先日は大荒れの天気。また低気圧が来ているようですのでその合い間を縫ってのwalkingはラリー・カールトンさんの
キッド・グローヴスです・・・。
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1988年の衝撃的だった銃撃事件から復帰作になったのがオン・ソリッド・グラウンド(*)。
その後コレクション(*)と言うベストアルバムをリリースしましたが、その次の1992年の作品がこれです。
オン・ソリッド・グラウンドは事件の前の録音も含まれていると言う話しがありますので、現実的には事件後の録音でのフルアルバムの最初の作品となります・・・。
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01:キッド・グローヴス
重厚に音を重ねたエレピが印象的なスタート。これから始まる!と言う感じのコード進行はオープニングにピッタリです。
テーマに入ると一転爽やかなスチール弦のアコギがメロディを奏でていきます。
サビに入ると少し今までの作品とは少し違った感じに気が付きます。雰囲気的にはリー・リトナーさんの様な感じと言ったら良いでしょうか。
それもそのはずでレーベルがGRPでエグゼクティブ・プロデューサーがデイヴ・グルーシンさんとラリー・ローゼンさん。ですから全体的なサウンドの色彩がGRP色なんですね。
ラリー・カールトンさんのソロは、超スタッカートなフレーズの連続。曲の持っているビート感と良く合ってはいるのですが、今までの作品でのラリー節では無いのが少し残念と言うか意外と言うか・・・。
CD Time=2:57からサビが転調してよりメロディアスな雰囲気が漂います。ラリー・カールトンさんのテーマの間を埋めるように絡めているメロディが見事な歌い方。その後もテーマを弾きながらソロを絡めていきフェードアウトしていきます。
02:ザ・プリーチャー
一転して16ビートのジャジーな曲。テーマはフルアコースティックギター。多分ジャケットに映っているギブソンのL-5(?)。2声の和音を巧みにメロディに絡めた実にジャージーなテーマを奏でていきます。
このテーマが実はなかなか難しいラインになっています。卒なく弾くにはそれなりの練習が必要な感じですね。
ソロはけっこうストレートなジャズラインを奏でていきます。
速弾きやリズム的なフェイクはほとんど無くて16分音符をひたすら弾き倒します。それでも、スケール練習的になっていなのが見事です。
03:ミッシェルズ・ホイッスル
穏やかなアコギのテーマが響くバラードです。BGM的なサウンドで落ち着きます。ちょっと天気予報のBGM的ではありますが・・・。
それにしても綺麗なアコギの音です。スチール弦の単音での良さを最大に生かしていると想います。このあたりのノウハウは以前にリリースしたアコギでの名盤、ディスカヴァリー(*)とアローン・バット・ネバー・アローン(*)の2枚から。ギターはライナーに記載が無いので判りませんが、おそらくヴァレーアーツのアコギだと想われます。
この曲でのラリー・カールトンさんのソロは、ゆったりとしたテンポに乗って無理なく、自然に歌っていきます。トリッキーなフレーズやアウトするような節回しも無く、ごく自然体です。その分、面白みや緊張感はありませんが、曲調にあった優しいソロに仕上がっています。
04:ウィ・ウィ・シイ
サックスのカーク・ウェイラムさんと歪んだ音のギターでテーマを奏でていくハードなナンバーです。ラリー・カールトンさんのエレクトリックなサウンドが4曲目にして登場です。
まず印象的なのがイントロのベースライン。裏のビートでA=「ラ」の音がずっと鳴っていると言うライン。これは右手の親指を使用してギターのように弾かないとなかなか難しいラインだと想います。ただでさえ難しいのに、抜群のテンポキープとビート感があるこのプレイはエイブラハム・ラボリエルさん。そのベースラインに牽引されて曲はスタートします。
テーマ後のユニゾンの展開からラリー・カールトンさんのソロがスタートします。
ラリー・カールトンさんの音はギブソンのES-335では無く、ソリッド・ギターのような音ですね。ソロラインも基本的には2曲目と同じ様な16分音符を連続していくパッセージが中心。しかも、アウト的なフレーズは少なく、やはり少し今までとは違った感じのライン。歪んだ音なので、絶妙なニュアンスのチョーキングなども期待するのですがほとんどありません。
余談ですが、タイトルのウィ・ウィ・シイは日本語の『初々しい』?・・・ではないですよね・・・多分。
05:ハート・トゥ・ハート
エレピのリリカルなサウンドに引かれて再びアコギでのバラードです。
メロディラインの美しさに加えて、コード進行が綺麗な流れを持っています。もちろん、ラリー・カールトンさんはテーマ、ソロに関係なく綺麗な音とリリカルなフレーズ展開を聴かせてくれます。
聴き所はCD Time=2:32のチョーキングからのフレーズ。
やや長いトーンのチョーキングから、今度はCD Time=2:44で細かいチョーキング・ダウンフレーズで味をつけます。さらにCD Time=2:48のスタッカートなフレーズを、ギターのブリッジ寄りで弾いて煌びやかな変化をつけてグリッサンドでアップ。そしてクロマティックなフレーズにチョーキングを絡めて、CD Time=2:54での絶妙なアーティキュレーションのクオーターチョーキングで決めます。
5曲目にして、やっとラリー・カールトンさんらしいフレーズが飛び出しました。この部分はもちろん肝!です。
06:ジャスト・マイ・イマジネーション
打ち込みのリズムに少しワウをかけた音でラリー・カールトンさんがテーマを奏でていく、レゲエのリズムを持ったナンバー。それでも完全なレゲエと言うことでもなくかなり洗練された、言って見ればラリーズ・レゲエと言う感じ。ちなみにこの曲はテンプテーションズのカバー曲。
ラリー・カールトンさんのソロはその音が面白と言うこともありますが、フレーズ的には1曲目と同じようなスタッカートなフレーズを展開します。さらに音域を非常に狭くして展開していますので聴いた感じがデヴィット・T・ウォーカーさんのような、モコモコとした感じのラインです。それでも楽しく歌っている感じがして、いいソロだと想います。
07:ホエア・ビー・モサダ?
3拍目のスネアとベースラインを聴いていると、スーッと何処かへ流されていってしまうような不思議な雰囲気のあるミディアムテンポのマイナーなナンバーです。ラリー・カールトンさんはナチュラルに歪んだ音でテーマを奏でていきます。
エイブラハム・ラボリエルさんのベースラインが印象的。またそのベースラインがこの曲のメインモチーフのようになっていて、ラリー・カールトンさんもCD Time=4:28やCD Time=4:51などでそのモチーフを使用した歯切れの良いパーカッシブなフレーズを奏でています。
特にエンディングでは、左チャンネルのバッキングギターでベースに絡めるようにモチーフを繰り返します。
08:ファーム・ジャズ
ドラムのループを使用したミディアムシャッフルのナンバー。ループも軽い感じのものなので、ベースがテーマをシンセとユニゾンで奏でギターがバッキングをするというライトなテイストで曲は進みます。
サビに入るとギターがテーマを奏でますが、そのテイストは変わらず。ギターの音もナチュラルに歪んでいますが、あくまでも軽い感じ。
9:テリー・T
ミディアムシャッフルのバラード。再び登場のフル・アコースティックギターでジャージーにラリー・カールトンさんがテーマを奏でていきます。
CD Time=2:09からラリー・カールトンさんのギターソロです。
フル・アコースティックギターのクリアで甘いトーンを抜群のジャズ・フレーズで聴かせてくれます。とは言ってもそこにブルースのエッセンスが入っているのがいかにもラリー節。CD Time=2:37のチョーキングからスライドを使用したフレーズは絶妙なニュアンスです。
10:イフ・アイ・クッド・アイ・ウッド
ギターソロ曲。ギターはソリッドギターのような感じの音なんですが、エフェクト効果で広がりと煌びやかさのある音で静かに奏でていきます。
しかし、ピッキングのニュアンスとかをしっかりと感じとることができてギターを弾いているリアリティを感じる演奏です。卒なく弾いていますが、このように『聴かせる』のは別の意味でのテクニックが必要ですね。
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作品の雰囲気としては、最近のラリー・カールトンさんのややブルース色のあるものと夜の彷徨などの黄金のフュージョン色との中間的作品かと。さらには、アコギの2作品の流れを強く持っていると言うところでしょうか。
ギター的にも、フルアコースティック、スチール弦のアコギの比重が高くES-335は全く使用していないような感じですね。
非常に静かでゆったりとした時間が流れていくと言う感じのする作品です。
そしてフレーズなどもいたってシンプルな感じを受けました。それは自然体と言うか、無理をしていないと言うか・・・。好き嫌いは別として、一歩進んだ大人の世界に入ったと言う感じがします。
発売当時はどちらかと言うと、夜の彷徨の世界観が好きでしたので、銃撃事件後の作品と言うことでの期待もあったのですが、この作品の持っているゆったりとした、悟ったような感じはあまり好みではなかったように想い出します。実際にこの作品以降、少しラリー・カールトンさんの作品から離れました。
先に大人になった彼についていくことが出来なかったと言う感じでしょうか・・・。
今回、久しぶりに聴いてみると、その雰囲気とゆったりとした感じ、そして自然な感じが実にフィットしました。それだけ年を重ねたと言うことですね。嬉しいやら、悲しいやら・・・。
(CD TOTALTIME:49:24/ Walking消費カロリー:198.59kcal)
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(*)本文に登場したCD・DVD
![]() | ラリー・カールトン・コレクション ラリー・カールトン by G-Tools |
![]() | On Solid Ground Larry Carlton by G-Tools |
![]() | ディスカヴァリー ラリー・カールトン by G-Tools |
![]() | アローン・バッド・ネヴァー・アローン ラリー・カールトン テリー・トロッター リック・マロッタ by G-Tools |





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