今日は風が強くて少しwalkingし難かったのですが、それでも気温は高めだったので快適に出来ました。と言うことでジョー・サンプルさんのサンプル・ディスでwalkingしました・・・。
ジョー・サンプルさんの1997年の作品です。曲目を見るだけで往年のファンには嬉しいラインナップです。クルセーダーズ時代からソロの初期までのいわゆるベスト的な作品なんですが、全てが新録音で、セルフカヴァーアルバムになっています。
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01:虹の楽園Ⅱ
同名アルバム虹の楽園(*)に収録されていたジョー・サンプルさんの曲の中でも、もっとも有名な曲です。いきなりのピアノからスタートするこのテイクは全体的にすっきりしている印象です。音的にもピアノトリオにアコースティクギターが入っていると言う感じでシンプル。
テーマから歯切れの良いピアノ。けっこうラフに弾いている感じがする中にもメロディがはっきり聴こえるのはさすがだと想います。ほぼオリジナルと同じ様なテンポ、それから曲の構成なんですが、やはりすっきりとした音の為でしょうか、すごく洗練されている感じがします。
ジョー・サンプルさんのソロは、フレーズ的にはいつものサンプル節なんですが、かなりスタッカート気味に弾いているのが特徴です。もともとこのようなスタッカート気味で、しかも突っ込み気味の感じが魅力ではありますが、それでもソロのスタートのCD Time=1:17からの高音でのリリカルなメロディラインやCD Time=1:52でのサビのパターンでの流れるようなライン、CD Time=2:23での左手のバッキングの絶妙なタイミングなどは見事としか言いようがないプレイです。また、バックのディーン・パークスさんのアコギカッティングが渋く聴き応えがあります。
何故に“Ⅱ”と言う文字がついているのかは良く解りませんが、オリジナルに対しての“Ⅱ”と言う単純な理由?かとも想ったのですが、どうも聴いた感じではもっと深い意味がありそうな気がするのですが・・・。
02:アイム・カミング・バック・アゲイン
ダイアン・リーブスさんのヴォーカルをフューチャーしたナンバーです。相変わらずの歌の上手さを聴くことが出来ます。
ここでのジョー・サンプルさんのソロは、緩やかなテンポに反するようにコロコロとした細かいパッセージを奏でていきます。今度はかなりレガートに弾いているので、ソロの後でヴォーカルに戻っても違和感が無く繋がっていきます。このあたりのヴォーカル曲を意識したプレイにはキャリアの深さを感じます。また、地味なボサノバ風のラインを刻んでいるのですが、絶妙なグルーヴ感を漂わせてるマーカス・ミラーさんのベースと曲の持っている優しい感じを漂わせているディーン・パークスさんのアコギが良いですね。
03:カーメル
ほぼオリジナルと同じ雰囲気のアレンジになっています。それでも音数が少ないので非常にクリアでスッキリしていて曲の骨格やメロディが引き立っています。前の曲もそうでしたが、実はシンセが入っています。しかしごく軽くしかも注意をしないと、うっかり聴こえない!と言うくらいささやかに入っているので逆にかなり効果的だと想います。
ジョー・サンプルさんのソロは珍しく低音を中心にラインを組み立てています。ソロに入ったときにいつもの通り高音でのフレーズから・・・と想いきや低い音で入ってくるので、良い意味で裏切られます。でもこの感じが逆にいいですね。
04:ナイト・フライト
ジョー・サンプルさんの、イントロでの16分音符の和音のフレーズはかなり歯切れが良いです。和音でこんなに歯切れ良く弾けるの?と言う感じさえするフレーズですね。それを受けて、ソロの前半は今まで以上にスタッカート気味のフレーズを奏でています。CD Time=3:32からはコードワークでのラインになりますが、前半の雰囲気とは変えて、今度はいたってレガートに弾いています。メリハリのあるソロ構成に引き込まれます・・・。
05:チェイン・リアクション
16ビートのブラシワークが、シンプルな中にも流れるようなビート感を出しています。ドラムはスティーブ・ガッドさん。そのビートを、シンプルでスタッカートなラインを弾きつつも、所々で絶妙な味付けをしているマーカス・ミラーさんのベースラインが際立たせています。この強力なリズム隊をバックにジョー・サンプルさんのピアノは流れるようなラインを奏でていきます。
06:ソウル・シャドウズ
デニス・ローランドさんのヴォーカルをフューチャーした曲。オリジナルよりも静かめでもっと都会的な感じがします。その感じを、SE的に入っているトランペットやサックスの音が、ネオンに浮かぶ影のようにひっそりと奏でていて、雰囲気を盛り上げます。
この曲でのリズム隊も前の曲と同じなんですが、非常にシンプルなラインです。スティーブ・ガッドさんはやはりブラシワーク中心で、マーカス・ミラーさんはスラップを使用したりしているのですが、決して派手ではなくてシンプルにキメています。
07:野生の夢
この曲でようやくジョー・サンプルさんのもうひとつの音であるフェンダー・ローズが登場します。オリジナルには無かったコーラスなどが入っていて、高原に吹く風のような爽やかな優しさと自然の雄大さを感じます。
フェンダー・ローズでのジョー・サンプルさんのソロは、いつもの速いパッセージのラインは無く、おおらかなプレイに徹しています。後半のソロのバックでジョー・サンプルさんのラインに絡んでくるマーカス・ミラーさんのスラップが心地よいです。
08:施風(かぜ)に舞う
ややアップテンポなんですが、リズムは相変わらず流れるようにシンプルです。マーカス・ミラーさんのスラップがここでも心地よいリズムを運んでくれます。またパーカッションのレニー・カストロさんの4拍打ちのカウベルがさらにビート感を出します。
ジョー・サンプルさんのソロは、アップテンポに乗ってリズミカルなラインを奏でます。右手のそのリズミカルなラインを、左手のやや細かいバッキングワークが牽引します。かなり乗って来たのか、CD Time=2:03では珍しくジョー・サンプルさんがラインを歌っている声を聴く事ができます。
09:スノーフレーク
まるで雪の舞っているようなイントロのピアノソロから、オリジナルよりはテンポダウンしたテーマが始まります。このテーマ部分は、雪が舞っていると言う感じよりは降っていると言う感じの、やや重いテイクです。サビの部分はエヴァレット・ハープさんのサックスとのユニゾンでテーマを奏でます。この部分は個人的にはピアノのみで良かったのではないかと想うのです・・・。微妙なアーティキュレーションで普通に降っている雪より、あまり好きではないベタ雪の様な感じに聴こえてしまうのですが。
重いグルーヴを受けてジョー・サンプルさんのソロも今までの私のイメージ、高い音を歯切れ良くコロコロまわす、と言う感じではなくて、ブルージーでどっしりとしたソロ展開です。
スタートでのシンプルなラインのモチーフを展開させて進んでいき、そのラインに一息ついたら次ぎのラインをモチーフにして展開します。そしてCD Time=2:26では奇数のポリリズム的な速いフレーズを聴かせてくれます。そしてソロの後半も短いラインをモチーフごとに繋ぎながらさらに展開していくパターン。このソロラインの展開はジョー・サンプルさんとしてはけっこう新鮮な感じがするのですが・・・。そして個人的には、肝!です。
エンディング近くにハンドクラップが2拍4拍で入ってさらにゴスペル風のコーラスが入ります。この部分はファンキーでなかなか良いですね。サックスのエヴァレット・ハープさんのソロもファンクフレーズを連発しています。しかし、そのファンキーなフロントに反してリズム隊をはじめに、バック陣が相変わらずシンプルに淡々とビートを刻んでいるのが面白いギャップです。
10:イット・ハプンズ・エヴリデイ
フルートのヒューバート・ローズさんをフューチャーしたミディアムテンポのボッサ風アレンジ。スティーブ・ガッドさんのブラシワークはこの曲でもいたってシンプル。でもグルーヴは強力。それにしてもこの曲を含めて雰囲気が同じ様な曲が続くので少々中だるみの様子。でも、そこに一陣の風をヒューバート・ローズさんのソロが運んできます。ソロでフェードアウトなんですが、もっと聴きたい!と想いました。
11:ストリート・ライフ
ストリートでの人々のざわめきやパトカーのサイレンなどのSEが入ってスタート。オリジナルの軽快でオーケストレーションされた感じはまったく無く、テンポダウンされていて、かなりソウルフルなアレンジです。歌は3声のコーラス部分とフェンダーローズで奏でられていきます。リズムは同じくシンプルライン。マーカス・ミラーさんは淡々とピチカートで歯切れの良いラインを繰り返します。スティーブ・ガッドさんは同じくシンプルなリズムをブラシで刻んでいきます。それでもCD Time=2:33のスネア一発やCD Time=2:40からの細かいスネアやバスドラのリズムなど存在感はバツグンですね。
このようなソウルフルでゴスペルの様な感じの方が、ジョー・サンプルさんのストリート・ライフに対するイメージなんでしょうか?オリジナルとは全く違うのですが、これはこれでなんかいい感じです。
ジョー・サンプルさんのソロはフェンダーローズ。やはりテンポと雰囲気の為に、いつものコロコロした感じではなくて、ソウルフルでファンキーなラインを奏でています。CD Time=2:44の和音を使用したフレーズなどはまさにブルースです。
12:プット・イット・ホエア・ユー・ウォント・イット
この曲は問答無用のクルセイダーズの代表曲です。やはりイントロ部分に人々のざわめきがSEで入っていて、そこにリハーサルをするかのようにジョー・サンプルさんのフェンダーローズとディーン・パークスさんのギターが絡んで、そのままテーマをフェンダーローズが奏でていきます。オリジナルよりもテンポダウンしてあり、同じくシンプルなリズムにゆったりとファンクビートが乗っていきます。このテンポが速くもなく遅くも無く、実に丁度良いテンポです。このテンポのためにかなりファンキーです。想わず腰が浮きそうな感じ・・・解りますでしょうか?
ジョー・サンプルさんのソロの前にはコーラスが入って、さらにお祭り的なファンキーさが漂います。そしてソロはシンプルなラインとブルージーなコードワークで展開しています。
この曲と前のストリート・ライフは同じテイストでアレンジがされていて、連続した流れで聴くことが出来ます。ある意味この曲は初期のクルセイダーズの代表的なファンクナンバー。そしてストリートライフは中期のコマーシャル的なナンバー。しかし、このようにアレンジしていくと、ストリート・ライフもやはりファンクなんだと想いました。そして、ジョー・サンプルさんのルーツはここにあるのかと。時代に合わせたアレンジをしても、根底にあるものは同じなんだと。
この2曲がこの作品のハイライトでしょうか。個人的にはかなり肝!です。
13:飛翔
うって変わってクラシカルなナンバーです。それでもオリジナルよりもテンポダウンしてシンプルなアレンジになっています。
ジョー・サンプルさんのソロは短めで、コードワークを中心に奏でています。後半からエンディングまではミニ・ムーグのソロ。スペーシーな感じで曲全体が浮遊感に漂います。これはプロデューサーでもあるジョージ・デュークさん。他の曲にも参加してますが、ほんとに少しだけで、今回はプロデュースに徹しています。
14:メロディーズ・オヴ・ラヴ
ピアノの綺麗なソロからスタートする言わずと知れたジョー・サンプルさんの代表的な曲。ここでは作品全体のシンプルさを絵に描いたようなピアノトリオでの静かな演奏です。
実はオリジナルのプレイは、クラシカルなイメージを出そうとしたのか、少し硬さを感じてたのですが、このテイクはリラックスした中にもマイナーバラードの持っている緊張感が漂っていて、実に良いジャズバラードに仕上がっています。ストリート・ライフやプット・イット・ホエア・ユー・ウォント・イットでは聴く事が出来なかった、ジャズピアニスト・ジョーサンプルさんが奏でる、円熟したメロディーズ・オヴ・ラブを聴くことが出来ます。
15:シュレヴポート・ストンプ
この作品唯一のソロピアノ。しかもラグタイム。これが実に良いんです。
ジョー・サンプルさんには、音の詩人的なプレイで、リリカルでクラシカルなムードが、特にソロ初期の作品にはあるので、意外な一面を聴く想いです。それにしても上手いですね。CD Time=2:07のコロコロとした節回しなどはオスカー・ピーターソンさんを彷彿とさせてくれます。
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虹の楽園のようにオリジナルのイメージに比較的忠実な楽曲もあれば、ストリート・ライフのようにまったく違うものもあります。その意味ではベストアルバム的に楽しんだり、アレンジの妙を楽しむことも出来ますが、やはり、ここは少し違う楽しみ方をしたいものです。
あえてシンプルなリズムとシンプルな楽器構成にすることによって、見事にメロディを浮かびあがらせています。これはメロディーメーカーとしてのジョー・サンプルさんの楽曲の良さを楽しむことが出来ます。
単にベスト盤だと、アレンジの違いや録音などでメロディメーカーとしてのセンスって解り難いのでは?と想うのです。
しかし、この作品のように、同じようなアレンジでしかもシンプルにクルセイダーズ時代からの曲を並べて聴くと、そのメロディのどれもが共通して、非常に綺麗でシンプルでメロディアスなことに気が付きます。
さらにその楽曲をピアニストとしてのジョー・サンプルさんが奏でていると言う面での楽しみ方が出来ます。ジャケットの写真や中のピクチャーがジョー・サンプルさんの手をモチーフにして描かれていることからも、どちらかと言うとこの部分を大きくピックアップしたかったのかなと言う感じがします。言うならば職人の手、キャリアのある手です・・・。最後の曲に唯一オリジナルではなくてソロ・ピアノ曲を入れたこともそうですね。
ファンクやブルース的な演奏やクラシカルな演奏、そしてジャズ的な演奏など、とにかくシンプルなリズムの流れの中でピアノを縦横無尽に弾いていると言う感じで、そのルーツまでも垣間見ることが出来ます。
どちらにしても全体的に余裕を感じる、まさに職人芸的な匠の技で成しえた作品。
メロディーメーカー・ジョー・サンプルさん、ピアニスト・ジョー・サンプルさんのどちらを味わうかはお好みなんですが、私はもちろん欲張りですので両方味わいます!
(CD TOTALTIME:74:20 / Walking消費カロリー:300.16kcal
walkingには・・・かなり大人しいのでノリノリと言うわけにはいきませんが・・・。)
![]() | サンプル・ディス ジョー・サンプル 曲名リスト 1. 虹の楽園2 2. アイム・カミング・バック・アゲイン 3. カーメル 4. ナイト・フライト 5. チェイン・リアクション 6. ソウル・シャドウズ 7. 野生の夢 8. 旋風(かぜ)に舞う 9. スノーフレーク 10. イット・ハプンズ・エヴリデイ 11. ストリート・ライフ 12. プット・イット・ホエア・ユー・ウォント・イット 13. 飛翔 14. メロディーズ・オブ・ラヴ 15. シュレヴポート・ストンプ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
(*)本文に登場したCD・DVD
![]() | 虹の楽園 ジョー・サンプル スティックス・フーパー ロバート・ポップス・ポップウエル by G-Tools |
![ジェイ・グレイドン・オール・スターズ・ライヴ・イン・ジャパン 1994.1.19 エアプレイ・フォー・ザ・プラネット[限定盤]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000XAMCA8.09.TZZZZZZZ.jpg)









コメント (3)
どうもです。
このアルバム、大好きなアルバムの1つです。
購入当時、しばらくは気が付くとこのアルバムを聴いている事が多かったです。
フュージョンを聴くとどうしてもテクニックを追いかけがちな私ですが、BGM的に心地良く耳に響く貴重なアルバムです。
・・・そういえば、パーソネルをチェックしていなかった・・・というのも珍しい事です、私的に。
投稿者: もりゃ | 2007年11月05日 21:40
もりゃさん
コメントありがとうございます。
この作品のキーマンはマーカス・ミラーさんだと想います。地味な中でも絶妙で、ベース本来の姿がこれだ!って想います。派手とこれが出来る人なのでやはり凄いですね。最新作は売れているようですが、聴きましたか?
投稿者: ayuki | 2007年11月06日 07:01
マーカス・ミラー氏に関しては、以前コメントしたように色々演りすぎる嫌いがある事から、ここ数年のソロ及び参加アルバムから意識的に遠ざかっていましたので、ニュー・アルバムも興味がありませんでした。
今回のはどんな感じなのでしょう・・・。
雑誌のレビュー等も飛ばし読みしていたので、正直どんなアルバムなのか解りませんが、機会があれば聴いてみたいと思います。
投稿者: もりゃ | 2007年11月06日 15:28