Walking de Music

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2007年12月Archives

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2007年12月04日

Charming/堀井勝美

今にも雪が降りそうでいて晴れ間も覗くと言う冬らしい天気。当然寒い!と言うわけで今日は、堀井勝美さんのCharmingでwalkingです・・・。


この作品は日本テレビ系列で1992年10月17日~12月26日に放送されたテレビドラマ『綺麗になりたい』のサウンドトラックです。このドラマは中江有里さん、奥山佳恵さんなどが出演していましたが、実はほとんど観ていないので内容は全く覚えていません。それでは何故にこの作品を持っているのか?と言うことですが、堀井勝美さんの作品と言うことと、もうひとつは主題歌を歌っていた久松史奈さんが実は好きだったと言うことが理由なんです。もちろん久しぶりに聴きますが・・・。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:天使の休息
最初は堀井勝美プロジェクトではなくて久松史奈さんの主題歌でスタートです。この曲は久松史奈さんの最大のヒット曲。オリコンで10位にランクインした曲です。

そもそも久松史奈さんはアイドル系でデビューしているのですが、それに我慢が出来なかったようでロック系に変わっていきます。最近はインディーズ系で活動していたようですが、ソロ活動も再開したようですね。
最近は聴いていませんが、そもそもはジャケ買いでスタートしました。昔のレコードでは良くあったジャケ買いですが・・・。そのまま何となく買い続けていってそのまま“ハマッた”と言うわけです。

この曲はミディアムテンポの8ビート。メロディラインは比較的解りやすく、ロックと言うよりはポップスの色合いが強い曲です。歌詞がけっこう好きで、特に「とりあえず飲んで、天使の休息」と言う部分の、まァとりあえず飲んで!っていいフレーズだと想うのですが・・・。
オリジナルのバージョンをそのまま収録しているのですが、オリジナルは久松史奈さんの4枚目の作品BIRTHに収録されています。少し紐解いてみましたら、ドラムに山木秀夫さん、長谷部徹さん、ギターは松原正樹さん、今剛さんなどが参加していました。

02:My Chistmas Wish
堀井勝美プロジェクトの登場です。ANNAさんのヴォーカルをフューチャーしたクリスマスソングです。ドラマの最終回が12月26日ですので、劇中でクリスマスのシーンで使用されたのだと想います。

いかにもクリスマスらいしシンセのベルの様な音が散りばめられ、さらにストリングスが雰囲気を盛り上げる少し跳ねたリズムのバラードです。
ANNAさんは、前半はささやく様に歌っていきます。
CD Time=1:01からドラムがおごそかに入ってきます。同時にベースも入ってくるのですが、3連をミュート気味に入れてアクセントにしていて、なかなかいい感じです。ベースは鳴瀬善博さん、渡辺等さんとクレジットがあるのですが、どちらが演奏しているのかまでは記載されていません。2人とも上手い方なのでどちらが弾いているのでしょうか・・・解りませんが。

ソロはソプラノサックス。クレジットには土岐英史さんと平原まことさんとあるのですが、これまた2人とも上手い方なのでどちらの演奏か解りませんが、フレーズの感じが土岐英史さんの様な気もするのですが・・・。

2コーラス目が終わってのサビ。CD Time=4:38からのANNAさんのロングトーンからのフェイクはかなり高い音なんですが音程が安定しています。そこにソプラノサックスが絶妙に絡んできて再びサビをリフレインします。
今度は力強く、ややシャウト気味に歌います。それでも“切ない願い”を込めるような歌い方で、それはCD Time=5:11で本当にささやく様に言う「it's you」で完結します。
個人的にはけっこう肝!だったりしますが・・・。

それから梶原順さんのナイロン弦のアコギのバッキングが曲全体を締めていて、雰囲気を出しています。

いかにもクリスマス的な曲なんですが、そこは堀井勝美プロジェクトですので、ただ漫然とはプレイしていないくて、それなりに聴き所を創っています。

03:Kissing
イントロはシンセでパーカッシブなリズムモチーフをコード進行と共に奏でていきます。静かなスタートなんですが、綺麗でドラマのBGMとしては最適な感じのサウンドです。役者さんの台詞が綺麗に乗りそうですね。

CD Time=0:50から今までの静寂を裂くように石川雅春さんのドラムのリフからテンポアップします。
テーマはこれぞ堀井サウンド!とも言える歪みの掛った梶原順さんのギター。
メロディは明るさと爽やかさを併せ持ったこちらも堀井サウンド。夏と言うイメージもするのですが、今日は寒かったのでイメージ的にスキー場のゲレンデで聴いても合いそうです。

テーマを絶妙なアーティキュレーションで弾いていた梶原順さんのソロはCD Time=3:32から。
曲の持っている明るさと爽やかさをモチーフにしたソロラインです。CD Time=4:55からのベダルトーン的なフレーズからチョーキングへ、そしてⅡ-Ⅴフレーズへの弾き抜けは見事です。

04:天使の休息(Instrumental Version)
これは1曲目の天使の休息のインストバージョンです。アコギとソプラノサックスでテーマを奏でるバラードにアレンジしています。
イントロが少し凝った感じになっているのですが、基本的には原曲に従っていてコードもあまり換えてはいないので聴きやすいです。ドラマと言うことを意識したアレンジなのかな、とも想いました。
それでも、普通にインストとして聴くことが出来るのは曲が良いこともありますが、プレイヤーの力が大きいのだと想います。ロック調の曲を基本的な部分をあまり換えずにバラードにアレンジをすると言うテクニックの参考になりますね。

05:Matrix
やや和風な感じのメロディの中にも、ユーモラスな感覚と強いビートを感じるファンキーさがミックスされた曲です。このビートとファンキーさはそのベースラインとプレイが生み出している部分が大きいです。
煌びやかな音がするスラップのプルとロングトーンでかかるトレモロアームらしきビブラートは多分鳴瀬善博さんかと・・・。すでにこの作品のリリース時にはカシオペアに参加していました。カシオペアでのベース・トレモロ・アームは少し無理があるような場面もありますが、この演奏ではかなり効果的だと想います。もちろんセッションワークですから派手に使用するわけには行かなかったとは想いますが・・・。同時にスラップワークも絶妙なノリと切れを聴かせてくれます。
鳴瀬善博さんはセッションマンで、もともとヴォーカルのバックなどが多かったので、バッキングワークでさりげなく目立つと言うプレイには匠の技を感じますね。

06:Eternal Recurrence
6/4拍子に捉えどころのないようなサックスとギターのメロディが乗って流れていきます。サビにはANNAさんのコーラスが重なって捉えどころのなさは不思議な感覚に変わっていきます。
ここでもベースの役割が更なる不思議な感覚を増大させています。ピチカートでのフレーズなんですが、音の選択が面白く、ドラムの細かい6/4拍子のリズムに対して、レガートなノリで大きく6/4拍子を泳いでいく感じです。ベーシストは・・・ちょっと解りません・・・。

07:風の姿(Instrumental Version)
この曲は、主演の中江有里さんが歌っているテーマソングのインストバージョンです。作曲は中島みゆきさん。ピアノソロにストリングが味付けをしてリリカルに演奏されていきます。サビからはジャズハープの八木のぶおさんがテーマをさらに情緒的に奏でます。

08:Dame
中西俊博さんのヴァイオリンがテーマを奏でる曲です。メロディは堀井勝美さんらしく明るいテーマラインです。
ベースが軽快にスラップを奏でています。これも音の感じから鳴瀬善博さんだと想います。やはり、小技とちょっとしたおかずが抜群に良い感じですね。

09:Mystique
打ち込みの様な軽快な16ビートの曲です。テーマは八木のぶおさんのブルースハープ。テーマ部分の少しマイナーでブルージーな所と対照的なダンサブルなリズムとビートが面白いです。
途中何回かあるブレイクに入るピアノの2コードのフレーズが印象的ですね。

10:風の姿~テーマソングバージョン~
これは中江有里さんの歌バージョンです。ちなみに演奏は堀井勝美プロジェクトではありません。
この曲は作詞も中島みゆきさんです。曲も少し和風な部分や独特の節回しがあって強烈な個性を感じます。歌詞も「嵐が近い、嵐が近い・・・」や「数え切れない数の定義じゃなくて・・・」など印象的なフレーズがあります。
中江有里さんはものすごく素直な声と歌い方で、逆に歌詞の内容がストレートに伝わってくる感じがします。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

このようなTVドラマのサントラはなかなか聴く機会が無いのですが、近年のドラマで印象深かったのは、東野圭吾さん原作の「白夜行」。柴崎コウさんのテーマ曲「」は名曲だと想いますし、劇中のサントラも良い曲が多くありました。山崎豊子さん原作の「華麗なる一族」も服部隆之さんの音楽が壮大でクラシカルでドラマ以上に良かったです。

もちろん、これらのドラマは実際に観ているのですが、この作品のドラマ『綺麗になりたい』は実際にはほとんど観ていません。いわゆるトレンディードラマだと想うのですが、堀井勝美プロジェクトの音源を使用していたと言うことを考えると、それだけでドラマのクオリティが上がるような気がしますね。

また、テーマソングや挿入歌などは、単独でシングルとしてリリースされて注目されるのですが、サントラ盤に一緒にカップリングされていることは少ないように想うのですが・・・。
その意味では、『綺麗になりたい』と言うドラマ自体が好きだった方にとっては、さらに嬉しい作品と言えますね。、

(CD TOTALTIME:45:27 / Walking消費カロリー:182.71kcal
 walkingには・・・1曲目の天使の休息はテンポも曲調も良く合います。)

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堀井勝美/チャーミング堀井勝美/チャーミング

曲名リスト
1.天使の休息
2.My Chistmas Wish
3.Kissing
4.天使の休息(Instrumental Version)
5.Matrix
6.Eternal Recurrence
7.風の姿(Instrumental Version)
8.Dame
9.Mystique
10.風の姿~テーマソングバージョン~Amazonで詳しく見る
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あとがき
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2007年12月01日

ザ・ファルコン・アンド・ザ・スノーマン/パット・メセニー・グループ 
The Falcon And The Snowman/PAT METHENY GROUP

The Falcon And The Snowman: Original Motion Picture Soundtrack

今日はとても良い天気でした。しかし風と空気は刺すように冷たい・・・。いよいよ秋も終りですね。と言うわけで今日は、パット・メセニー・グループザ・ファルコン・アンド・ザ・スノーマンでwalkingです・・・。


パット・メセニー・グループを巡るレビューも5作品を経て、次はいよいよECMから離れてゲフィンと契約しての名作スティル・ライフ(*)へ・・・と想ったのですが、その前にグループ名義でリリースされているこの作品を果たしてパット・メセニー・グループの流れの一貫としてレビューするべきかどうか・・・。

ご存知のこの作品は映画コードネームはファルコン(The Falcon And The Snowman)のサウンドトラック。ジョン・シュレシンジャーさんが監督でティモシー・ハットンさん、ショーン・ペンさんが共演。アメリカを裏切りスパイとなった2人の若者を描く実話スパイサスペンス。
パット・メセニーさんはサウンドトラックをけっこう手がけているようですが、グループ名義でディスコグラフィーにラインナップしている唯一のサウンドトラックと言う作品ですので、多分、一連のグループ活動の中で、それなりの流れと意味があるのかな?と想いレビューをすることにしました。

実のところこの映画は観ていません。また、このサウンドトラック自体もあまりしっかりと聴いていないです。ですから映画と音楽とのかかわりと言うことでは全く解らないのですが、純粋に音楽作品として聴いてみるとどんな感じでしょうか・・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:PSALM 121/FLIGHT OF THE FALCON
綺麗な混声合唱からスタートします。CD Time=0:39から時々かすかに聴こえるストリングスの低い音でのロングトーンが、合唱の希望を含んだ美しさとは異次元の暗い響きで、何かがありそうなムードを感じさせてくれます。
CD Time=2:50から静かに消えていく合唱のバックで耳を集中させないと聴こえないギターのチョーキングフレーズに、先ほどの異次元の暗い響きのストリングの低音が重なり、さらにシンセの音が重なってクレッシェンドされると、CD Time=2:57からいかにもパット・メセニーさんらしい明るいアコースティックギターのカッティングが始まります。

パット・メセニーさんのカッティングとベース、ドラムが一体となって16ビートを刻み、それを取り囲むように広がりをもったストリングスがテーマを奏でます。時々、ライルメイズさんのシンセでパット・メセニー・グループの代表的な笛の様な音でのメロディがストリングのテーマをスーッと奪っていく・・・。8分音符のストリングスのスタッカートなラインでエンディングです。
ストレートで、かけ引きなしの楽曲に惹きつけられます。

02:DAULTON LEE
4/6拍子に時々4/4や4/7拍子を挟みながら進みます。リズムもシンコペーションなどを多用しているのでよりテンポが取り難くなっていますね。曲はパット・メセニー・グループの名曲ついておいでなどに代表される8ビートナンバーの雰囲気を持っています。

ハーモニカの音色でのシンセと尺八の様な音のシンセがテーマを奏でていきます。音的にはパット・メセニー・グループ・オンパレードと言う感じです。

この曲にはライル・メイズさんのハーモニカ音でのソロがあります。
いかにもライル・メイズさんらしいリリカルなメロディラインです。途中からペドロ・アズナールさんのヴォイスでのメロディが重なってきますが、それに絡むようにライル・メイズさんのソロは続きます。

ブラスの音と尺八風の音のラインが交互に同じメロディを繰り返していくバックで、さらにソロは続いていき、静かにフェードアウト・・・。

03:CHRIS
この曲は5曲目に入っているデヴィッド・ボウイさんとのコラボでヒットしたTHIS IS NOT AMERICAのカラオケバージョンみたいな感じです。映画の中ではこのようなメイン曲のテーマをモチーフにしたカラオケ的な曲はかなり効果的ですね。
スティーヴ・ロドビーさんのベースとポール・ワーティコさんのバスドラが淡々と同じリズムを刻んでいきます。

04:"THE FALCON"
ややゆったりとしたライル・メイズさんのピアノとスティーブ・ロドビーさんのアコースティック・ベースにパット・メセニーさんのスチール弦のアコースティックギターがカッティングを重ねます。
すぐに、透き通るようなペドロ・アズナールさんのヴォイスが加わってきて情緒的に曲は進んでいきます。

ソロはライル・メイズさんのアコースティック・ピアノ。
あくまでもサントラと言うことを意識してのプレイで、けして全面には出ず、さりげなくメロディラインを奏でています。途中THIS IS NOT AMERICAのコード進行をモチーフにしたような部分もあって、一貫したコンセプトを強く感じます。

05:THIS IS NOT AMERICA
先ほども書きましたがデヴィッド・ボウイさんとのコラボでヒットした名曲。
このオリジナル・バージョンももちろん良いのですが、個人的にはDVD作品ウィ・リヴ・ヒア・LIVE IN JAPAN 1995(*)でのマーク・レッドフォードさんとデイヴィッド・ブラマイアーズさんのヴォーカルが気に入っています。2人を見つめながらカッティングをするパット・メセニーさんの“子供を見る親の様な眼差し”がまたいいんですよね・・・。また機会があればこのDVDもレビューして見たいと想っていますが。

イントロのベースラインが少し3曲目のカラオケ的THIS IS NOT AMERICAとは違って2小節ごとに4拍目に細かい16分音符を入れています。ウッド・ベース独特のパーカッシブな入れ方でグルーブを生み出していますね。

デヴィッド・ボウイさんの太く搾り出すような声とささやくような声。上手く使い分けながら訴えかけるようなメロディラインを朗々と奏でていきます。
ワンコーラス終りの特徴的な“Sha la la la la♪”と言う部分は、その発音からけっこう陳腐な感じになりそうなんですが、そうなっていないのはアレンジの力でしょうか。CD Time=1:24から今までのGmからA♭mに転調するのですが、この“Sha la la la la♪”があってこその転調効果倍増!と言う感じがします。

今回歌詞の意味を訳していないので意味は良く解りませんが、時々"ファルコン"とか"スノーマン"と言う言葉も出てきますのでかなり映画に即した内容だと想われます。THIS IS NOT AMERICAはそのままの意味だと想うのですが、途中に何回か入る“NO!“と言う叫びの様なヴォイスがやけに哀しく響き、より曲のタイトルの意味を際立たせていますね。

パット・メセニーさんはこの曲では地味にミュートカッティングをしているのですが、これがけっこう効果的に響いていて曲の特徴のひとつを創りだしています。エンディング部分では、さらにそのカッティングを発展させて、2声の和音で歯切れ良くカッティングラインを刻みます。

派手な展開やソロは無く、実にコンパクトにまとまっている曲なんですが、強いコンセプトが伝わってきます。更にコンパクトゆえに、CD Time=1:24の転調は抜群に効いていますね。名曲だと想います。

06:EXTENT OF THE LIE
映画の一番面を観ているかのようなSE的なサウンドの後、ポール・ワーティコさんのバスドラとスネアがリズムを繰り返し、それにパット・メセニーさんがゆったりとしたやや陰鬱なテーマを奏でます。

ここでのパット・メセニーさんは歪み系の音。多分今までのパット・メセニー・グループの楽曲の中ではテーマとしてこの歪み音を使用するのは初めてではないかと想います。ギターの種類や歪みのエフェクトの種類は解りませんが、後のザ・ロード・トゥ・ユー(*)ハーフ・ライフ・オヴ・アブソルーションイマージナリー・デイ(*)ルーツ・オヴ・コンシデンスに繋がるような感じの歪み音色です。そうするとシンクラヴィアでの歪みと言うことでしょうか。
映画と言う性質上、必要な音であったと想われるのですが、いきなりグループ作品での使用ではなくてワンポイントの異流ともとれるサウンドトラックで試験的に演奏したと言う感じもしなくもないですね。

途中からギターのメロディをオクターバーで上の音を重ねると同時にライル・メイズさんのオルガンも厚い音を重ねていきます。そしてブレイクからパーカッションのアップテンポのリフへ・・・。

パーカッションのリフを無視するかのように、厚いストリングスやSEが重なります。そして、パーカッションがフェードアウトすると今度はストリングスにスペーシーなシンセのSEが・・・。すると再びパーカッションのリフがフェードインしてきます・・・。
曲は目まぐるしい展開で、次々に様子を変えながら変化していく、まさにサウンドトラックです。

07:THE LEVEL OF DECEPTION
重厚なストリングスにパット・メセニーさんの綺麗な音のナイロン弦アコースティックが響き渡ります。しかし、それもわずかな間で、すぐに様子はスパイ映画的なサウンドに変わっていきます。
この曲もSE的で特にメロディがあるとか言う感じではなくて、いろいろなメロディやサウンドをミックスしたり次々に展開させていくサウンドトラックです。
途中、オフランプ(*)舟歌で使用されていた心音の様なドラムの打ち込みがありますが、このサウンドの中では本当に心臓の音のようにサスペンスな雰囲気を盛り上げています。
特にCD Time=4:10からのストリングの旋律が静かに終わると同時に心音。そしてガラスが割れるようなエレピでのSE。この辺りは映画を観ていなくても、十分サスペンス的な雰囲気を味わうことが出来ます。
そしてそのバックでフィードバックとトレモロアームを使って、歪み系の音でロック的リフを奏でているパット・メセニーさんのギターが更に雰囲気を盛り上げます。この様な激しいロックリフ的なプレイは多分ほとんど聴く事ができないフレーズですね。サウンドトラックならではと言ってしまえばそれまでなんですが・・・。

08:CAPTURE
THIS IS NOT AMERICAをモチーフにしてストリングスとライル・メイズさんのピアノが静かに奏でます。そこに、パット・メセニーさんのナイロン弦が再び重厚なストリングスに囲まれながら綺麗なメロディを奏でます。

途中からまた大きく展開していき、2曲目がリフレインされます。それも途中で切れると同時にストリングスの哀しげなメロディでエンディングです。

09:EPILOGUE(PSALM 121)
ストリングスでの和音を中心として、ゆったりとまさにエンディング的なサウンドの曲。
今まで曲中で使用されてきたストリングは弦でのストリングだと想われますが、この曲は何故かシンセのストリングス。弦でのストリングスだと生々しい感じがするところをあえて抑えて、少し幻想的でスペーシーな感じに仕上た意図は映画のエンディングに関係がありそう?
途中から入るペドロ・アズナールさんのロング・トーンでのヴォイスが実に綺麗です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

後半の6曲目以降は、メロディや演奏と言うことよりも、本当に映画のサウンドトラックでやはり純粋に音楽作品として聴くのは難しいと想いました。

それでもTHIS IS NOT AMERICAなどは単独の曲としても名曲ですし、演奏的にはライル・メイズさんが多くはありませんが、所々珠玉のメロディを聴かせてくれたり、パット・メセニーさんも美しいナイロン弦のラインや珍しい歪み系の音でのロックリフを聴かせてくれたりして摘み採ると聴き所があります。

また、当然映画をコアにしている作品ですので、楽曲のもっているコンセプトは一貫しています。まあ、当たり前と言えば当たり前なんですが・・・。
でも、これが実は重要なポイントなんです。

ファースト・サークル(*)のレビューの時に、いつもお邪魔しているブログアドリブログセラピーさんから『アルバムとしての統一感に欠ける・・・』と言うコメントをいただきました。確かにファースト・サークルは演奏的には通ったものがありますが楽曲同士はけっこうバラエティに富んでいて、そのコメントになるほどと想った訳です。

そしてこの作品はそのファースト・サークルの次の作品であり、また映画サウンドトラック。嫌でもコンセプトが一貫していまします。

ですから、一枚通して聴き終えると、まさに映画を観終わったあとの様な感覚に襲われました。
それはまさにトータルコンセプト。
その裏に秘めているのは、通して聴くことによって見えてくるサウンド、そして主張。
けしてコマーシャルやラジオ的に“良いとこ取り”で聴いていては見えてこない強い主張。
そして、それを感じたパット・メセニーさんは、最終的にTHE WAY UP(*)の約70分1曲収録と言うコンセプトにたどり着いていく・・・相当強引ではありますが・・・。

この後にリリースされる作品が、トータルコンセプトが一貫していてひとつの強い主張を感じることが出来れば、まさに、このサウンドトラックがTHE WAY UPへ繋がる第一歩と言う仮説の立証になる!
・・・と、またも強引に結論づけ・・・かなり苦しいですが。

異流の作品と言って良いと想いますし、演奏的にも光る部分は少ないのですが、それでも、今回あらためて聴いて見てなかなか佳作だと想ったのは確かです。

(CD TOTALTIME:38:55 / Walking消費カロリー:156.45kcal
 walkingには・・・合うと言えば合いますが・・・SE的な部分がけっこうあるので何とも言いがたい感じです。)

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The Falcon And The Snowman: Original Motion Picture SoundtrackThe Falcon And The Snowman: Original Motion Picture Soundtrack
Original Soundtrack

曲名リスト
1. Psalm 121/Flight of the Falcon
2. Daulton Lee
3. Chris
4. The Falcon
5. This Is Not America
6. Extent of the Lie
7. Level of Deception
8. Capture
9. Epilogue (Psalm 121)

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(*)本文に登場したCD・DVD

Still Life (Talking)Still Life (Talking)
Pat Metheny Group
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ウイ・リヴ・ヒア・ライヴ・イン・ジャパンウイ・リヴ・ヒア・ライヴ・イン・ジャパン
パット・メセニー・グループ
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Imaginary DayImaginary Day
Pat Metheny
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The Road to You: Recorded Live in EuropeThe Road to You: Recorded Live in Europe
Pat Metheny Group
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OfframpOfframp
Pat Metheny Group
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First CircleFirst Circle
Pat Metheny Group
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The Way UpThe Way Up
Pat Metheny Group
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