今日はかなり寒かったです。なんか急激に冬の足音が聞こえた感じで・・・。上着を一枚着こんでのwalkingですが、見た目多少お洒落に・・・と想うのですが、どうにもその世界には無関心なところがあってDANDYに決めることが不得手なんです・・・。と言うことで今日は渡辺香津美DUO with 小曽根真さんのダンディズムでwalkingしました・・・。
この作品はCD帯に惹かれて購入・・・と言う訳でもありませんが、実に良いキャッチコピーなんです。それは「男の嗜(たしなみ)、音のテイスティング、ダンディズム」。
これがそのままこの作品のコンセプトにもなっています。1998年の録音で渡辺香津美さんのソロ名義で"DUO with"と言うことで小曽根真さんのクレジットがあるギターとピアノのデュオ作品です。
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01:SPAIN
有名過ぎるだけに名演奏も多く、また一歩間違うとオリジナリティが出なくて超オーソドックスになってしまう超難曲。そして演奏し甲斐のあるコード進行やキメが盛りだくさんの名曲です。これをこの2人がどうやってダンディズムに決めるのか?
出だしのユニゾンはオーソドックスに決めます。
しばし定番の進行。その中にも小曽根真さんの綺麗なヴォイシングでのコードで進みます。
食って入るユニゾン部分にさしかかります。
食うと言うリズムよりは、少し延ばすと言うルーズな感じのフレーズにフェイクしたユニゾンになっています。また続くCD Time=0:32の複雑なパターンがなかなか斬新な感じがします。
テーマ部分は渡辺香津美さんが原曲の雰囲気を崩さないように奏でていますが、コード進行がかなりリハーモナイズされています。スペインの持っている情熱的な気持ちを奥に秘めつつ、より優雅に、より美しいコード進行に変わっていると言う感じ。このコード進行はかなり肝!です。
ファーストソロは渡辺香津美さん。
リハーモナイズされた綺麗なコード進行で前半は進みます。それにあわせる様にコード進行を捉えつつも華麗なメロディラインを刻んでいきます。
このようにリハーモナイズするのは良いのですが、後のアドリブが大変になってしまうと言うことがあります。ですから、アドリブ部分は原曲のコードに戻してしまうことがあるのですが、そこはさすがです。見事に歌っています。
途中からコード進行が原曲通りに戻ると同時に小曽根真さんのラテン風バッキングが入ります。CD Time=2:22の掛け合いの様なインタープレイを挟んで、さらに小曽根真さんのバッキングが加熱していきます。
当然、負けてなるか!と渡辺香津美さんのプレイも加速していきます。CD Time=2:53からの2人のビート感は凄みさえ感じます。
そしてその流れを断ち切る様に、静かに小曽根真さんのソロへ。
見事なコードワークとヴォイシングで前半部分は原曲の姿も見えないくらいの美しい展開。そしてCD Time=4:03から原曲のコード進行に戻ると、16分音符を中心とした速いパッセージで情熱的に奏でます。CD Time=4:32からは速いパッセージを弾きつつ、流れを断ち切るような強いコードワークを効果的に入れています。実にグルービーで"流れ"と"よどみ"の妙、"ワビ"と"サビ"の精神、を味わえる気がします・・・。
原曲のイメージを十分に残しつつも、綺麗で美しいコードを展開している演奏です。フラメンコダンサーの少しスローなダンス部分の裏に秘めている、視線の熱さの様な、美しさの中に見え隠れする情熱を感じ取ることが出来る名演だと想います。
スペインの名演は数々ありますが、個人的にはかなり好きな演奏です。
02:BABI'S BOSSA
ミディアムテンポの軽いボサノバ風のリズムの渡辺香津美さんの曲です。
マイナーコードを基調としていてピアノの音もギターの音も少しトーンを落とし、雰囲気を出しています。スペインもそうですが、渡辺香津美さんのギターはエイブ・リヴェラと言うフルアコースティク・ギター。エレクトリックな響きの中にもアコ的な音が良く響く綺麗な音ですね。
03:AZIMUTH
この曲も渡辺香津美さんのオリジナル。今度はナイロン弦のクラシックギターでのプレイです。このギターはジャケットをみるとポール・ジェイコブソンと言うアメリカのギター製作者のクラシックギターです。この渡辺香津美さん所有のギターはクラシックのギタリストたちからも”なんで渡辺さんのジェイコブソンは音がいいんだ?”と評判の名器だと聴いたことがあります。確かに良い音です。そんな名器で奏でるややラテンと言うかタンゴ調の楽曲です。アル・ディ・メオラさんを少し連想します。
ファーストソロは渡辺香津美さん。
ミュートを使って曲調に合わせた雰囲気を出しながら、次第に流れるようなソロラインを歌います。ナイロン弦をピックで弾く時の独特のピッキングノイズがさらに雰囲気を盛り上げますね。
CD Time=2:58からはソロの掛け合いになります。お互いがお互いのフレーズを良く聴いていて呼応するような掛け合いで、息の合ったところを聴かせてくれます。もっと長く聴きたい!って素直に想いますね。
04:SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
定番のスタンダード。この曲も名演が多いだけに難しい曲なんですが、ここでは小曽根真さんのピアノを中心にして、原曲の雰囲気通りの楽しげで、優しい感じの仕上がりです。
小曽根真さんのソロのバックでの渡辺香津美さんのバッキングワークは、ギターでの4ビート・ベースラインを入れたりしながら実にスウィングしているバッキングワークです。
また逆に渡辺香津美さんのソロのバックでの小曽根真さんのバッキングワークも見事で、ピアノでの4ビートのベースラインを入れたりしながら、こちらも負けずとスインギーなバッキングワークです。
両人のバッキングワークの妙を是非聴きたいところです。このあたりに本物の味が出るんです・・・。
05:PRAY
小曽根真さんのペンによるバラードです。
渡辺香津美さんのベース音をブースとしたアルペジオに単音で優しいメロディのピアノが重なります。何ヶ所かで、ピアノとギターがハーモニーを刻みますが、それが曲中で自然に奏でられていて実にいいです。
06:PASSIONATE SNOW
この曲も小曽根真さんの曲です。前の曲とはうって変わってクラシカルなムードで進んでいきます。コード展開も映像的です。CD Time=1:11からのテーマ終りでのユニゾンを中心にしたフレーズでは息のあったフレーズを聴かせてくれます。
ファーストソロは渡辺香津美さん。
ナイロン弦でスパニッシュ風のフレーズを奏でます。そのバックで小曽根真さんが、ピアノの弦をたぶん手でミュートして、打楽器的なバッキングをします。鬼気迫る感じのビート感が漂います。
小曽根真さんのソロは、CD Time=3:53からの両手での速いユニゾンなどを混ぜつつ、どちらかと言うとクラシカルに攻めます。そのバックで、やはり渡辺香津美さんが低音を使用したパーカッシブなバッキングを決めます。
全体的に低音を、時にギターで、時にピアノで、また時に一緒に奏で、まるでベーシストがいるの?と想わせるような、これまた見事なバッキングワークを聴かせてくれます。
07:TOMORROW~MAYBE FROM"ANNIE"
渡辺香津美さんのクラシックギターでのソロからスタートです。ジャズ・フュージョン界だけではなくクラシックギター中心のコンサートに出演したり、クラシックギターの専門誌でも取り上げられることもある、今やジャンルを超えたソロギターの名手と言われています。
何と言っても一番の魅力は音が綺麗なこと。クラシックギターの奏者にはない独特のトーンを持っていると想います。それはクラシックを学ぶ時のメソッドの影響を受けていない、自由な発想からきている音。まさにジャズ・トーンと言えるものだと想います。クラシック畑のプレイヤーにはちょっと出せない音だと想います。この曲のソロも美しい音で奏でられています。言葉も出ない美しさがあります・・・。
それを引き継いで今度は小曽根真さんのソロです。
ピアノのペダルでトーンをコントロールしながら、さらにピアノの持っている音の広がりを全面に出しています。その広がりをバックに感じながら渡辺香津美さんがメロディを静かに重ねていきます・・・。
08:DANDYISM
アルバムタイトル曲で渡辺香津美さんのペンによるブルース調の曲。
渡辺香津美さんのソロは見事に粒の揃った、ジャズ的なパッセージにブルースフレーズを織り交ぜた展開です。
小曽根真さんのソロは渡辺香津美さんの4ビートカッティングをバックに、単音のフレーズからラグ風のジャズフレーズを奏でます。
そして2人の絶妙な掛け合いを経てエンディングへ向かいます・・・。
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まず、抜群に音の良い録音だと想いました。それはピアノの広大なスケール感とギターの狭いけど実にヒューマンなサウンドに表れています。
特にギターのエイブ・リヴェラの音は抜群だと想います。これほど綺麗な音が出せるのは楽器のためだけではないことは言うまでもありませんね。
さらに、2人の、時に寄り添い、時に離れ、また時に優しく、時に激しく絡み合う姿。
それはまさに楽器から湧き出るフレーズと音での会話です。
しかも大人のダンディな会話。
また2人ともじょう舌でしかもボキャブラリィが豊富。当然会話も弾みます。
その会話に、側でじっと耳を傾けているだけで引き込まれます。
音の洪水って感覚、解りますでしょうか?そんな感じになります。
辞書で調べて見ると、DANDYにはおしゃれ者、めかし屋、おしゃれな、と言う意味があります。
またそこ付いているismは、もともと「主義、主張、流儀」などの意味をあらわす接尾辞とあります。
ですからこれらを組み合わせてみると
お洒落な主張、お洒落な流儀、おしゃれ者の主張など
実に作品とマッチした言葉になっていると想いませんか?
またDANDYには「すてきな」と言う意味もあるようです。
さらにこれも組み合わせて見ると
素適な流儀、素適な主張と言うことも出来ますね。
全てがダンディズムと言う言葉に集約される作品で
音と演奏にこだわる2人だからこそ出来た作品ですね。
お気に入りのお酒とともに聴き
お酒もサウンドも、両方ともテイスティングして秋の夜を過ごす・・・。
極上のお酒でほろ酔い
さらに追い討ちをかけるように極上の音楽に包まれる・・・。
これって、まさに男の嗜み、ダンディズムですね。
(CD TOTALTIME:42:55 / Walking消費カロリー:172.53kcal
walkingには・・・意外とテンポの良い曲が多いのでけっこう合います。ダンディにwalkingできる・・・かも!?)
![]() | ダンディズム 渡辺香津美 DUO with 小曽根真 曲名リスト 1. スペイン 2. バビズ・ボッサ 3. アジマス 4. いつか王子様が 5. プレイ 6. パッショネイト・スノウ 7. ミュージカル「アニー」~トゥモロウ~メイビー 8. ダンディズム Amazonで詳しく見る by G-Tools |

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コメント (2)
こんばんは。
すごいレビューですね。
このCD知っておりましたが未聴です。
是非聴きたいと思います。
ピアノとギターのデュオのスペインではミッシェル・カミロのものは好きで、
キリンの生茶のCMでスペインが使われたとき結構聴いていました。
投稿者: bonejive | 2007年10月21日 22:24
bonejiveさん
コメントありがとうございます。
秋の夜長になかなかしっくり来ますのでお勧めです。ギターではないですが、チック・コリアさんとボビー・マクファーリンさんのデュオのスペインも好きです。
投稿者: ayuki | 2007年10月24日 09:42