Walking de Music

2007年11月06日 23:25にアップしたエントリーです。

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ギターに愛を/ロベン・フォード 
THE INSIDE STORY/ROBBEN FORD

ギターに愛を

今日は午前中は雨でその後は曇り空の一日。どんよりとした厚い雲の下でwalkingです。そのお供の作品はロベン・フォードさんのギターに愛をです・・・。


ロベン・フォードさんの1979年の作品です。フュージョンの全盛期における名盤であることは今更ながら言うまでもありませんね。もちろん夏にリリースされたシリーズ・FUSION MASTER PIECE 1500にもラインナップされています。とは言っても、テープで聴いてはいましたがCDは持っていませんでしたし、またギターをコピーしたと言うこともない作品なんです。今回のシリーズでCDを購入して久しぶりに聴いたと言うわけです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:マジック・サム
歯切れが良いのですが、ルーズにも聴こえて、それがまた何ともファンキーなロベン・フォードさんの重々しい感じのカッティングでスタートします。
このカッティングの重さは、テンポがゆっくりだったり音が若干ナチュラルな歪みを持っていたりと言うこともありますが、何と言っても、3拍目のE=「ミ」からF♯=「ファ♯」へのスライド奏法後の、若干の“タメ”が効いています。このイントロの感じはちょっとアース・ウィンド&ファイヤーみたいで、非常にファンキーテイストが漂っています。

一転してテーマ部分は非常にモダンなコード進行で、実にフュージョン的なメロディライン。このギャップがけっこうクセになりそうな感じですね。ところがソロに入るとまたファンキーテイストなんですが、実にスムーズに繋がっていく感じがするところが、これまた!いい感じです。

ロベン・フォードさんのソロの前半は、タメの効いたチョーキングからCD Time=1:40のダブルノートの絶妙なニュアンスのヴィブラートでスタート。バックのファンキーなラインに乗ってブルースフレーズ全開のソロ展開です。CD Time=1:59からのコード展開では、単純なブルースラインでは無くて、コードトーンを上手く捉えて、さらにメロディアスにコード進行に準じたラインで奏でます。このメリハリが良いですね。

続いてラッセル・フェランテさんのシンセソロ。ファニーな音で時に歯切れ良く、そして流れるように展開します。そのバックで掻き鳴らすロベン・フォードさんのカッティングが歯切れが良くソロを盛り上げます。そしてイントロのパターンからテーマへ戻りエンディングに向けてロベン・フォードさんのソロが続きます。

この曲でのイントロやソロ部分のバッキングパターンは、ラリー・カールトンさんの名作・夜の彷徨(*)の中のナイト・クロウラーに似た感じがします。
ラリー・カールトンさんのナイト・クロウラーの場合は、イントロの部分やテーマなどがかなりポップにアレンジされていて、それを経て、ブルーステイストのソロパターンに入っていきます。
それに対してロベン・フォードさんのこの曲は、いきなりのブルーステイストから、ポップにアレンジされたテーマを経て、再びブルーステイストのソロパターンになります。ロベン・フォードさんがこの曲のイントロにもう少しポップなアレンジを施していたなら、かなりラリー・カールトンさんに酷似したサウンドになっていたかも知れませんね。でも、この選択が、結果的には見事な選択で、スタートから名盤を予感させるサウンドになったのだと想います。

02:愛をこめて
ロベン・フォードさんのギターから始まるバラードなんですが、テーマが少し入ったと想うとすかさずソロへ展開をしていく曲。この曲のコード進行は途中転調があって難しいのですが、淡々と弾いていくのが見事ですね。CD Time=2:33などのフレーズはかなりカッコ良いフレーズです。

03:ノース・キャロライナ
この曲ではロベン・フォードさんのヴォーカルを聴くことができます。ブルースフィーリングに溢れた歌ですね。コード進行はまさにブルース進行。でも“どブルース”になっていなくて洗練された感じがするのはバッキングのパターンや音質のせいでしょうか。
途中のブルースハープがエフェクトで少しかすんだ感じに聴こえて、それがレトリックで実に良いです。これはライナーノーツによるとロベン・フォードさんの弟さんのようです。兄弟揃ってブルースなんですね。

04:誰よりも
ブルースとは離れた、かなりポップなコード進行でスタートする曲です。ソロはやはり転調があるコード進行なんですが、これまた見事にフレーズを奏でていきます。フレーズ的にはブルースフレーズが多い曲なんですが、このモダンなコード進行上で展開されていくにも関わらず見事にブルースしています。

後半にパーカッションが入って来て、ドラムのバスドラがサンバフレーズを奏でていき、そしてサンバ調のリズムになっていく部分があります。この展開は実にカッコ良いですね。ちなみにドラムとパーカッションはリッキー・ロウソンさん。そのリズムに乗せてラッセル・フェランテさんがエレピのソロを展開していきます。

ソロのラインは流れるようなフレーズなんですが、それに対して左手がほぼ白玉で1拍づつ鳴らすだけ。少々物足りなさを感じながらも聴いていくと、実はその後のCD Time=6:05からの展開への布石になっていたことに気が付きます。この部分は頭の白玉が実に効果的なサウンド全体のモチーフになっていて、さらに大きな流れを創っています。ここまで聴いてなるほど!と想う見事なソロだったわけですね。

05:インサイド・ストーリー
ギターのメロディが全体を牽引して、複雑なコード展開で劇的な感じのするクラシカルな組曲的雰囲気をもったアルバムのタイトル曲です。
ロベン・フォードさんのギターソロは、チョーキングを使ったおおらかなブルースフレーズから入り、CD Time=2:28の転調から速いパッセージでメロディアスに奏でていきます。曲は転調を繰り返しながら進んでいきますが、ロベン・フォードさんは実に上手く弾き切っていきます。

06:ニード・サムバディ
この曲はスタッフのナンバーです。ここでもロベン・フォードさんのブルースバラードのヴォイスを聴くことができます。
まったりとした雰囲気の中で、かなり頑張っている感じがしますが若さもちょっと感じてしまいます。それでも、ソウルフルな歌はかなり好感ですね。また歌に絡むギターがいいですね。この曲でのギターはクリアトーン。もちろんフレーズもクリアで熱いです!

07:ファー・アウェイ
ポップなイントロから、テーマのリズムにあわせて奏でるドラムのバスドラが効果的なナンバーです。テーマとソロの境があまり感じられないほど、ロベン・フォードさんのギターが歌っています。
この曲でのプレイが一番ブルースらしさが少なくフュージョン的なプレイだと想います。また、こうやって聴くと本当にラリー・カールトンさんと似ていますね。CD Time=2:29のスライドダウンのフレーズやCD Time=2:38のチョーキングからのフレーズ。そして、CD Time=2:53の音使い、CD Time=3:24のチョーキングニュアンスなど・・・。
まさに雰囲気はラリー節。でもこれは私がラリー・カールトンさんが好きなのでそうなる訳で、逆もまた真。ロベン節とも言える訳ですね。

08:ティー・タイム・フォー・エリック
ノリの良いロベン・フォードさんのカッティングからスタートします。そしてラッセル・フォンテさんのファンキーなピアノが重なり、さらにジミー・ハスリップさんのベースが重なって、テーマになだれ込みます。この曲はブルースと言うよりはかなりモダン。ポップな感じの展開をもった曲です。

ロベン・フォードさんのソロは、曲調のモダンさとは違ってブルースフィーリングの溢れるフレーズでスタートです。CD Time=2:19からのコード展開から、メロディアスにジャズ的なラインで攻めます。CD Time=2:39からのラインなどはコード進行に沿ったジャズラインでかなりいいですね。続いてワンコードの部分に戻ると、今度はブルースラインでの速弾きフレーズなどで盛り上げて、CD Time=3:00のポリリズムフレーズを連続しつつ、コードが展開していくところはかなり肝!です。この作品でのベストプレイだと個人的には想います。

続くラッセル・フェランテさんの熱いソロを受けて、テーマに戻りフェードアウトしていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

かなり久しぶりに聴いてみた感想は、ここまでブルーステイスト強い作品だったっけ?と言うのが正直なところです。もっと、ポップだった記憶があったのですが・・・。

実はブルースって普段はほとんど聴きません。でも何かの加減で時々“はまる”ことがあります。例えば、エリック・クラプトンさんのアンプラグド・ライブだったり、映画のクロスロードだったり・・・。しかし、いわゆる“どブルース”というのはあまり好きでは無いんです。

ポップだった記憶があるにも関わらず、あまり聴かなかったのは、その根底にある“どブルース魂”の部分があまり好みではなかったと言うのが多分真相だろうと・・・。
丁度それは、ラリー・カールトンさんが、ポップなサウンドにブルースをフュージョン(融合)したサウンドに対して、ロベン・フォードさんはブルースにポップなサウンドをフュージョン(融合)したサウンドと言う違い、と言ったら良いでしょうか・・・。

イエロー・ジャケッツなどを経て途中から完全ブルース回帰したロベン・フォードさんですが、この作品から滲み出ているブルース魂が、丁度バーボンウイスキーの独特の芳香の様です。

バーボンは熟成の際に樽の内側を焦がし、その焦げた樽の色と匂いが移って独特の芳香をもちます。個人的にはけっこうクセがあって、大好きと言う訳ではないのですが、それこそ何かの加減で時々“はまり”、そして恋しくなります。
ストレートでチビリと舐めるように飲んでいると、そのクセも段々と深みに変わっていって、いつの間にか引き込まれ、そして突然まわってきて、あとはすっかりいい気持ちで酔ってしまうんです・・・。

それと同じように、多分頻繁に聴く事はないかも知れませんが、たまに恋しくなって、そして始めは少しクセを感じてしまうと想うのですが、段々とそのブルース魂を感じながら、最後にはすっかり“はまり”、そしていい気持ちで酔ってしまう・・・。

久しぶりに聴いてみて、自分の中ではそんなバーボンテイストな作品になりそうです・・・。

(CD TOTALTIME:43:30 / Walking消費カロリー:174.87kcal
 walkingには・・・ノース・キャロライナは何となく”いい感”じで、想わず千鳥足になってしまいます・・・。)

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ギターに愛をギターに愛を
ロベン・フォード ラッセル・フェランテ ジミー・ハスリップ

曲名リスト
1. マジック・サム
2. 愛をこめて
3. ノース・キャロライナ
4. 誰よりも
5. インサイド・ストーリー
6. ニード・サムバディ
7. ファー・アウェイ
8. ティー・タイム・フォー・エリック

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(*)本文に登場したCD・DVD

夜の彷徨(さまよい)夜の彷徨(さまよい)
ラリー・カールトン グレッグ・マティソン ポーリニョ・ダ・コスタ
by G-Tools

あとがき
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コメント (3)

こんばんは。
待ってましたこのCDのレビュー。
是非聴いてみたいです。
このレビューでそう思いました。
ロベンフォード、ラッセルフェランテは渡辺貞夫さんのツアーのサポートで来日していたことがあります。
この時楽屋に押し掛けてサインを貰いそれが私のたからものの一つになっています。
かっこよかったです。
最近出たラリーとロベンのデュオのCDも期待できそうですね。

『ギターに愛を』。好きです。ロベン・フォードの地が出ています。
と書きましたが実は『ギターに愛を』の購入目的はラッセル・フェランテとジミー・ハスリップ! そう。イエジャケつながりでした。
そんな不純な動機で聞いていた『ギターに愛を』でしたが,徐々にロベン・フォードのブルース・ギターに惹かれていきました。そんなこんなで思い出たっぷりなCDです。

PS STAXお持ちなんですね。CDプレイヤー直差しでもいいじゃないですか。もったいないですよ~。使わないのなら私が代わりに使ってあげるのに…。

bonejiveさん
コメントありがとうございます。
楽屋に押しかけてのサインは貴重ですね。実はラリー・カールトンさんとロベン・フォードさんの作品はまだ未聴ですが、私も聴いてみたいと想っていてなかなか購入できないでいるんです・・・。


セラピーさん
コメントありがとうございます。
イエロージャケッツはあまり聴かないのですが、先ほどイエロージャケッツの作品をアップしました。またご意見をお聞かせください。

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