いて見たわけです。音楽はオープンでありながらも非常にパーソナルなものなので、感じ方も十人十色。FUSIONさんも是非レビューしてください!
投稿者: ayuki | 2007年09月14日 00:43
もりゃさん
コメントありがとうございます。
確かにこの作品を聴くとジャコ・パストリアスさんの役割って大きいですよね。私もつい聴いていてジャコ・パストリアスさんのプレイに集中しそうになるのですが、こらえて良く聴いて見ると、バックにドンと構えて、全体を見据えているジョー・ザビヌルさんが浮かび上がって来るような気がしました。そう想ったらこの作品でのジャコ・パストリアスさんは釈迦の手のひらに居る孫悟空のようにも聴こえてきました。
投稿者: ayuki | 2007年09月14日 00:49
ayuki様、はじめまして。milkybarと申します。
当方のブログにコメントをいただき、ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
ウォーキングをしながらジャズ・フュージョンを聴くというスタイルは素晴らしいですね。自分もやってみようかな...
ジョー・ザビヌル氏の訃報はとても残念でした。牧歌的な部分と尖がった部分が折り重なったような彼のサウンドはこれからも永遠に聴き継がれ語り継がれていくことでしょう。ご冥福をお祈りします。
投稿者: milkybar | 2007年09月14日 20:04
milkybarさん
コメントありがとうございます。
本当は怠け者なので、CDを聴くと言う大義名分がないと続かないだけなんです・・・。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
投稿者: ayuki | 2007年09月15日 19:10