今回は神櫻<ジンサク>のDISPENSATIONでwalkingをしました・・・。
この作品は1996年のリリースです。ドラムの神保彰さんとベースの櫻井哲夫さんが始めたヴォーカルユニット・シャンバラの活動の為、カシオペアを脱退するに至った経緯は有名です。その2人がインストを中心として演奏する為に組んだのがこのジンサク。個人的にはほとんど聴かなかったユニットです。
理由は、多分野呂一生さんがやはり好きで、カシオペアが好きでしたので、そこから、悪く言えば外された2人と言う固定観念があった為でしょうか・・・。
それでも、と想って昔購入したのがこの作品です。これは角松敏生さんをプロデュースに迎えたいわゆるヴォーカルもの。ほとんど聴かないまま、CDラックに置いてあったものを、今回は取り出してwalkingしてみたのですが・・・。
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01:Super jingle Ⅰ/CHASE THE CRIMINAL
神保彰さんのカウントから、アップテンポで櫻井哲夫さんのベースがうねります。そこに神保彰さんの切れの良いスネアとハイハットのオープンが決まります。
このSuper jingleと言うのは、この作品にⅠ~Ⅴまで収録されている、ベースとドラムのデュオの小作品。いわゆる繋ぎ的な雰囲気があるのですが、それでもオープニングですのでかなり息の合ったリズムを聴かせてくれます。
それにしても複雑なリズムなんですが、本当に良く合っています。
櫻井哲夫さんもオープニングにあえて得意技のスラップではなくて、ピチカートでの速いパッセージで勝負してきます。
02:DISPENSATION
曲が始まったと同時に想い出したのが、角松敏生さんのプロデュースした作品ヴォ―カランド(*)。こちらのリリースも同じく1996年。しかもそこで歌っていたKEIKO ITOさんがこの作品でも歌っています。
そんな理由で世界はほぼ角松ワールド。更にキーボードやプログラミング、そしてバックコーラスで角松敏生さん本人が参加していて、しかも曲は、櫻井哲夫さんの曲ですが、アレンジが角松敏生さんとくれば、これは、ほぼ・・・ではなくて完全な角松ワールド。
櫻井哲夫さんのベースラインはピチカートとスラップを上手く使い分けていてなかなかカッコ良いラインを奏でていきます。
神保彰さんは、打ち込みに合わせてビートを刻んでいるようですが、基本的にはオーソドックスにリズムを刻んでいます。時々聴かせてくれる『おかず』が神保彰さんらしいと言えばそうなんですが・・・。
03:Make My Time
少しラテンのリズムの入った明るいムードの角松敏生さんの曲。
KEIKO ITOさんのメインヴォーカルに、最初から最後まで角松敏生さんのコーラスが入っているところは、やはり角松ワールド。
中間にサックスソロがありますが、これは勝田一樹さんのプレイ。これがワンポイントになっています。
04:Super jingle Ⅱ/PRIZEWINNING
Super jingle Ⅰとは一転して今度は櫻井哲夫さんがスラップで攻めます。
ここでは神保彰さんの複雑なリズムでのタム回しが凄いです。ほとんどリズムを取ることが出来ない感じのタイム感で攻めてきます。それにしても、このタム回しでもピッタリと帳尻が合っていく2人のコンビネーションは見事ですね。
05:I can live witout you
この曲も櫻井哲夫さんの曲で角松敏生さんのアレンジ。
ポップなナンバーで、これまた角松敏生さんの色が濃く出ているアレンジになっています。
CD Time=2:58から神保彰さんのソロがありますが、かなり細かいフレーズをビシビシ決めます。短いソロですが、曲全体の流れからすると仕方がないと言うところでしょうか。
続いて櫻井哲夫さんのソロですが、こちらも短いのですがスラップを心地よくキメます。
06:渋谷PILON
パーカッションが派手に入ってそのままリズムカルに進むファニーな神保彰さんの曲。少しコミックソング的な雰囲気もあり、遊び心満載と言う感じ。
それでも強烈に迫ってくるパーカッションビートは、神保彰さんのティンパレスを含めて4人のパーカッショニストが奏でています。
07:Super jingle Ⅲ/EMERGENCY REPORT
かなりアップテンポですが、この曲では特にベースラインとスネアが見事に連動しています。これだけピッタリと合わされると逆に、決まり過ぎてちょっと不思議な感じがしますね。
08:ISLAND
夏らしさのある爽やかな神保彰さんの曲です。Super jingleは別として、この作品で初めてのインストと言うことになります。
神保彰さんはカシオペア時代からドラマーとは想えないような明るくメロディアスな曲を書いていますが、この曲もそんな特徴が良く出ている楽曲です。
ドラムプレイは単調で淡々としたリズムを刻んでいきます。ちょっと打ち込みのような香りになってしまっていますが、これも角松敏生さんのアレンジの為でしょうか・・・。
09:Super jingle Ⅳ/BATTLE ROYAL
Super jingle Ⅳは少しテンポを落として重さを出したビートの曲です。途中櫻井哲夫さんのライトハンド奏法でトリッキーなフレーズを聴くことが出来ますが、基本的にはスラップでのライン。それに神保彰さんの細かいタム回しが応戦していくと言うスタイルです。
10:Dance Of Last Night EVE
櫻井哲夫さんのベースのリフから始まり、それをタイトなビートが奪っていくようなスタート。ハイハットのオープンが心地よい16ビートの曲です。
これも神保彰さんの曲なんですが、アレンジの力と言ったらよいでしょうか、すっかり角松敏生さんの曲かと想ってしまいました。
途中に入るギターソロは今剛さん。渋いメンバー選択ですね。もちろんフレーズもかなり渋くハードなラインを奏でています。
その後でアコギのソロがあるのですが、こちらは角松敏生さんのプレイです。そつなく、無難なソロラインです。そのままフェードアウトしていきます。
11:記憶の街
ミディアムテンポで少し跳ねたビートを持ったナンバーです。これは角松敏生さんの曲。
コード進行が解り易く丁寧な感じで、落ち着いた雰囲気があります。中サビのメロディー展開も綺麗な繋がりで、印象的な展開ですね。
ギターソロは大橋イサムさん。
短いソロですが、綺麗に歪んだ音で、曲の持っている雰囲気を壊すことなく奏でています。
12:Super jingle Ⅴ/AIMING GOAL
最後のSuper jingleです。変拍子の2ビートのロック的リフの曲です。何回も書くようですが、良く合うと想います。すでにここまで5回聴いていくと曲と言うよりは、ある意味曲芸のようにも想えてきます・・・。
13:HARBOR FWY
今までの曲の中では一番フュージョンっぽい感じのするナンバーです。それでもサビ部分は歌詞付きのコーラスが入っているのでその曲調とも合わせて、ちょっとシャカタクのようなライトなテイストがある神保彰さんの曲です。
また、打ち込みっぽさが少なく、神保彰さんのドラムプレイが比較的ストレートに味わえます。
オーソドックスな曲展開なんですが、ピアノやブラス楽器のソロがけっこう盛りだくさんで、聴き応えのある曲に仕上がっています。
14:DAY BREAK
櫻井哲夫さんの作曲のバラード。この曲も見事に角松カラーに染まっています。
エンディングは櫻井哲夫さんのフレットレスベースのソロ。
音色が綺麗で、幻想的な雰囲気の中でフェードアウトしていきます・・・。
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今まで書いたレビューを読み返して見ると、実に素っ気無い感じになっていますね。
実は、どうやって書いたら良いものか、模索しながら書いているうちに、こうなってしまったと言うのが実際です。
先にも書きましたがジンサクの作品はほどんど聴いたことがありません。ですからこの作品の前にリリースされている約10枚の作品と比べて、この作品でどのように変わったのか、それとも基本的な変化は無いのか、そのあたりが良く解らないので何とも言えないところがあります。
純粋にこの作品を聴いて見ると、まさに角松敏生さんのカラーが満載で、さらに、先ほども書きましたが、角松敏生さんが同じ年にリリースしたヴォーカランドの雰囲気がひたすら漂っています。
今は、その世界観がけっこう個人的には好きなので、すんなりと耳に入ってくるのですが、買った当時は、多分、櫻井哲夫さん、神保彰さんのバリバリのフュージョン作品を期待していた為、ほとんど聴かずにCDラックに置きっぱなしになっていたのだと想います。
確かに、途中に5曲入るSuper jingleでジンサクらしさを均等に埋め込もうとした角松敏生さんの意図は大変良く解るのですが、いかんせん角松敏生さんの個性が強烈で、完全に影に隠れているような気がしました。
例えば、ベースが青木智仁さんだったとしても、ドラムが打ち込みだったとしても、そんなに違和感が無いようなサウンドに仕上がっていただろう・・・と想うのです。もちろん細かいとところではジンサクの妙技を味わうことが出来るのですが・・・。
また、櫻井哲夫さんや神保彰さんの楽曲も、角松敏生さんの作曲?と想ってしまうようなアレンジの妙があります。逆にこのアレンジ力は凄いと想いますが。
角松敏生さんは、フュージョン色のあるインスト作品を何作か創っています。これは名盤だと想うのですが、だとすれば、もう少し違うアプローチでジンサクをプロデュースすると言う方法もあったのかと・・・。まあこれは、ジンサク2人の意思やマーケット的なこともあるのでしょうけど。
角松敏生さんのプロジェクトにジンサクの2人が参加した、と言う捉え方をすると実にまとまっていて、完成度の高い作品だと想います。
もともと、ジンサクの始まりがインスト曲をするためと聞いています。この前の作品にヴォーカルものが入っているのかどうか解りませんが、少なくとも、 『初心』って貫かないと、かなりの冒険になってしまいますよね。
ジンサク名義の作品ではなく、角松敏生プロジェクトや、強引ですがシャンバラ名義でリリースしていたら、もっと筋が通ったコンセプトの作品になったのかな・・・とも想いますが。
(CD TOTALTIME:50:27/ Walking消費カロリー:202.81kcal)
![]() | DISPENSATION JIMSAKU 曲名リスト 1. スーパー・ジングル1~チェイス・ザ・クリミナル 2. ディスペンセイション 3. メイク・マイ・タイム 4. スーパー・ジングル2~プライズウィニング 5. アイ・キャン・リヴ・ウィズアウト・ユー 6. 渋谷パイロン 7. スーパー・ジングル3~エマージェンシー・リポート 8. アイランド 9. スーパー・ジングル4~バトル・ロイヤル 10. ダンス・オブ・ザ・ラスト・ナイト・イヴ 11. 記憶の街 12. スーパー・ジングル5~エイミング・アット・ゴール 13. ハーバー FWY 14. デイ・ブレイク Amazonで詳しく見る by G-Tools |
(*)本文に登場したCD・DVD
![]() | VOCALAND オムニバス タマラ・チャンプリン Sala by G-Tools |
![ジェイ・グレイドン・オール・スターズ・ライヴ・イン・ジャパン 1994.1.19 エアプレイ・フォー・ザ・プラネット[限定盤]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000XAMCA8.09.TZZZZZZZ.jpg)









コメント (3)
こんにちは。お邪魔します。
>角松敏生さんのプロジェクトにジンサクの2人が参加した、と言う捉え方をすると実にまとまっていて、
>完成度の高い作品だと想います。
全く仰る通りだと思いますね。
角松さんの音楽が好きな私のような人間には楽しめるアルバムなんですが、
ごく普通のFUSIONファンが楽しめるかというと?ですよね(笑)
当時はプロデューサーがもてはやされた時代でもあり、この手のプロデューサーの色が前面に
出たものが多かったように思います。
おそらく本来のJIMSAKUとの色の違いを"神櫻"という形で表現したのかなと勝手に思っているのですが・・・。
投稿者: kaz-shin | 2008年02月06日 14:30
私はカシオペア本体も分離したジンサクも完全コレクションしています,と思っていたら,この『神櫻』だけは持っていないことを思い出しました。
でもayukiさんのレビューを読んで,なんか数回聴いた感じがしたので,購入はやめようかなぁ。
いつものことですが,これ程詳細なレビューは余り見かけませんので,いつもおいしい満腹感を覚えています。って,やっぱり『神櫻』も購入しようと思い直しました!
投稿者: セラビー | 2008年02月06日 21:30
kaz-shinさん
コメントありがとうございます。
"神櫻"という形で表現・・・仰る通りではないでしょうか。私も角松敏生さんは良く聴く方なので、実はけっこう気に入っているのですが・・・。
セラピーさん
コメントありがとうございます。
満腹感を覚えていただき、いつもながら感謝しています。私は逆にジンサクは全く未聴なので、古いものを聴いてみようかと言う気になりました。
投稿者: ayuki | 2008年02月09日 14:14