Walking de Music

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ウェイヴ/アントニオ・カルロス・ジョビン・ソングブック 
WAVE/THE ANTONIO CARLOS JOBIN SONGBOOK

しばらく体調が悪かったのですが、だいぶよくなったので久しぶりのwalkingです。
今日はアントニオ・カルロス・ジョビン・ソング・ブックウェイヴwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1996年の作品、アントニオ・カルロス・ジョビンさんのコンピレーション・アルバムです。もちろんご本人の演奏も収録されていますが、購入した理由の一番のポイントはパット・メセニーさんとアントニオ・カルロス・ジョビンさんのデュオが収録されていると言うことでした。
それでも、聴いているうちにかなり心地よい作品で、いつのまにか良く聴くCDに。もちろんwalkingのお供としては初めてですが、ボサノバはいかがでしょうか・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:ウェイヴ
先日も書きましたが、今ギターでちょっと練習してるのがこの曲。このトラックはご本人が1967年に録音された最初の演奏。いわゆるオリジナル中のオリジナルと言うことになります。

ボサノバ特有のコードとリズムを持ったギターのカッティングからスタートします。テーマはピアノとホーンが交互に奏でていきます。ストリングスも入っていて、心地よく流れてくるリズムとメロディが何とも言えず良い雰囲気です。

ジャズ的な攻めはないのですが、唯一、時々しかけているのがベース。これはロン・カーターさんのプレイ。それでも、流れに乗っているところが見事ですね。


02:ジャズ・サンバ
うって変わってファンキーなナンバー。歌うはエラ・フィッツジェラルドさん。
この人の歌を聴くといつも想うのが、日本人では絶対にこの感じは出せないだろう、と言うこと。近い感じで歌うことが出来るシンガーは居ると想いますが、何か空気感と言うか、声から感じるオーラ見たいなものをバシバシ放出していると言う感じがします。

聴き所はCD Time=1:50からのインプロヴィゼーション。
ソロの入りの部分から見事なフレーズ。CD Time=2:09での高い音へいきなり飛ぶフレーズはそのコブシ回しが絶妙です。
CD Time=2:19からのフレーズは見事なジャズライン。楽器でコピーしてもかなりカッコ良いフレーズ。
頭と声はもちろん直結していますので、間に楽器があるよりは想ったラインをダイレクトに出せるはず・・・では無く、声ゆえに難しいのは、ちょっと真似をして歌って見ればすぐに解りますね。私の場合はどう聴いても風呂での鼻歌くらいにしか聴こえません・・・。


03:ハッピー・マッドネス
ジョー・ヘンダ―ソンさんのテナー・サックスにリリカルに絡んでいくのはハービー・ハンコックさんのピアノ。このバラード・トラックは2人のデュオ。中間部分のハービー・ハンコックさんのピアノが実に美しいです。
それを引き継ぐジョー・ヘンダ―ソンさんのテナー・サックスも美しく、あまりテナーらしさを感じない、極めて優しい響きで歌っていきます。


04:ダブル・レインボウ
この曲は個人的にアントニオ・カルロス・ジョビンさんの曲の中でも3本指に入るくらい好きな曲です。このトラックではアントニオ・カルロス・ジョビンさんも参加しているエリス・レジ―ナさんのヴァージョンです。

この曲の好きな部分はまず3/4拍子のボサノバ。このリズムが妙に心地良いからです。またマイナーとメジャーの間を行くような何とも言えないコード進行もたまりませんね。

ここでのエリス・レジ―ナさんは囁くように歌い上げていきます。このシンプルなトラックもなかなか名演です。


05:ディサフィナード
このトラックはスタン・ゲッツさんのテナー・サックスとチャーリー・バードさんのギターが中心。実はチャーリー・バードさんはあまり聴いたことがないギタリストの一人。ここでは、スタン・ゲッツさんのテナー・サックスと絡んで良い感じのボサノバナンバーに仕上がっています。
ライナー・ノーツによると、この演奏がボサノバをアメリカに紹介した最初の吹き込みのようで、かなりのヒットをしたと言うことです。


06:フェリシダージ
ボサノバのリズムに加えて、少しサンバ調の雰囲気がある曲。アストラッド・ジルベルトさんの歌が気だるい感じで良いですね。

編曲と演奏はギル・エヴァンス・オーケストラ。
頭の部分はキャリオカ・パトゥカーダと言うリオ・デ・ジャネイロのリズム。パーカッションのアンサンブルをパトゥカーダを言うそうです。その割りには派手さが今一と言う感じもありますが、リズムはいかにもサンバです。


07:オ・グランジ・アモール
一転してかなりムーディーで夜のクラブの雰囲気と言ったら良いでしょうか。その渋さを醸し出しているのが、スタン・ゲッツさんのテナー・サックス。ボサノバのリズムに乗って、流れるようなフレーズの間に聴かせてくれる荒々しさが妙にセクシーと言ったら良いでしょうか。

負けずとムーディー続くソロがチック・コリアさんのピアノ。ちなみにベースはロン・カーターさん。ドラムはグラディ・テイトさん。
何故かモノラル録音なんですが、そのためのレトリックさも、このムーディーな雰囲気を醸し出すのに一役かっています。


08:ハウ・インセンシティヴ
このトラックはヴァ―ヴの50周年記念のコンサートでのアントニオ・カルロス・ジョビンさんとパット・メセニーさんのデュオです。パット・メセニーさんがこの曲を良く演奏しているのはファンの方なら良くご存知ですね。マイナーなコード進行と寂しげなメロディがパット・メセニーさんの触手をくすぐるのでしょうか。

アントニオ・カルロス・ジョビンさんのピアノでの弾き語りに、パット・メセニーさんのナイロン弦の響きが静かに絡んでいきます。

ソロが始まると一聴してパット・メセニーさんと解る音色とメロディでリリカルに弾き抜けていきます。

後テーマの部分では、アントニオ・カルロス・ジョビンさんのピアノに上手く乗るようにボサノバのバッキングパターンを奏でていきます。

エンディングのCD Time=3:34でのパット・メセニーさんのフレーズは、シークレット・ストーリーのライヴでの1曲目、アバブ・ザ・トゥリー・トップスのエンディングと同じ様なライン。そう言えばあのライヴではサドゥスキーの虎もくのエレアコを使用していましたが、音質も似ているので、もしかしたら同じギターかも知れませんね。

4分弱と言う短いトラックなんですが良いですね。無条件に・・・。


09ワンス・アイ・ラヴド
メロディのオクターヴ奏法を聴いた瞬間にそれと解るウェス・モンゴメリーさんのヴァージョンです。

テーマからソロに入ると今度はオクターヴ奏法では無くて、単音のラインを奏でていきます。
CD Time=2:20からの機械的に上昇して行くシーケンスラインから次ぎのメロディアスなラインへの展開が見事で想わずグッと来るアドリブです。
後半のソロは得意のコード奏法。CD Time=3:09からのデミニッシュコードを使ったラインからCD Time=3:12の高速で上昇するコード奏法は唯一無二のライン。その後もメロディアスで見事なコードヴォイシングからCD Time=3:26の歯切れの良いカッティングラインへ。更に絶妙なコード奏法は続きます。


10:コルコヴァ―ド
囁くようなジョアン・ジルベルドさんの歌に導かれるようにスタン・ゲッツさんのテナー・サックスとアストラッド・ジルベルドさんのギターが始まります。
ボサノバに抱いているイメージは『ほわっ』とした雰囲気。そして流れるようなリズム。それが、最も良く出ているトラックです。
スタン・ゲッツさんのテナーが良く歌っています。
アントニオ・カルロス・ジョビンさんのピアノも耳に優しく流れてきます。


11:トリステ
この作品の中で最もジャズ的なインプロヴィゼーションが楽しめるのがこのトラック。それもそのはずでピアノを演奏しているのがオスカー・ピーターソンさん。

CD Time=1:41からのラインは物凄く速いパッセージ。あまりのスピードに少しフレーズが帳尻合わせで、後半『もたっている』ようにも聴こえるのですが、CD Time=2:19からの連続した超速い速い見事なパッセージを聴くと、それがオスカー・ピーターソンさんの意図した『もたり』であることが解ります。


12:イパネマの少年
アントニオ・カルロス・ジョビンさんと言えばこの曲と言って良いほどの名曲。
つい最近まで何で邦題が『イパネマの少年』になっているのか知りませんでした。どう聴いても『イパネマの娘』なんですが・・・。
女性が歌う場合にSHEの部分をBOYにすることがあるそうで、その為このトラックは『少年』になっているらしい。

と言うことで歌っているのは女性。サラ・ヴォ―ンさんのバージョンです。
オリジナルに比べてるとパワフルで、これはまたこれでけっこう良かったりします。見事なテーマのフェイクとアーティキュレーションと独特の喉の奥に響き渡るようなヴィブラートを堪能できます。


13:ワン・ノート・サンバ
テーマの前半部分をひとつの音のリズムバリエーションだけで奏でられるサンバ。それだけに特にテーマ部分のアーティキュレーションがモノを言う曲だと想います。ここでテーマを奏でているのがディジー・ガレスピーさんのペットとレオ・ライトさんのフルート。絶妙なワンノートを聴かせてくれます。


14:夢見る人
ややスローテンポのボサノバに乗せてテーマを奏でるのはジョー・ヘンダ―ソンさんのテナー・サックス。スタン・ゲッツさんとはまた違った味わいがあって良いですね。

それにしても、ボサノバにはやはりテナー・サックス。アルトやソプラノでは、色気と言うか艶が出し難いのでしょうか。
でも、熟練の技があればアルトでも十分歌えます。渡辺貞夫さんのボサノバなどはその最たるものですね。


15:ウェイヴ
再び登場のこの曲。エリス・レジ―ナさんのヴォーカルでのバージョンです。
少し激しめのアレンジがされていますが、全体的な雰囲気をいいものにしているのが、トゥ-ツ・シールマンスさんのハーモニカ。エリス・レジーナさんの歌に絡みながらもサビの部分ではテーマを吹きます。

エンディングもすんなり終わらないアレンジがされていて、ゆったりとしたウェーヴと言うよりは、ざわざわしていて、時折激しく打つウェーヴと言う感じの演奏です。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

これだけの名演が揃った背景にはアントニオ・カルロス・ジョビンさんの曲がいかに良いかと言うことがあるのは言うまでもありませんね。

この作品はコンピレーションですので、ちょっと間違うとめちゃくちゃなバランスになって、散漫な印象になりがちなんですが、録音の年代やテイストにバリエーションがあるにも関わらす飽きることがなく、逆に聴き入ってしまうのは、まさに、ボサノバと言う統一性とアントニオ・カルロス・ジョビンさんの楽曲の良さと言うことだと想います。

ゆったり聴いても、じっくり聴いても、とにかく心地よく聴くことが出来る作品です。

(CD TOTALTIME:63:31/ Walking消費カロリー:255.34kcal)

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残念ながら廃盤のようですので、同シリーズのイパネマの娘をご紹介いたします。

The Girl From Ipanema: The Antonio Carlos Jobim SongbookThe Girl From Ipanema: The Antonio Carlos Jobim Songbook
Antonio Carlos Jobim

曲名リスト
1. Girl from Ipanema
2. Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)
3. Felicidade (Adieu Tristesse)
4. O Morro Nao Tem Vez
5. Agua de Beber
6. So Danco Samba
7. Insensatez
8. Once I Loved (O Amor en Paz)
9. One Note Samba
10. Meditation (Meditacao)
11. Desafinado
12. Dindi
13. Wave
14. Aguas de Marco (Waters of March)
15. Chega de Saudade (No More Blues)

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あとがき
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