Walking de Music

2007年10月20日 19:13にアップしたエントリーです。

ひとつ前のエントリーはダンディズム/渡辺香津美DUO with小曽根真です。

次のエントリーはトラヴェルズ【DISK1】/パット・メセニー・グループ TRAVELS/PAT METHENY GROUPです。



T-スクエア/T-スクエア

T-SQUARE

ここ数日天気が悪くて、あまり爽快な気分でwalkingと言う感じではなかったのですが、今日は良い天気。土曜日とあって人もたくさん出ていました。と言うことで今日はT-スクエアT-スクエアでwalkingしました・・・。


先日、私のブックマークしているブログ、bonejiveさんのFavorites Labで、T-スクエアのベストWordless Anthology(*)の記事を拝読させていただきました。
妙に懐かしいと言うか、やはり聴きたくなるのが心情。自分が持っているT-スクエアのCDをあさっていたらこの作品が目に付いたのでwalkingに持ち出したと言うわけです。
自らのバンド名をアルバムタイトルにした作品。気合いを感じますが・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:A DERAM IN A DAYDERAM
イントロの一風変わったあまり聴き慣れないコード進行でのピアノのバッキング。この作品からメンバーになったキーボードの松本圭司さんの作品。テーマは宮崎隆睦さんのEWI。
サウンド的には打ち込みやループ系のSEなどが入っていて、今までのT-スクエアとは少し違った印象をもったのを覚えています。

なんと言ってもこの曲の特徴は、独特のコード進行とリズムにあります。
実はT-スクエアのコピーバンドで、この曲はバンドのお家事情と私の好奇心のために畑違いのキーボードで演奏したことがあります。しかも発売の直後でしたので、当然楽譜がありません。結局、全部コードを拾って譜面を起こしたのを想い出します。
ですから、何回も聴いて、また曲を分析しているので、まるで自分の曲の様な錯覚を覚えてしまう程です。その時に、そのコード進行の意外な展開、そしてリズムに松本圭司さんなかなかやるな!と想ったわけです。

ファーストソロは宮崎隆睦さん。
しかし、ソロと言うよりはもっとSE的。これはソロとは言えないですね。左右のチャンネルにサックスを振って、ごく短いセンテンスを交互に軽く吹いています。何故に、このようなアレンジにしたのか?ちょっと理解できないところはありますが。

テーマを挟んで安藤まさひろさんのソロ。
サビのパターンに乗せたソロです。いつも通りのまとまったソロですね。けっこう難しいコード進行ですが、そのコードの特徴的な音を捉えて速いパッセージを奏でています。

02:MAN ON THE MOON
安藤まさひろさんのアコースティック・ギターのカッティングが両チャンネルで大きく広がっている中に包まれるように、宮崎隆睦さんのソプラノサックスがテーマを奏でていきます。
1曲目とは大きく違う壮大な雰囲気を持った曲。カントリーっぽいテイストを含みつつ、優しさのある安藤まさひろさんの曲です。

ファーストソロは安藤まさひろさんのアコースティックギター。少し静かになってコード進行も綺麗な流れの中で奏でています。
そのソロをドラムのインから引き継ぐのが宮崎隆睦さんのソプラノサックス。なかなか綺麗な音でいいラインを奏でています。またそのバックでの則竹裕之さんの2拍、4拍のスネアに加えて、3拍目の16分食ったところに入るスネアがさらにビート感を出しています。

03:ca et la
ややアップテンポのボサノバ調の曲。ドラムが単純なボッサのリズムでは無くて、リムショットにブラシワークでの16ビートの様な音が入っていて打ち込みのようにも聴こえますが・・・。でもブレイクしたり、キメでは音がしっかり消えている感じなので多分叩いている?と想うのですが。これはなかなか難しそうなパターンです。また曲が単純な明るいボッサに留まっていないのはこのリズムのおかげだと想います。

04:OUR FORTRESS
エレピの音とバッキングリズムが印象的。やや陰鬱な感じで、さらにレトリックな感じのするナンバー。

ファーストソロは作曲者でもあるベースの須藤満さん。
最初はオクターバーを使用したピチカートでのライン。良く歌っているラインです。そして後半はスラップでのソロ。細かいサムがたくさん入っていて聴き応えがあります。またフレーズだけでは無くて音も実にいいんです。サムは重低音を鳴らしていて、プルは切れの良い音。全体のバランスが良いので聴き易い音です。
そして松本圭司さんのエレピソロ。こちらは少しエレピを歪ませてやはり少しレトリックなソロ。コードワークを多用したソロですが、時に速いパッセージを混ぜながらハードにキメています。
そしてEWIのテーマと安東まさひろさんの歪みを強くかけたロックフレーバーのフレーズで掛け合います。ここはEWIでのソロとの掛け合いにして欲しかった!と個人的には想いますが・・・。
続けてEWIの速いパッセージのソロでエンディング・・・と想ったところ、ハイハットのオープンでの一発から則竹裕之さんのソロです。この展開はなかなか迫ってくるものがあって劇的です。CD Time=4:36のリズムの崩しなど絶妙ですね。

05:ALE-LEYAH-YAH
イントロやサビの打ち込みのリズムがラテンの雰囲気を出しています。またコーラスもさらにその雰囲気を盛り上げます。それに対してテーマ部分のおおらかな感じがするのが面白い曲です。

06:AN EVENING GLOW
ピアノのソロからスタートするバラード。T-スクエアでピアノでバラードと言えば和泉宏隆さんをどうしても想い出してしまうのですが、松本圭司さんのここでのピアノは和泉宏隆さん比べるといくぶん固めの音と言う感じです。また松本圭司さんのバッキングの強さの為か、歯切れが良い音、フレーズになっています。このあたりはお好みなんですが、個人的にはバラードなのでもっと引きずって弾いても雰囲気は良いかなと想いますが・・・。
エンディングでは宮崎隆睦さんのリリカルなアルトサックスソロを聴くことができます。

07:A NITE WITHOUT MEMORY
いろいろなSEやサンプリングループの様なマテリアルが印象的な曲です。幻想的で都会的な感じで曲は進みます。T-スクエアらしさと言う面で聴くと、かなり違う雰囲気の曲だと想います。ここでも宮崎隆睦さんのサックスが都会の喧騒をかき消す様にフレーズを奏でます。

08:TAKINGMOUNTAIN(TOPS)
アナログディスクの針ノイズからレトリックな演出でスタートするラグ風の雰囲気の曲です。宮崎隆睦さんのバリトンサックスがいかにもそれらしいムードをかもし出します。
アルトサックスソロに続いて安藤まさひろさんのアコギソロ。CD Time=2:44からのコード進行に合わせてのジャズラインがじつに良いです。

09:CALLING THROUGH THE AGE OF TIME
厚いストリングスシンセにラテン系のボイスが入って、さらにアフリカンな太鼓のリズムが響きます。雰囲気は幻想的で映像的。テーマは一転してマイナー調のメロディをナイロン弦のギターで、イントロの雰囲気をほのかに引きずりつつストレートなメロディで奏でます。

10:(DON'T ASK ABOUT)MEANING OF KISS
サンプリングループを使用した、少し跳ねたリズムの明るい曲です。この曲は宮崎隆睦さんの作曲。この作品ではこの曲のみの提供なんですが、なかなか良い曲だと想います。
ファーストソロは安藤まさひろさん
クリアトーンでのソロですが、ほぼワンコーラスと言う長尺のソロです。今までは大体、Aメロのみとかサビのみとかが多かったので、このような感じでワンコーラス弾いているのは珍しいですね。当然ワンコーラスですからコード進行も難しいですし、構成も難しいのですが実によく歌っています。CD Time=2:42からサビのパターンへ行くためのフレーズや音の選択が見事ですね。

11:A DREAM IN A DAYDREAM(REPRISE)
1曲目のリプライズです。テクニカルに音をいろいろと組み合わせたり加工したりして遊んでいます。ある意味このようなPCを使用したエレクトリカルな現代風のサウンドがこの作品のコンセプトになっていて、それを如実に表しているのがこのリプライズだとも言えそうですね。

12:BELFAST SONG
この曲も松本圭司さんの曲。1曲目に似た様な部分もあるコード進行ですが、ゆったりと流れている分、こちらの曲の方がヒューマンな感じがします。
途中に入るヴァイオリンは落合哲也さん。いい味なんですが、ギターでも良かった・・・って少し想ったりしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

私が演奏していたT-スクエアのコピーバンドのリーダーが大の則竹裕之さんファン。則竹裕之さんがソナーを使っていると聞くと、そっくりに近いセットを買ってしまうほど。
ですからT-スクエアのいわゆる中期からこの作品までの曲は本当にたくさん演奏しました。それこそライヴの度に増えていくので何十曲と言う単位になると想います。
しかも、新しい作品が出ると、コピー譜が販売されるより前にライブがあることが良くあったので、そのたびに譜面起こしやコード譜起こしをしていました。
ですから、T-スクエアの楽曲は、大変おこがましいのですが、人の曲の様な感じがしないんです。
もちろんいろいろと音楽的な勉強になったのですが、あまりにも深く入り過ぎたような気がしています。

ですから常にコピーバンドと表裏一体にあったので、コピーバンドが解散すると同時にあまり聴かなくなったと言うのが真相です。この作品が最後にコピーした作品になるわけです。多分、いろいろなバンドの中でも、好き嫌いは別として一番聴いたバンドと言えます。

またそんな理由から愛着もあって、特に和泉宏隆さん、本田雅人さんが在籍していたころが一番好きなんです。
やはり2人が抜けての作品ですので、その存在の大きさがより解る結果となってしまった感じがするのです。決して前のキーボードの難波正司さんやサックスの宮崎隆睦さん、また松本圭司さんが下手と言うことではないです。
グループってグルーヴを生み出す波長があって、それが最初からバッチリあっているのは希で、大体は長くやっているうちに自然と同じ波長になってきて、それがグループのグルーヴになってくるのだと想います。
それは上手い下手と言う技術的なものではなくて、もっとメンタルな部分で訴えかけてくるものだと・・・。
さらにそれは、オリジナルメンバーや長く一緒に演奏している人が居れば、サウンドは全く別ものに変わっても根底にあるグルーヴは一貫して流れているものだと想うのです。
また、そうなっているのがバンドとしての"個性"であり"意味"であり"らしさ"と言うことだと想うのです。

その意味ではグルーヴをあまり感じ取れない作品だと個人的には想います。
まあ、新しいメンバーでのスタートですので仕方のないところはありますが、根底にあるそれらもあまり伝わってこないのです。
中期のT-スクエアにあまりにも入り込み過ぎたと言うこともあるのですが・・・。
もちろんこの作品が好きな方やこの作品から聴き始めた方もたくさんいらっしゃるとは想いますから、あくまでも私の個人的な感覚として捉えていただきたいのですが・・・。
しかし、この作品を最後にバンド形態を一時辞める、つまりある意味解散したと言うことは事実です。

それにしても、安藤まさひろさんは心の広いと言うか尊敬出来る方だと想います。
作品の大半を新加入の松本圭司さんにゆだねている部分があり、さらに、オリジナルメンバーですので、安藤まさひろユニットや安藤まさひろグループとして、もっと自由奔放に活動することさえ出来そうなのにあえてバンド形態を崩さず、老舗T-スクエアの”のれん”を守っている姿勢・・・。
自分がギタリストとして決して出しゃばることが無く、常に全体に目を配っている姿勢・・・。
なにかひとりで葛藤している感じさえ伝わって来ました。結局はバンド形態は崩れてしまいましたが・・・。

でも近年、伊東たけしさんがこの老舗に戻って来て、さらにバンド形態も復活しましたので、強力な人材がまた確保できたと言うところでしょうか。

今のT-スクエアは聴いていないのですが、だぶん伊東たけしさんが戻ったことで、根底に流れているグルーヴが戻って来たのでは?
そんな風に、昔のT-スクエアを知っている古い”友人”として期待しているのです。

久しぶりにCDショップに”会いに”行って一緒にwalkingをしようか・・・。

(CD TOTALTIME:62:26 / Walking消費カロリー:250.98kcal
 walkingには・・・テンポが良い曲がけっこうありますので意外に合います。)

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T-SQUARE

曲名リスト
1. ア・ドリーム・イン・ア・デイドリーム
2. マン・オン・ザ・ムーン
3. サ・エ・ラ
4. アワー・フォートレス
5. アレ・レヤ・ヤ
6. アン・イブニング・グロウ
7. ア・ナイト・ウィズアウト・メモリー
8. テイキング・マウンテン(トップス)
9. コーリング・スルー・ジ・エイジ・オブ・タイム
10. (ドント・アスク・アバウト)ミーニング・オブ・キス
11. ア・ドリーム・イン・ア・デイドリーム(リプライズ)
12. ベルファースト・ソング

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(*)本文に登場したCD・DVD

Wordless Anthology 2 ~ Masahiro Andoh Selection&Remix + 1Wordless Anthology 2 ~ Masahiro Andoh Selection&Remix + 1
T-SQUARE

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コメント (2)

bonejive:

Ayukiさま、こんばんは。
いつも私のブログを取り上げていただき本当にありがとうございます。
Ayukiさんの経験が成せるコメントの深さ、大変勉強になりました。
私もNEW-Sでのメンバーがこれまでのなかで一番好きです。
テクニック、センス、バンドを牽引するパワーはこのときが一番充実していたのでしょうか。
楽譜なしで新譜をコピーしてライブやるなんて本当にすごいですね。

bonejiveさん
コメントありがとうございます。
とにかくNEW-Sでのメンバーには仰る通りにパワーがありましたね。演奏はもちろん活動自体にも安定感があったように想います。

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