Walking de Music

2007年12月28日 00:01にアップしたエントリーです。

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ナイジェリアン・マーケットプレイス/オスカー・ピーターソン・トリオ 
Nigerian Marketplace/OSCAR PETERSON TRIO

Nigerian Marketplace


今日は晴天。少し風は冷たいですが陽射しは暖かでした。と言うことでオスカー・ピーターソン・トリオナイジェリアン・マーケットプレイスでwalkingです・・・。


この年末になっての訃報・・・。とても残念ですがオスカー・ピーターソンさんが82年の生涯を閉じました・・・。
私が4ビートの世界にハマっていったきっかけはギタリストのジョー・パスさん。そして、そのジョー・パスさんのセッションワークの中でも大きいウェイトを締めていたのがオスカー・ピーターソンさん。ですからジャズ・ピアノと言う面においてはオスカー・ピーターソンさんが4ビートの世界へハマるきっかけを創ってくれたと言うことになります。
また、一番最初にライヴで観た、いわゆる外国のジャズメンの『本物のジャズ』・・・これはオスカー・ピーターソン・ビッグ4のステージでした。この日のライヴは、DVDオスカー・ピーターソン・ザ・クインテッド・ライヴ(*)としてリリースされていますが、忘れもしない1987年東京・簡易保険ホール。2月終りの冬でした・・・。

オスカー・ピーターソンさんの作品はいろいろありますが、どの作品を聴こうか?・・・と。名盤のプリーズ・リクエスト(*)やナイト・トレイン(*)、またジョー・パスさんの参加しているもの・・・。
結局選んだのは、ソロ・ピアノでのスタンダードの名曲、ミスティワルツ・フォー・デビー、またケイク・ウォークユー・ルック・グッド・トゥ・ミーが収録されているこのライヴ作品にしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:ナイジェリアン・マーケットプレイス
オスカー・ピーターソンさんのトリオはベースのレイ・ブラウンさん、ドラムのエド・シグペンさんと言う黄金トリオがありますが、このライヴはベースがニールス・ペデルセンさん、ドラムがテリー・クラークさんです。1981年のモントゥルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音になります。

オスカー・ピーターソンさんのピアニシモでのマイナーラインが厳かに流れ始め、テーマをニールス・ペデルセンさんが奏でます。情緒的で静かな雰囲気のスタート。マイナーを基調としているので、オスカー・ピーターソンさんの明るいグルーヴ感を聴くと言うよりはナイーブで繊細な面を聴くことが出来ます。

オスカー・ピーターソンさんのソロは、そのマイナーなコード進行にノッてテーマのモチーフを生かしながらスタートします。そうは言ってもワンコーラス目の終り位からはやはり怒涛の速いパッセージが連続します。それでも、どちらかと言うと和音を使用したフレーズが多いので、そのヴォイシングの妙と左手のカウンターの入れ方の技を味わうことが出来ます。CD Time=4:26からの左手のアクセントなどを聴くと、ひとりインタープレイ!と言う感じで見事なグルーヴを生み出しています。

2コーラス目に入ると、ベースのニールス・ペデルセンさんがまるでジャコ・パストリアスさんのような歯切れの良いラインを8ビートに乗せて奏でます。そうです、この曲は8ビートの曲です。ですから、オスカー・ピーターソンさんのソロも少し雰囲気が違っていてかなりポピュラーな感じのするソロになっている訳ですね。

2コーラス目のサビのパターンの終り、CD Time=6:03からは、いつものコロコロと節の回るラインでは無くて和音を中心にしたクラシカルで壮大なプレイで締めくくります。それに反応してニールス・ペデルセンさんとテリー・クラークさんも大きなノリで全体を盛り上げます。

大きなグルーヴが生まれたところで、今度はCD Time=6:19でニールス・ペデルセンさんのバッキングがミュートを上手く使用して細かいノリに変化し、それによってビート感とスピード感が増します。その『しかけ』にノッたオスカー・ピーターソンさんが、6連符で細かく流れるラインと和音でのラインで追従していきます。

この曲はオスカー・ピーターソンさんのオリジナル。非常に幻想的で、情緒的で・・・いいですね。マイナーな曲調の中でも、サビの部分に若干メジャーな響きがあるとアレンジが効いています。

02:オー・プリヴァーヴ
複雑なタイミングのユニゾンでテーマが進むチャーリー・パーカーさんの曲。テーマが終わると、今までの複雑さをスーッと持って行くように4ビートにスムーズに変わるところはけっこう肝!です。

ソロの部分はブルース進行。もちろんオスカー・ピーターソンさんはブルースも大得意。
それにしても明るいブルース。ニコニコしながら『唸って』弾いている姿が目に浮かぶような、楽しさのあるフレーズを展開しています。レガートでコロコロと転がるように流れるラインと和音でアクセントをつけるラインを上手くミックスしています。特に和音でアクセントをつける時の、左手のカウンターの入れ方と右手とのコンビネーションが絶妙です。

CD Time=0:50からのラインに続いて、CD Time=:0:57の絶妙な左手の低音。その後ブルースフィーリングの溢れるメロディから、CD Time=1:03には右手が少しリズムを崩し、そして、それに左手を追従させて音程を下げていきCD Time=1:08の低音で完結。この部分があってこそ、続くCD Time=1:09の3連符の速い節回しが生きてきます。

CD Time=1:31は少しフレーズの入りをずらしてポリリズム的なフレーズです。瞬時に反応してニールス・ペデルセンさんが今までのコードであるFを、F♯にするところがカッコいいです。

CD Time=1;43からは、少し不協和音と左手の細かいトレモロを入れた、実にファニーなラインで遊び心を感じます。
CD Time=2:26はニールス・ペデルセンさんが、レガートでルーズなラインで『しかけ』ます。それに反応して、テリー・クラークさんが、やや8ビートのような雰囲気に持っていきます。一瞬、突き抜けた感じになるところが、実にいい感じです。

続いてはニールス・ペデルセンさんのソロ。
普通ウッド・ベースの右手は、主に人差し指と中指を使用して弾きますが、ニールス・ペデルセンさんは薬指も使用しているようです。3本指で奏でているため、超絶な速いパッセージが非常にクリアにそして、レガートに聴こえるのが特徴でしょうか。ここでも連続した速いパッセージを聴かせてくれます。

ドラムのテリー・クラークさんのソロに続いてオスカー・ピーターソンさんのカデンツァです。
右手のアドリブラインは、もちろん心地よいスピード感がありますが、もうひとつの聴き所は左手。何とも言えないベース音のルーズさ。そして時々右手とユニゾンになる絶妙なタイミング。また、CD Time=5:41からのラグ風の部分での左手の歯切れの良いバッキングなどは、いつ聴いてもワクワクします。

03:メドレー:ミスティ~ワルツ・フォー・デビー
2曲とも超スタンダードなナンバーで、ミスティエロール・ガーナーさん、そしてワルツ・フォー・デビーがご存知ビル・エヴァンスさんの曲。2人のピアニストへのリスペクトを込めたソロ・ピアノ演奏です。

オスカー・ピーターソンさんらしい速いパッセージからスタートします。
特にCD Time=0:13からの右手、左手のユニゾンでのフーレズは、かなり速いのですが見事な切れ味で奏でています。曲はバラードですが、このような速いパッセージが違和感無く奏でられて、バラード化しているところがオスカー・ピーターソンさんの凄いところです。
実際にCD Time=0:41からのテーマは非常に静かに、綺麗に、リリカルに奏でているのですが、速いパッセージの部分との違和感を感じませんね。

テーマ部分はメロディを静かに丁寧に奏で、その合い間に速いパッセージを組み込んでいくと言うパターンで進みます。さらにサビの部分ではもっと静かに、まるで、ささやく様に奏でます。
高い音を、鈴かベルのように静かに奏でるさまは、オスカー・ピーターソンさんの外見からは想像もできない程の、可愛らしさと繊細さのある部分です。

ミスティのエンディングを壮大にまとめてから、段々トーンを落としていって静かにワルツ・フォー・デビーに繋ぎます。

ビル・エヴァンスさんの元曲があまりにも完成されたコード進行のために、テーマの部分は基本的にあまりフェイクしていません。
テーマのエンド部分では得意の速いパッセージから4/4拍子に変えてソロをスタートします。

ゆったりとした流れを左手で刻みながらも、右手は速いラインを中心に奏でていきます。
CD Time=6:39からは再びルバートになりますが、ここはもうオスカー・ピーターソンさんのオンリーワンの世界へ突入します。

さらにCD Time=7:09からは再びインテンポになって、ラグ風に跳ねるようなリズムでブルージーに奏でていき、完全に独壇場になります。
この瞬間、ビル・エヴァンスさんの印象が強烈なワルツ・フォー・デビーが見事なオスカー・ピーターソン味に料理されます。

エンディングは、それぞれのピアノの巨匠へのリスペクトの意味を込めて、ただ静かに奏でていき、最後にピアノの弦をハープのように鳴らして幕を閉じます・・・。

その直後のオーディエンスの歓声と拍手が、その演奏の素晴らしさを物語っています。このソロはまさに肝!この作品のハイライトと言える名演だと想います。

04:ナンシー
フランクシナトラさんの愛娘、ナンシーさんに捧げられた曲。もちろんフランクシナトラさんが歌ってヒットしました。
ここは、最初ソロでゆったりと奏でていきますが、オスカー・ピーターソンさんのピアノのリフをきっかけにドラムとベースが入り、アップテンポで奏でられていきます。

オスカー・ピーターソンさんのソロは、バックの演奏が前半は、サンバ調のリズムと4ビートが交互に演奏される中でフレーズを奏でていくのですが、後半になると怒涛の4ビートにノッて軽快にフレーズを重ねます。特に、バックの2人の生み出すビートが物凄いスウィング感。ただそのリズムに囲まれて聴いていたい!って想うほどの軽快感と爽快感があります。

05:ケイク・ウォーク
オスカー・ピーターソンさんのオリジナル。いかにも『らしい』明るさとスウィング感のあるテーマをもった曲です。とにかく明るく楽しい曲調がいいですね。

軽快なリズムにノッてオスカー・ピーターソンさんはノリノリのソロを展開します。特に楽しかったのでしょうか、その他の曲よりも、特徴である『フレーズを一緒に歌う唸り声』が良く聴こえるような気がします。

何と言ってもオスカー・ピーターソンさんの魅力はこの明るさにあると想います。もともとが楽しい方なのかどうかは解りませんが、カナダ出身と言うことで、あまり黒人であるが故の人種差別などは受けていないと言うことが起因しているのでは?とライナーノーツに記載されていました。

06:ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー
お馴染みの、綺麗で親しみ易いテーマからスタートします。

ファーストソロはニールス・ペデルセンさん。
今までの曲はかなりの超絶速弾きで奏でられていたソロが多かったのですが、このソロはかなりメロディアス。曲調の持っている優しさを出したプレイになっています。それでも、後半の部分は段々と強烈なフレーズが連発してきます。
速いパッセージももちろん良いのですが、CD Time=1:51からのミュートフレーズからコード進行に合わせたラインなどを聴くとただの速弾きベーシストではないことが良く解ります。

続いてオスカー・ピーターソンさんのソロ。
スタートは、ニールス・ペデルセンさんの優しいバッキングに合わせて、かなりリリカルに静かに奏でていきます。

それは4ビートのランニングが始まってからもその雰囲気を維持していくのですが、オスカー・ピーターソンさんのフレーズが段々と盛り上がって来るに従って全体のグルーヴも盛り上がってきます。それはまるで波のようで、トリオ全体の抑揚が見事な演奏です。

CD Time=4:38からのフレーズは超絶な速弾きを封印して軽快にメロディアスに奏でています。バックのビートも軽快ですので、ここでもトリオ全体の大きなスウィング感が溢れています。

CD Time=4:56からは、拍打ちのファニーなフレーズで楽しさを演出しています。その後のCD Time=5:14から、今までのスイング感を突き抜けるような速いパッセージを我慢し切れず爆発させます。それでもそのまま突っ走るのではなくて再び軽快なメロディに戻って、静かにテーマに戻ります・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

大きな体の割りには繊細な指をしていて、楽しげに歌いながらスウィングする姿が目に焼き付いています。また、時々サイドマンにキッとした目つきでコンタクトをとる姿も魅力的です。曲を弾き終わった後に、タオルで汗をぬぐう姿も全力疾走!と言う感じでいいです。
このように、演奏はもちろんなんですが、映像的に観ていても実に楽しめるのがオスカー・ピーターソンさん。

とにかく聴いていてハッピーになれるような気がいつもします。
いろいろな名作を残してくれましたが
これがまた歴史の1ページとして綴じられていくのは・・・淋しい限りです・・・。

それでも、その演奏や映像から解る『音を楽しむ姿』に
音楽の原点を見る想いがします・・・合掌。

(CD TOTALTIME:45:51 / Walking消費カロリー:184.32kcal)

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オスカー・ピーターソン WITH ジョー・パス・ライブオスカー・ピーターソン with ジョー・パス ライヴ
オスカー・ピーターソンwithジョー・パス
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