アズール/天野清継

今日は薄曇で時々薄日がさしてくるのですが、時々雨とも雪とも言えない冷たいものが降ってくる一日・・・。今日は、天野清継さんのアズールでwalkingです・・・。


これは1991年リリースの作品です。天野清継さんのファーストアルバムになります。私が天野清継さんを始めて知ったのが、神崎オン・ザ・ロードと言うバンド。当時大学生だった天野清継さんの実質のデビューバンドでした。また、この作品にはタバコのCMで自らも出演してかなりいい感じのパフォーマンスをしていたアズールが収録されています。久しぶりに聴きますが・・・。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:アズール
アレクサンドル・ボロディンさん作曲、オペラ『イーゴリ公』第2幕ダッタン人の踊りを基にした曲です。
先ほども書きましたが『ピースライト』と言うタバコのCMとして良くTVで流れていました。その時に持っていたギターがオベーションのクラシック。これがいい音なんです。この作品でもジャケットにこのギターが沢山映っています。CMの影響でヒットした作品なので、その世界観がそのままのジャケットになっています。

ピアノと同時にスタートする天野清継さんのナイロン弦の音が、ややピッキングが強い為か少しビビリがあるのですが、それでも綺麗な音です。少しボサノバ調のピアノは後に、天国コンビを組みアルバムへヴン(*)をリリースする国府弘子さん。

メロディの繰り返しの部分からスライドで参入してくるベースがグレッグ・リーさん。同時にドラムの外山明さんもハイハットワークで入ってきます。
世界は・・・どう聴いてもタバコ。そしてブルー。『ピースライト』と言うタバコのメインカラーが深いブルー。CMでもそれをベースに作品が創られていましたのでやはり脳裏に焼きついていると言う訳です。映像と音楽が一体化して脳裏に焼きつくとそれを払拭することは難しいですね。

サビから綺麗なストリングスが奏でられます。それにメロディがノッて透明感の中に深いブルーが溶けていく感じ・・・。このオーケストレーション・アレンジは天野清継さん。なかなかのアレンジだと想います。現在もCMや音楽製作と言う部分でギタリストを超えた活動をしている要素を垣間見ることができますね。

ファーストソロはフルート。これはゲイリー・ハービッグさん。バックの流れるようなボサノバ調のリズムに合わせたメロディラインを奏でています。外山明さんのフォルテシモのスネア一発で天野清継さんのソロにチェンジです。
レガートなラインを奏でつつも、音の骨格がはっきりしているラインです。8分音符のクロマティックなラインを中心にして、エンディングの6連符のラインにスムーズに繋ぎます。

サビに戻り、CD Time=4:43からドラムの外山明さんが2拍3連の様なリズムでシンバルを入れます。ここは静かな部分ですのでどうでしょうか・・・。ベースやピアノなどがそれなりに絡んで来ると面白かったと想うのですが・・・。

エンディングは国府弘子さんのソロ。
煌びやかで可憐な感じのソロです。曲調もあるのですが、非常に透明感が合っていいですね。ストリングスの絡み方や、天野清継さんのバッキングの絡み方もいい感じなので、ますます、深いブルーが淡く透明になっていきます・・・。

02:マウント・フッド
ドラムのロールが印象的な明るい曲です。雰囲気的にはシンセで参加しているドン・グルーシンさんの世界。そう想って聴くとちょっとリー・リトナーさんが弾いている様な感じのプレイです。
ファーストソロの国府弘子さんのプレイもGRPと言う感じですね。でも1曲目と同じく透明感があって優しいタッチのラインです。2コーラス目の8小節過ぎからベースのグレッグ・リーさんがスラップに切り替えます。もう少しそれにあわせてワイルドに奏でると良かったと想うのですがそれでも、女性らしさのあるリリカルなプレイを聴くと許してしまいますね。

イントロのロールの部分に合わせて天野清継さんのナイロン弦のソロでフェードアウトしていきます。

03:ソー・ロング
今度はスチール弦のアコギでのテーマです。シャッフルのリズムを持ったバラード調で曲は進んでいきますが、段々と盛り上がっていき、サビの部分はややファンキーなテイストです。そして更に盛り上がるかと想うと、イントロのパターンがそれを奪って再びバラード調になります。
曲のいろいろな展開がスムーズで、それが折り重なって規則正しく順番に繋がっていると言う感じのする曲です。

04:オキナワ
タイトルのオキナワの意味は沖縄と言うことでしょうか?それにしてはあまりらしくない感じです。南の海と言うよりはヨーロッパ的な香りを個人的には感じます。

ここでの天野清継さんのソロはノーマルトーンのエレクトリック。
音色、フレーズ、チョーキングニュアンス、そしてコードチェンジに対するラインの動かしかたなどまさにリー・リトナーさんの雰囲気。CD Time=1:56のスケールチェンジの時のチョーキングの入り方、CD Time=2:15からのチョーキングラインなどは似ていますね。

05:フット・ステップス
ラテンの香りがするファニーな曲です。パーカッションが効いています。これはアレックス・アクーニャさん。この曲での天野清継さんはエレクトリックを歪ませてテーマを奏でます。1曲目に感じた透明感が段々となくなってきた感じがするのが、ちょっと気になりますが・・・。

そんな感じの中でも国府弘子さんのソロはこの曲でも透明感があります。
面白いインターバルで和音を鳴らして曲調に合ったファニーな感じから、速めのパッセージで少々ラグタイム風にソロを奏でます。

06:パシフィック・オーシャン・スイート
再びナイロン弦の美しい音でスタートします。テーマはゲイリー・ハービッグさんのソプラノサックス。フレーズ自体はやや激しめに吹いています。曲調が静かな感じなのにちょっと・・・と想ったら続くサビの部分のナイロン弦の美しいこと。さらにバックのストリングシンセも綺麗で・・・。これを際立たせる為と言うことで納得です。

その静かなサビを受けてのソプラノサックスのソロ。
見事な節回しで奏でていきます。時に速い駆け上がりフレーズなどを挟みながらも朗々と歌い上げています。

天野清継さんのソロは一転ビートアップしてサンバ調。
そのリズムにノッて速いパッセージを連続します。またそのラインに時々絡むグレッグ・リーさんのベースがいいですね。でもCD Time=4:55のように少し出すぎのところもありますが・・・。天野清継さんのソロラインはひとことで言うと優等生と言ったら良いでしょうか。確かにテクニック的にも上手いですし、フレーズもかなりいいのですが、インパクトが欲しいかな・・・と言う感じです。

07:ピース・アンド・ラヴ
この曲はクラシックのドビュシーさんの喜びの島をモチーフにしている曲です。
スタートは天野清継さんのナイロン弦。それに国府弘子さんのピアノが歯切れ良く加わり次第にパーカッション、ストリングスが絡んできて3/4拍子の流れるようなリズムに入ります。このあたりの天野清継さんのアレンジは見事ですね。

3/4拍子の流れるようなリズムをバックに、渓流の中にも少し流れが緩やかな部分があるように、優しさのある国府弘子さんのソロでフェードアウトします。

08:ウインター・ソング
天野清継さんのナイロン弦のソロでスタートする国府弘子さんの曲です。3/4拍子のワルツ調のバラードです。サビの部分のメロディとコード進行が冬らしい中にも暖かさのある感じでいい曲だと想います。

ファーストソロはグレッグリーさんのフレットレス・ベース。短いのですが出すぎず、さり気無さを持ったソロです。
そして再び綺麗なサビへ・・・。重なるように天野清継さんのソロです。始めは少し引っ掛けるような和音での奏法を中心にして、後半からはメロディアスに奏でていきます。
何とも今日の寒さに良く合う曲ですが、美しい曲だと想います。

09:ダンス・ドン・フォー・アモ
ダンスビートのソウルフルなナンバーです。前の曲がリリカルだったので突然このビートが始まると少し違和感を言うか驚いてしまいました。でも、激しいダンスか?と言うと、この作品の中では確かに激しい曲ですがスッキリとした感じで、腰が想わず動いてしまう!と言うビートではありません。
特に国府弘子さんのピアノが入ってくると洗練された感じにサッと切り替わるのが不思議です。

10:フラッグ・スタッフ
国府弘子さんのソロピアノが最初のモチーフを奏でていきます。リズムが入ってからのテーマは天野清継さんのナイロン弦とサックス。そしてサックスは、サビでシンセブラスと交代します。この曲もひとことで言うと、イメージはGRPと言う感じでしょうか・・・。

11:エル・トロ
マイナーなギターのアルペジオソロから、ピアノが重なって、さらに重厚なストリングが重なると、かなりクラシカルな世界が広がります。
曲はギターのアルペジオをモチーフにしてストリングを絡めながら様々に展開していきます。
国府弘子さんのソロの最後の部分で天野清継さんのソロが重なってスタートします。曲の持っているややスパニッシュなムードを持ったソロラインを展開、かなりダークなムードで曲はフェードアウトしていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

1曲目のアズールのイメージがやはり強烈で、それをベースにした雰囲気を出そうと言う意図は感じるのですが、途中の曲にはちょっと違う感じのものも多くあると言うのが個人的な印象です。

ですから、ナイロン弦のアコギを使用した曲はそれなりに統一感があって良いのですが、それ以外の特にエレクトリックを使用した、しかも歪み系の音でテーマを奏でるような曲は違和感を感じます。
また、国府弘子さんのプレイが実に透明感とリリカルさがあってアズールの持っている雰囲気にピッタリマッチしているだけに、もっとその世界を推し進めた形にした方がより良かったのかな、と想います。

最初のアズールを聴いた時に想い浮かんだ
『深いブルーが透明になっていく感じ』が、聴き終わった時には
すっかり違う色でいろいろが混ざってやや濁った色になってしまったと言う感じでしょうか・・・。
それでも、そのいろいろな色の間に少し見えるのは『綺麗で透明感のあるブルー』
そうです!これは国府弘子さんが一貫して奏でていた『色』なんです。

(CD TOTALTIME:56:28 / Walking消費カロリー:227.00kcal)

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天野清継 篠崎正嗣ストリング・セクション グレッグ・リー

曲名リスト
1. アズール
2. マウント・フッド
3. ソー・ロング
4. オキナワ
5. フット・ステップス
6. パシフィック・オーシャン・スイート
7. ピース・アンド・ラヴ
8. ウインター・ソング
9. ダンス・ドン・フォー・アモ
10. フラッグ・スタッフ
11. エル・トロ

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