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2008年03月Archives

12

2008年03月27日

Melody go round/安藤まさひろ

MELODY GO ROUND

だいぶ暖かくなりました。それもそのはずでもう桜の時期ですね。いよいよ体も動かしやすくなりました。と言うことで今日は安藤まさひろさんのメロディ・ゴー・ラウンドwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は言わずと知れたT-スクエア安藤まさひろさんの2枚目のソロアルバムです。
リリースは1990年。T-スクエアナチュラル(*)と言う作品と同じくらいの時期になります。とは言ってもリアルタイムで聴いたのではなく、手に入れたのはごく最近・・・。丁度、BOOK OFFに行ったらありまして、しかも浅香唯さんの間に挟まれていたと言う状況。まあ、BOOK OFFの陳列の悪さは置いておいて・・・。
と言うことで、初めて聴きます・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:Tonight's the night
ミディアムテンポの8ビートに乗って安藤まさひろさんがオクターブ奏法でテーマを奏でます。
聴き始めて想い出しました。これはTVCMで使用されていた曲ですね。何のCMだったかは忘れましたが。でも実は私がこの曲を初めて知ったのはGWINKOさんの『ほらパレードになった!』です。
GWINKOさんの東京UKIUKIガール(*)と言う作品に入っていて、今回改めて見てみたらGWINKOさんのバージョンのプロデュースも安藤まさひろさんがしているんですね。知りませんでした。もちろんどのような経緯かも知らないのですが、もしかしたらギターも・・・と見て見たら、ギターは大橋勇さんが弾いていました。ちなみに作詞は松井五郎さんです。

今回頭の部分だけ比べてみたのですが、コードは同じでアレンジもだいたい同じ感じでした。右チャンネルのミュートギターも同じ感じで、もしかしたら同じプログラミングを使用している?とも想える感じです。
比べて見て一番感じたのが、安藤まさひろさんの創るメロディが、ギターでも歌っているし、歌でももちろん歌っていると言うこと。実際には、GWINKOさんの作品が1991年のリリースですので、どちらが先だったのか解りませんが、いずれにしても、いかにメロディアスなラインを創っているか、と言うことが改めて良く解ります。

全編ほとんど打ち込みものなんですが、先ほどのギターのミュートカッティングの反対チャンネルにもう1本ギターのカッティングが入っています。多分これは山下達郎さんのプレイだと想われます。またブラスで本田雅人さんやシンバルとハイハットで則竹裕之さんが参加しています。

全体のリズムやメロディはもちろんとても爽やかな感じで好きなのですが、何と言っても聴き所はギターソロ。伸びがあって結構歪んでいる音にも関わらず、音の分離が良くてクリアでしかも耳に痛くない音は心地よい安藤サウンド。
スタートはあまり高い音ではなく中音を中心としたフレーズ。そしてCD Time=1:23のラインからCD Time=1:25の低音の締めの処理は、相変わらず見事なフレーズです。
CD Time=1:35からの上昇して行くフレーズはかなりジャズ的なライン。そしてその流れを持ったまま中サビのパターンへ入って行くところは、かなりスリリングでありながらもメロディアス。そして、そのままの心地よいサウンドでサビに戻って行きます。

更にサビの後に展開をしてエレピのソロに入ります。これは笹路正徳さんのプレイ。
ここでのコード進行は、実に華麗な流れでいい感じにアレンジされていてインパクトのある展開です。笹路正徳さんのプレイは見事で、抜群のコード感でジャズラインを奏でています。

そして同じコード進行で再び安藤まさひろさんがソロを奏でます。
D♯のメジャースケールで奏で始めて、コードがF/D♯に変わるCD Time=1:25でのスケールチェンジ。さらに次ぎのDm7→G7+5の進行での+5の音を見事に使用したフレーズからCm7に解決して、さらに盛り上がっていくところは理屈抜きにカッコ良いフレーズ。また丁寧でメロディアスで肝!です。
スタートからいい展開なので、もちろんこの2回目のソロも見事な出来です。T-スクエアの曲だったら、多分EWIのソロになってしまうような場面。ギターをしっかりと弾いた!と言う感じで物凄く高感度アップなソロです。

このトラックは、安藤まさひろさんのポップでメロディアスな作曲センスと、適度な緊張感のある展開のアレンジセンス。さらに、ギタリストとしてのプレイ。T-スクエアでは味わえない魅力が満載のトラックに仕上がっています。


02:三月のライオン
シンバルとハイハットの則竹裕之さん以外はオール打ち込みのトラック。この曲も歌詞がつきそうなメロディアスなラインですね。ギターの音はやや歪みを押さえた音。それに笛のような音が重なってテーマを奏でていきます。ギターシンセかどうかはクレジットが無いので判りませんが・・・。
中サビのハーフビートでの綺麗なコード進行とメロディから、サビのマナーでのメロディ展開はT-スクエアの香りがある、まさに安藤メロディと言う感じです。

ギターソロは、スケール練習のようなフレーズ展開を中心に、ギターをユニゾンで絡めていきます。ソロと言うよりはアレンジされたブリッジ的な感じでインパクトがありますね。


03:Blackyed Susan
ホーンセクションとオルガンが印象的なスロービートのファンキーなナンバー。この曲も打ち込みが中心なんですが、ビートが重く、今まで少し違う感じがするのはドラムが打ち込みでは無く山木秀夫さんがプレイしているため。やはりこの様なファンクテイストの曲は生ドラムが必要ですね。このあたりの選択にも安藤まさひろさんのこだわりとセンスの良さが光っています。

ギターソロはハードに決めていきます。前の曲まではかなりジャズ的なラインを奏でていましたが、結構ロック的なフレーズ展開でボキャブラリーの広さを感じます。


04:湖の恐竜
タイトルとは裏腹にミディアムテンポのバラード。ここでの安藤まさひろさんはナイロン弦のギターでテーマです。
バラードなんですが、16ビートの切れの良いビートが際立っているのは今度はベースが生のため。須藤満さんがプレイをしています。
サビの部分での『優しいバラード調のスラップ』は効果的で、なかなかこのニュアンスは打ち込みでは難しいですね。

ギターソロは和音を使用した、これまたブリッジ的で丁寧なラインを前半は奏でていきます。しかし聴き所は後半のハーフビートのパターンになってからのプレイ。
CD Time=4:10の速いダウンフレーズのパッセ-ジからスタートします。前半とは変わって即興的なライン。コード進行に沿ったラインで速いパッセージをリリカルに決めます。その後のビートが戻ってからのフレーズも本当に歌っています。ちょっとリー・リトナーさんを想い出すような、綺麗でクラシカルなナイロン弦の音を聴かせてくれます。


05:Mystery
須藤満さんのベースのスラップがいい感じの少しダークなナンバー。しばらくして短いリフを奏でる土岐英史さんのソプラノサックスが、打ち込みが中心のこの作品にヒューマンな感じを与えてくれます。安藤まさひろさんのギターはナイロン弦でのサウンド。

しかしソロは一転してハードな音。そしてライトハンド奏法などを使用したロック的フレーズで攻めます。
続く土岐英史さんのソプラノサックスは、負けじと速いパッセージを奏でてスタートしますが、時折挟むロングトーンが見事な組立てです。


06:Knock on the door,Look foe happoness
優しいメロディで奏でられていく2分弱と短い曲。作品の中での良いアクセントになっています。
解り易い、まるで童謡のようなメロディに遠くから絡んで、静かに消えていくギターのラインが郷愁を誘うようで良いですね。


07:Mr.Moon
再び安藤まさひろさんのナイロン弦が響きます。少しシャッフルのリズムをもったミディアムバラードです。コーラスが入っていて歌詞もついているナンバーです。実にムーディなナンバーでここでもメロディラインの親しみ易さとポップな感覚を味わうことができます。

安藤まさひろさんのソロはブリッジをはさんでCD Time=2:19から。
CD Time=2:25ではダウンフレーズから低音で見事に締めてCD Time=2:30でのいきなり高い音へ飛ぶ印象的なラインに繋ぎます。CD Time=2:40からはコーラスに絡みながらメロディアスに弾き抜けていきます。
後半ではコード奏法を聴かせてくれますが、その後の2声の和音でのCD Time=4:04からのフレーズは、歯切れも良く内声音の動きも華麗で聴き応えのあるフレーズを展開していきます。


08:Cool
打ち込みっぽさがかなり漂っているファンクビートの曲ですが、ドラムは生で山木秀夫さんが叩いています。
オクターブ奏法で、どちらかと言うとリズムで聴かせるメロディを安藤まさひろさんがクリアトーンで奏でていきます。メロディ創りに対する違うアプローチを聴くことが出来ます。

2コーラスめから入ってくるコンガが物凄く効果的で心地よいです。これは横山達治さんのプレイ。
安藤まさひろさんのソロはロック的なアプローチなんですが、ツボを心得たまとまったフレーズ展開をします。速いパッセージなど結構あるのですが、非常に解り易いフレーズで耳に優しい感じです。


9:摩天楼の殺人者
タイトルから感じるイメージからどんな曲かと想像したものをある意味裏切るようなスタート。ミディアムな8ビートのナンバーで、テーマを奏でていくのはシンセ。音はEWIのような感じ。

中サビでは少し明るい中にも暗さのあるようなメロディとコード展開。その中に少し殺人者の狂気が見え隠れしている・・・感じ。
そしてCD Time=1:15からのインパクトのあるコード展開からサビへ。このコード進行は見事で、ますます殺人者の影が大きくなっていくようなマイナー展開のサビへ上手く繋いでいます。

サビは解り易いメロディで創られていて、その中にもマイナーさと印象的なコードを上手く挟んで、盛り上がるサビの展開を創っています。

安藤まさひろさんのソロは6連符の駆け上がりフレーズでスタート。粒が揃っていて見事なラインです。
ワンスケールで進んでいくコード進行なんですが、そこに挟まれている1小節のコード展開、CD Time=3:34やCD Time=2:42などのフレーズ展開が見事です。安藤まさひろさんはこのようなデミニッシュやセブンスでのフレーズが解りやすく、メロディアスなので、ギターを弾く方にとってはかなり参考になりますね。

テーマの音質もありますが、個人的に一番T-スクエアらしい感じのする曲です。
それでもコード展開が結構面白く印象的で、また、メロディや曲も良い曲だと想います。

不思議に最初の印象とは違って、聴き終わる頃にはタイトルと曲調が実にハマッてきます。これは、安藤まさひろさんの技。
つまり、歌詞が無いにも関わらず、メロディとコードでまるで歌詞があるかのように聴かせる、そして、いかにメロディが歌っているフレーズか、と言うことを物語っていると言うことだと想うのです。


10:Good-bye blue wind
クラシカルなストリングにフィードバックの効いた歪んだトーンで安藤まさひろさんがリリカルに奏でていくバラードです。全編ストリングが入っているのですが、ストリングスアレンジは服部克久さん。

笹路正徳さんの華麗なピアノソロに続いて、サビを挟んで安藤まさひろさんのソロがスタートします。情緒的なサビのコード進行に乗りながら熱いソロを展開していきます。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

安藤まさひろさんのギターソロは、T-スクエアのコピーバンドをしていたので、フレーズはお馴染みなんですが、やはりソロ作品だけあって、T-スクエアでは少なめのギターソロを十分に堪能できる作品に仕上がっています。

しかし、それ以上に堪能できるのは、やはりメロディーメーカーとしての部分とアレンジの部分。

とにかく親しみ易く、解り易いメロディを書きますね。
これは1曲目で特に解るのですが、インスト、そして歌、どちらでも乗るメロディが実に心地よい感じがします。それは、楽器ありき、インスト前提と言う曲創りではないスタイルで、安藤まさひろさんの大きな魅力のひとつになっています。

どうしても比較されてしまうカシオペア野呂一生さんも、もちろんメロディアスな曲を書くのですが、どちらかと言うと楽器を前提にしているような感じがします。

どちらが良いかと言うのはお好みだと想うのですが、それが、それぞれのバンドの個性のひとつになっているのが面白いですね。

BOOK OFFでの掘り出しもの・・・いい作品です。

(CD TOTALTIME:48:28/ Walking消費カロリー:194.84kcal)

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MELODY GO ROUNDMELODY GO ROUND
安藤まさひろ

曲名リスト
1. Tonight's the night
2. 三月のライオン
3. Blackyed Susan
4. 湖の恐竜
5. Mystery
6. Knock on the door,Look foe happoness
7. Mr.Moon
8. Cool
9. 摩天楼の殺人者
10. Good-bye blue wind

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あとがき
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2008年03月22日

ジャズ・ギタリスト紳士録 VOL.1

ジャズ・ギタリスト紳士録(1)

今日はコンピレーション・アルバムジャズ・ギタリスト紳士録VOL.1でwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

前回に続いてジャズ・ギターのコンピレーション作品です。
この作品は日本のジャズ・ギタリストが総勢20名参加している、まさに日本のジャズ・ギタリスト名鑑的な意味合いのあるものです。
それぞれ2人が、本人同士で曲やアレンジを決めて演奏をしています。今回レヴューをするのがVol.1で主にスタンダードを収録しています。それに対してVol.2は同じメンバーで組み合わせを変えて、主にジャズ・オリジナルをコンセプトにしています。
バックはベースの上村信さんとドラムの大阪昌彦さんがすべて引き受けていて、ギター2台による極めてピュアな演奏を聴くことができます。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:マイ・フェイバリット・シングス
ゆったりとしたお馴染みの3/4拍子が流れてきます。ギターは左右のチャンネルに振り分けられていて、
右チャンネルの竹中俊二さんがテーマを奏でていきます。ジャズ作品ではありますが、ここでの竹中俊二さんはナチュラルに歪んだ音。このように、コンセプトがジャズだからと言って、素直にクリアトーンで奏でていないところが新しい世代と言えます。
当然相手のギタリストも同じような感覚が必要で、相手は矢堀孝一さん。ともに、ストラト・タイプのカスタムギターで奏でていきます。

ソロに入ってしばらくするとアップテンポの4ビートに曲は変わります。しかもこの部分はやはりスタンダードのジャイアント・ステップスのコード進行。なかなか凝ったアレンジになっています。

ファーストソロは竹中俊二さん。
聴いた感じはマイク・スターンさんの雰囲気でしょうか。現代で言うところのオーソドックスなフレーズ回しでいわゆる今風の感じのソロ展開です。
続いては矢堀孝一さんのソロ。
クリア・トーンなんですが、この音の中心はVG-8で創ったと以前インタビューで話をしていました。非常にクリアな中にも太さがある音です。フレーズの感じはパット・メセニーさん。ご本人もかなり影響を受けているとのことですので端々でメセニーフレーズが連発しています。


02:ダーン・ザット・ドリーム
うって変わって渋いジャズナンバーを奏でるのが、宮乃上貴昭さんと山口武さん。山口武さんはナイロン弦のアコギで奏でていきますが、宮乃上貴昭さんはこれぞフルアコースティックと言うような音で奏でていきます。

ファーストソロの宮乃上貴昭さんは、後半見事なオクターブ奏法でウェス・モンゴメリーさんの影響を強く感じるフレーズ展開をします。弾き方も親指を使用しているのその音色も良く似ています。
それに対して、山口武さんは、クラシック・ギターのやや固めの音をクリアに奏でます。かなりオーソドクスなフレーズなんですが、非常に丁寧なフレーズ回しです。


03:朝日の如く爽やかに
スローテンポでこの有名なスタンダードを料理していくのは岡安芳明さんと吉田次郎さん。お互いに解りやすいフレーズ回しで、実に心地よいソロを展開していきます。
特に後半の部分での掛け合いは、お互い速いパッセージやまったりとしたフレーズを応酬していて、なかなか雰囲気があって聴き応えのあるトラックに仕上がっています。


04:アローン・トゥゲザー
このトラックは曲も渋いのですが演奏も渋いです。宇山恭平さんと大御所、沢田駿吾さん。いわゆる派手派手なフレーズは無く、実にオーソドクスなフレーズ展開なんですが、年輪と言うか年季と言うか、落ち着きのあるプレイはなかなかグッと来るものがあります。


05:ジャスト・フレンズ
綺麗なメロディのこのスタンダードを演奏するのが、直居隆雄さんと竹田一彦さん。特に関西のドンと言われている竹田一彦さんのギターの音が結構好みです。これはギブソンのジョニー・スミスモデル。やはりギブソンのシグネーチャー・モデルの中では一番の完成度と言われているだけあって見事なトーンを放っています。もちろん竹田一彦さんのテクニックによる、と言うことではありますが。


06:カーニバルの朝
クラシック・ギターでのデュオで奏でられるこの曲は、高内春彦さんと鬼怒無月さんのプレイ。
ロック系の激しいプレイも聴かせてくれる鬼怒無月さんのスパニッシュでクラシカルなフレーズも良いのですが、そのソロのバックでの高内春彦さんのバッキングが見事です。
ちなみに2人とも使用しているギターがホセ・ラミレスと言う名器中の名器です。かなり良い音で左右のチャンネルから耳に流れ込んできます。


07:貴方なしでは
この曲も軽快なテンポで演奏されることが多い著名なスタンダードナンバー。それをごくオーソドックスに奏でていくのが、秋山一将さんと杉本喜代志さん。
フレーズもオーソドックスなので、ジャズ・ラインの参考になるようなフレーズが頻出しています。


08:ジョージア・オン・マイ・マインド
ロックフレーバーの8ビートで奏でるのが、布川俊樹さんと道下和彦さん。2人ともナチュラルに歪んだトーンでブルージーに奏でていきます。
特に布川俊樹さんは、個人的に好きなギタリスト。プレイ的には影響を受けている
ジョン・スコフィールドさんの香りが満載のアウトフレーズで攻めてきます。


09:おいしい水
いきなりのヴォコーダーを使ったテーマを奏でているのが是方博邦さん。全体的にアコースティックな雰囲気の作品に唯一エレクトリックな香りをもたらしています。さすが、フュージョン界代表と言う感じでしょうか。ソロの後半は想いっきり歪んだロック調のソロ。この作品コンセプトの中でも強烈な個性と我が道を行くと言う様なスタイルがかなり個性的ですね。
その相手はナイロン弦ギターで、三好功郎さんがリリカルに奏でていきます。


10:ステラ・バイ・スターライト
このスタンダード中のスタンダードを牽引していくのが、中牟礼貞則さん。そしてそれに追従していくのが、山口武さんと渡辺香津美さん。このトラックだけ3人での演奏になっています。

ファーストソロは、中牟礼貞則さん。
ご存知中牟礼貞則さんは渡辺香津美さんの師匠にあたるギタリストです。オーソドックスなラインの中にも渋さのあるプレイになっています。バッキングは山口武さんがしています。

次ぎは山口武さんのソロ。
山口武さんが2曲目に続いてナイロン弦のアコギで奏でます。非常に解り易いフレーズでこの曲の持っているコード進行の複雑さを感じさせないメロディアスなソロです。バッキングは渡辺香津美さんが演奏しています。

そして最後は渡辺香津美さんのソロ。
この作品ですでに19人のギタリストがソロを奏でて来ましたが、やはり一番個性的だと想います。まあファンの欲目もありますが・・・。メロディアスな部分と得意のパーカッシブなシーケンスラインを組み合わせて香津美ワールドを一瞬にして創り上げてしまうところは見事です。ちなみにバッキングは師匠中牟礼貞則さんです。

ひと通りソロが終わったところで、デュオでワンコーラスづつの展開になります。
最初は、中牟礼貞則さんのソロと渡辺香津美さんのバッキングでのデュオ。渡辺香津美さんの見事なバッキングに乗って先ほどのソロより熱く奏でていきます。師弟のデュオはなかなかグッと来るものがありますね。
次ぎは山口武さんとベースの上村信さんのデュオ。山口武さんはロン・カーターさんとのデュオ作品やライヴをしていたそうです。そのあたりのベースとのデュオのコツを心得た演奏です。
そして渡辺香津美さんはドラムの大阪昌彦さんとのデュオ。ドラムとのデュオもやはり心得ていて、あまりコード進行の複雑さを意識させないライン展開で、いつも以上にパーカッシブなソロ展開です。

その後は全員でソロを弾きまくり、その中でも互いのソロラインを絶妙に絡めながら段々と静かにエンディングに向い、渡辺香津美さんのきっかけフレーズを合図に怒涛演奏は終わっていきます・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

これだけのギタリストを集めてひとつのコンセプト・アルバムを創ったと言うのはある意味凄いと想います。また、いたって日本的な感じがしますが、それは和風テイストと言う意味ではなくて、多分アメリカでは不可能な作品だと言うことです。
契約の問題等もあると想いますが、多分アメリカのミュージシャンだと、もっと我が出て散漫な作品になってしまうような気がするのです。それはそれで面白そうだったりしますが・・・。

この作品は、どこか謙虚な感じで、「あッ、どうぞ・・・」とか「じゃあ、そうしましょうか・・・」と言うような言葉も聞こえて来そうなと言ったらよいでしょうか。
それは団体競技的であって個人競技が比較的不得手と言われている日本のスポーツの世界にも似た感じ。

実際に20人のギタリストが参加していて、皆リーダー作をリリースしている方たちですがギター好きの私でも馴染みの無い方がたくさんいます。この中でピンでメディアに登場して、知名度が高いのは渡辺香津美さんくらいでしょうか。
特にフュージョンの世界で考えて見ると、やはりグループやセッションマンと言うスタイルが多く、ここにも、団体競技的な部分を見ることができますね。

その日本人らしさはプレイにも表れていて、プレイ自体は上手く、かなりの技巧派なんですが、いたって優等生的な感じがします。個人的に馴染みの少ないギタリストも多いのでなお更なんですが・・・。

矢堀孝一さんや布川俊樹さんは好きなギタリストなんですが、やはりこれだけギターがあちらこちらで鳴っている作品だと個性が強烈かと言えば、やはり影が少し薄くなっています。
矢堀孝一さんは、ここではまるでパット・メセニーさんのようなプレイですし、布川俊樹さんはジョン・スコフィールドさんのようなフレーズ展開をしています。
もちろん上手いのですが、あくまでも上手いと言うことで、心に『ビビッ』とくる上手さとは少し違うような・・・。言い換えれば上手いと言うよりは器用と言った方が良いかと。

そんな中でも強烈な個性を醸し出しているのが渡辺香津美さん。ファンの欲目もありますが、弾き始めたときの空気感が違うオーラを感じます。
これだけスタンダードなフレーズが連発している中で、やはり渡辺香津美さんの奏でるフレーズやグルーブはかなり個性的と言うことが良く解ります。

また、個人的にはあまり好きなギタリストではないのですが是方博邦さんが強烈な個性を発揮しています。
このコンセプトの中でヴォコーダーを使用して、しかも強力な歪み音でロックフーレズを叩きだすと言う勇気と言うか・・・。これは上手い下手と言うことだけではなくてある意味非常に強烈な個性と言えますね。

とにかくジャズ・ギターが満載で楽しめます。
またそれぞれの使用楽器やプロフィール、もちろん実際のギターとご本人の写真もライナーノーツに掲載されています。
また、それらを参考にしていろいろなメーカーのギターの音を聴き比べることも出来るので、特にギター好きには面白い作品と言えます。


(CD TOTALTIME:65:23/ Walking消費カロリー:262.84kcal)

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ジャズ・ギタリスト紳士録(1)ジャズ・ギタリスト紳士録(1)
オムニバス

曲名リスト
1. マイ・フェイヴァリット・シングス
2. ダーン・ザット・ドリーム
3. 朝日の如く爽やかに
4. アローン・トゥゲザー
5. ジャスト・フレンズ
6. カーニバルの朝
7. 貴方なしでは
8. ジョージア・オン・マイ・マインド
9. おいしい水
10. ステラ・バイ・スターライト

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ジャズ・ギタリスト紳士録(2)ジャズ・ギタリスト紳士録(2)
オムニバス

曲名リスト
1. フォア・オン・シックス
2. コンスタネーション
3. ベリー・アーリー
4. アスキング・フォー・ザ・アンサー
5. ピース
6. デューク・エリントンズ・サウンド・オブ・ラヴ
7. グッドバイ・ポーク・パイ・ハット
8. ピッグ・ノーズ
9. ペキン・ダック・ブルース
10. マイナー・スイング

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あとがき
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2008年03月18日

ギブソン・ジャズ・ギター・ヒストリー

ギブソン・ジャズ・ギター・ヒストリー

今日はコンピレーション・アルバムギブソン・ジャズ・ギター・ヒストリーwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

前回に続いて今回の作品もコンピレーション作品です。
タイトルのギブソンはもちろんアメリカのギターメーカーのGibsonのこと。この作品はギブソンUSA公認アルバムでジャズ・ギターの名手達の名演を集めた作品です。
私が初めてギターを買うときに迷ったことが、レスポールタイプにするか、ストラトタイプにするかと言うこと。もちろん本物のギブソンやフェンダーを買うことなど出来る年齢ではありませんでしたので、国産のそれに似た名前・・・グレコとかフェルナンデスやトーカイなどですが・・・。
当時ロック少年でしたので、レスポール対ストラトはそのままツェッペリンパープルと言う構図になっていて、リッチ-・ブラックモアさん命だった私はやはりストラトにしたのです。
以来、どちらかと言うとフェンダー派で、ギブソンのギターは実は1本も持っていないのです。しかし、その音はロック系にしろ、ジャズのフルアコースティックやセミ・アコースティックにしてもお馴染みですし、名器もたくさんあります。その名器と名人のコラボを楽しむことができる作品です・・・。


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01:ビリーズ・バウンス
このチャーリー・パーカーさんのブルース・ナンバーを演奏して先陣を切るギタリストはジョージ・ベンソンさん。
個人的なイメージでは、ギブソンと言うよりも、やはりIbanezのジョージ・ベンソン・モデルかなと。しかし、シンガーとして台頭する前はギブソンのギターが主だったようです。

単音のラインで軽快に奏でていきますが、ハイライトは後半のCD Time=2:11からのコード奏法。見事なコードヴォイシングと素早いコードチェンジを聴くとウェス・モンゴメリーさんの後継者と言われていたのが実に良く解ります。
続くソロはハービー・ハンコックさん。軽快なビートを刻んでいるリズム隊はロン・カーターさんとビリー・コブハムさん。メンバーを見ても強力なトラックです。テーマ戻りの前でのジョージ・ベンソンさんとハービー・ハンコックさんの掛け合いがまた良いです。


02:アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ
うって変わってミディアム・ボッサのリズムに乗って奏でるのはケニー・バレルさん。
一時期凄く好きになったことがあって良く聴きました。イメージ的には超絶と言う感じよりも渋いと言う感じ。このトラックでも渋さの滲み出ているブルース・フィーリングが溢れるソロを展開しています。


03:恋のチャンス
屈指のテクニシャンと言われてるタル・ファーローさんの演奏です。
ここでのタル・ファーローさんの音は、前の2人とは違ってかなりアコースティックな響きのある純粋なフル・アコースティックギターと言う感じの音です。まあ、前の2曲より約10年前の録音になりますので機材やギターの変遷もありますが、これはこれで、非常にヒューマンな感じがすると言うか、ジャズらしいと言う感じで良かったりします。


04:ナップタウン・ブルース
ハーブ・エリスさんの演奏です。個人的にはあまり聴かないのですが、いわゆる系図でいくとチャーリー・クリスチャンさんの直系と言われていますね。

アップ・テンポのブルースに乗って軽快に速いパッセージにアクセントでコードを挟みながら奏でていきます。ギターの音がけっこう細い感じの音で固めです。

続く、ピアノのソロの前半部分で和音奏法を連続して奏でて、しかもかなり早く両手を動かしていくと言う見事なプレイを聴かせてくれるのがオスカー・ピーターソンさん。その後のピアノの超絶な単音のパッセージにオクターブ奏法のバッキングでハーブ・エリスさんが絡んで行くところは、まさに、あうんの呼吸と言う感じで見事です。


05:ザ・カンタロープ・ウーマン
ファンキーなリズムに乗ってブルージーなプレイをするのがグラント・グリーンさん。ジャズ・ファンクの元祖と言われているそうですが、個人的にはあまり馴染みがないギタリストです。
評価自体も低かったようですが、90年代のファンク・ヒップ・ホップブームで再認識されたと言うことです。このサウンドも古さはありますが、テイスト的には90年代との共通したエッセンスがあるように聴こえますね。


06:アイ・ラヴ・ユー
私が一番好きなジャズギタリスト、ジョー・パスさんの登場です。
ジョー・パスさんもジョージ・ベンソンさんと同じく晩年まではIbanezのシグネーチャーモデルを使用していました。この楽器が私の愛器でして、ネックの形状がとても細くて弾きやすいギターです。このトラックではアップテンポに乗せてES-175を弾いているようです。

かなりリバーヴの効いた音で左チャンネルに反射する残響音がまるで銭湯のような感じにも想えます。少しキツ過ぎではありますが、全体の音はやはり今までのトラックの中で一番良い音と言うか、現代風の音と言う感じです。録音が1970年ですので、3曲目のタル・ファーローさんの録音から18年程あとになります。その間の録音やエフェクトの進歩を感じることが出来ますね。

ジョー・パスさんはソロ・パフォーマンスの名手です。ですから当然コード奏法には強いのですが、独特のヴォイシングと正確なコード展開を卒なくこなすところはジャズの教科書的で、いつ聴いても洗練されていると想います。


07:ビートでジャンプ
パット・メセニーさんをはじめに今活躍しているジャズ・ギタリストに多大な影響を与えたジム・ホールさんの演奏です。ロン・カーターさんとのデュオやビル・エヴァンスさんとの作品が特に好きですが、近年ではパット・メセニーさんとのデュオが珠玉の出来でした。

この曲はポップスとしてヒットしたナンバー。少しカントリーな雰囲気を持ちつつ独特のコード展開で見事に印象的なトラックになっています。
コードの感覚やフレーズの小技などを聴いていると、まさにパット・メセニーさんが弾きそうなフレーズ展開が満載しています。このトラックは本当にパット・メセニーさんが影響を受けていることが妙実に解ってとても興味深いトラックです。


08:ジャスト・フレンズ
スタンダードの中では好きな曲です。このトラックでは軽快にジミー・レイニーさんが奏でます。やはりあまり馴染みが無いのですが、このトラックを良く聴いて見ると、実に技巧派で、フレーズ回しのセンテンスがけっこう長めであることが解ります。

トリオでの演奏なんですが、ドラムがごく小さい音で右チャンネルに、ベースが左チャンネルに定位しています。ドラムが小さいために全体のバランスが悪く、ビートの微妙な感覚のズレが良く解るトラックになっていて残念ですね。


09:イエスタディ
ビートルズの名曲を奏でるのはジョニー・スミスさん。ギブソンのシグネーチャーモデルの中でもジョニー・スミス・モデルは最も高い完成度を持っていると言うことです。

ここではソロ・パフォーマンスで演奏します。ジャズ的なフェイクなどがあまり無くメロディを本当に忠実に演奏しているので、とても聴きやすく、曲の良さを生かしたプレイになっています。そうは言ってもコードのヴォイシングなどはやはり光るものがありますが。


10:サヴォイでストンプ
レトロな雰囲気を漂わせ軽快なスイングを聴かせてくれるのがバーニー・ケッセルさん。
ソロはあくまでも少し跳ねたビートに乗ってのジャズライン。そして聴き所はオスカー・ピーターソンさんのピアノソロでのバッキング。スウィング・ナンバーでの4つ刻みのバッキングが中心ですが、実に巧みに変化をつけて、単純な4つ刻みのバッキングに留まらないセンスとボキャブラリーの多さを感じるプレイです。

そう言えば、バーニー・ケッセルさん、そしてジョー・パスさん、それからハーブ・エリスさん、いずれもオスカー・ピーターソンさんのトリオやカルテットで活躍しました。また、ケニー・バレルさんもわずかですが、オスカー・ピーターソンさんのグループに参加していたことがあります。オスカー・ピーターソンさんとギターは切っても切れない部分があるのですね。


11:ノー・ブルース
最後を締めるのはやはりウェス・モンゴメリーさん。言わずと知れた名演ノー・ブルースです。

ウェス・モンゴメリーさんの特徴は何と言ってもオクターブ奏法。それと独特な音質を醸し出している右手親指での奏法。
でも一番ウェス・モンゴメリーさんのプレイで凄いと想う部分は、やはりコード奏法です。
このトラックのソロも、最初は単音ラインで、それをオクターブ奏法に、そして最後は見事なコード奏法に展開してきます。構成も見事です。
素晴らしいコード奏法に耳を奪われるのみです・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品を聴いて想ったのが、良く聴いて見ると結構皆近いフレーズを弾いていると言うことです。これは悪い意味ではなくて、ある意味必然なのかなと想ったわけです。

音楽にはある程度のルールが存在するわけで、ジャズのインプロヴィゼーションが自由とは言ってもやはりそれなりの共通性があるわけです。

これは丁度『言葉』のようなもので・・・
例えば山にハイキングに行って、そこでとても美しく、こだまが返って来そうなポイントがあったとします。

普通はその景色などを見て、感じて、そして叫ぶのが「ヤッホー!」かと。
でも、人にはそれぞれ感じ方が違ったり、持っている言葉のボキャブラリーの数が違ったりしますので
この場面で「ヤッホー!」では無くて、「心が洗われるような山だ!」と言う方も、「愛してる!」などと言う方もいるかと。

「ヤッホー!」はけっこうオーソドックスなフレーズ。
「心が洗われるような山だ!」はワンセンテンス捻ったフレーズ。
「愛してる!」はその時に自分の中でこだわっているフレーズ。

例えば「高層ビルが夕陽に染まっている!」などと言う方が居れば
それはかなりぶっ飛んだフレーズ。

英語でまくし立てる方が居れば、日本語をジャズフィールドとすれば異文化(ヤッホーの語源は諸説ありますが、一般的に通じる日本語としてます。)。スタンダードなジャズにバリバリのロックフレーズで勝負、と言うところでしょうか。

すると、日本語と英語が適度に混ざっている言葉を言う方はフュージョン?

山の景色が曲だったり、他のバンドメンバーだったりするわけですね。

言葉=「フレーズ・音」と言う共通のものをどうやって個性的に表現をしていくか・・・。
良くアドリブを心に浮かんだ音を表現するなどと言いますが、これは、そのとき浮かんだフレーズや音を自分の感性で組み合わせたり、捻ったりしながら表現して行くものと考えると、先の、結構近いフレーズを弾いていると言うのも解る気がします。まあ、その分個性を出すのが非常に難しいのですが・・・。


この作品は70年くらいまでのジャズ・ギタリストを取り上げていますが、それ以降になるとギターのメーカーも多様化して特にメイド・イン・ジャパンが本当に頑張っていると想います。

考えて見みたら、この作品に参加しているジョージ・ベンソンさんやジョー・パスさんもIbanezを使用していますし、古くはリー・リトナーさんもシグネーチャーがありましたね。
さらに忘れてはいけないのがパット・メセニーさん。言うまでもなくIbanezのシグネーチャー。ジョン・スコフィールドさんも同じです。
また、マイク・スターンさんは今、YAMAHAのシグネーチャーを使用しています。

メイド・イン・ジャパンのギターを使用しているギタリストのコンピレーション作品なんかがあると、面白そうですね。

(CD TOTALTIME:65:40/ Walking消費カロリー:263.98kcal)

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オムニバス バーニー・ケッセル ウェス・モンゴメリー

曲名リスト
1. ビリーズ・バウンス(ジョージ・ベンソン)
2. アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ(ケニー・バレル)
3. 恋のチャンス(タル・ファーロウ)
4. ナップタウン・ブルース(ハーブ・エリス)
5. ザ・カンタロープ・ウーマン(グラント・グリーン)
6. アイ・ラヴ・ユー(ジョー・パス)
7. ビートでジャンプ(ジム・ホール)
8. ジャスト・フレンズ(ジミー・レイニー)
9. イエスタデイ(ジョニー・スミス)
10. サヴォイでストンプ(バーニー・ケッセル)
11. ノー・ブルース(ウェス・モンゴメリー)

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あとがき
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2008年03月13日

お詫び

いつもご覧いただだきましてありがとうございます。

コメントが反映されていない状況がしばらく続いて申し訳ございませんでした。
コメントをたくさんいただいておりましたが、スパム対策でフィルターをかけたら
すべて受け付けない状況になっていまして・・・。
そう言えばやけにコメントがないなあ、とは想っていたのですが・・・。
体調もあまり良くなかったので、チェックが不十分だったことをお許しくださいませ。

遅ればせながら反映、お返事をさせていただきます。
また、もしまだコメントが反映されていない方がおりましたら
お手数ですが再度コメントをください。

以後は大丈夫だと想いますので
これからもよろしくお願い致します。

ウェイヴ/アントニオ・カルロス・ジョビン・ソングブック 
WAVE/THE ANTONIO CARLOS JOBIN SONGBOOK

しばらく体調が悪かったのですが、だいぶよくなったので久しぶりのwalkingです。
今日はアントニオ・カルロス・ジョビン・ソング・ブックウェイヴwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1996年の作品、アントニオ・カルロス・ジョビンさんのコンピレーション・アルバムです。もちろんご本人の演奏も収録されていますが、購入した理由の一番のポイントはパット・メセニーさんとアントニオ・カルロス・ジョビンさんのデュオが収録されていると言うことでした。
それでも、聴いているうちにかなり心地よい作品で、いつのまにか良く聴くCDに。もちろんwalkingのお供としては初めてですが、ボサノバはいかがでしょうか・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:ウェイヴ
先日も書きましたが、今ギターでちょっと練習してるのがこの曲。このトラックはご本人が1967年に録音された最初の演奏。いわゆるオリジナル中のオリジナルと言うことになります。

ボサノバ特有のコードとリズムを持ったギターのカッティングからスタートします。テーマはピアノとホーンが交互に奏でていきます。ストリングスも入っていて、心地よく流れてくるリズムとメロディが何とも言えず良い雰囲気です。

ジャズ的な攻めはないのですが、唯一、時々しかけているのがベース。これはロン・カーターさんのプレイ。それでも、流れに乗っているところが見事ですね。


02:ジャズ・サンバ
うって変わってファンキーなナンバー。歌うはエラ・フィッツジェラルドさん。
この人の歌を聴くといつも想うのが、日本人では絶対にこの感じは出せないだろう、と言うこと。近い感じで歌うことが出来るシンガーは居ると想いますが、何か空気感と言うか、声から感じるオーラ見たいなものをバシバシ放出していると言う感じがします。

聴き所はCD Time=1:50からのインプロヴィゼーション。
ソロの入りの部分から見事なフレーズ。CD Time=2:09での高い音へいきなり飛ぶフレーズはそのコブシ回しが絶妙です。
CD Time=2:19からのフレーズは見事なジャズライン。楽器でコピーしてもかなりカッコ良いフレーズ。
頭と声はもちろん直結していますので、間に楽器があるよりは想ったラインをダイレクトに出せるはず・・・では無く、声ゆえに難しいのは、ちょっと真似をして歌って見ればすぐに解りますね。私の場合はどう聴いても風呂での鼻歌くらいにしか聴こえません・・・。


03:ハッピー・マッドネス
ジョー・ヘンダ―ソンさんのテナー・サックスにリリカルに絡んでいくのはハービー・ハンコックさんのピアノ。このバラード・トラックは2人のデュオ。中間部分のハービー・ハンコックさんのピアノが実に美しいです。
それを引き継ぐジョー・ヘンダ―ソンさんのテナー・サックスも美しく、あまりテナーらしさを感じない、極めて優しい響きで歌っていきます。


04:ダブル・レインボウ
この曲は個人的にアントニオ・カルロス・ジョビンさんの曲の中でも3本指に入るくらい好きな曲です。このトラックではアントニオ・カルロス・ジョビンさんも参加しているエリス・レジ―ナさんのヴァージョンです。

この曲の好きな部分はまず3/4拍子のボサノバ。このリズムが妙に心地良いからです。またマイナーとメジャーの間を行くような何とも言えないコード進行もたまりませんね。

ここでのエリス・レジ―ナさんは囁くように歌い上げていきます。このシンプルなトラックもなかなか名演です。


05:ディサフィナード
このトラックはスタン・ゲッツさんのテナー・サックスとチャーリー・バードさんのギターが中心。実はチャーリー・バードさんはあまり聴いたことがないギタリストの一人。ここでは、スタン・ゲッツさんのテナー・サックスと絡んで良い感じのボサノバナンバーに仕上がっています。
ライナー・ノーツによると、この演奏がボサノバをアメリカに紹介した最初の吹き込みのようで、かなりのヒットをしたと言うことです。


06:フェリシダージ
ボサノバのリズムに加えて、少しサンバ調の雰囲気がある曲。アストラッド・ジルベルトさんの歌が気だるい感じで良いですね。

編曲と演奏はギル・エヴァンス・オーケストラ。
頭の部分はキャリオカ・パトゥカーダと言うリオ・デ・ジャネイロのリズム。パーカッションのアンサンブルをパトゥカーダを言うそうです。その割りには派手さが今一と言う感じもありますが、リズムはいかにもサンバです。


07:オ・グランジ・アモール
一転してかなりムーディーで夜のクラブの雰囲気と言ったら良いでしょうか。その渋さを醸し出しているのが、スタン・ゲッツさんのテナー・サックス。ボサノバのリズムに乗って、流れるようなフレーズの間に聴かせてくれる荒々しさが妙にセクシーと言ったら良いでしょうか。

負けずとムーディー続くソロがチック・コリアさんのピアノ。ちなみにベースはロン・カーターさん。ドラムはグラディ・テイトさん。
何故かモノラル録音なんですが、そのためのレトリックさも、このムーディーな雰囲気を醸し出すのに一役かっています。


08:ハウ・インセンシティヴ
このトラックはヴァ―ヴの50周年記念のコンサートでのアントニオ・カルロス・ジョビンさんとパット・メセニーさんのデュオです。パット・メセニーさんがこの曲を良く演奏しているのはファンの方なら良くご存知ですね。マイナーなコード進行と寂しげなメロディがパット・メセニーさんの触手をくすぐるのでしょうか。

アントニオ・カルロス・ジョビンさんのピアノでの弾き語りに、パット・メセニーさんのナイロン弦の響きが静かに絡んでいきます。

ソロが始まると一聴してパット・メセニーさんと解る音色とメロディでリリカルに弾き抜けていきます。

後テーマの部分では、アントニオ・カルロス・ジョビンさんのピアノに上手く乗るようにボサノバのバッキングパターンを奏でていきます。

エンディングのCD Time=3:34でのパット・メセニーさんのフレーズは、シークレット・ストーリーのライヴでの1曲目、アバブ・ザ・トゥリー・トップスのエンディングと同じ様なライン。そう言えばあのライヴではサドゥスキーの虎もくのエレアコを使用していましたが、音質も似ているので、もしかしたら同じギターかも知れませんね。

4分弱と言う短いトラックなんですが良いですね。無条件に・・・。


09ワンス・アイ・ラヴド
メロディのオクターヴ奏法を聴いた瞬間にそれと解るウェス・モンゴメリーさんのヴァージョンです。

テーマからソロに入ると今度はオクターヴ奏法では無くて、単音のラインを奏でていきます。
CD Time=2:20からの機械的に上昇して行くシーケンスラインから次ぎのメロディアスなラインへの展開が見事で想わずグッと来るアドリブです。
後半のソロは得意のコード奏法。CD Time=3:09からのデミニッシュコードを使ったラインからCD Time=3:12の高速で上昇するコード奏法は唯一無二のライン。その後もメロディアスで見事なコードヴォイシングからCD Time=3:26の歯切れの良いカッティングラインへ。更に絶妙なコード奏法は続きます。


10:コルコヴァ―ド
囁くようなジョアン・ジルベルドさんの歌に導かれるようにスタン・ゲッツさんのテナー・サックスとアストラッド・ジルベルドさんのギターが始まります。
ボサノバに抱いているイメージは『ほわっ』とした雰囲気。そして流れるようなリズム。それが、最も良く出ているトラックです。
スタン・ゲッツさんのテナーが良く歌っています。
アントニオ・カルロス・ジョビンさんのピアノも耳に優しく流れてきます。


11:トリステ
この作品の中で最もジャズ的なインプロヴィゼーションが楽しめるのがこのトラック。それもそのはずでピアノを演奏しているのがオスカー・ピーターソンさん。

CD Time=1:41からのラインは物凄く速いパッセージ。あまりのスピードに少しフレーズが帳尻合わせで、後半『もたっている』ようにも聴こえるのですが、CD Time=2:19からの連続した超速い速い見事なパッセージを聴くと、それがオスカー・ピーターソンさんの意図した『もたり』であることが解ります。


12:イパネマの少年
アントニオ・カルロス・ジョビンさんと言えばこの曲と言って良いほどの名曲。
つい最近まで何で邦題が『イパネマの少年』になっているのか知りませんでした。どう聴いても『イパネマの娘』なんですが・・・。
女性が歌う場合にSHEの部分をBOYにすることがあるそうで、その為このトラックは『少年』になっているらしい。

と言うことで歌っているのは女性。サラ・ヴォ―ンさんのバージョンです。
オリジナルに比べてるとパワフルで、これはまたこれでけっこう良かったりします。見事なテーマのフェイクとアーティキュレーションと独特の喉の奥に響き渡るようなヴィブラートを堪能できます。


13:ワン・ノート・サンバ
テーマの前半部分をひとつの音のリズムバリエーションだけで奏でられるサンバ。それだけに特にテーマ部分のアーティキュレーションがモノを言う曲だと想います。ここでテーマを奏でているのがディジー・ガレスピーさんのペットとレオ・ライトさんのフルート。絶妙なワンノートを聴かせてくれます。


14:夢見る人
ややスローテンポのボサノバに乗せてテーマを奏でるのはジョー・ヘンダ―ソンさんのテナー・サックス。スタン・ゲッツさんとはまた違った味わいがあって良いですね。

それにしても、ボサノバにはやはりテナー・サックス。アルトやソプラノでは、色気と言うか艶が出し難いのでしょうか。
でも、熟練の技があればアルトでも十分歌えます。渡辺貞夫さんのボサノバなどはその最たるものですね。


15:ウェイヴ
再び登場のこの曲。エリス・レジ―ナさんのヴォーカルでのバージョンです。
少し激しめのアレンジがされていますが、全体的な雰囲気をいいものにしているのが、トゥ-ツ・シールマンスさんのハーモニカ。エリス・レジーナさんの歌に絡みながらもサビの部分ではテーマを吹きます。

エンディングもすんなり終わらないアレンジがされていて、ゆったりとしたウェーヴと言うよりは、ざわざわしていて、時折激しく打つウェーヴと言う感じの演奏です。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

これだけの名演が揃った背景にはアントニオ・カルロス・ジョビンさんの曲がいかに良いかと言うことがあるのは言うまでもありませんね。

この作品はコンピレーションですので、ちょっと間違うとめちゃくちゃなバランスになって、散漫な印象になりがちなんですが、録音の年代やテイストにバリエーションがあるにも関わらす飽きることがなく、逆に聴き入ってしまうのは、まさに、ボサノバと言う統一性とアントニオ・カルロス・ジョビンさんの楽曲の良さと言うことだと想います。

ゆったり聴いても、じっくり聴いても、とにかく心地よく聴くことが出来る作品です。

(CD TOTALTIME:63:31/ Walking消費カロリー:255.34kcal)

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残念ながら廃盤のようですので、同シリーズのイパネマの娘をご紹介いたします。

The Girl From Ipanema: The Antonio Carlos Jobim SongbookThe Girl From Ipanema: The Antonio Carlos Jobim Songbook
Antonio Carlos Jobim

曲名リスト
1. Girl from Ipanema
2. Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)
3. Felicidade (Adieu Tristesse)
4. O Morro Nao Tem Vez
5. Agua de Beber
6. So Danco Samba
7. Insensatez
8. Once I Loved (O Amor en Paz)
9. One Note Samba
10. Meditation (Meditacao)
11. Desafinado
12. Dindi
13. Wave
14. Aguas de Marco (Waters of March)
15. Chega de Saudade (No More Blues)

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