Walking de Music

2008年03月08日 18:37にアップしたエントリーです。

ひとつ前のエントリーはクロス・ポイント/カシオペアです。

次のエントリーはウェイヴ/アントニオ・カルロス・ジョビン・ソングブック  WAVE/THE ANTONIO CARLOS JOBIN SONGBOOKです。



ザ・ビッグ3/ミルト・ジャクソン-ジョー・パス-レイ・ブラウン 
THE BIG 3/MILT JACKSON-JOE PASS-RAY BROWN

The Big 3

すっかり暖かくなってきてwalkingをしていても少し汗ばみます。と言うことで今日はミルト・ジャクソン-ジョー・パス-レイ・ブラウンさんのザ・ビッグ3walkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1975年録音の作品です。
実は私がほぼ初めてジャズと言うものに触れた作品でもあります。フュージョン系の音楽に傾倒していたので、この何ともアダルトな雰囲気にすぐには馴染めなかったのを想い出します。それでも、バリバリの4つ刻みと言う作品ではなくて、ボッサの香りが多々ありますので聴きやすさはありますが。
この作品は時代を感じさせてくれるカセットテープで人から借りたのですが、その時に一緒に借りたのが
ジョー・パスさんのソロ・ギター作品。そしてMJQの作品。
特に、ギターのジョー・パスさんのプレイには次第に虜になっていき、ついにはジョー・パス・モデルと言うギターも手に入れてしまうと言うことになります。
久しぶりに聴きましたが、当時より多少?アダルトになったので、果たしてどんな感じに聴こえたのでしょうか・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:ザ・ピンク・パンサー
レイ・ブラウンさんの印象的なベースラインにジョー・パスさんが軽く絡むイントロが渋い、ミルト・ジャクソンさんのオリジナル・ブルースです。

ビートは4つ刻みではなくて、いわゆるR&B的なGO!GO!ビート風。ドラムがいないユニットのために、そうは言ってもアダルトな雰囲気が充満しています。

それにしても強力なのはグルーヴ。ドラムがいませんので、それを担っているのはレイ・ブラウンさん。そしてジョー・パスさんがカッティングで追従していきます。
ブルースと言う単純なコード進行なんですが、ここでのジョー・パスさんは、これでもか!と言うくらいにバリエーション豊富なコード展開をしています。

また全体的に音をデッドで録音していますので、演奏時のフィンガーノイズなども良く拾っていて、やけに臨場感があります。実にナチュラルで、楽器そのものを添加物無し!で味わえると言う感じです。素材の味と言ったらよいでしょうか・・・。


02:ニュアージュ
ジャンゴ・ラインハルトさんの作曲のバラード。ジャンゴ・ラインハルトさんはジョー・パスさんが影響を受けたギタリスト。ここでも渋くミルト・ジャクソンさんがテーマをキメます。

テーマに続いてミルト・ジャクソンさんのソロが続きますが、音の流れが綺麗で聴き入ってしまいます。丁度左チャンネルからセンターにヴァイヴが定位していますので、音が左に行ったり、センターに行ったり、コロコロと良く回っていきます。

ジョー・パスさんのソロはバラ-ドですので、コード奏法を中心に奏でていきます。ソロギターとしても通用しそうなラインなんですが、ベースと一体化しているところが見事です。レイ・ブラウンさんのしっかりとした地盤固めもありますが、ギターで弾くコード奏法の延長にベースシストの弾くラインがあると言う感じのプレイは流石ですね。


03:ブルー・ボッサ
この曲はケニー・ドーハムさんの曲。ややアップテンポのボサノバで抜群のグルーヴ感が漂っているトラックです。

今までの曲はほとんどそうなんですが、ジョー・パスさんのソロに入るとミルト・ジャクソンさんが少し休み、2コーラスめあたりからヴァイヴでバッキングが入ってくるのですが、このタイミングが絶妙。この曲でもCD Time=2:19からミルト・ジャクソンさんが入ってきますが、それに伴ってジョー・パスさんのラインも加速していきます。


04:カム・サンデイ
ジョー・パスさんのソロ・ギターでスタートするバラード。ミルト・ジャクソンさんが厳かにテーマに入ると、優しく絡んでいきます。

当時、この曲を聴いた時に、いわゆるインプロヴィゼーションについてほとんど無知でしたのでアドリブと言うことは解っていたのですが、どうやったらこんな風に自由にしかも即興でコードが弾けたり、メロディが弾けたり出来るのかが物凄い不思議でした。今は理屈はわかるのですが・・・もちろん弾けると言うことではありませんが・・・。

あくまでも静かに、静かに2人のデュオが奏でられていきます。


05:ウェイヴ
この曲は超有名なアントニオ・カルロスジョビンさんの名曲。実はこの作品をwalkingに選んだのは、最近この曲をギターでちょっと練習しているからです。いわゆるジャズのオーソドックスなコード進行を持っているので、アドリブの素材としては弾きやすい反面、陳腐なフレーズになり易いと言う怖さのある曲だと想います。

ファーストソロはミルト・ジャクソンさん。
流れるような・・・と言う言葉は結構使うのですが、本当に流れているラインと言う感じです。CD Time=1:41からのサビのパターンでの引っ掛けるようなフレーズを2回繰り返して下がっていき、そしてCD Time=1:46からの駆け上がりフレーズなどは、グッと来るものがあります。
更に2コーラスめのCD Time=2:47からのジョー・パスさんのバッキングと絡む部分での強力なビート感とインタープレイはちょっと感動的でもあります。

続くのがジョー・パスさんのソロ。
ソロのラインはジョー・パスさんらしいオーソドックスな8分音符のラインで、こちらも流れる様にフレーズが飛び出しています。CD Time=4:11からのちょっとしたコード奏法はワンポイントなんですが、物凄くインパクトのあるフレーズになっていて、個人的には肝!です。

続くレイ・ブラウンさんのソロは、ジョー・パスさんのカッティングに乗って軽快にラインを奏でていくのですが、CD Time=5:30からジョー・パスさんが全音符の白玉に切り替えると、すかさずレイ・ブラウンさんも長めの音符のフレーズに切り替えます。事前に打ち合わせをしておいたとしか想えない見事な呼吸とタイミングの連動は天晴れです!

またミルト・ジャクソンさんのテーマはフェイクと言う域を越えていて、インプロヴィゼーションにテーマが混ざっていると言う感じのプレイです。それでもテーマのメロディのキャッチーな部分はしっかりと聴かせてくれると言う、これまた見事なテーマフェイクを聴かせてくれます。

この作品でのベストトラックだと想います。


06:ムーン・グロウ
今までボサノバのリズム楽曲がほとんどでしたが、この曲で初めて4つ刻みの4ビートを演奏しています。当然ドラムがいませんのでここで極力な4つのリズムを牽引するのがレイ・ブラウンさん。曲調も非常にブルージーですので、それぞれが奏でるアドリブ・ラインもブルージーな展開になっています。

ミディアム・テンポの4ビートが本当に心地よいリズムを醸し出します。


07:ユー・ステップ・アウト・オヴ・ア・ドリーム
一転してアップテンポの4ビートになります。作品の中では唯一のアップテンポナンバーなので、多分初めて聴いた当時、一番気に入っていた曲だったと想います。

ベースのリズムからいきなりジョー・パスさんのソロでスタートします。
ソロのラインを聴き始めて想い出したのが、このソロをギター・コピーしたこと。当時はまともに弾けたのどうか覚えていませんが、今聴いても良くコピーしたなあ、と想うほど速いパッセージで正確なラインを奏でています。

続くミルト・ジャクソンさんのソロも軽快で、どんどんグルーヴが加速していきます。

後半はジョー・パスさんとの掛け合いになります。
そして、淡々と4ビートを刻んでいたレイ・ブラウンさんがイントロのパターンに戻るとピックアップされてベースだけで静かに終わります。

メリハリが合ってグルービーで極力なトラックに仕上がっています。


08:ブルース・フォー・サミー
この曲もミルト・ジャクソンさんのオリジナル。曲調はブルース。しかもかなり渋いスロー・ブルース。ミルト・ジャクソンさんの奏でるフレーズは『タメ』が効いていて、想わず唸ってしまうファンキーさがあります。

しかし、更に上を行く『タメ』を持ってアドリブ・ラインを奏でるのはレイ・ブラウンさん。
メロディアスでありながらも、タメが効いたブルージーさはまさに肝!

良い子は早く寝なさい!と言う感じで、アダルトで渋い夜が更けていきます・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

ドラムレスのフォーマットを久しぶりに聴いたのですが、ドラムがうるさいと言うわけではありませんが、実にしっとりとしていて良いですね。
多分、ドラムレスと言うことだけでも、一気にアダルトな雰囲気が醸し出せるのだと想います。

ドラムレスと言えばドラムレス・ピアノトリオを極めたのがオスカー・ピーターソンさん。
ジョーパスさんもレイ・ブラウンさんもお馴染みのメンバーですので、ミルト・ジャクソンさんに変わったと言う形のフォーマットとも言えるのですが、そこは相手がピアノでは無くてヴァイヴですので、また違った形でのドラムレス作品になっています。

それにしても、当時ロックから少しフュージョンに足を踏み入れた若かりし小僧にとって、この作品を聴け!と言うのも多少無理があったようで、今聴くとなお更それを感じます。
それは、熟成されたお酒をコンパで飲むような感じで、その味も何も、ただ酔えは良い!と言う、非常にもったいない飲み方をしていたと言うことを強く感じます。

ちょっとは嗜める年齢になってきましたので、奥行きの深さと香りを堪能することが少しは出来たような気がします。
でも、健康的な昼間のwalkingに飲酒は似合いません。
そっと1人で、グラスの中に映るバー・カウンターのスポットを愛でながら嗜むのが似合います・・・。


(CD TOTALTIME:44:05/ Walking消費カロリー:177.22 kcal)

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Milt Jackson With Joe Pass and Ray Brown

曲名リスト
1. Pink Panther
2. Nuages
3. Blue Bossa
4. Come Sunday
5. Wave
6. Moonglow
7. You Stepped Out of a Dream
8. Blues for Sammy

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