Walking de Music

2007年10月のすべてのエントリーです。新しいエントリーから古いエントリーへと順番に並んでいます。

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2007年10月Archives

2007年10月30日

オン・ソリッド・グラウンド/ラリー・カールトン 
ON SOLID GROUND/LARRY CARLLTON

On Solid Ground

昨日はちょっとしたイベントがあって18kmくらいのwalkingをしました。さぞたくさんの作品を聴くことが出来た!かと想いきや、ひとりではなかったので・・・。少々お疲れなんですが、ここはたたみ掛ける様に連続でwalkingをするとより効果的!かどうか解りませんが、今日もwalkingをしました。
ラリー・カールトンさんのオン・ソリッド・グラウンドwalkingです・・・。


ラリー・カールトンさんが暴漢の凶弾に倒れたのが1988年。頚部の損傷で一時は命危険も、また命は助かっても再起不能とも言われました。その時の私のショックは相当なものでした。それからの復帰第1作がこの作品です。実際は事件の前に録音されていたものも含まれていると言うことを読んだことがあるのですが、今回いろいろ調べてみましたけど真偽は良く解りませんでした。
どちらにしても復活したことが嬉しくて、出来、不出来に関わらず非常に好きな作品なんです・・・。


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01:ジョシー
これは超有名なスティーリー・ダン彩(エイジャ)(*)に収録されている名曲ですね。この作品での邦題は“ジョシー”と書いてあるのですが、での邦題は”ジョージー”となっています。歌の発音を聞いても”ジー”に聴こえるのですが・・・英語は難しいですね。

ハイハットの4つ叩きのリズムに少し陰鬱なギターライン。左右で奏でられるギターリフに加えて、さらにセンターでミュートで軽く入るギター。ドラムがインするとオリジナルよりいくぶん速いテンポで進む、打ち込みの16ビートが軽快な感じのジョシーです。CD Time=0:24に入るスライドダウンからのフレーズがいかにもラリー節!当時はこの一発のフレーズで完全復帰に喚起したことを想い出します。

メロディは当然ラリー・カールトンさんの少し歪んだトーンで奏でられていきます。ほぼオリジナルに忠実なメロディラインですが、そこは歌うギター・ラリー節ですので、全体的に見事に歌っています。また所々で上手さが際立つラインも聴かせてくれます。CD Time=0:52のロングトーン後のヴィブラートの何とも言えないニュアンスやサビ部分CD Time=1:07の和音の使い方などは鳥肌ものです。

2コーラス目もオリジナルに忠実にテーマを奏でますが、ただ繰り返すのでは歌詞がある場合と違って少しし退屈になります。そこで2コーラス目はギターのオーバーダビングでのユニゾンでハモります。さらにサビではカーク・ウェイラムさんのファンキーなサックスでメロディを取り、それに応えるようにギターを絡めていきます。この流れは、リスナーを飽きさせない良いアレンジですね。

ちょっとしたブレイクメロディを挟んでギターソロです。
最初の6小節は、あえてこの曲の持っているビートを消して、ややラテン風のパーカッシブなリズムに乗って、フレーズ頭にチョーキングを入れるパターンをモチーフにしたロックフレーバーのラインを奏でます。7~8小節目の様なコードの切り替わり部分のみにシンセが入るのですが、その部分でも基本的には、ワンスケールのラインで奏でています。そしてCD Time=3:03からのサビのパータンへ入る前のコード進行からサビへ入るところは、流れるようなラインで弾き抜けていきます。そしてサビではサックスがメロディを刻むバックでソロを続けていきます。
CD Time=3:13のアップラインからクロマティックに下がってきてCD Time=3:17でB=シが高音で飛ぶように入るラインは、まさに肝!です。

スティーリー・ダンのオリジナルとほとんど同じ流れのアレンジです。このオリジナルでラリー・カールトンさんはソロは弾いていなくて、バッキングのみでした。実は弾きたかったのでしょうか?そんな想いも少し感じる熱い演奏です。

02:オール・イン・グッド・タイム
名作夜の彷徨(*)の中の名曲ナイト・クロウラーに似た雰囲気を感じる曲。ミディアムなテンポに乗ってよく歌うメロディラインです。

ギターソロの出だしはチョーキングの絶妙なアーティキュレーションから優しいフレーズへ。このスタートの展開はかなりカッコ良いです。また、ラリー・カールトンさんのギターソロを受けてのサックスソロも良い味です。クレジットが何故か?ないのですが多分1曲目と同じカーク・ウェイラムさんだと想います。
また、渋いベースラインのネーサン・イーストさんやリズムギターのディーン・パークスさんのツボを心得たカッティングなど地味な曲ですが聴き所は多い曲です。

03:フィロソファー
ゆったりとした打ち込みに乗って優しいメロディが流れます。同時に時間もゆったりと流れていくような感じがして、何とも言えない魅力のある曲に仕上がっています。ソロなども派手さは無いのですが、時々ラインに紛れ込んでいる高音が煌びやかな感じを際立たせています。

04:いとしのレイラ
何故にレイラなのか?と想いましたが、これがけっこう良いテイクになっています。もちろんご存知エリック・クラプトンさんの名曲ですね。

イントロからテーマへ入るところは、ほぼエリック・クラプトンさんのオリジナルと同じ感じです。オリジナルのテーマはメロディラインがそんなにはっきりしていず、さらに少し演歌調にも聴こえるラインなんですが、エリック・クラプトンさんのハスキーな声と語るような歌とアーティキュレーションで実に味のある曲になっています。並のギタリストだったらとんでもなく陳腐な感じになってしまうと想いますが、これが実に良いんです。ラリー・カールトンさんだから出来た技ですね。やっぱり歌っているんです・・・ギターが。サビの「レイラ♪」のコード進行のバックで流れるようなソロを聴かせてくれます。

05:オン・ソリッド・グラウンド
スローバラードです。テーマが非常に綺麗ですが、あまりにもバラードにはまっているテーマの為に、“いかにもバラード”と言うようなメロディになっています。しかし、前の曲のいとしのレイラと同じで、ラリー・カールトンさんだから“いかにも”になっていないところが凄いと想います。その証拠と言ってはなんですが、途中サックスでメロディを吹く部分が少しあるのですが、そこはいかにもバラードって言う感じが個人的にはするのです・・・。

06:ワッファー
ミディアムテンポのマイナーな曲。クリアトーンでラリー・カールトンさんがメロディを奏でていきます。
ソロではクリアトーンを生かしたやや速いパッセージなどでブルージーに展開していきます。CD Time=3:05からのスライドダウンからのフレーズを繰り返しつつ変化をつけていく展開は、なかなかグッと来るものがあります。

07:バブル・シャッフル
少し跳ねたリズムにミュートギターのカッティングがバブルの雰囲気を出しています。このカッティングはディーン・パークスさん。
テーマはクリアトーンで奏でていますがソロはギターを歪ませています。CD Time=2:30からの流れるようなラインやCD Time=2:45のアウトフレーズなどはまさにカールトン節です。

08:チャプターⅡ
ストリングとエレピの綺麗な進行からスタートする綺麗なバラードです。テーマの出だし部分のスライドの使い方などが絶妙で綺麗なメロディをよりリリカルに奏でます。
ラリー・カールトンさんのソロらしいソロはない曲なんですが、メロディのフェイクやその合い間に聴かせてくれるフレーズでも十分堪能できる演奏です。コンポーザーとしてのラリー・カールトンさんの力量を聴くことが出来ます。

09:ハニー・サンバ
やや軽い感じのサンバ調の曲です。夜の彷徨の名曲リオのサンバとはだいぶ違う感じで、もっとボサノバに近いですね。
この曲ではナチュラルに歪んだギター音でテーマ、ソロを奏でているのですが、この音がかなり良い音だと想います。適度に歪んでいて、所々ギターのピッキングニュアンスに反応してクリアトーンが聴こえる感じが、実にアコースティックでいいんです。ギターのスペックが解らないのでメーカーは解りませんが・・・。もちろんラリー・カールトンさんの絶妙なピッキングが成せる技であることは言うまでもありませんね。

10:シー・スペース
プログラミングでオーケストレーション的なサウンドが入っていて、かなり映像的と言うか壮大な感じのする楽曲です。今までの9曲とはかなり違う雰囲気を漂わせています。それでもギターのテーマが聴こえると、やはりラリー・カールトンさんですね。
劇的なムードのままフェードアウトしていきます。

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当時この作品を聴いて、“完全復帰”と言う方や“やはり今一か”と言う方などいろいろありました。でも、私は完全復帰だったと想います。正確には当時そう想ったかどうかは良く覚えていませんが、今聴くとかなり良いフレーズやラインを奏でていますし、楽曲も完成度が高く、何よりテーマの絶妙なアーティキュレーションにため息がでます。

特にジョシーいとしのレイラなどは歌ものであるために、そのメロディラインをそのままギターで弾けば、いかにもBGM的で陳腐になってしまいます。
ところが、歌っているんです。ギターが。
簡単にギターが歌うって良く言いますが、ラリー・カールトンさんの場合は、本当にシンガーのように聴こえるから不思議です。

この背景にはラリー・カールトンさん自身が自分の作品で歌っていると言うこと、つまり歌うのが好きだと言うことが大きいのですが、それだけでは無く、スタジオミュージシャンとしてのシンガーのバックでの演奏キャリアがそうさせている部分も大きいと想います。

その中でもスティーリー・ダンでの役割は、ギターとしてだけではなくて、全体の橋渡し的なポジションにいたと言う経験が大きく、そのためにヴォーカルを生かすバック演奏と言う技術を身に付けたのだと想うのです。私は個人的にこれを歌ものラリーと言っていますが・・・。そのヴォーカルをこの作品では自分のギターに置き換えることによって見事なインストとして完成させたと言うことだと想うのです。
もちろんギターテクニックとして歌うと言うことが出来るのが大前提ではあるのですが・・・。

この作品は、やはり復帰作ですので、個人的には今でも想い入れが大きい作品です。
そこには演奏や楽曲などの出来や、怪我の前に録音したトラックがあるとか、そのようなことは超えている部分があって、その想い入れは、多分大変であったろうリハビリをこなして復帰したラリー・カールトンさんへの賛辞以外なにものでもありません。

私のwalkingしている公園でよく、体を悪くしてリハビリの為に歩いている方に会います。杖をついて歩いていたり、止まるくらいにゆっくりと歩いたり・・・。
そこには一生懸命な姿があります。
今日もそんな方とすれ違うたびに、ヘッドフォンをはずして
「これ聴いてください!ラリーも頑張って見事に復帰したんだ!」
って想わず声をかけたくなりました・・・。

(CD TOTALTIME:54:04 / Walking消費カロリー:217.35kcal
 walkingには・・・1曲目のジョシーは少しオリジナルよりテンポアップしているので実に良くwalkingに合いました。)

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On Solid Groundオン・ソリッド・グラウンド
ラリー・カールトン

曲名リスト
1. ジョシー
2. オール・イン・グッド・タイム
3. フィロソファー
4. いとしのレイラ
5. オン・ソリッド・グラウンド
6. ワッファー
7. バブル・シャッフル
8. チャプター2
9. ハニー・サンバ
10. シー・スペース

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(*)本文に登場したCD・DVD

AjaAja
Steely Dan
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夜の彷徨(さまよい)夜の彷徨(さまよい)
ラリー・カールトン
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あとがき
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2007年10月25日

トラヴェルズ【DISK2】/パット・メセニー・グループ 
TRAVELS/PAT METHENY GROUP

トラヴェルズ(紙ジャケット仕様)

【DISK1】を聴き終えて、そのまま【DISK2】にCDを入れ替えて再びwalkingを再開!すでに47分くらい歩いているのですが、ここは気合!と言うほどでもありませんが・・・。パット・メセニー・グループトラヴェルズでのwalkingは続きます・・・。

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01:エクストラディション
ドラムとパーカッションの静かなリズムからスタートしてブレイク。同時にギターシンセでテーマが始まる新録音の曲。3/4拍子なんですが、リズムが取り難いです。イントロ部分のリズムが4/4拍子に聴こえると言うことと、パット・メセニーさんのテーマがややルーズにアーティキュレーションをつけているためでしょうか。このような、トリップ的なリズムはけっこう好きです。
リスナーがこのトリップから抜け出せるのはCD Time=0:34からの展開。コード進行が「Gm」から内声音を半音づつ上げていき、「Fm9」から「B♭13sus4」へ。このようなコード進行と響きはまさにパット・メセニー・サウンド!雰囲気はブルージーでありながらも都会の香りが漂う曲です。

この曲でのギターシンセは今までに無い使い方ではないかと想います。
今までは、かなりフリージャズ的なインプロビゼーションを爆発させる的な使い方と、ついておいでの様なこの音でなければ!と言う必然的な音としての使い方、つまりギターシンセを使うための曲を創りをして使っていたと言う感じ。それに対してこの曲は、ギターシンセを固有の楽器として使用している感じがします。つまり、曲が出来てから「さてどの楽器でテーマにするか」と言うような選択肢の一つにギターシンセがあったと言うような感じがするのです。実際は解りませんが・・・。

中間部分でダン・ゴッドリーブさんのドラムソロを聴くことができます。短いソロなんですが曲のイメージを崩さないようなツボを抑えた展開です。

テーマに戻ると今度はライル・メイズさんがハーモニカの音でギターシンセのテーマに絡んでいきます。これがけっこうカッコ良い絡みで雰囲気を盛り上げていきます。

6分弱とこの作品の中では短い曲なんですが、すっきりとしていてなかなか良い曲だと想います。

02:ゴーイン・アヘッド~ウィチタ・フォールズ
ゴーイン・アヘッドは、この作品より前にリリースされたパット・メセニーさんのジャズ作品80/81(*)のラストの曲。80/81では、アコースティック・ギターを使用したフォーク的な雰囲気でしたが、この作品ではエレクトリクで少し雰囲気を変えてのソロギターです。
とは言ってもテーマをかなりフェイクしてあったり、テンポも速く演奏しているのでちょっと聴いた感じが違う曲のように聴こえます。スピーキング・オヴ・ナウのツアーで弾いたラスト・トレイン・ホームのソロギターのように、原曲が解り難いアレンジをするところが、パット・メセニーさんらしくていいですね。

CD Time=1:24からパット・メセニーさんのソロギターの特徴的なペダルトーンを使用したフレーズを聴くことが出来ます。ここではD=レをペダルにしてギターの解放弦を鳴らし、その上にメロディアスなコードを次々と奏でていきます。実にバリエーション豊富で、美しいコードヴォイシングが響き渡ります。このようなフレーズは実に映像的と言うか、広大なアメリカを感じさせてくれるプレイですね。
そう想ってイメージに浸っていると、今度はCD Time=2:18からのコードを次々に変えて、さらにベース音を際立たせるフレーズに・・・。ここでもメロディが見事に連続しているところがすごいです。

CD Time=3:16から、今までおおらかでゆったりとした広大なアメリカの空だったのがにわかに騒がしく・・・。ヘリコプターの音のSEが段々大きくなって、ベースが8ビートを刻み、さらにナナ・ヴァスコンセロスさんの幻想的なヴォイスが絡み、なにやら怪しげな雰囲気に・・・。
パット・メセニーさんのアルペジオに釣られる様にベース音がFからGに1音上がると、いくぶんテンポの速いウィチタ・フォールズの始まりです。このメドレーの流れ、見事です!

この曲のコンセプトについてライル・メイズさんがこう言っています。
「行き場を失った人々の群れと、さまよえる爆弾があって、大虐殺から人々が再建して行くストーリー。最後に宇宙のイメージに重なる子どもたちの声が未来への希望を意味する」と。
オリジナルでは“人々の群れのざわめき”を実際にSEとして使用していますが、あえてライヴではそのざわめきをSEとして使用しないで、ナナ・ヴァスコンセロスさんのヴォイスで表現しています。絶望の声、逃げる声、それを見事に表現しているヴォイスは鬼気迫るものがあります。

ヘリコプターの音が“さまよえる爆弾の爆発音”とナナ・ヴァスコンセロスさんの叫びに重なって段々遠くなっていくとギターのアルペジオが煌びやかに始まります。さらにライル・メイズさんのオートハープが重なってくると、世界は一気に幻想的な雰囲気で、それはまさに映像の世界。ここでイメージをいろいろと切り替えながら音に聴き入ります・・・。

紅葉をして赤々とした樹木の間をwalkingしながら聴いていると、雰囲気はまさに和風。映画で言うと松田優作さんの遺作ブラック・レインを何故か想い出します。
しかし、視線を歩道に落としてそのイメージを払拭すると、先ほどのイメージは次第に消えていき、次に頭の中で広がるイメージはやはり広大なアメリカの大地。
さらに払拭してライル・メイズさんの言葉を想い出して見ると、そこは爆弾で荒廃した大地・・・。
ちょっと頭を切り替えるだけで180度違うイメージを抱くことが出きる音楽って、何か神がかっている感じさえしました。

CD Time=10:00からパーカッションのテンポアップしたリズムが、今までのイメージを一端消し去ります。このパーカッションはリアルタイムでしょうか?途中からナナ・ヴァスコンセロスさんのヴォイスやパーカッションプレイが重なってくるのですが、これがビリンバウのプレイと言うことでしょうか・・・。実はビリンバウは良く知らないのです。ちょっと調べて見たらビリンバウの動画サイトがありましたので興味のある方は→(ビリンバウ動画

パーカッションのリズムに乗せて前半はスペーシーな世界。そして後半はパイプオルガンの音でのプレイがゆったり流れます。そのバックでは相変わらずパーカッションが忙しくリズムを刻みます。そしてそれを裂くように分厚い低音のベースが・・・。これはスタジオではフレットレス・ベースの様ですが、このライブではスティーブ・ロドビーさんのクレジットにベース・シンセサイザーとありますので、その音ではないかと・・・。

ドラムがインして曲は更なる神秘の世界へ進んでいき、私たちをイメージの世界へトリップさせてくれます。2拍4拍のスネアが入るとまた様子は変わって、力強さが生まれてきます。それは再建に入った人々の力です。そしてオートハープの響きが段々と消えていって曲は終わります・・・が!

スタジオ録音では曲はまだ続きます。この後は4声の和音で同じシーケンスを繰り返しながら、コードを変えていって展開し、そこに子供たちの声が重なって、エンディングになります。
この部分をライル・メイズさんは「未来への希望を意味する」と言っています。
コンセプト上では一番のポイントなのに何故にカット?ライブでは演奏してCD化の時にカットしたのか?とも想いましたが、オーディエンスの歓声と拍手を聞くと、どうもCD化の時にカットした様子はないんですが・・・。

現実的なことでは、この後がけっこう長く、更に非常にクラシカルであるために、ライブ全体の流れと盛り上がりを考慮してカットしたのではないかと想います。

それではコンセプトは?希望は?

それはゴーイン・アヘッドと3曲目のトラヴェルズにあると想うのです。
両曲共にアメリカの広大な大地をイメージさせてくれる楽曲です。それは、アメリカの方にとってはごく日常。平和な世界。実はその平和な日常が一番貴重で、それを前後に象徴的に持ってくることで、人々が再建して行く中での“希望”と置き換えて表現しているのではないかと想うのです・・・。
そう考えると、ゴーイン・アヘッドとメドレーにした意味が生まれてくるのではないかと想うのです。

実際は、当日のライヴのセットリストを知りませんので、この後にトラヴェルズが演奏されたのかどうかは解りませんが・・・。ちょっと深読みしすぎの様な気がしますが、素直にそう想ったのです・・・。

それでも、このトラックは16分強と言う長さで一聴退屈しそうな感じもあります。私も最初に聴いた時にはそう想いましたので・・・。でも今回聴いて見ると実に良い!映像的で神秘的で・・・。おそらくこの会場にいたオーディエンスの方たちはもっとそう感じたと想います。それは拍手と歓声に現れてますね。サウンドトラック的な演奏に感動を覚えました。ライヴ全体の流れの中でまさにハイライト!個人的にはかなり肝!です。

03:トラヴェルズ
前のメドレーとコンセプトで繋がっていると想うトラヴェルズです。
ゆったりとしたカントリー・フォーク・フレーバーの曲で、何かほっとする感じがします。和音を巧みに使ったメロディラインがいかにもアメリカ!って言う感じがします。サビ部分のコード進行の美しさはには絶句です!特にCD Time=1:06の「B♭maj7」、そしてCD Time=1:21の「E♭maj7」への展開。ストリングスシンセがまた感動的な雰囲気を倍増していますね。
ギターソロもおおらかなフレーズで心が和む、癒し系の楽曲です。まさに平和な日常。その中に明日も頑張ろう!って言う希望の音が聴こえるのですが・・・。

04:ソング・フォー・ビルバオ
劇的な展開や転調などは無くて、テーマ~ソロ~テーマと言うインプロヴィゼーションをする為に創られたようなジャズ的な曲です。もちろんこの録音がオリジナル。実はこれがソロを取るのが非常に難しい曲なんです。私も遊びのセッションで演奏したことがありますが手に負えず完敗しました・・・。

ポイントはサビのコード進行です。ここは「F→B♭→E♭→F→D♭→E♭→F→G」と言う進行で、ソロに使用するスケールがめまぐるしく変わっていきます。しかもバックのリズムが付点4分音符で、更に今までの4/4拍子から3/4拍子に変わっています。この部分をどのように処理して弾ききっていくか?と言うところで、ソリストの個性とセンスを感じることができます。

ファーストソロはライル・メイズさん。
サビの部分に焦点をあてて見ると、1回目はコードの音をそのままメロディに生かして、さらにそれを平行移動するようなフレーズで弾き抜けます。2回目はコードワークを使用して奏でています。3回目も同じくコードワークを中心にしています。この3回目の後のCD Time=3:18からの3コーラス目の終りがなり良くて、テーマのコード進行がリハーモナイズされて実に魅惑のコード進行になってソロを展開しています。このアドリブは見事です。
そして4回目のサビのパターンではバックの付点4分音と言うリズムを意識させないようなラグタイム風のフレーズで切り抜けます。1~4コーラス目に向かって徐々に展開し盛り上げていく構成も見事です。

そしてパット・メセニーさんのソロです。
同じようにサビの部分に焦点をあてて見ると、1回目は細かく音を繋いでフレーズをコードにあわせて連続していきますが、音の選択がアウトしているようでしていない絶妙な選択です。私ではとても解説できないレベルですね・・・。2回目も1回目と同じ様なフレーズで弾き抜け、3回目はリズムを無視して速いパッセージ。4回目はリズムにあわせたアウトフレーズ。そして5回目は音数を少なくリズムのアーティキュレーションで弾き、そのパターンをそのまま連続していきます。このあたりは見事ですね。

ちなみに、マイケル・ブレッカーさんがテイルズ・フロム・ザ・ハドソン(*)と言う作品でこの曲を演奏していますが、マイケル・ブレッカーさんのこの部分の吹き抜け方も見事です。

05:想い出のサン・ロレンツォ
イバニーズの12弦ギターで奏でるハーモニクス奏法からスタートする名曲です。
ライヴではかなり抑揚をつけたバンドアンサンブルになっているのが印象的です。特にテンポをかなり遅くしたり、速くしたりしてコントロールをしていて、スタジオ録音よりもドラマティックに展開している様に想います。

CD Time=4:00過ぎから段々と静かになっていき、さらに一端終わるような静けさがあってライル・メイズさんのソロへ入っていきます。このメリハリも劇的で映像的ですね。

ライル・メイズさんのソロはごく静かに、リリカルに、まさに詩人的なテイストで奏でます。フレーズと音の選択が実に美しい。究極の美ですね。音数は多くありません。激しいジャズフレーズもありません。ですが、心を打ちます。前の曲ソング・フォー・ビルバオとは対極にある優しいソロです。この作品でのベストプレイだと想います。かなり長いソロですが、全く飽きることなく聴かせてくれます。

CD Time=10:48で一端静かに終わったような感じになります。そこでオーディエンスの叫びと歓声。丁度それは、歌舞伎で見得を切った時の大向こうさんの掛け声に似た感じで実に良いタイミング!すかさず後テーマに戻っていくためのフレーズを弾き始めて、だんだんと盛り上がっていきます。

そしてデクレッシェンドとテンポダウンをしながら静かになっていき、最後はピアノが囁くように高音でのフレーズを・・・。一瞬の静寂を裂くように再びイントロの12弦ギターでのハーモニクスでエンディング・・・。そして鳴り止まないオーディエンスの拍手と歓声でフェードアウト・・・。

さらにこの瞬間にウィチタ・フォールズでカットされたイメージ、“宇宙”へオーディエンスがトリップ!
さらに時空を越えて今聴いている私も一緒にトリップ・・・。
心地よい宇宙空間に包まれながら、その余韻を楽しみます・・・。

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パット・メセニー・グループのステージはそれがひとつの作品と化している感じがします。それには、打ち込みや照明などが演奏と完全一体化していたり、単なる新作品の発表会的な雰囲気は微塵もなく、新旧織り交ぜてのプログラムであったりしているところからも伺えます。
さらに余計なMCもなく、休憩もなく、一気に3時間近く演奏し続ける姿にも表れています。
パット・メセニーさんが最近のライヴをCD化ではなくDVD化するのも、映像作品としてのステージがあるからだと想うのです。
一度でもパット・メセニー・グループのライヴに接すると、逆にスタジオ録音作品がライヴの為の発表会的な感じにさえ想えてきます。

今のグループの流れ、新作をリリースしてツアーをして、そしてDVD作品をリリースすると言うスタイルがありますが、この作品にも新曲がたくさん録音されていて、これで一枚スタジオ盤がリリースできたのではと想ってしまいます。そして、ツアー、さらに映像作品・・・といきたいところだったんですが、この時代に、求めているクオリティの映像作品がリリースできる環境ではなかったのが不幸と言えば不幸。パット・メセニーさんにしても、もちろん私たちリスナーにしてもです。この作品が映像的な部分にこだわっていたらしい雰囲気がものすごく伝わってくるからなおさらです。

新曲をたくさん入れて、スタジオ新作的な雰囲気をもちつつ、メインの活動であるライヴの臨場感を、映像が無理なので音で伝えると言う作品。今のパット・メセニー・グループの活動の流れを一枚に集約したような作品です。

結果、ものの見事にステージ上のパフォーマンスをリスナーが頭の中で容易にイメージ出きる程のクオリティがあり、その場に居るかのような臨場感のあるライヴ作品に仕上がったのだと想います。

当然、打ち込みや照明などはサブでメインの役者の“ぶれ”があれば台無しになってしまうのは演劇も音楽も同じです。
そしてパット・メセニー・グループには、それに耐えうるだけの、テクニックに裏打ちされたバンドアンサンブルがあるのは異論のないところです。

当然、一度もライヴを観たことがない方にとっては、パフォーマンスをイメージすることは出来ないのですが、そんな方にも、音から受ける自由なイメージを描くことができる作品になっていると想います。
そのようなクオリティの高い演奏である理由は、まさに“ぶれ”がないから出来る匠の技だと想うのです。

(CD TOTALTIME:62:26 / Walking消費カロリー:171.65kcal
 walkingには・・・特にメドレーは、歩いていることを意識しないで、何処かへトリップしてしまったような不思議な感覚でwalkingできます。)

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トラヴェルズ(紙ジャケット仕様)トラヴェルズ(紙ジャケット仕様)
パット・メセニー・グループ

曲名リスト
1. ついておいで
2. ザ・フィールズ,ザ・スカイ
3. グッドバイ
4. フェイズ・ダンス
5. ストレート・オン・レッド
6. ファーマーズ・トラスト

1. エクストラディション
2. ゴーイン・アヘッド/ウィチタ・フォールズ
3. トラヴェルズ
4. ソング・フォー・ビルバオ
5. 想い出のサン・ロレンツォ

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(*)本文に登場したCD・DVD

スピーキング・オブ・ナウスピーキング・オブ・ナウ
パット・メセニー ライル・メイズ リチャード・ボナ
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テイルズ・フロム・ザ・ハドソンテイルズ・フロム・ザ・ハドソン
マイケル・ブレッカー パット・メセニー デイヴ・ホランド
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80/8180/81
パット・メセニー マイケル・ブレッカー デューイ・レッドマン
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As Falls Wichita, So Falls Wichita FallsAs Falls Wichita, So Falls Wichita Falls
Pat Metheny & Lyle Mays
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あとがき
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2007年10月24日

トラヴェルズ【DISK1】/パット・メセニー・グループ 
TRAVELS/PAT METHENY GROUP

トラヴェルズ(紙ジャケット仕様)

昨日は比較的暖かくwalkingしやすい日でした。暑くもなく、寒くもなく丁度良い気候。こんな秋の深まりを感じると“旅”に出たくなってきます・・・。と言うことで“旅”そう“TRAVEL”。と言うわけで昨日はパット・メセニー・グループトラヴェルズwalkingしました・・・。


この作品はパット・メセニー・グループとしては4枚目の作品です。1982年の全スケジュール80回の前米ツアーからの音源で、初のライヴ作品になります。
パット・メセニー・グループのライヴは「これがライヴ?」と想ってしまうほどのクオリティがあって、さらに、ほぼレコーディング時の機材をフルセットでツアーに持っていくということで知られていました。もちろん、最近でもその姿勢とクオリティは変わりません。実際にここ数年ずっとツアーを聴きに行ってますが、その圧倒的なクオリティ、そしてパフォーマンスは言葉にできない程です。そして私の様なアマチュア・ミュージシャン達を絶望の淵に叩き落としてくれます!なぜなら、絶対にアマチュアではコピーが不可能なステージングですから・・・。
それもそのはず、コンサートが絶対的な完成度を持ったひとつの大きな作品になっている・・・それがパット・メセニー・グループのライヴですから・・・。

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01:ついておいで
曲全体については以前の記事オフランプ(*)で書きましたので、ここではライヴと言うことに注目して聴いて見ました。
イントロのドラムの“タ・タン♪”が入ったあとのオーディエンスの絶叫に近い歓声を聞くと、いやが上にも盛り上がります!ほぼ、オフランプと同じ感じ、音、雰囲気で進んでいきます。イメージ的にはもっとヴォイスがたくさんと言うか、大きく入っているような気がしていたのですが、それはこの後の映像作品などでのバージョンのイメージがあった為でしょうか。実際のこの演奏ではオフランプと同じ、かすかなヴォイスの雰囲気と言う感じに留まっています。

ファーストソロはライルメイズさん。
音はオフランプと同じハーモニカ風の音。この後のライヴでもずっとこの音が基本です。この曲のイメージなんでしょうか。もちろん聴いている私たちも、このソロが始まったとたんに違う音で奏でられたとしたら、たぶん腰が砕けるくらいのショックを受けると想いますが・・・。
CD Time=3:20からの和音でのベンドフレーズなどは定番で、けっこうオフランプのソロイメージが強烈な為か、それに従ったソロを展開しています。
また密かな聴き所として、このソロでのパット・メセニーさんのバッキングはけっこう歯切れの良い音を入れたり、内声音を動かしたコードワークを多用したりしてなかなか暴れていて、かなり心地よい感じです。

そしてこれまたこの音!でなければならないと言う必然性さえ感じてしまうパット・メセニーさんのギターシンセでのソロが続きます。
ライヴと言うことでの多少の荒さがあったりしますが、あまりにもオフランプのソロイメージが強い為でしょうか、基本的にはオフランプのソロに従ったソロの展開です。
CD Time=5:30のエフェクトチェンジでオクターブ上にギターの音程を上げた後の高音の雄叫びフレーズ、CD Time=6:28のまさに叫びの様な下に弦を引っ張る独特のチョーキングフレーズ、CD Time=7:15の弾きながら”足を揃えて少し飛び上がる”パフォーマンスがカッコ良い、駆け上がりフレーズの連続・・・。
現在に通じる定番のフレーズが連発していますが、逆についておいでのソロには、このフレーズが無くては!と言うことですね。

エンディング部分にスタジオとの大きな違いがあって、だいぶ長くギターシンセの雄叫びが続いてから静かにエンディングになります。ここはライヴならではのノリでオーディエンスの歓声も重なって劇的な感じさえします。
最後の静かなギターのトリルの部分で、何故かA=ラの音が何回か入るのですが、これが出てしまったミストーンなのか、意図的なのか解りませんが、個人的にはけっこう効果的だと想います・・・。

この演奏にはシンクラビア・システムがかなり本格的に使用されている様子が伺えます。オフランプはスタジオ録音でしたので、どのくらい利用していたのか良く解らないところがありました。主にシーケンサーとして使用している様子で、テーマの部分やギターの特徴的なミュートカッティングなどが打ち込まれている感じですね。特にライル・メイズさんのソロの部分で良く解ります。これは、私の勝手な推測なのでもし間違えがありましたらご指摘ください。

余談ですが、本当に打ち込みと同期しているかどうかちょっと興味があったので、オフランプと時間を比べて見たのですが、最後のリタルダントの前までは7:55でほぼオフランプと同じタイムでした。つまり全く同じテンポでの演奏と言うことになりますね。

02:ザ・フィールズ、ザ・スカイ
この曲は当時の新録音でしょうか?パーカッションでリズムを刻んで行く中にも、おおらかなアメリカの大地を連想させるカントリーテイストの曲です。
流れるようなパット・メセニーさんのギターソロに、少しうめき声風のナナ・ヴァスコンセロスさんのヴォイスがカッコ良いです。
CD Time=3:25からのパット・メセニーさんのG=ソの音を中心に鳴らしながら奏でていくフレーズはちょっとバンジョーの様な感じでもあります。その後のカッティングはまさにフォーク的。タイトル通りの大きな空が浮かんでくる演奏です。

03:グッドバイ
この曲も新録音のようですが。ナナ・ヴァスコンセロスさんのヴォーカルの入ったバラードトラックです。最近のリチャード・ボナさんの歌っている楽曲に近い雰囲気があってルーツを聴く想いがしました。リチャード・ボナさんとはまた違った雰囲気の声ですが、少しかすれ気味の声が実に良い味を出しています。吸い込まれそうなオーラを感じる声と歌ですね。
綺麗な曲ですが、即興的な雰囲気のある演奏でジャズ的です。1曲目のついておいでとは対照的なスタンスの曲です。CD Time=4:25からのパット・メセニーさんのソロは2~3音での和音を使ったフレーズを中心に奏でます。特にCD Time=5:00過ぎからソロのエンディングまでの展開が珠玉の美しさです。

04:フェイズ・ダンス
想い出のサン・ロレンツォ(*)に入っているナンバーです。スピーキング・オヴ・ナウ(*)のツアーで、全員が入るセットでのオープニングで、この曲のイントロが流れた瞬間に想わず「オーッ!」と言う歓声と言うか驚きの声が上がったのを覚えています。まさに旧友との再会!って言う感じでした。それくらいパット・メセニー・グループのファンには懐かしく、また御馴染みの曲ですね。

パット・メセニーさんのソロは曲に乗って流れるようなラインを奏でています。CD Time=2:32からのポリリズム的なフレーズをかなり長いフレーズで発展させているのが興味深いです。このフレーズはけっこう最近でも出てくる定番フレーズ。でもこのように長くしかもバリエーションをいろいろつけてのフレーズはあまりないので、昔のライヴですが逆に新鮮だったりします。

ライル・メイズさんのソロは短いのですが、それでも綺麗なピアノラインで聴き応えがあります。

このライヴ作品でのピアノのソロ音は高音が右チャンネルで低音部分がセンターあたりに定位しています。ですからライヴ感があってかつ左手の歯切れの良いコードワークが良く聴き取れます。ちなみにパット・メセニーさんのギターは中心から左寄りで、丁度ライル・メイズさんと対象の位置関係になっています。さらに、中心部分にドラム、パーカッション、ベースを集約する様な音の定位で、これが流れるリズムに、空間を浮遊するようなメロディが広がる、と言う音像を創っていると想います。

エンディングに近い部分でイントロのパターンを繰り返しつつ、コードが変わって行くアレンジ部分はいつ聴いてもカッコ良いですね。また、ライヴの為のリハーサルをかなり積んだためか、この部分でのバンドアンサンブルは異常なまとまりを感じます。特にクレッシェンドやデクレッシェンドなどは抑揚が怒涛の如くうねって聴こえますね。

CD Time=5:30のパット・メセニーさんのテーマのミスはご愛嬌としても(あら捜しのようで恐縮ですが・・・)曲が良い!演奏が良い!ノリが良い!バンドアンサンブルが良い!と言う名演です。

05:ストレイト・オン・レッド
パーカッションのナナ・ヴァスコンセロスさんとドラムのダン・ゴッドリーブさんの強力なラテンビートからスタートするこれまた新録音の楽曲。個人的には大好きな曲です。
テーマのコード進行がカッコ良く、バックの激しいビートの逆を行くような3連符でゆったりとしたメロディラインをピアノとギターで奏でます。
ちょっとしたユニゾンの後の、サビ前の部分にメロディは無く、あるのは流れ狂うリズムに弾け飛び、いろいろな方向へ煌びやかな輝きと共に舞う水しぶき・・・。
そしてサビではあちらこちらに飛び散った水滴が一滴づつ落ちて行く・・・。

サビのメロディが少しバックとずれて聴こえる所が何と言っても肝!です。良く聴くとメロディが16分音符で食っているので少しずれたように聴こえています。見事なアレンジと言うかメロディラインですね。その為、“水滴が一滴づつ落ちて行く・・・”と言うイメージが浮かんだのです。
これは演奏もかなり大変だと想うのですが、もちろんパット・メセニーさんとライル・メイズさんに狂いは無いようです。

ファーストソロはライル・メイズさん。
ライル・メイズさんはコードワークを多用して高音をアルペジオ風に奏でる感じがイメージなんですが、このソロはリズムに乗って速いパッセージを連続していきます。ラインがジャズ的で左手のバッキングも絶妙なタイミングで入ってきます。CD Time=3:34からの典型的なラテンピアノフレーズから怒涛の右手左手のコンビネーションを聴かせてくれます。

ライル・メイズさんのソロの後はドラムとパーカッションのソロ。
基本的にはそのままのリズムを延々と刻んでいきます。途中で少し展開が変わる部分がありますが、それもわずかで、基本的にはビート勝負のリズム合戦です。それにしても一定のリズムだけなのですが、全く飽きず、さらに強力なビート感が恐ろしいほどの迫力です。

サビに戻って2コーラス目のCD Time=6:22からは、パット・メセニーさんの、リー・リトナーさんの得意技のような、単音ミュートのバッキングからオクターブ奏法でのバッキングを聴くことができます。

そしてEm7からFm6に転調してエンディングへ・・・。

この曲のラテンビートが強力なのは、ドラムとパーカッションはもちろんなんですが、スティーヴ・ロドビーさんのベースがかなりその役を担っていると想います。ここでの演奏はウッドベースです。意図的に単純に、しかもおかずあまり入れないで、ひたすらスタッカートぎみに刻むと言う”おしん”的な奏法です。
しかもウッドベースの持っている箱的でパーカッシブな感じがマッチしていて、効果を上げていると想います。パット・メセニー・グループにウッドベースが入った効果的な一面を聴く想いがしました。

06:ファーマーズ・トラスト
この曲は数あるバラードの中でも珠玉の名作だと想います。とにかく綺麗で優しいメロディが何とも言えない郷愁を感じます。
テーマはナイロン弦のアコースティックギターです。比較的固めの音ですが、これがパット・メセニーさんのナイロン弦の弾き方の特徴でもあります。ギターはたぶんオベーションのナイロンだと想うのですが、もしかしたらまだ使用していなかったかも知れませんが・・・。

おおらかな3/4拍子。ピアノとベースとギターのトリオを基本に演奏され、鳥のさえずりがSEで初めから終わりまで重なって、広大な自然を感じさせてくれる演奏です。これは、ライヴ会場でも流れていたのでしょうか?オーディエンスの反応も全く収録されていないので、このトラックのみスタジオ的な雰囲気もありますが・・・。まあどちらにしても名曲ですね。

余談ですが、パット・メセニーさんの特徴のあるナイロン弦の音。実はこの音は意外に近い音がご家庭でも出すことができます。ティアドロップ形のピックの丸い部分でギターのブリッジ近くでややピックを斜めに弦に当てると”擬似パット・メセニーナイロン弦サウンド”になります。もちろん音が似ていると言うことのみですが・・・。

【DISC1】の最後を飾るにはあまりに美し過ぎて涙がでます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

とりあえず2枚組みなので、実は1枚づつ別の日に聴こうと想ったのですが、良く考えてみたら、これは2枚でひとつの作品、しかも流れのあるライヴ作品。トータルでレビューするためには、やはり連続して最後まで聴かないと、その真意が見えない!・・・かも。

そんな訳で連続してwalkingをすることにしました。
それでも、ここまで約47分。さらに倍。歩けたのでしょうか・・・。
長くなりましたので続きは明日にでも・・・。

(CD TOTALTIME:47:25 / Walking消費カロリー:190.61kcal
 walkingには・・・5曲目のストレイト・オン・レッドは少し速足で抜群に合います!)

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パット・メセニー・グループ

曲名リスト
1. ついておいで
2. ザ・フィールズ,ザ・スカイ
3. グッドバイ
4. フェイズ・ダンス
5. ストレート・オン・レッド
6. ファーマーズ・トラスト

1. エクストラディション
2. ゴーイン・アヘッド/ウィチタ・フォールズ
3. トラヴェルズ
4. ソング・フォー・ビルバオ
5. 想い出のサン・ロレンツォ

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(*)本文に登場したCD・DVD

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オフランプ (紙ジャケット仕様)オフランプ (紙ジャケット仕様)
パット・メセニー・グループ
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スピーキング・オブ・ナウスピーキング・オブ・ナウ
パット・メセニー ライル・メイズ リチャード・ボナ
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あとがき
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2007年10月20日

T-スクエア/T-スクエア

T-SQUARE

ここ数日天気が悪くて、あまり爽快な気分でwalkingと言う感じではなかったのですが、今日は良い天気。土曜日とあって人もたくさん出ていました。と言うことで今日はT-スクエアT-スクエアでwalkingしました・・・。


先日、私のブックマークしているブログ、bonejiveさんのFavorites Labで、T-スクエアのベストWordless Anthology(*)の記事を拝読させていただきました。
妙に懐かしいと言うか、やはり聴きたくなるのが心情。自分が持っているT-スクエアのCDをあさっていたらこの作品が目に付いたのでwalkingに持ち出したと言うわけです。
自らのバンド名をアルバムタイトルにした作品。気合いを感じますが・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:A DERAM IN A DAYDERAM
イントロの一風変わったあまり聴き慣れないコード進行でのピアノのバッキング。この作品からメンバーになったキーボードの松本圭司さんの作品。テーマは宮崎隆睦さんのEWI。
サウンド的には打ち込みやループ系のSEなどが入っていて、今までのT-スクエアとは少し違った印象をもったのを覚えています。

なんと言ってもこの曲の特徴は、独特のコード進行とリズムにあります。
実はT-スクエアのコピーバンドで、この曲はバンドのお家事情と私の好奇心のために畑違いのキーボードで演奏したことがあります。しかも発売の直後でしたので、当然楽譜がありません。結局、全部コードを拾って譜面を起こしたのを想い出します。
ですから、何回も聴いて、また曲を分析しているので、まるで自分の曲の様な錯覚を覚えてしまう程です。その時に、そのコード進行の意外な展開、そしてリズムに松本圭司さんなかなかやるな!と想ったわけです。

ファーストソロは宮崎隆睦さん。
しかし、ソロと言うよりはもっとSE的。これはソロとは言えないですね。左右のチャンネルにサックスを振って、ごく短いセンテンスを交互に軽く吹いています。何故に、このようなアレンジにしたのか?ちょっと理解できないところはありますが。

テーマを挟んで安藤まさひろさんのソロ。
サビのパターンに乗せたソロです。いつも通りのまとまったソロですね。けっこう難しいコード進行ですが、そのコードの特徴的な音を捉えて速いパッセージを奏でています。

02:MAN ON THE MOON
安藤まさひろさんのアコースティック・ギターのカッティングが両チャンネルで大きく広がっている中に包まれるように、宮崎隆睦さんのソプラノサックスがテーマを奏でていきます。
1曲目とは大きく違う壮大な雰囲気を持った曲。カントリーっぽいテイストを含みつつ、優しさのある安藤まさひろさんの曲です。

ファーストソロは安藤まさひろさんのアコースティックギター。少し静かになってコード進行も綺麗な流れの中で奏でています。
そのソロをドラムのインから引き継ぐのが宮崎隆睦さんのソプラノサックス。なかなか綺麗な音でいいラインを奏でています。またそのバックでの則竹裕之さんの2拍、4拍のスネアに加えて、3拍目の16分食ったところに入るスネアがさらにビート感を出しています。

03:ca et la
ややアップテンポのボサノバ調の曲。ドラムが単純なボッサのリズムでは無くて、リムショットにブラシワークでの16ビートの様な音が入っていて打ち込みのようにも聴こえますが・・・。でもブレイクしたり、キメでは音がしっかり消えている感じなので多分叩いている?と想うのですが。これはなかなか難しそうなパターンです。また曲が単純な明るいボッサに留まっていないのはこのリズムのおかげだと想います。

04:OUR FORTRESS
エレピの音とバッキングリズムが印象的。やや陰鬱な感じで、さらにレトリックな感じのするナンバー。

ファーストソロは作曲者でもあるベースの須藤満さん。
最初はオクターバーを使用したピチカートでのライン。良く歌っているラインです。そして後半はスラップでのソロ。細かいサムがたくさん入っていて聴き応えがあります。またフレーズだけでは無くて音も実にいいんです。サムは重低音を鳴らしていて、プルは切れの良い音。全体のバランスが良いので聴き易い音です。
そして松本圭司さんのエレピソロ。こちらは少しエレピを歪ませてやはり少しレトリックなソロ。コードワークを多用したソロですが、時に速いパッセージを混ぜながらハードにキメています。
そしてEWIのテーマと安東まさひろさんの歪みを強くかけたロックフレーバーのフレーズで掛け合います。ここはEWIでのソロとの掛け合いにして欲しかった!と個人的には想いますが・・・。
続けてEWIの速いパッセージのソロでエンディング・・・と想ったところ、ハイハットのオープンでの一発から則竹裕之さんのソロです。この展開はなかなか迫ってくるものがあって劇的です。CD Time=4:36のリズムの崩しなど絶妙ですね。

05:ALE-LEYAH-YAH
イントロやサビの打ち込みのリズムがラテンの雰囲気を出しています。またコーラスもさらにその雰囲気を盛り上げます。それに対してテーマ部分のおおらかな感じがするのが面白い曲です。

06:AN EVENING GLOW
ピアノのソロからスタートするバラード。T-スクエアでピアノでバラードと言えば和泉宏隆さんをどうしても想い出してしまうのですが、松本圭司さんのここでのピアノは和泉宏隆さん比べるといくぶん固めの音と言う感じです。また松本圭司さんのバッキングの強さの為か、歯切れが良い音、フレーズになっています。このあたりはお好みなんですが、個人的にはバラードなのでもっと引きずって弾いても雰囲気は良いかなと想いますが・・・。
エンディングでは宮崎隆睦さんのリリカルなアルトサックスソロを聴くことができます。

07:A NITE WITHOUT MEMORY
いろいろなSEやサンプリングループの様なマテリアルが印象的な曲です。幻想的で都会的な感じで曲は進みます。T-スクエアらしさと言う面で聴くと、かなり違う雰囲気の曲だと想います。ここでも宮崎隆睦さんのサックスが都会の喧騒をかき消す様にフレーズを奏でます。

08:TAKINGMOUNTAIN(TOPS)
アナログディスクの針ノイズからレトリックな演出でスタートするラグ風の雰囲気の曲です。宮崎隆睦さんのバリトンサックスがいかにもそれらしいムードをかもし出します。
アルトサックスソロに続いて安藤まさひろさんのアコギソロ。CD Time=2:44からのコード進行に合わせてのジャズラインがじつに良いです。

09:CALLING THROUGH THE AGE OF TIME
厚いストリングスシンセにラテン系のボイスが入って、さらにアフリカンな太鼓のリズムが響きます。雰囲気は幻想的で映像的。テーマは一転してマイナー調のメロディをナイロン弦のギターで、イントロの雰囲気をほのかに引きずりつつストレートなメロディで奏でます。

10:(DON'T ASK ABOUT)MEANING OF KISS
サンプリングループを使用した、少し跳ねたリズムの明るい曲です。この曲は宮崎隆睦さんの作曲。この作品ではこの曲のみの提供なんですが、なかなか良い曲だと想います。
ファーストソロは安藤まさひろさん
クリアトーンでのソロですが、ほぼワンコーラスと言う長尺のソロです。今までは大体、Aメロのみとかサビのみとかが多かったので、このような感じでワンコーラス弾いているのは珍しいですね。当然ワンコーラスですからコード進行も難しいですし、構成も難しいのですが実によく歌っています。CD Time=2:42からサビのパターンへ行くためのフレーズや音の選択が見事ですね。

11:A DREAM IN A DAYDREAM(REPRISE)
1曲目のリプライズです。テクニカルに音をいろいろと組み合わせたり加工したりして遊んでいます。ある意味このようなPCを使用したエレクトリカルな現代風のサウンドがこの作品のコンセプトになっていて、それを如実に表しているのがこのリプライズだとも言えそうですね。

12:BELFAST SONG
この曲も松本圭司さんの曲。1曲目に似た様な部分もあるコード進行ですが、ゆったりと流れている分、こちらの曲の方がヒューマンな感じがします。
途中に入るヴァイオリンは落合哲也さん。いい味なんですが、ギターでも良かった・・・って少し想ったりしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

私が演奏していたT-スクエアのコピーバンドのリーダーが大の則竹裕之さんファン。則竹裕之さんがソナーを使っていると聞くと、そっくりに近いセットを買ってしまうほど。
ですからT-スクエアのいわゆる中期からこの作品までの曲は本当にたくさん演奏しました。それこそライヴの度に増えていくので何十曲と言う単位になると想います。
しかも、新しい作品が出ると、コピー譜が販売されるより前にライブがあることが良くあったので、そのたびに譜面起こしやコード譜起こしをしていました。
ですから、T-スクエアの楽曲は、大変おこがましいのですが、人の曲の様な感じがしないんです。
もちろんいろいろと音楽的な勉強になったのですが、あまりにも深く入り過ぎたような気がしています。

ですから常にコピーバンドと表裏一体にあったので、コピーバンドが解散すると同時にあまり聴かなくなったと言うのが真相です。この作品が最後にコピーした作品になるわけです。多分、いろいろなバンドの中でも、好き嫌いは別として一番聴いたバンドと言えます。

またそんな理由から愛着もあって、特に和泉宏隆さん、本田雅人さんが在籍していたころが一番好きなんです。
やはり2人が抜けての作品ですので、その存在の大きさがより解る結果となってしまった感じがするのです。決して前のキーボードの難波正司さんやサックスの宮崎隆睦さん、また松本圭司さんが下手と言うことではないです。
グループってグルーヴを生み出す波長があって、それが最初からバッチリあっているのは希で、大体は長くやっているうちに自然と同じ波長になってきて、それがグループのグルーヴになってくるのだと想います。
それは上手い下手と言う技術的なものではなくて、もっとメンタルな部分で訴えかけてくるものだと・・・。
さらにそれは、オリジナルメンバーや長く一緒に演奏している人が居れば、サウンドは全く別ものに変わっても根底にあるグルーヴは一貫して流れているものだと想うのです。
また、そうなっているのがバンドとしての"個性"であり"意味"であり"らしさ"と言うことだと想うのです。

その意味ではグルーヴをあまり感じ取れない作品だと個人的には想います。
まあ、新しいメンバーでのスタートですので仕方のないところはありますが、根底にあるそれらもあまり伝わってこないのです。
中期のT-スクエアにあまりにも入り込み過ぎたと言うこともあるのですが・・・。
もちろんこの作品が好きな方やこの作品から聴き始めた方もたくさんいらっしゃるとは想いますから、あくまでも私の個人的な感覚として捉えていただきたいのですが・・・。
しかし、この作品を最後にバンド形態を一時辞める、つまりある意味解散したと言うことは事実です。

それにしても、安藤まさひろさんは心の広いと言うか尊敬出来る方だと想います。
作品の大半を新加入の松本圭司さんにゆだねている部分があり、さらに、オリジナルメンバーですので、安藤まさひろユニットや安藤まさひろグループとして、もっと自由奔放に活動することさえ出来そうなのにあえてバンド形態を崩さず、老舗T-スクエアの”のれん”を守っている姿勢・・・。
自分がギタリストとして決して出しゃばることが無く、常に全体に目を配っている姿勢・・・。
なにかひとりで葛藤している感じさえ伝わって来ました。結局はバンド形態は崩れてしまいましたが・・・。

でも近年、伊東たけしさんがこの老舗に戻って来て、さらにバンド形態も復活しましたので、強力な人材がまた確保できたと言うところでしょうか。

今のT-スクエアは聴いていないのですが、だぶん伊東たけしさんが戻ったことで、根底に流れているグルーヴが戻って来たのでは?
そんな風に、昔のT-スクエアを知っている古い”友人”として期待しているのです。

久しぶりにCDショップに”会いに”行って一緒にwalkingをしようか・・・。

(CD TOTALTIME:62:26 / Walking消費カロリー:250.98kcal
 walkingには・・・テンポが良い曲がけっこうありますので意外に合います。)

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T-SQUARET-SQUARE
T-SQUARE

曲名リスト
1. ア・ドリーム・イン・ア・デイドリーム
2. マン・オン・ザ・ムーン
3. サ・エ・ラ
4. アワー・フォートレス
5. アレ・レヤ・ヤ
6. アン・イブニング・グロウ
7. ア・ナイト・ウィズアウト・メモリー
8. テイキング・マウンテン(トップス)
9. コーリング・スルー・ジ・エイジ・オブ・タイム
10. (ドント・アスク・アバウト)ミーニング・オブ・キス
11. ア・ドリーム・イン・ア・デイドリーム(リプライズ)
12. ベルファースト・ソング

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(*)本文に登場したCD・DVD

Wordless Anthology 2 ~ Masahiro Andoh Selection&Remix + 1Wordless Anthology 2 ~ Masahiro Andoh Selection&Remix + 1
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2007年10月18日

ダンディズム/渡辺香津美DUO with小曽根真

ダンディズム

今日はかなり寒かったです。なんか急激に冬の足音が聞こえた感じで・・・。上着を一枚着こんでのwalkingですが、見た目多少お洒落に・・・と想うのですが、どうにもその世界には無関心なところがあってDANDYに決めることが不得手なんです・・・。と言うことで今日は渡辺香津美DUO with 小曽根真さんのダンディズムwalkingしました・・・。


この作品はCD帯に惹かれて購入・・・と言う訳でもありませんが、実に良いキャッチコピーなんです。それは「男の嗜(たしなみ)、音のテイスティング、ダンディズム」。
これがそのままこの作品のコンセプトにもなっています。1998年の録音で渡辺香津美さんのソロ名義で"DUO with"と言うことで小曽根真さんのクレジットがあるギターとピアノのデュオ作品です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:SPAIN
有名過ぎるだけに名演奏も多く、また一歩間違うとオリジナリティが出なくて超オーソドックスになってしまう超難曲。そして演奏し甲斐のあるコード進行やキメが盛りだくさんの名曲です。これをこの2人がどうやってダンディズムに決めるのか?

出だしのユニゾンはオーソドックスに決めます。
しばし定番の進行。その中にも小曽根真さんの綺麗なヴォイシングでのコードで進みます。
食って入るユニゾン部分にさしかかります。
食うと言うリズムよりは、少し延ばすと言うルーズな感じのフレーズにフェイクしたユニゾンになっています。また続くCD Time=0:32の複雑なパターンがなかなか斬新な感じがします。

テーマ部分は渡辺香津美さんが原曲の雰囲気を崩さないように奏でていますが、コード進行がかなりリハーモナイズされています。スペインの持っている情熱的な気持ちを奥に秘めつつ、より優雅に、より美しいコード進行に変わっていると言う感じ。このコード進行はかなり肝!です。

ファーストソロは渡辺香津美さん。
リハーモナイズされた綺麗なコード進行で前半は進みます。それにあわせる様にコード進行を捉えつつも華麗なメロディラインを刻んでいきます。
このようにリハーモナイズするのは良いのですが、後のアドリブが大変になってしまうと言うことがあります。ですから、アドリブ部分は原曲のコードに戻してしまうことがあるのですが、そこはさすがです。見事に歌っています。
途中からコード進行が原曲通りに戻ると同時に小曽根真さんのラテン風バッキングが入ります。CD Time=2:22の掛け合いの様なインタープレイを挟んで、さらに小曽根真さんのバッキングが加熱していきます。
当然、負けてなるか!と渡辺香津美さんのプレイも加速していきます。CD Time=2:53からの2人のビート感は凄みさえ感じます。

そしてその流れを断ち切る様に、静かに小曽根真さんのソロへ。
見事なコードワークとヴォイシングで前半部分は原曲の姿も見えないくらいの美しい展開。そしてCD Time=4:03から原曲のコード進行に戻ると、16分音符を中心とした速いパッセージで情熱的に奏でます。CD Time=4:32からは速いパッセージを弾きつつ、流れを断ち切るような強いコードワークを効果的に入れています。実にグルービーで"流れ"と"よどみ"の妙、"ワビ"と"サビ"の精神、を味わえる気がします・・・。

原曲のイメージを十分に残しつつも、綺麗で美しいコードを展開している演奏です。フラメンコダンサーの少しスローなダンス部分の裏に秘めている、視線の熱さの様な、美しさの中に見え隠れする情熱を感じ取ることが出来る名演だと想います。

スペインの名演は数々ありますが、個人的にはかなり好きな演奏です。

02:BABI'S BOSSA
ミディアムテンポの軽いボサノバ風のリズムの渡辺香津美さんの曲です。
マイナーコードを基調としていてピアノの音もギターの音も少しトーンを落とし、雰囲気を出しています。スペインもそうですが、渡辺香津美さんのギターはエイブ・リヴェラと言うフルアコースティク・ギター。エレクトリックな響きの中にもアコ的な音が良く響く綺麗な音ですね。

03:AZIMUTH
この曲も渡辺香津美さんのオリジナル。今度はナイロン弦のクラシックギターでのプレイです。このギターはジャケットをみるとポール・ジェイコブソンと言うアメリカのギター製作者のクラシックギターです。この渡辺香津美さん所有のギターはクラシックのギタリストたちからも”なんで渡辺さんのジェイコブソンは音がいいんだ?”と評判の名器だと聴いたことがあります。確かに良い音です。そんな名器で奏でるややラテンと言うかタンゴ調の楽曲です。アル・ディ・メオラさんを少し連想します。

ファーストソロは渡辺香津美さん。
ミュートを使って曲調に合わせた雰囲気を出しながら、次第に流れるようなソロラインを歌います。ナイロン弦をピックで弾く時の独特のピッキングノイズがさらに雰囲気を盛り上げますね。

CD Time=2:58からはソロの掛け合いになります。お互いがお互いのフレーズを良く聴いていて呼応するような掛け合いで、息の合ったところを聴かせてくれます。もっと長く聴きたい!って素直に想いますね。

04:SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
定番のスタンダード。この曲も名演が多いだけに難しい曲なんですが、ここでは小曽根真さんのピアノを中心にして、原曲の雰囲気通りの楽しげで、優しい感じの仕上がりです。

小曽根真さんのソロのバックでの渡辺香津美さんのバッキングワークは、ギターでの4ビート・ベースラインを入れたりしながら実にスウィングしているバッキングワークです。
また逆に渡辺香津美さんのソロのバックでの小曽根真さんのバッキングワークも見事で、ピアノでの4ビートのベースラインを入れたりしながら、こちらも負けずとスインギーなバッキングワークです。
両人のバッキングワークの妙を是非聴きたいところです。このあたりに本物の味が出るんです・・・。

05:PRAY
小曽根真さんのペンによるバラードです。
渡辺香津美さんのベース音をブースとしたアルペジオに単音で優しいメロディのピアノが重なります。何ヶ所かで、ピアノとギターがハーモニーを刻みますが、それが曲中で自然に奏でられていて実にいいです。

06:PASSIONATE SNOW
この曲も小曽根真さんの曲です。前の曲とはうって変わってクラシカルなムードで進んでいきます。コード展開も映像的です。CD Time=1:11からのテーマ終りでのユニゾンを中心にしたフレーズでは息のあったフレーズを聴かせてくれます。

ファーストソロは渡辺香津美さん。
ナイロン弦でスパニッシュ風のフレーズを奏でます。そのバックで小曽根真さんが、ピアノの弦をたぶん手でミュートして、打楽器的なバッキングをします。鬼気迫る感じのビート感が漂います。

小曽根真さんのソロは、CD Time=3:53からの両手での速いユニゾンなどを混ぜつつ、どちらかと言うとクラシカルに攻めます。そのバックで、やはり渡辺香津美さんが低音を使用したパーカッシブなバッキングを決めます。

全体的に低音を、時にギターで、時にピアノで、また時に一緒に奏で、まるでベーシストがいるの?と想わせるような、これまた見事なバッキングワークを聴かせてくれます。

07:TOMORROW~MAYBE FROM"ANNIE"
渡辺香津美さんのクラシックギターでのソロからスタートです。ジャズ・フュージョン界だけではなくクラシックギター中心のコンサートに出演したり、クラシックギターの専門誌でも取り上げられることもある、今やジャンルを超えたソロギターの名手と言われています。
何と言っても一番の魅力は音が綺麗なこと。クラシックギターの奏者にはない独特のトーンを持っていると想います。それはクラシックを学ぶ時のメソッドの影響を受けていない、自由な発想からきている音。まさにジャズ・トーンと言えるものだと想います。クラシック畑のプレイヤーにはちょっと出せない音だと想います。この曲のソロも美しい音で奏でられています。言葉も出ない美しさがあります・・・。

それを引き継いで今度は小曽根真さんのソロです。
ピアノのペダルでトーンをコントロールしながら、さらにピアノの持っている音の広がりを全面に出しています。その広がりをバックに感じながら渡辺香津美さんがメロディを静かに重ねていきます・・・。

08:DANDYISM
アルバムタイトル曲で渡辺香津美さんのペンによるブルース調の曲。
渡辺香津美さんのソロは見事に粒の揃った、ジャズ的なパッセージにブルースフレーズを織り交ぜた展開です。
小曽根真さんのソロは渡辺香津美さんの4ビートカッティングをバックに、単音のフレーズからラグ風のジャズフレーズを奏でます。

そして2人の絶妙な掛け合いを経てエンディングへ向かいます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

まず、抜群に音の良い録音だと想いました。それはピアノの広大なスケール感とギターの狭いけど実にヒューマンなサウンドに表れています。
特にギターのエイブ・リヴェラの音は抜群だと想います。これほど綺麗な音が出せるのは楽器のためだけではないことは言うまでもありませんね。

さらに、2人の、時に寄り添い、時に離れ、また時に優しく、時に激しく絡み合う姿。
それはまさに楽器から湧き出るフレーズと音での会話です。
しかも大人のダンディな会話。

また2人ともじょう舌でしかもボキャブラリィが豊富。当然会話も弾みます。
その会話に、側でじっと耳を傾けているだけで引き込まれます。
音の洪水って感覚、解りますでしょうか?そんな感じになります。

辞書で調べて見ると、DANDYにはおしゃれ者、めかし屋、おしゃれな、と言う意味があります。
またそこ付いているismは、もともと「主義、主張、流儀」などの意味をあらわす接尾辞とあります。
ですからこれらを組み合わせてみると
お洒落な主張、お洒落な流儀、おしゃれ者の主張など
実に作品とマッチした言葉になっていると想いませんか?

またDANDYには「すてきな」と言う意味もあるようです。
さらにこれも組み合わせて見ると
素適な流儀、素適な主張と言うことも出来ますね。

全てがダンディズムと言う言葉に集約される作品で
音と演奏にこだわる2人だからこそ出来た作品ですね。

お気に入りのお酒とともに聴き
お酒もサウンドも、両方ともテイスティングして秋の夜を過ごす・・・。
極上のお酒でほろ酔い
さらに追い討ちをかけるように極上の音楽に包まれる・・・。
これって、まさに男の嗜み、ダンディズムですね。

(CD TOTALTIME:42:55 / Walking消費カロリー:172.53kcal
 walkingには・・・意外とテンポの良い曲が多いのでけっこう合います。ダンディにwalkingできる・・・かも!?)

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ダンディズムダンディズム
渡辺香津美 DUO with 小曽根真

曲名リスト
1. スペイン
2. バビズ・ボッサ
3. アジマス
4. いつか王子様が
5. プレイ
6. パッショネイト・スノウ
7. ミュージカル「アニー」~トゥモロウ~メイビー
8. ダンディズム

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あとがき
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2007年10月16日

シャッフル/佐山雅弘&THE GOMBO

曇り空のやや薄ら寒い日でした。あまりの寒さのために今日はwalkingにrunningを少し混ぜて見ました。でもすぐ息切れで・・・。走り慣れないと走れない!ってことを痛感しつつ佐山雅弘&THE GOMBOシャッフルwalkingしました・・・。


先日、といってもだいぶ前に観たTVドラマ「生きる」で松本幸四郎さんがピアノバーへ行くと言うシーンがあり、そこで名曲「命短し、恋せよ乙女♪・・・」と歌うのですが、その時に松本幸四郎さんに向かって「何か弾きましょうか?」と台詞つきのピアニストを演じていたのが、佐山雅弘さんでした。その時にレビューしようと想っていたのですが、つい延び延びになっていて、前回、プリズムの作品をレビューしたので再び想い出して今日はwalkingに持って行きました。久しぶりでほとんど内容を覚えていなかったのですが・・・。

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01:ラヴ・アンド・ハピネス
このシャッフルと言う作品はオリジナル曲ではなくてカバー曲の作品です。その1曲目がいろいろな人がカバーしている中で、フュージョンファンにはデヴィッド・サンボーンさんの名カバーで知られているこの曲です。

ギターの道下和彦さんのオクターブ奏法からスタートします。ストラトキャスターのフロントピックアップと想われる音が非常に綺麗です。テーマは佐山雅弘さんのピアノでソウルフルに奏でられます。

ファーストソロは道下和彦さん。
バックのコー