今日は風の強い一日でした。風が強い時には追い風だと丁度耳が風除けになってwalkingをしながら音楽を聴いていても特に問題はないのですが、向かい風になるとこれが風の音がノイズになってけっこう大変なんです。とは言ってもそんな時はより集中して聴く事が出来ると言うメリットもあるのですが・・・。と言うことでフライド・プライドのトゥー・トゥーでwalkingしました。
フライド・プライドの5枚目の作品になります。またこの作品の前作ザッツ・マイウェイ(*)はマーカス・ミラーさんやマイク・マイニエリさんなどとの共演の海外録音でしたが、この作品は本来のフライド・プライドのギターと歌のデュオと言うスタイルです。
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1曲目はキッス・オヴ・ライフ。
ギターの横田明紀男さんのハーモニクス奏法から低音弦をベースのスラップのように弾く奏法でスタート。かなりパーカッシブな演奏です。そしてヴォーカルのShihoさんの囁くような歌・・・。ミディアムテンポで最初の曲からムーディな雰囲気です。
2人のユニット・・・と想っていたところ、サビの部分でかなり厚いコーラスが・・・。また後半にはパーカッションも入ってきます。もともとが2人のユニットにパーカッションが入ったスタイルだったようですので、これもファン周知の演奏と言うことですね。
横田明紀男さんはゴダンと言うカナダのギターを使用しています。このギターは基本的にはエレクトリックなんですが独特の構造を持っていてアコースティックに使用できると言うものです。ここではそのゴダンのスチール弦のギターを使用している様です。実に良い音ですね。
2曲目はパート・タイム・ラヴァー。
ご存知スティービー・ワンダーさんの曲。ヴォーカルのShihoさんが大好きと言うことでの選択でしょうか。
横田明紀男さんが今度は同じゴダンのナイロン弦のギターでファンキーにバッキングです。好きなアーティストと言うことでノリノリのShihoさんの歌を聴く事ができます。
それにしても歌の上手いシンガーだと想います。この2曲を聴いただけでもその実力がかなり解ります。歌に抑揚があって更に声質を微妙に変えながら豊に表現しているところは、日本人には珍しい力のある方だと想います。CD Time=3:01からのフェイクなどは絶妙な音程とアーティキュレーションで聴かせてくれます。
3曲目は愛のプレリュード。
カーペンターズの曲で、しっとりしたバラードに仕上ています。横田明紀男さんのギターも今までのパーカッシブな奏法ではなくてノーマルなスチール弦でのアルペジオです。
この曲はメロディの巾が大きくなくて、どちらかと言うと中音あたりでのメロディラインです。この位の曲のキーが実にShihoさんは良いですね。声がもともと太く、そしてハスキーですので、ものすごく自然で良く合っています。テンポの良い曲ももちろん良いのですが、このバラードはけっこう肝!です。
4曲目はアイ・ワナ・ビー・ラウド・バイ・ユー。
この曲はご存知マリリン・モンローさんの「お熱いのがお好き」でのナンバー。この映画、実は大好きなんですがその話はまた後日にして、ここではマリリン・モンローさんの様な可愛らしさと言うよりはもう少し妖艶な感じでShihoさんは歌っています。やはり前の曲と同じでキーが狭いメロディなのでこれも良く合っていてなかなかです。
5曲目はマイ・フェイバリット・シングス。
この曲も映画「サウンド・オヴ・ミュージック」で有名な曲です・・・と言うかジャズファンならばジョン・コルトレーンさんの名を出すのが先でしたね。
曲の持っている少しダークな感じを上手く出しているギターアレンジです。ここでもShihoさんは絶妙なニュアンスと囁きヴォイスで圧巻の歌を聴かせてくれます。
CD Time=1:57からはスキャットのインプロビゼーションです。かなり高い音まで絶妙なラインを唸っています。続いての横田明紀男さんのソロは単音のパッセージに上手くコードを絡めながらジャズラインを奏でています。
6曲目は雨の日と月曜日は。
この曲もカーペンターズの曲。スケールの大きい歌い方で朗々と歌い上げています。横田明紀男さんのソロは得意のパーカッシブな奏法を使いつつも、メロディアスなラインを外さず曲のイメージを大切にしたソロです。
7曲目はバードランドの子守唄。
ジョージ・シアリングさんの名曲です。ここではベースの4ビートを低音で奏でつつ和音を入れると言うジャズスタイルのギターをバックに、ジャズ的な歌い方をShihoさんはしています。この辺りはかなり器用さも感じます。
中間部のスキャットソロではピアノとユニゾンになります。Shihoさんはもともとクラシックピアノを学んでいたそうなので多分本人だと想いますが、ここでは最低限のメロディだけ単音でユニゾンしています。
この辺りの演出は少し理解できないのですが、多分ジャズ、特にスウィングジャズ的な雰囲気が欲しかったのかな、と想います。でも聴いている限り、スキャットだけで十分ジャズの少し古びれた雰囲気は出ているのにちょっと残念ですね。ピアノは不要だったのでは・・・。
横田明紀男さんのソロは今までの中では一番ジャズらしいソロです。もともとキャリアの豊富なギタリストですのでこの辺りはお手の物と言う感じで、ソロギターにも関わらず単音ラインと和音とランニングベースラインを上手くミックスしてスウィングしています。
8曲目はウィル・ビー・トゥゲザー。
この曲はスティングさんの曲です。ギターは2小節でワンパターンのフレーズを繰り返します。このギターのパターンに絡んでShihoさんがハミングをするのですが、これが実に妖艶でセクシーさを感じます。
そうかと想うとサビの部分ではかなりファンキーな歌い方でソウルフルに盛り上げます。このギャップも含めて実に肝!です。
CD Time=1:54から横田明紀男さんがまるでスラップベースのようなパターンを演奏して、Shihoさんがその合い間を縫ってインプロビゼーションをする掛け合いの部分は、2人の息が実に合っていてこれまた絶妙です。
9曲目はフィール・ライク・メイキン・ラヴ。
ロバータ・フラックさんのヒット曲です・・・と言うかジャズ・フュージョンファンならばジョージ・ベンソンさんの名を出すのが先でしたね。
スタートは静か目にギターのアルペジオから入り、囁くように歌が始まります。3コーラス目から今度はボサノバのリズムになり盛り上がります。もちろんボサノバのギターパターンも横田明紀男さんは絶妙な上手さがあります。Shihoさんのボサノバと言うかR&Bテイストの歌を聴くことができます。
10曲目はこの素晴らしき世界。
これはご存知、ルイ・アームストロングさんの曲。先ほどからバラードでしかも音域の比較的狭く、低めの曲が実に良いと想うShihoさんの歌ですが、これまた良いですね。時にソウルフルに時に囁くように・・・。
また地味にそれを盛り上げているギターが良い味です。ものすごく優しい気持ちにさせてくれる名演だと想います。
11曲目はリオ・デ・ジャネイロ・ブルー。
リチャード・トーランスさんの曲。マイナー調のボッサのリズムでギターを奏でます。ここでのShihoさんは少し引きずるような歌い方をしています。それがまた曲調に良く合っています。更にヴォーカルに、さり気ないのですがかなり壮大な感じのするリバーブが掛かっています。Shihoさんが音を切ったりしたちょっとした瞬間に良く聴こえますが、実に効果的です。
12曲目はディギット!
この曲は唯一のオリジナルです。かなりアップテンポで激しくソウルフルな曲です。今まで曲がけっこう計算されているようなアレンジだったのですが、この曲が一番ライブ感のある即興性のある曲です。
CD Time=1:45からギターとヴォーカルの掛け合いになります。リードするのは横田明紀男さんですが、Shihoさんは実に正確な音程で追っかけています。途中には、かなり音の取り難いようなフレーズもありますが、これはアドリブなのか、事前にある程度アレンジされていたのか解りませんが・・・。
そんなことはどちらでも良い!と想わせてくれるグルーヴがあり、とにかく聴き所満載です。
13曲目はベイビー・アイ・ラブ・ユア・ウェイ。
この曲はピーター・フランプトンさんの曲。この曲では横田明紀男さんのアルペジオが実に必要最低限と言う奏で方でShihoさんのヴォーカルをサポートしています。ですからより歌の表現力を堪能することができます。
さらに極めつけとしてエンディング部分ではハンドクラップとコーラスが入り、ゴスペルの様なテイストになります。このようなゴスペル的な歌い方も聴かせてくれます。
14曲目は虹の彼方へ。
説明不要の映画「オズの魔法使い」の曲です。しっとりとしたギターと歌を聴かせてくれます。後半にストリングスが入ってくるのですが、これも個人的にはどうかなと・・・。かなり綺麗なストリングスアレンジと録音でけっこう良いのですが、この部分だけやはり雰囲気が大分違います。そのまま2人でしっとりエンディングでも良かったのかなと想いますが・・・いかがでしょうか。
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とにかくShihoさんのヴォーカルは表現力が豊で、声質もかなり自在に操れる感じのシンガーではないかと想いました。
このようなある意味、底力を持ったシンガーはなかなか日本人ではいないような気がします。ただ、年齢的なキャリアと言うか、オーラみたいなものが少し足りないかと・・・。でも期待できます。と言うかかなり期待したいシンガーです。
ギターと歌と言うユニットは考えてみればものすごくシンプルなユニットで、それこそフォークソングに始まってジャズまで幅広く奏でられています。でもその分ギターは難しく、フォークソングやポピュラーソングなら良いですがジャズ系になるとただカッティングをするだけでは当然物足りないのは言うまでもありません。アドリブパートもありますし・・・。
その意味ではギターのテクニックが非常に良く出るフォーマットです。
例えばタック&パティ(*)のような特殊なギター奏法を使いながらも絶妙なコンビネーションを聴かせるユニットやユニットではありませんが、ジョー・パスさんとエラ・フィッジジェラルドさんのイージー・リヴィング(*)と言うこれぞジャズギター正統派ヴォーカルバッキングと言う演奏もあります。
これらに共通するのはギターテクニックと言うのは奏法的なことのみならず、いかにシンガーを気持ちよく歌わせることが出来るか?と言うテクニックとも言えます。
出すぎず、それでも歌に絡み、さらにソロパートではアドリブを奏で、そしてシンガーを惑わせない正確なコードやベースラインを奏でテンポをキープする・・・。
またこれは逆も当然真で、シンガーは音程や表現を含めて、楽器が少ない分ごまかしが効かないわけですね。
抜群のギターテクニックの上で安心して伸びやかに歌うShihoさんと見守るような横田明紀男さんのフライド・プライドは、かなり個性的で素敵なユニットだと想います。今後どのように活動して行くのか非常に楽しみです。
(CD TOTALTIME:54:12 / Walking消費カロリー:217.88kcal)
![]() | two.too Fried Pride 曲名リスト 1. キッス・オブ・ライフ 2. パート・タイム・ラヴァー 3. 愛のプレリュード 4. アイ・ワナ・ビー・ラヴド・バイ・ユー 5. マイ・フェイヴァリット・シングス 6. 雨の日と月曜日は 7. バードランドの子守唄 8. ウィル・ビー・トゥゲザー 9. フィール・ライク・メイキン・ラヴ 10. この素晴らしき世界 11. リオデジャネイロ・ブルー 12. ディギット! 13. ベイビー・アイ・ラヴ・ユア・ウェイ 14. 虹の彼方に Amazonで詳しく見る by G-Tools |
(*)本文に登場したCD・DVD
![]() | That’s My Way Fried Pride by G-Tools |
![]() | タック&パティ・ベスト~アズ・タイム・ゴーズ・バイ~ タック&パティ タック・アンドレス パティ・キャスカート by G-Tools |
![]() | Easy Living Ella Fitzgerald & Joe Pass by G-Tools |
![ジェイ・グレイドン・オール・スターズ・ライヴ・イン・ジャパン 1994.1.19 エアプレイ・フォー・ザ・プラネット[限定盤]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000XAMCA8.09.TZZZZZZZ.jpg)











コメント (4)
近年のエアチェックは整理していないものが多く、フライド・プライドを初めて聞いたのがいつ頃なのか特定できませんが、BS-iの「MUSIC TIDE」という番組に出演したのが'03年9月でした。
そのギター・スタイルとボーカルを気に入って、彼らが出演している番組はチェックするようにしています。
僕はインストの方が優先度が高いからCDは買ってません。
Shihoさんのボーカルは凄く良いと思うときと、そうでもないときがあります。
投稿者: WESING | 2007年09月28日 18:36
いいですね、この二人。
是非、オリジナルで勝負して欲しいと思うのですが、
彼らにはこのスタイルがオリジナルなんでしょうか、、、
Musicreamしか持っていませんがこれも聴こうと思います。
投稿者: bonejive | 2007年09月28日 22:58
WESINGさん
コメントありがとうございます。
「Shihoさんのボーカルは凄く良いと思うときと、そうでもないときがあります」そうですね。そんな感じもありますね。それだけ歌のテクニック的なバリエーションが豊富なのかなとも想います。
投稿者: ayuki | 2007年09月29日 19:20
bonejiveさん
コメントありがとうございます。
もともとがデュオスタイルですね。オリジナルには私も期待したいです。でもデュオと言う形はやはりいろいろな意味で限界があると想いますので、今後どのように展開して行くかも期待ですね。
投稿者: ayuki | 2007年09月29日 19:23