冬らしい寒い日には、walkingのテンポを上げて少し汗をかく様にしています。と言うことで昨日はリー・リトナーさんのRIT/2でwalkingです・・・。
この作品の前作RIT(*)は、私が言うまでもなくフュージョンとAORの融合と言うコンセプトの元でヒット、そしてフュージョン界でも大きな意味を持つ作品になったと想います。その続編がこのRIT/2。果たして2匹目の『どじょう』はいるのでしょうか・・・。
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01:クロス・マイ・ハート
インパクトのあるシンセベースのフレーズと4拍目のハンドクラップのサンプリングでスタート。この雰囲気はどう聴いてもアース・ウィンド&ファイヤーの名曲レッツ・グルーヴ。テンポもほぼ同じ・・・。
ところが、バックがインして来ると、これが不思議にリー・リトナー・サウンドに変身します。リー・リトナーさんのクリア・トーンのバッキングリフがそのサウンドを押し出していきます。
更に、テーマが入るとすっかりファンキーさは抜けて、一気にお洒落な感じになります。今度はエリック・タッグさんの特徴ある歌声が引っぱります。ファルセットのコーラスが入るCD Time=2:08からの中サビでは、さらにお洒落で綺麗な展開になります。そして、その流れでリー・リトナーさんのソロです。
テーマを少しフェイクした短いソロですが、音をかなり歪ませていて効果的にピッキング・ハーモニクス奏法などを使用して煌びやかさを出しています。
最初のファンキーな感じはエンディングではすでに無くて、ただただお洒落なサウンドと言う感じでフェードアウトしていきます。
02:プロミセス、プロミセス
1曲目と同じでシンセベースでパターンを創っている曲です。ややアップテンポで、重さの中にも軽快さのある曲です。
テーマはエリック・タッグさん。テーマのバックはいたってシンプルでシンセ・ベースとドラム。そして左チャンネルでリー・リトナーさんの低音を使用したミュートカッティング。そして右側でアルペジオを使用したカッティング。
サビに入ると、シンセが入ったり、コーラスが左右に入るのでいきなりサウンドが広がる感じがします。
リー・リトナーさんのソロは、1曲目より歪みを押さえていて、さらにデッドに録音されています。ゆったりとしたチョーキングを使用したフレーズで、曲中のアクセントになっていますね。
さらにアクセントになっているのが、CD Time=2:17からのテナーサックスソロ。これはトム・スコットさん。吹きすぎず、でも抜群の存在感は更に曲にバリエーションをもたらしています。
エンディングはリー・リトナーさんのソロで終わります。CD Time=3:47からのダウンフレーズからの速いパッセージはグッと来るものがあります。
03:ドリーム・ウォーキン
囁き、語るようなエリック・タッグさんの歌がいい味を出しているバラード。今までのシンセベースとハードなドラムビートの流れを落ち着いた雰囲気にしてくれるのは、ハービー・メイスンさんとエイブラハム・ラボリエルさんの生音でのリズム隊。
それでも、今まで流れを繋ぐように、バラードなんですがバスドラムとベースの見事に連動したビートが全面に出されているアレンジになっています。
リー・リトナーさんのソロは、ブリッジのメロディ的なユニゾンギターから入ります。そのメロディの持っているリズムをいろいろとフェイクしながら、ゆったりとメロディアスに奏でていきます。
04:キープ・イット・アライヴ
イントロのギターは歪んだ音をボトルネック奏法で奏でた部分と、クリアトーンでのユニゾンのフレーズを交互に繰り返します。
少し跳ねたビートとゆったりとしたテンポに、温かみを感じる曲です。
05:ア・ファンタジー
今までヴォーカルチューン続いていましたが、インストナンバーの登場です。
テーマはマイナーな曲調にのってスライドやボトルネックを使用したロングトーンでの音の変化を基調にしたメロディ。CD Time=1:10で一瞬メジャーなコードが挿入されて華やぐところがいかにもリー・リトナーさんらしい曲の展開ですね。
ソロはボトルネック奏法を使用して、浮遊感のあるラインでスタートします。CD Time=1:39でのボトルネックの使い方などは絶妙で、浮遊感の中にも抜群の安定感を感じます。
06:タイド・アップ
この曲はオリビア・ニュートン・ジョンさんもカバーしていてTOP40位になった曲。ミディアムテンポのリズムに、乗りが良く歌いやすいコーラスを中心に絡めた曲で、ヒットするのも良く解る、いわゆる売れ線のタイプ。リー・リトナーさんがどうこうと言うより、普通にいい曲だと想います。
07:ヴォイシズ
ギターのミュートカッティングにタイトなリズムが心地よいマイナー調の曲。ここでのドラムはジェフ・ポーカロさん。重い感じの曲調なんですが、エリック・タッグさんの声質と歌い方の為に重さの中にも優しさがありますね。
エンディングのリー・リトナーさんのギターソロは、CD Time=3:56のピックを高速でフレットに当てる、ピックでのライトハンド奏法などかなりハードなロックフレーズ。またバックのジェフ・ポーカロさんのタイトなリズムの中でアクセントになっているバスドラワークが、さらにビートを加速させています。
08:オン・ザ・ブロード・ウォーク
合唱隊が奏でるラテンテイストのモチーフに、流れるようパーカションがリズムを奏でていきます。また、ネーザン・イーストさんのスラップベースが複雑なリズムを創り出していて捉えどころの無いような感じのする曲です。
09:ロード・ランナー
ちょっとベンチャーズのようなミュートバッキングのギターがレトロな雰囲気。しかし、一端テーマに入るとそのコード進行、そしてストリングスの流れがリー・リトナーさんの世界です。
リー・リトナーさんのソロはこの作品で初めてのクリア・トーンでのソロ。フレーズもロック的なフレーズに上手くジャズラインを絡めて奏でていきます。今までのハードめなソロ展開とは違って、やっぱり少しホッとします。
10:マリブ
ナイロンギターのマイナーなアルペジオにクリアトーンのギターが情緒的なメロディを奏でていきます。ストリングスアレンジが華麗で、クラシカルなムードのある美しい曲です。
この曲は後に映像作品リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1(*)の中で、歌詞をつけてフィル・ペリーさんが歌います。
このインストバージョンはけっこう淡々とした感じで流れていますが、歌もののバージョンはもっと美しく、優雅で抑揚があります。ですから、ここでも歌ものにしたら良かったかなと想ったりもしました。
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この作品は普通にAORとして聴くと、いい曲が揃っていてそれなりに良い作品だと想います。
それではフュージョン的に聴いた場合はどうかと言うと、個人的にはけっこう退屈なイメージです。
どうしても、フュージョン作品を言うことで期待をすると、インストの楽曲への期待比重が増える訳で、この作品の曲が、その期待に答えているインスト曲かと言うと、リー・リトナーさんのインストとしてはかなり期待はずれと言えるのではないでしょうか・・・。
前作のRITはそれでも、インストと歌もののミックスが良く出来ていて、歌もの、インストのどちらをとっても良い出来だったと想います。
それに比べて本作は、インストの出来が余り良くないので、かえって中途半端になってしまったと言う感じがするのです。
結構近い音楽性を持った2つのジャンルなんですが、これを上手くミックスして、どちらのジャンルが好きな人にも満足感を与えることは、リー・リトナーさんをしてもかなり難しいのかな・・・と言う感じが物凄くしました。
背景にマーケットと言う巨大なものがあり、前作と同じくスマッシュヒットを飛ばそうと言う意図は良く見えるのですが・・・。
結局、2匹目の『どじょう』はいたのか?と言うことですね。
1匹目があまりにも巨大で凄かったので、2匹目は確かにいたのですが、捕まえても感動が薄かったと言うことでしょうか。
しかし、続けて3匹目を狙うようにRIT/3とも言える、バンデッド・トゥゲザー(*)と言う作品がリリースされます。これはまたの機会にレビューしたいと想います。
(CD TOTALTIME:40:12 / Walking消費カロリー:161.60kcal)
![]() ![]() | RIT2 リー・リトナー 曲名リスト 1. クロス・マイ・ハート 2. プロミセス,プロミセス 3. ドリームウォーキン 4. キープ・イット・アライヴ 5. ア・ファンタジー 6. タイド・アップ 7. ヴォイシズ 8. オン・ザ・ボードウォーク 9. ロード・ランナー 10. マリブ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
(*)本文に登場したCD・DVD
![]() | RIT リー・リトナー by G-Tools |
![]() | リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1 リー・リトナー by G-Tools |
![]() | バンデッド・トゥゲザー リー・リトナー by G-Tools |




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コメント (5)
たしかこのアルバムがCD化された時に1曲削られたはず、と思って調べたら収録順も違っているんですね。
1枚目にくらべたら2枚目はあまり聞き込んでないので違和感がなかったみたいです。(苦笑)
投稿者: WESING | 2008年01月17日 18:36
「1匹目があまりにも巨大で凄かったので、2匹目は確かにいたのですが、捕まえても感動が薄かったと言うことでしょうか」。はい。そうです。
『リット2』を聴いた後,3匹目『バンデッド・トゥゲザー』を釣りに出かけようという気にはなれませんでした。
2匹目自体も久しく聴いていませんでしたが,AORのリトナーも好みです。ayukiさんのレヴュー片手に聴き直してみようと思います。
投稿者: セラビー | 2008年01月17日 23:36
>WESINGさん
コメントありがとうございます。
仰る通りレコードとは曲順、収録曲が違うようです。ライナーノーツによると、どうも当時の日本はアメリカオリジナルより先行販売するのが流行っていたようで、最終的な確定プランの前にリリースをしてしまったようですね。
>セラピーさん
コメントありがとうございます。
私は3匹目『バンデッド・トゥゲザー』を釣ったのですが、その味すら忘れています・・・。いろいろなものを読んだりすると更に評判が良くない作品のようですが、今度またレビューしてみたいと想います。
投稿者: ayuki | 2008年01月18日 18:18
お邪魔します。
個人的では有りますが、正直RIT/2は02:プロミセス、プロミセス以外は印象薄いですネ(汗)しかし、「バンデッド・トゥゲザー」は結構好きだったりします(大汗)。彼のアルバム群においては結構ロック色が強く(?)、リトナーの歴史から見れば面白い作品だと思います。マンデラなんて結構好きだったりします(笑)ただ、今聴くとシンセや打込みサウンドがやはりチープかなと・・・これも味でしょうか?。、、、と言ったわけで「バンデッド・トゥゲザー」のレヴュー期待しています。
的外れのコメントで失礼しました。
投稿者: FUSION | 2008年01月18日 21:42
>FUSIONさん
コメントありがとうございます。
バンデッド・トゥゲザーは本当に良く覚えていないんです。ただ、ギターと言う面から聴くと、それなりの部分があったかな・・・と。収録されている「リット・バリエーションズⅡ」は昔から結構好きな曲です。
投稿者: ayuki | 2008年01月19日 17:41