Walking de Music

walking de music!
このブログは、ウォーキングをしながら聴いたジャズ・フュージョン・CDのレビューを中心としたブログです。個人的に想い付くままに綴っています。

Walking de Music・・・
ベストなCDが見つかりますでしょうか?

Walking de Musicにアクセスしてくださいましてありがとうございます!
管理人のayukiと申します。
簡単な自己紹介はこちらです。
>>>About

★ランキング参加してます♪
にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ

人気ブログランキングへ

このブログのフィードを取得
[フィードとは]
with Ajax Amazon

【walking de music】サイト内検索



2007年09月Archives

<<  123

2007年09月11日

ケニー・ドリュー・バイ・リクエスト/ケニー・ドリュー
KENNY DREW BY REQUEST/KENNY DREW

ケニー・ドリュー・バイ・リクエスト

今日は何故か?たまに聴きたくなるケニー・ドリューさんの
ケニー・ドリュー・バイ・リクエストでwalkingしました。

ファンからのリクエストを募り、その上位曲をピアノトリオで演奏した作品。もちろん選ばれている曲は超有名なスタンダードばかり・・・。ややマニアックなものを・・・、ちょっと硬派なものを・・・そんな見栄もはってしまうこともありますが、この作品を聴くとほっとするんです。不思議と・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

1曲目は朝日のようにさわやかに
この曲は実は私が4ビートにはまるきっかけの曲なんです。でも演奏はこの作品ではなくてMJQラスト・コンサートです。ですからスタンダードナンバーの中でも想い入れの深い曲です。
歯切れの良いベースラインからスタート。ベースはニールス・ペデルセンさん。ちょっとしたリフがあってテーマへ。サビから強烈にスイングして行きます。
ファーストソロはニールス・ペデルセンさんのベース。
ウッドベースは普通、右手の弾き方として人差し指と中指を中心にして弾きますが、ニールス・ペデルセンさんは映像を観ると薬指を使用して3本の指で弾いているのがわかります。この超絶なパッセージはこの弾き方から生み出されています。
ベースソロを受けてケニー・ドリューさんのソロです。
ブルージーな中にも洗練された感じがするソロです。特に左手の和音の入れ方がタイミング良く、心地よいのでバックのビートと重なって実にスイングしています。CD Time=3:05の和音の入れ方などは絶妙です。

2曲目はミスティ
エロール・ガーナーさんの名曲。この曲もニールス・ペデルセンさんの短いイントロからスタートです。ムーディーでまさにクラブでお酒!と言う感じ。
ケニー・ドリューさんのソロは速いパッセージを中心にしながらもコードのアルペジオ的なフレーズを展開していて、テーマとコード進行を常にリスナーが感じることが出来るプレイです。

ちなみに、ミスティの隠れた名演だと想っているのが、スーパーギタリスト5人衆(*)と言う映像作品でラリー・カールトンさんがやや軽快なミスティをナチュラルに歪んだ音でチョーキングなどを交えながらプレイしているもの。このソロは絶品です。

3曲目はグリーン・ドルフィン・ストリート
ケニー・ドリューさんのフリーでのテーマに続いて、ニールス・ペデルセンさんのモチーフとなるベースラインのインテンポからやや静か目にスタートします。基本的にテーマの前半はベースのモチーフで静か目、そして後半はスイングして、と言うパターン。全体にメリハリがあって軽快な演奏です。

4曲目は煙が目にしみる
実に綺麗な曲で大好きなスタンダードです。個人的にはアール・クルーさんのソロギターのバージョン(*)が好きです。
ケニー・ドリューさんは2曲目のミスティも同じですが、実にバラードのプレイが良いですね。とてもリリカルで聴きやすくて・・・女性に人気のあるピアニストと言うのもうなずけます。

5曲目はユード・ビー・ソー・ナイス
この曲はもう名演ヘレン・メリル(*)さんの歌が一番好きです。
ファーストソロはニールス・ペデルセンさん。実に速いパッセージを奏でています。それを受けたケニー・ドリューさんもかなりブルージーなフレーズを連発しています。

6曲目はマイ・ファニー・バレンタイン
もうこの曲と言えば有名過ぎるくらい有名なマイルス・デイビス(*)さんのプレイ。定番だけどやはり好きです。
ここではかなり和風のイントロからスタートします。この曲でもケニー・ドリューさんのバラードプレイは光っていますね。

7曲目は恋人よ我に帰れ
この曲も様々な名演がありますが、裏名演として私が想い出すのは、朝の番組で御馴染み岡江久美子さんがスタンダードソングを歌った作品。意外にこれが良かったです。
ここでは、エド・シグベンさんのアフロキューバン的なリズムからスタートします。後半にはエド・シグベンさんのソロがあります。スネアをコンガのように叩く部分があるのですが、多分スティックではなく手で叩いている(?)と想います。実に小気味良く、今までかなりオーソドックスにリズムを刻んでいたのですが、一気に脚光を浴びます。

8曲目は時のたつまま
名画カサブランカで有名な曲。実はもっとも個人的な想い入れがある曲です。それはピアノバーでの苦い想い出なんですが・・・それは置いておいて・・・。
ここではほぼワンコーラスをピアノソロでケニー・ドリューさんが奏でます。ライナーノーツによるとこの曲をうろ覚えでしか知らなかったらしいです。とてもそうは想えない演奏です

9曲目はフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
ケニー・ドリューさんがオーソドックスにテーマをそのまま、しかも単音で弾きます。そこにニールス・ペデルセンさんがアドリブラインを絡めて行きます。そして2コーラス目からエド・シグベンさんのドラムがインして、さらにケニー・ドリューさんがテーマをフェイクして奏でます。そしてそのままソロに入ると4ビートパターンになって軽快にスイングして行きます。この一連の流れは実に見事です。

10曲目はラウンド・ミッドナイト
映画ラウンドミッドナイトも良かったですが、やはり本家セロニアス・モンクさんですね。淡々と奏でられるラウンドミッドナイトはまさにエンディングに相応しい演奏です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

もともとケニー・ドリューさんはスタンダードや歌ものが得意と言うことでその作品もたくさんあります。しかしこの作品は特に聴きやすいものになっています。

ひとつはスタンダードのテーマを実に素直に弾いていること。
さらにコード進行などもあまりリハーモナイズ(コードを変えてしまうこと)していなくて、実にオーソドックスで原曲に近いのです。
そしてテーマ~ソロ~テーマと言うジャズの王道の流れが基本的に取られている。
そしてソロの部分でも、派手なインタープレイなどはあまり無く実にストレート。
さらに1曲が4分から5分くらいにまとまっている・・・。

それであれば「●●ジャズ入門」とか「ジャズスタンダード集」みたいなオムニバス的な作品もたくさんありますよね。でも、名手3人が演奏していると言うことでそれらとは大きく違うと想います。
超スタンダードを超スタンダードに演奏するってこれは逆に難しいことだと想うのですが・・・。

しかし、これらのことと全く逆のことが実はジャズの醍醐味のひとつ。
いかにテーマをフェイク(崩す)して、リハーモナイズして、インタープレイを・・・。

最初にほっとする作品・・・と書きましたが、それはある意味で原点回帰。もちろんこの作品が私とジャズとの関わりに置いて最初の作品ではないのですが
それでも、スタンダードをスタンダードに聴くことが出来て初めて解るジャズの醍醐味。
その為の格好の素材と言えます。

ジャズなんかあまり聴かない!と言う方やスタンダードはちょっと!
と言う方にもお薦めできる作品です。

(CD TOTALTIME:49:02 / Walking消費カロリー:197.11kcal)

人気ブログランキングへ
ケニー・ドリュー・バイ・リクエストケニー・ドリュー・バイ・リクエスト
ケニー・ドリュー・トリオ

曲名リスト
1. 朝日のようにさわやかに
2. ミスティ
3. グリーン・ドルフィン・ストリート
4. 煙が目にしみる
5. ユード・ビー・ソー・ナイス
6. マイ・ファニー・ヴァレンタイン
7. 恋人よ我に帰れ
8. 時のたつまま
9. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
10. ラウンド・ミッドナイト

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(*)本文に登場したCD・DVD

Noimage-amazonに画像がありません・・・スーパー・ギタリスト5人衆
タル・ファーロウ/他

by G-Tools

アール・クルーアール・クルー
アール・クルー

by G-Tools

ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン(でかジャケ)ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン(でかジャケ)
ヘレン・メリル with クリフォード・ブラウン

by G-Tools

マイ・ファニー・ヴァレンタイン(紙ジャケット仕様)マイ・ファニー・ヴァレンタイン(紙ジャケット仕様)
マイルス・デイビス ジョージ・コールマン ハービー・ハンコック

by G-Tools

あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。また、このサイトや記事にほとんど関連性の無いコメントやトラックバックは、わたしの判断で削除させていただきますのでお許しください。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

2007年09月08日

ノルウェー(ノルウェイ)の森/L.A.ワークショップ
Noregian Wood(This Bird Has Flown)/L.A.WORKSHOP

ノルウェイの森

今日は爽やかな感じでwalkingをしようと想いL.A.ワークショップノルウェーの森walkingしました。

ノルウェイの森と言えばビートルズの名曲、そして村上春樹さんの小説。その小説のオマージュとして1988年にリリースされた作品のようです。
全曲ビートルズのナンバーをLAのミュージシャンが演奏をしていると言う、ちょっと豪華な作品です。聴くのは久しぶり・・・と言うか多分買ってからしばらく聴いたけれどもその後は全く聴いていなかったと想います。掘り出しものとの再会となったのでしょうか・・・。

1曲目はOverture(norwegian wood)-Norwegian Wood(this bird has flown)
ノルウェーの深い森林の朝焼けを想像させるようなシンセのイントロ。これはこの作品で全曲アレンジをしているジョー・パスカルさん。そして朝の雲が切れて陽が差して来たかのように3/4拍子の打ち込みのリズム。シンセベースに絡んでリー・リトナーさんのナイロンギターのリフ。そしてトム・スコットさんのサックスのちょっとしたメロディに続いて、リーリトナーさんがナイロンギターのオクターブ奏法でメロディを奏でていきます。
全体的にリバーヴを深くかけているのでいかにも幻想的な雰囲気です。
エンディングはリー・リトナーさんとトム・スコットさんの掛け合いでフェードアウトして行きます。

2曲目はAnd I Love Her
ちょっと和風な感じの雰囲気を持ったシンセのイントロが終わると、スティーヴ・ルカサーさんのトレモロアームとヴォリューム奏法を上手く使用したテーマ。音はTOTOでの音と同じ強力な歪みサウンド。でも全体的に音質を上手くエンジニアがコントロールしているため、静かな曲調を邪魔しないように耳に優しいハードサウンドになっています。
この曲はテーマからソロまでスティーヴ・ルカサーさんのワンマンショー。早弾きは無いのですが、アーミングとヴォリュームコントロール、そして歪みからくるギターのフィードバックをコントロールしています。フィードバックが掛かりそうで・・・掛からない!この微妙な感じが実に良いですね。全体のアーティキュレーションが見事だと想います。

3曲目はThe Fool on The Hill
ジョン・ピアースさんの軽いボサノヴァのベースラインからスタート。そこにランディー・ウォルドマンさんのエレピが絡んで行きます。テーマはリー・リトナーさんのナイロンギター。オクターブ奏法が心地よいボサノバのリズムに乗って綺麗です。
この曲はクラシックギターの楽曲としてもアレンジされています。そう想うとギター向きのメロディと言えますね。

4曲目はNowhere Man
印象的なギターのカッティングが良いです。ギターはレイ・パーカーJr.さん。
テーマに上手く沿った形であくまでも脇役のカッティングなんですが完全に主役です。

5曲目はBlackbird
爽やかなピアノのイントロに続いてナイロンギターのテーマ。やや強いピッキングながらもディレイが左にショートディレイ。そしてすぐ右でディレイ・・・。これはリー・リトナーさんのセッティングなんですが、どうにも音が少し違うなあ?と想ってwalkingしていたのですが、後でクレジットをみるとこれはスティーヴ・ルカサーさんの様です。ナイロンギターを弾くのはけっこう珍しいですね。途中からはいつもの歪みギターで自らのナイロンギターとの掛け合いをしています。
スティーヴ・ルカサーさんはピッキングが強いようで、ナイロンギターの音はあまり綺麗な音ではないのですが、それでもエフェクトだけではなく、フレーズもリー・リトナーさんを彷彿とさせる綺麗なラインを奏でています。ギター的にはこの作品のベストテイクです。

6曲目はYesterday
言わずと知れた名曲。ピアノとギターで厳かに始まります。ギターはエマニュエル・キリアコウさん。シンセストリングも入って静かで、情緒的な演奏です。

7曲目はMichelle
シンセの8分音符の歯切れの良いリズムと打ち込みが少しファニーな感じのイントロです。テーマはナチュラルに歪んだギターのオクターヴ奏法。リー・リトナーさんです。
ギターソロはチョーキングやペンタトニックスケールを使用したロック色の強いソロです。特に後半のソロは得意のフレーズを若干出しながらも、ちょっといつもと違うと想わせるリー・リトナーさんのソロです。個性を少し殺して楽曲にあわせている様子で、セッションマンとしてのキャリアの深さを感じます。

8曲目はWHEN I'M SIXTY-FOUR
ラグタイム風のアレンジです。エマニュエル・キリアコウさんのスティールギターがテーマ。楽しそうな感じが伝わってきます。ランディー・ウォルドマンさんのピアノがいい味です。

9曲目はPENNY LANE
打ち込みのシャッフルビート。この曲もエマニュエル・キリアコウさんのスティールギターがテーマ。曲のテーマが持っている雰囲気とコード進行が実に良いです。アレンジされた曲を聴くと、良い曲なんだと言うことを改めて感じますね。

10曲目はHEY JUDE
説明不要の名曲です。ブルース調のピアノソロでスタートでして、やや速めの8ビートでインテンポ。テーマはトム・スコットさんのサックス。この良く知られたメロディを上手いアーティクレーションで歌い上げています。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

CDのジャケットは様々な姿をしたノルウェーの森林。そしてライナーノーツには原曲の歌詞と訳詞。それ以外は無いので、この作品がどのような経緯でリリースされたのか等は良く解りません。
でも、ジャケットのイメージカラーが緑、そしてこの作品には第2弾(*)があるのですがそちらはイメージカラーが赤。村上春樹さんの小説ノルェウィの森も上巻が赤で下巻が緑のカバー。
小説ノルウェイの森は持っているので読んだ・・・と想うのですが、ちょっとイメージと言うか世界は違うような気もするのですが・・・。昔はけっこう本屋さんで面白そうな本を見つけるとすぐ買って、一応自分の中では読む順番を決めておくのですが、そのまま本棚にずっと・・・と言う本がたくさんありました。あまり内容を覚えていないのはもしかしたらその中の一冊かもしれませんね。

私が持っているCDは発売当時のもの。今はリマスター盤がリリースされているようでジャケも少しデザインチェンジしています。旧盤は「ノルウェーの森」と書いてありますが、実際の村上春樹さんの小説やリマスター盤は「ノルウェイの森」となっています。

コンセプトとしてはビートルズの曲をLAのミュージシャンがインストにアレンジして演奏。こうやってインストにして聴いて見るとビートルズの楽曲は良いですね。
私がビートルズにのめり込んだのはわずかな期間なんですが、それでも、クラシックの世界を初めにジャズでもニュー・スタンダードになりうる楽曲が多く、レノン&マッカートニーはやはり、すごいと想います。

ソロの部分や曲の構成などはかなりソフトでいわゆるイージーリスニング的。もっともその意図で多分リリースされたのでしょうから・・・。
ゆったりと聴く、ながらで聴く、極上のBGMとして、大変心地良い作品です。

(CD TOTALTIME:39:40 / Walking消費カロリー:159.46kcal)

人気ブログランキングへ
ノルウェイの森ノルウェイの森
L.A.WORKSHOP

曲名リスト
1. OVERTURE(NORWEGIAN WOOD)~NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)
2. AND I LOVE HER
3. THE FOOL ON THE HILL
4. NOWHERE MAN
5. BLACKBIRD
6. YESTERDAY
7. MICHELLE
8. WHEN I’M SIXTY-FOUR
9. PENNY LANE
10. HEY JUDE

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(*)本文に登場したCD・DVD

ノルウェイの森IIノルウェイの森II
L.A.WORKSHOP NEW YORKER
by G-Tools

あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。また、このサイトや記事にほとんど関連性の無いコメントやトラックバックは、わたしの判断で削除させていただきますのでお許しください。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

2007年09月06日

カシオペア/カシオペア

CASIOPEA

台風が来ていますね。だんだんと風が強くなってきましたが、その前にwalkingして来ました。今日はカシオペアカシオペアwalkingしました。


ご存知、カシオペアのファースト作品です。当時衝撃のデビューだったらしいのですが私は、メイク・アップ・シティ(*)から聴き始めたのでさかのぼってデビュー作品を聴いたわけです。

1曲目はタイム・リミット
ドラムの佐々木隆さんの16ビートからスタートして、ブラスで段々と高くなっていくコード進行。そしてキメからクロマティックのユニゾン・・・。このイントロは今聴いてもやはりカッコ良いですね。
ファーストソロは向谷実さん。
コード和音を上手く使用したソロです。歯切れも良くまさにフュージョン的。
テーマを挟んで野呂一生さんのソロ。
16分音符の連続でこれでもか!と言う早弾きです。この部分はワンスケールなので比較的速いパッセージは弾きやすのですが、それでもクロマティックを上手く使用したラインで見事弾ききっています。
そして、再びテーマからサビへ。ここでブラス陣のソロが入ります。

最初はデヴィッド・サンボーンさん。
この部分はコードが節目で変わっていくのですが、ここでのデヴィッド・サンボーンさんはその部分をあえて繋がないで、ワンコードづつ完結しているフレーズでソロを展開しています。
次ぎは、ランディー・ブレッカーさん。
基本的にはデヴィッド・サンボーンさんと同じで、ワンコードづつの完結フレーズです。しかし最後のコードチェンジの部分では速いパッセージで繋いでいます。
最後は、マイケル・ブレッカーさん。
これも前の2人と同じですね。最後の部分で少し尻切れの様な感じになっているのが残念なんですが・・・。
それにしても、オープニングの曲としては聴かせどころの多い曲です。

2曲目はティアーズ・オヴ・ザ・スター
スローテンポのバラード。2コーラス目のテーマにマイケル・ブレッカーさんのソロが絡んでくるところは美しいですね。
ファーストソロは野呂一生さん。
スティール弦のアコギでのソロです。トレモロを上手く使用していてなかなか曲調に合ったソロです。
その後を受けて桜井哲夫さんの弾くテーマなんですが、後半にトレモロ奏法をしています。粒に若干の荒さはありますが、小技を見せてくれます。

3曲目はスペース・ロード
イントロからメジャーコードのアルペジオでスペーシーな感じを演出しています。テーマはロングトーンを繋いでいくと言うメロディです。このメロディのモチーフで曲はどんどん転調していきます。この辺りの作曲とアレンジはさすがに野呂一生さんだと想います。
また、この手法はカシオペアの曲の特徴、と言うか野呂一生さんの曲の特徴でもあり、この曲がその原点であることを改めて感じました。

更に、この転調をしていくコード進行の中での後半の野呂一生さんのソロが珠玉の出来だと想います。スタートからコードトーンを丁寧に選んで展開して行きます。CD:Time=3:55からのチョーキングとそれに続くやや速いパッセージを完結させつつ次ぎのフレーズへ繋いで行く所は見事ですね。CD:Time=4:18からの16分音符の連続は、もろメジャースケールのフレーズなんですが、途中クロマティックラインで繋いだりしてここも見事な展開をしています。この辺りの音の選び方はラリー・カールトンさんを彷彿とさせる感じもあります。そして怒涛の速弾きからエンディングです。
即興的と言うよりは、だいぶ練った感じもしますね。でも、これだけ完成度を高める辺りは、やはり当時注目されたのは、当然と言えば当然ですね。

4曲目はミッドナイト・ランデブー
もう何回聴いて、何回弾いたか解らない曲です。何気に聴きながらwalkingをしていたのですが、何かハッ!と吹っ切れたと言うか、皮が1枚剥がれたと言うか・・・そんな感じがしました。
と言うのは、メロディラインが実に良いんです。特にサビの部分のメロディはそのコード進行やアレンジとも重なって実に綺麗なラインです。まあ、今更ながらと言う感じもありますが・・・。名曲ですね。本当に・・・。
ファーストソロは向谷実さん。
この曲もタイム・リミットと同じでコードワークを上手く使用したソロです。右手のラインも細かい装飾音が入っていてジャズ的なラインです。
そして野呂一生さんのソロ。
マイナーな音を上手く選んでこの曲の雰囲気を出しているソロです。細かい音の選択も見事で実にまとまったソロです。このソロも良く練られている感じのソロですね。

5曲目はファー・アウェイ
野呂一生さんの歯切れの良いカッティングでスタートします。この辺りのカッティングはフュージョンのお手本の様なカッティング。ミュートを使用して単音を出すと言うリー・リトナーさんが得意としているものですね。
少し和風な感じのメロディでおおらかな曲です。

6曲目はスワロー
アップテンポでメロディラインが、どメジャーな曲。明るい曲です。
終りの方で佐々木隆さんのソロがあります。この作品を聴いているとけっこう佐々木隆さんがいい味を出しているように想います。小技がかなり上手ですね。しかし荒さも多少あって、フレーズがけっこうギリギリで完結したり帳尻あわせをしているような部分もあったり・・・。
全体的に聴いて想ったのが、桜井哲夫さんとグルーヴが合っていないかな・・・と言うことです。これは上手い下手と言うことではなくて、リズム隊がバッチリ重なった時の独特の”うねり”みたいなものが感じられないと言うことです。

7曲目ドリーム・ヒル
聴き始めてハッと想い出した、カシオペア唯一(だと想うのですが・・・)の日本語の歌詞つき。野呂一生さんのメインヴォーカルの曲です。
最初はスキャットなんですが「時は過ぎ、気がつけば、いつか見たこの世界、揺れている君の影・・・」と言う歌詞のサビ。なんともオーソドックスな歌詞ですね。作詞のクレジットがないのですが、野呂一生さんでしょうか?
続いて向谷実さんのソロ。
かなりジャージーなソロです。作品全体を通してかなりエレピのソロが良いですね。
それを受けて野呂一生さんはスキャットを交えてのオクターヴ奏法でのソロ。ジョージ・ベンソンさんかウェス・モンゴメリーさんか・・・とはちょっと言いすぎですが、まとまったソロです。
ヴォーカルのハーモニーを聴いているとかなり高い音のコーラスが入っています。野呂一生さんはけっこう声域が広いことが解ります。歌も決して下手ではありませんね。

8曲目はブラック・ジョーク
言わずと知れたカシオペア初期の名曲です。ここで再びブラス陣が登場しています。細かいキメやユニゾンがあってまさにライヴ向きの曲です。もちろん当時はライヴの定番曲になっていましたね。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

全体的には荒さや若さが目立つのですが、それでもデビューでこのクオリティはさすがで、現在まで第一線で活躍している理由も良く解ります。

以前、向谷実さんのエッセイを読んだときに、この作品の前にレコーディングの話があって実際に始めたようですが、どうにも演奏が上手くいかず、スタジオミュージシャンを呼んでゴーストで演奏させよう、と言うこともあったようです。

この作品もそのような香りが若干しますが、逆にそうならないように、ソロも含めてかなり練りに練ってから演奏に挑んだと言う感じがしますね。

また、マーケット的にか、演奏的にか、ブレッカー・ブラザーズデヴィッド・サンボーンさんに参加してもらい全体的なクオリティを上げようとした感じが聴き取れます。
でも実際に改めて聴いて見ると、ブラス陣の演奏は実に間に合わせ的で、この3人にしてこのソロ?って想います・・・。
スタジオに入ってすぐ録音して、すぐ帰路に着いたと言う感じさえしますね。
特にマイケル・ブレッカーさんのソロとしては・・・汚点?とまでは言いませんが・・・。
もっと作品にどっぷり浸かって参加していれば、かなり違った作品になっていたかも知れないと想います。楽曲が良いだけに、その意味ではかなり、相当、実に残念でなりません。

非常に懐かしく、ある意味面白く聴きながらwalkingが出来ました。
(CD TOTALTIME:36:38 / Walking消費カロリー:147.27kcal)

人気ブログランキングへ
CASIOPEACASIOPEA
カシオペア

曲名リスト
1. タイム・リミット
2. ティアーズ・オブ・ザ・スター
3. スペース・ロード
4. ミッドナイト・ランデブー
5. ファー・アウェイ
6. スワロー
7. ドリーム・ヒル
8. ブラック・ジョーク

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(*)本文に登場したCD・DVD

MAKE UP CITYMAKE UP CITY
カシオペア
by G-Tools

あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。また、このサイトや記事にほとんど関連性の無いコメントやトラックバックは、わたしの判断で削除させていただきますのでお許しください。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

2007年09月04日

ブロウ・バイ・ブロウ/ジェフ・ベック
BLOW BY BLOW/JEFF BECK

ブロウ・バイ・ブロウ

残暑厳しき中、それでもwalkingします。とは言っても一時期に比べれば多少風が涼やかに・・・。今日はジェフ・ベックさんのブロウ・バイ・ブロウwalkingしました。


先日、JazzLife特別編集「JAZZ GUITAR2007-2008」と言う雑誌を買いました。その中に"70年代ギターアルバム100"と言う特集がありました。実に良い特集だと想ったのが、単にギタリストのリーダー作だけではなく、セッション的な作品もかなり取り上げられていたことです。なかなかやるなJazzLife!と言う感じです。またその作品がけっこう今回のFUSION MASTERPIECE 1500のラインナップと絡んでいます。この時代のフュージョンにおけるギターの重要性を改めて感じたのですが、この中で今回walkingしたジェフ・ベックさんのこの作品が紹介されています。再び、なかなかやるなJazzLife!と想ったわけです。

この作品は1975年のリリース。ギターインストとしては当時異例のビルボード4位。そして100万枚を越える売上と言うロックギターの名盤中の名盤です。あのレッド・ツェッペリンジミー・ペイジさんに「ギタリストの為のギター・アルバム」と言わしめた作品です。

1曲目は分かってくれるかい
ジェフ・ベックさんの歯切れの良いカッティングで始まるファンキーなナンバーです。
ジェフ・ベックさんはピックを使用しないで指で弾きます。少し引っ掛けるように弾くので音の切れが良いんですね。また、指を使うために2~3音の和音を使用してのソロも良く奏でます。その辺りのギターの特徴が良く出ている演奏がこの1曲目です。

2曲目はシーズ・ア・ウーマン
ご存知ビートルズのナンバーです。レゲエのリズムにアレンジされています。フェンダーローズのようなエレピの音が実にフュージョンっぽい感じです。雰囲気は渡辺貞夫さんの感じと言えばお解かりでしょうか。
ここでジェフ・ベックさんはトーキング・モジュレーターと言うエフェクトを使用しています。シンセで言うところのヴォコーダーの様な感じのヒューマンヴォイスが出せるエフェクトなんですが、このトーキング・モジュレーターと言うのは、ゴムホースみたいなものを実際にクチに咥えて、ギターと一緒に歌うと言うもの。私は使ったことが無いのですが、かなり頭に響くと言う話も聞きました。使いすぎるとやや頭がイカレルと言う本当か嘘か分からない話もありました・・・。
この作品を良く聴いていたときはロック少年でした。ですからこのようなかなりフュージョンテイストの曲は飛ばしていた様な気がします。ここでのジェフ・ベックさんはクリアトーンでかなりジャズっぽいソロです。CD Time=2:18の速いパッセージやCD Time=3:25などを聴くとかなりジャズ的なフレーズです。また、細かいアーティキュレーションが絶妙で、CD Time=2:24あたりを始めに特にチョーキングのコントロールは絶品です。ちょっとラリー・カールトンさんのチョーキングコントロールに似ている感じもありますね。

3曲目はコンスティペイテッド・ダック
1曲目と同じくファンクナンバー。CD Time=2:00からのこれまたチョーキングを上手く使用したフレーズが良いです。また、この曲ではタイトなドラミングのリチャード・ベイリーさんが良い味を出しています。なんとこの録音の時には18歳だったそうです。

4曲目はエアー・ブロワー
雰囲気は今までの1曲目、3曲目と同じファンク色の強いナンバーです。でもメロディがかなりフュージョンっぽいのでカッコ良い曲に仕上がっています。
後半のエレピのソロがジャジーで良いです。エレピはマックス・ミドルトンさん。
後半スローになって、次ぎの曲のコード進行を使ってジェフ・ベックさんがソロを弾き、そしてドラムのフィルインから次ぎの曲に入ります。この辺りのつながりは個人的にはけっこう肝!です。

5曲目はスキャッター・ブレイン
この曲は大好きな曲で、素直にカッコ良い!って想います。ですから前の曲からのつながりが肝!なんです。
この曲は9/8拍子と言うかなり変則的なリズムを持った曲ですが、テーマのフレーズがまるでスケールの練習をしているかの様な16分音符の連続。そしてコード進行がけっこう難解で、少し陰鬱で、段々と上がっていくコード進行。ストリンスが重厚に入っていてかなり劇的な感じのする曲です。
この難解なコード進行でジェフ・ベックさんは実に見事にソロを奏でています。フレーズ的にはロック調で、コードチェンジの部分などはあまり弾きまくらずシンプルに繋げています。多くを弾かずに多くを語る!と言う名演です。
そのソロを受けてマックス・ミドルトンさんのエレピソロもかなり良いですね。
更にリズム隊がかなり頑張っています。ベースのフィル・チェンさんも流れに沿ったフレーズを展開しつついろいろなおかずを入れてソリストを盛り上げます。
再びテーマに戻った後にジェフ・ベックさんのカデンツアです。
この部分でもチョーキングがまるで語っているかのような絶妙なアーティキュレーションです。そして、ギターのミュートを上手く使用したリフからテーマに戻るのですが、今度はストリングスでテーマを奏でつつ、ジェフ・ベックさんがソロを重ねて行きます。最高潮の盛り上がりでフェードアウト・・・まさに名曲、名演です。

6曲目は哀しみの恋人達
ロックギターの定番的な曲。実に綺麗な曲でまさにギターで弾く為に創った感じのテーマ。これはスティービー・ワンダーさんの作曲。
ソロももちろん名演で、早弾きとかは無くてフレーズ自体は簡単なんですが、この独特のニュアンスを出すのがかなり難しいソロです。
そう言えば、スティーブ・ルカサーさんとリー・リトナーさんがリー・リトナー&フレンズ・ライブ (*)と言うDVDでこの曲をセッションしています。このセッションも聴き応えがあります。

7曲目はセロニアス
この曲もスティービー・ワンダーさんの曲。かなりファンキーなナンバーです。
オクターバーと言うエフェクターで低音をギターで出しています。さらにサビではトーキング・モジュレーターと面白いギターのエフェクトを使っています。

8曲目はフリーウェイ・ジャム
3連、シャッフルの曲です。まさにフリーウェイを走っているかのような曲です。
ラリー・カールトンさんの夜の彷徨(*)に入っているドント・ギヴ・イット・アップ渡辺香津美さんのMobo(*)に入っているハーフ・ブラッドなどと同じようなムードを持った曲ですね。

9曲目はダイヤモンド・ダスト
3/4拍子のマイナーな中にも情緒的なメロディの美しい曲です。ストリングスアレンジが良く実にクラシカルに奏でられています。
エンディングとしてはギターをもっと弾いて欲しい感じもしたのですが、この辺りはミュージシャン・ジェフ・ベックと言うところでしょうか。それでもコード進行が複雑な中、クリアトーンでリリカルにソロを奏でています。このソロもかなりジャズ的な感じがしますね。
ストリングスに囲まれながら、厳かに、静かにエンディングです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

ジャズとロックやポップスを融合させた名盤にウェス・モンゴメリーさんのア・デイ・イン・ザ・ライフ(*)があります。また、マイルス・デイビスさんをはじめにクルセイダーズなどなど・・・。
ジャズからのロックやポップスへのアプローチについては良く取り上げられるのですが、逆、つまりロック側からジャズへのアプローチは、あくまでもロックなんだ!と言うことでしょうか、ジャズ・フュージョンとして取り上げられることが少ないと想っていました。
でも、ロック側からのアプローチとして外すことが出来ない名盤だと個人的には想います。
その意味で今回のJazzLifeさんの特集は良かったと想うわけです。

ギターを練習していく中で、ジャズギターからロックギターを言う流れは少ないと想います。ロックからジャズへ移行していく方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
そう言うわたしも、超王道で、フォーク、ロック、クロスオーバー、フュージョン、ジャズと言う流れなんです。

私のような流れでギターを弾いてきたものにとっては丁度ロックからフュージョンへの"目覚め"を提供してくれた作品と言うことでより貴重な作品と言えます。

当時はロック的な視野で見ていましたの、ロック的には少々物足りないと言う感じもありましたが、いろいろなジャズ・フュージョンに接してきた今聴いてみると実にジャズ的、フュージョン的。
この作品のカテゴリーはまさにフュージョンと言う感じがします。

ですから、もし聴いたことが無い方がいましたら聴いてみてください。
フュージョンのルーツの一端が見えるような気がする・・・かも知れません・・・。
(でもロックで育った私にはジェフ・ベックさんはやはりロックギタリストなんです!)
(CD TOTALTIME:44:33 / Walking消費カロリー:179.09kcal)

人気ブログランキングへ
ブロウ・バイ・ブロウブロウ・バイ・ブロウ
ジェフ・ベック

曲名リスト
1. 分かってくれるかい
2. シーズ・ア・ウーマン
3. コンスティペイテッド・ダック
4. エアー・ブロワー
5. スキャッターブレイン
6. 哀しみの恋人達
7. セロニアス
8. フリーウェイ・ジャム
9. ダイヤモンド・ダスト

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(*)本文に登場したCD・DVD

リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1
リー・リトナー
by G-Tools

夜の彷徨(さまよい)夜の彷徨(さまよい)
ラリー・カールトン グレッグ・マティソン ポーリニョ・ダ・コスタ
by G-Tools

MOBOMOBO
渡辺香津美
by G-Tools

ア・デイ・イン・ザ・ライフア・デイ・イン・ザ・ライフ
ウェス・モンゴメリー ハービー・ハンコック ロン・カーター
by G-Tools

あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。また、このサイトや記事にほとんど関連性の無いコメントやトラックバックは、わたしの判断で削除させていただきますのでお許しください。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

2007年09月02日

バースデイ・コンサート/ジャコ・パストリアス
THE BIRTHDAY CONCERT/JACO PASTORIUS

バースデイ・コンサート

最近TVでほぼ毎日世界陸上を見ていますが、実に面白くスリリングでテンションが高くなります。こんな時はつい触発されて力を入れてwalkingしたくなってしまうのです。加えて、昨日は聴くだけでもテンションがあがるジャコ・パストリアスさんのバースデイコンサートwalkingしました。

この作品はジャコ・パストリアスさんのビッグバンド、ワード・オヴ・マウスの初ライヴの模様を録音したもの。このビッグバンドには1982年のオーレックス・ジャズ・フェスティバルでのライヴを録音したTWINS(*)と言う名盤がありますが、この初ライヴは幻のテープとも言われていたようです。
リリースは1995年。ジャコ・パストリアスさんがこの世を去って、その後実にいろいろな演奏がCD化されました。出来の悪い作品が多かった中で、このライヴは絶頂期のジャコ・パストリアスさんのプレイを堪能できる貴重な1枚です。

1曲目はソウル・イントロ/ザ・チキン
会場のざわめきとともにジャコ・パストリアスさんのMC。そして拍手、歓声。傍らでサックスの軽いウォーミングアップのフレーズ。かなりリラックスしたムードでグラスの音なんかも少し聴こえる割と小さめなライヴハウスの様な感じ。
そしてジャコ・パストリアスさんのカウントの4拍目にピーター・アースキンさんのスネアが一発!ブラスアレンジが見事なソウル・イントロのスタートです。そのブラスにインプロヴァイズされてマイケル・ブレッカーさんがソロを重ねます。

実はこの作品のポイントの一つがマイケル・ブレッカーさんの参加。実際にこのビッグバンドでのライヴプレイはこの日のライヴのみ。この話だけでもマイケル・ブレッカーファンにとっては、ものすごく貴重な作品だと言うことが解ります。

イントロが終わるとすかさずジャコ・パストリアスさんのあのベースラインが始まります。ベーシストでなくても一度は弾いて見たくなる名曲ザ・チキンです。
基本的なブラスアレンジはTWINSと同じで実にカッコ良いライン。そしてジャコ・パストリアスさんの、いつ聴いても歯切れの良いベースライン。いわゆるギターで言うカラピック・・・ミュート奏法が絶妙なグルーブ感をだしています。2:00過ぎのいきなりの和音フレーズなどは唐突ですが絶妙です。
ファーストソロはボブ・ミンツアーさん。
かなりファンキーでブルージーなソロです。スタートなのでそんなに飛ばしてもいないのですが、オーソドックスな中にも深みのあるソロです。また、このバックでのジャコ・パストリアスさんのバッキングワークはいつも通り見事で、更に曲を加速させます。

そして、その加速を受けてマイケル・ブレッカーさんのソロ。
と想ったのもつかの間。スタートと同時にジャコ・パストリアスさんが今までビートを捨てるかのようなロングトーンと短い和音などでバッキング。その合い間を縫ってマイケル・ブレッカーさんのフレーズ・・・。このあたりはまさに”あうん”の呼吸とも言える絶妙なバランスです。
4:07の部分で、ジャコ・パストリアスさんの小刻みなフレーズにマイケル・ブレッカーさんが答え、さらに細かく早いパッセ―に展開していくと、ジャコ・パストリアスさんも早いフレーズで応戦。短いわずかな部分でも聴かせてくれます。
マイケル・ブレッカーさんのフラジオのロングトーンから2コーラス目。いつものベースラインに戻り、ビートも戻ってきます。それに乗ってマイケル節が連発しています。4:42過ぎの少し抜けた?様な”ボゥ”と言う音を上手くフレーズに組み込みつつ3コーラス目へ。
2コーラス目の終りの”ボゥ”と言う音を組み込んだペンタトニックフレーズでスタート。まるでロックギターの定番フレーズのようなフレーズで、丁度この”ボゥ”と言う音がギターで言うチョーキングのようにも聴こえます。
盛り上がって来たのですが、4:56過ぎ、ジャコ・パストリアスさんがまたフレーズを止めます。しかし残されたリズム隊とマイケル・ブレッカーさんは特に動じた様子も無く
”いつものことさァ”と言う感じで淡々とグルーヴして行きます。ジャコ・パストリアスさんが短い和音などで段々と戻ってきて4コーラス目へ。
途中までマイケル節が爆発していたのですが、サビのパターンになりブラスが入ってくるとソロがストップします。演奏は続いているのですが・・・。何が起こったのか!ジャコ・パストリアスさんの真似?かどうかは解りませんが、そのまま次ぎのメルトン・ムスタファさんのトランペットソロへ。
先の2人のテナーサックスにインプロバイズされて熱いソロを奏でます。2コーラス目の6:38過ぎの少しビブラートを大げさにかけたファニーなフレーズにジャコ・パストリアスさんが同じような大げさなビブラートのアップフレーズを絡めてきます。
トランペットソロのバックでのジャコ・パストリアスさんはオーソドックスにパターンを弾きながらもトランペットのソロフレーズに呼応している感じのおかずをさりげなく入れています。このあたりは、勝って気ままに弾いているようで、実に良く人の演奏を聴いていると言う姿が伺えますね。

そしてテーマへ戻りエンディング。かなりラフな感じであったり、リハーサルが不十分な感じもしますが
とにかく聴き所がいろいろあって面白く熱いザ・チキンです。1曲目ですでにチキンを食べ過ぎて満腹!と言う感じになります。

2曲目はコンティニューム
ジャコ・パストリアスさんの魅力のひとつでもあるハーモニクス奏法から、ソロ演奏でスタートです。0:36過ぎのフレットレスベースの特徴を生かしたフレーズがハッとさせてくれます。短い静かな中にも緊張感のある曲です。

3曲目はインヴィテイション
TWINSではビッグバンドアレンジで演奏されている曲。ビッグバンドのアレンジが素晴らしく、また曲もカッコ良いので大好きな曲ですが、ここではクインテットでの演奏です。ここでのジャコ・パストリアスさんのベースワークはちょっと普通では想い付く事が出来ないような次元の違いを感じるすごいものです。
いわゆるサンバ調のアップテンポのラインなのですが、テーマ部分からすでに爆発しています。さらにここでは少しフレーズを前よりに突っ込み気味に弾いていますので一緒にテンポをとることさえ難しくなっています。一瞬テンポが走っているようにも聴こえるのですが、これはジャコ・パストリアスさんのテクニックですね。その、前よりのビートによってテーマからものすごいグルーヴ感と
緊張感が漂っているわけです。その中でテーマを奏でるマイケル・ブレッカーさんとボブ・ミンツアーさん。テーマからすでに迫力の演奏です。

ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
このソロのバックでも、ジャコ・パストリアスさんの異次元フレーズは止まらず、元のコード進行は何処へ?と言う感じで、コードやコード進行を逸脱するフレーズや音が連発していて、かなり気合いを入れて聴かないとフリージャズのように聴こえてしまいます。さらに、正確にリズムを刻みながらも、ジャコ・パストリアスさんに果敢に立ち向かっているピーター・アースキンさんと絶妙なコンガワークのパーカッション、ドン・アライアスさんも怒涛のビートを叩き出してマイケル・ブレッカーさんのソロに襲いかかっています。
ところがすごいのが、この状況の中で、時にスケールアウトしたり、時にコード進行に沿って演奏したり、
また時にはジャコ・パストリアスさんの異次元フレーズに足を突っ込みながら、インプロヴィゼーションを続けるマイケル・ブレッカーさんです。
マイケル・ブレッカーさんは速いテンポに乗って、これまた高速の16分音符でフレーズを展開して行きます。フレーズ自体はもう何も言うことの無いマイケル節です。
ジャコ・パストリアスさんのフレーズは時にリズムを強力に出したかと想うと、いきなり静まって和音やハーモニクスを弾いたり・・・。マイケル・ブレッカーさんも、それに応えるかの様なフレーズに一瞬なるのですが、構わず速いパッセージで無視するように吹きまくります。
そして、1:50、4:30のように、ジャコ・パストリアスさんとマイケル・ブレッカーさんが協調して重なる瞬間には、恐ろしいほど強力なグルーヴがリスナーに襲いかかってきます。これはまさにバトル。インプロヴィゼーション、インタープレイの奥義を垣間聴いた?想いです。

続いてボブ・ミンツアーさんのソロ。
最初、ジャコ・パストリアスさんはマイケル・ブレッカーさんとのバトルに疲れたか?演奏をしません。その間はピーター・アースキンさんとドン・アライアスさんとボブ・ミンツアーさんの静かなバトルです。そして、5:37過ぎに再び目を覚ましたかのようにジャコ・パストリアスさんが参戦して来ます。5:55過ぎにはリズム隊が少し音を抑え始めると、ジャコ・パストリアスさんのソロだっけ?と想わず勘違いをしていまう程のフレーズ。そして段々と静かな感じの中にも激しさのあるバトルが始まったと想うと、また静かになったり・・・。メリハリのあるバトルが展開されていきます。

そしてジャコ・パストリアスさんのソロ。
リズム隊だけでフリーなソロです。ジャコ・パストリアスさんの単独のソロは、結構細かいフレーズを弾いては休み、弾いては休むと言うことを繰り返します。でもその短いフレーズのすごいこと!もっと弾いて、聴きたい!と想うとスッと止めてしまう・・・。考えた上手い演出なのか・・・それとも単に心のままに弾いているだけなのか・・・。

ジャコ・パストリアスさんのきっかけで再びテーマへ。
バトルの余韻か少々全体に疲れ気味?のテーマ演奏ですが、今まで演奏を聴くとそれも解るような・・・。
でも聴き所はこの後にありました!テーマがワンコーラス終わるとマイケル・ブレッカーさんのカデンッァがあります。

これが実にすごいです。ものすごく速いパッセージの中にも実にメロディアスで抜群の出来です。いろいろなマイケル・ブレッカーさんのソロの中でも珠玉の演奏だと想います。
そしてジャコ・パストリアスさんとの短い掛け合いをきっかけに再びテーマに戻るところは個人的に大肝!です。

この曲を聴き終わった時にはもう十分に堪能!と言う感じでした。本当にすごい演奏だと想います。
恐るべし!ジャコ、そしてマイケル!
もちろんこの作品のベストプレイ。この曲だけでも聴く価値はあると本当に想います。

4曲目はスリー・ヴュース・オヴ・ア・シークレット
ウェザー・リポート時代の曲です。メロディの良いワルツのリズムのバラードです。マイケル・ブレッカーさんのテーマにソプラノサックスやバスクラリネットでボブ・ミンツアーさんが絡んで行き、さらにホーンアレンジが加わって盛り上がります。

5曲目はリバティ・シティー
いかにもビッグバンドらしい曲。実に楽しげなメロディとビートを持った曲でスリリングな展開は無いのですが良くまとまった演奏になっています。しかしこのような感じの曲をジャコ・パストリアスさんが書いたことには少し驚き、同時に音楽的なセンスを感じます。

6曲目はパンク・ジャズ
ミディアムテンポの曲。重く、しかもスローで単純なベースラインを淡々と聴かせて行く中にも、強烈なグルーヴを感じさせると言う、ジャコ・パストリアスさんの一面を聴くことが出来ます。

7曲目はハッピー・バースデイ
この曲はまさにバースデイソングをビッグバンド用にアレンジしたと言うもの。この日はワード・オヴ・マウスの初ライヴと同時にジャコ・パストリアスさんの30歳の誕生日。サプライズで本人に知らせず演奏したそうです。

8曲目レーザ
アジアンテイストの神秘的な曲。ちょっと捉えどころのない曲なんですが、不思議な魅力があります。
途中のフレンチホルンが実に良い味を出しています。

9曲目はドミンゴ
ジャコ・パストリアスさんの未発表曲と言うことで、この作品の聴き所のひとつと言われています。曲としては雄大な感じでスタートするのですが、途中からテンポアップして行きます。ブラスのテーマが、短いのですが大変カッコ良いです。雰囲気的には3曲目のインヴィテーションに近いですね。
ソロはマイケル・ブレッカーさん。この曲でも素晴らしいソロです。特に終盤の4:15からの展開はジャコ・パストリアスさんのベースやブラスも加わって、ただでさえ見事なソロが、更に見事に装飾されています。5:00過ぎからのエンディング部分で、ジャコ・パストリアスさんの同音での16分音符のバッキングはすごい迫力です。

10曲目はバンド・イントロ
これはメンバー紹介ですね。ひとつのトラックになっているので一応・・・。ここではオーディエンスの盛り上がりがすごいです。まあこの演奏を聴けば・・・こうなりますね。
特にオーディエンスの反応が大きかったのはもちろんマイケル・ブレッカーさん。そしてピーター・アースキンさんです。
ピーター・アースキンさんはこの作品のプロデュースもしています。またライナーノーツも1曲づつ細かく書いています。このライナーノーツはもちろん当事者のミュージシャンの言葉だけに
非常に面白く興味深いんです。

11曲目はアメリカ
ジャコ・パストリアスさんと言えばこの曲、と言う程の代表曲、ソロパフォーマンスです。この曲もいくつかのバージョンがありますが、その中でも官能的な感じと、情緒的な感じがもっともするソロです。哀愁が漂ってるんです。不思議と・・・。これはプロデュースのピーター・アースキンさんのトラップではないかと・・・。
この曲はライヴのプログラムの中でも最後の曲ではないはずです。ところがCD作品の一番最後に持ってくることで亡き朋友をしのんでいる・・・と言うことではないでしょうか。それが解るだけにリスナーにもそんな感じが伝わってくるのだと・・・。
最後の部分で16分音符で速いパッセージを弾いてけっこう派手に終わるのが定番なんですが、ここでは実に静かで、綺麗な和音で、消えるように終わっています。この部分も心を打つんですよね。
残念なことにこの和音に絡んでノイズが入っているのですが、それでもこのテイクを使用したピーター・アースキンさんの想いが伝わって来ると同時にリスナーにも同じ想いを・・・と言うトラップ。見事に私ははまりました!またこれから聴く方は素直にはまりましょう。
ライナーノーツでこう言っています。
”ジャコの短いソロより以上に良い締めくくりがあるだろうか”・・・と。


ワード・オヴ・マウスとしての初ライヴでしたので、まとまりと曲の完成度と言う点ではかなり不十分な部分があります。TWINSと比べるとかなり差を感じます。その為にお蔵入りの音源だったのでしょうか・・・。

しかし、パフォーマンスの熱さと言う点ではTWINSをはるかに上回っていると想います。特に1~3曲目にかけては絶品です。

また、くどいようですが3曲目のジャコ・パストリアスさんとマイケル・ブレッカーさんのインタープレイはどちらかのファンの方であれば必聴!と言いたくなるようなプレイです。

walkingをしながら再び聴き直しているCDコレクションですがこれが埋もれていたとは・・・。
久しぶりにインパクトのある作品との再会でした。
(CD TOTALTIME:69:30 / Walking消費カロリー:279.3kcal)

人気ブログランキングへ
バースデイ・コンサートバースデイ・コンサート
ジャコ・パストリアス マイケル・ブレッカー ボブ・ミンツァー

曲名リスト
1. ソウル・イントロ/ザ・チキン
2. コンティニューム
3. インヴィテイション
4. スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット
5. リバティ・シティ
6. パンク・ジャズ
7. ハッピー・バースデイ
8. レーザ
9. ドミンゴ
10. バンド・イントロ
11. アメリカ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(*)本文に登場したCD

TWINS I&II~ライヴ・イン・ジャパン’82TWINS I&II~ライヴ・イン・ジャパン’82
ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド ジャコ・パストリアス ランディ・ブレッカー

by G-Tools

あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。また、このサイトや記事にほとんど関連性の無いコメントやトラックバックは、わたしの判断で削除させていただきますのでお許しください。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

<<  123



Powered by Movable Type 3.33-ja
文責・著作権者:ayuki:ご意見・ご感想はこちらからどうぞ。
Copyright(C) 2006~2009 ayuki All Rights Reserved.