ライク・マインズ【その1】/ゲイリー・バートン、チック・コリア、パット・メセニー、ロイ・へインズ、デイヴ・ホランド 
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ライク・マインズ

ゴールデンウィークもほぼ終り。私はいつもながらでしたがwalkingの方は、連休中は人が多いので集中がなかなか出来ないのでちょっとご無沙汰をしました。と言うことで今日は久しぶりのwalkingバートン、コリア、メセニー、へインズ、ホランドさんのライク・マインズを聴きました・・・。


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この作品は1998年の作品。これだけのメンバーが揃うと悪いはずがない!と言える作品ですね。ジャケットを見る限りはゲイリー・バートンさんのリーダー作と言ったらよいのでしょうか。
しかし元々はパット・メセニーさんがゲイリー・バートンさんにメールで、チック・コリアさんとの3人で作品を創ろうと持ちかけたのが最初とか・・・。
久しぶりに聴きました・・・。


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walkingを終えて聴き終えたときの印象は、ひと言で言うと『満足』。ソリスト3人のソロがとにかく聴き応えがあって見事です。更にソロのみならず、バッキングでのかけ引きとアプローチに流石の上手さを感じました。

ヴァイヴとピアノ、ギターはどれもコード楽器としての役割が主。ですからハーモニーがぶつかるのでは?と想うのですが、ここが凄いところで、実に巧みに付かず離れず、いい味を出しつつ、お互いの音をよく聴いていて、一瞬のハーモニーの濁りさえ感じさせない・・・。それでいてしっかりインタープレイを絡めたバッキングをしています。

さらに、ソロプレイのフレーズなどを聴いていると実に個性的。そしてフレーズ自体がいわゆるスタンダードなジャズフレーズではなくて新しいジャズ、と言うか現代ジャズと言う感じを強く持ちました。このあたりの強烈な個性のぶつかり合いは、非常にサウンドのクオリティを高めていると想います。
ですから聴いていても非常に心地よい、それでいて非常にスリリング。

1曲つづ細かく聴いていきます・・・。


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01:クエスチョン・アンド・アンサー
パット・メセニーさんの言わずと知れた名曲です。さらにリズム隊はオリジナルと同じメンバーでドラムがロイ・へインズさん、ベースがデイヴ・ホランドさん。

全体の構成はほぼオリジナルと同じアレンジなんですが、ピアノとヴァイヴが入ることでかなり優しい感じに聴こえるのが不思議です。

イントロのシンコペーションのパターンは3人で奏でます。ストレートなコードですのでこの部分は、より広がりをもってサウンドしています。さらに、オリジナルではこのシンコペーションのパターンの『間』をパット・メセニーさんが『おかず』を入れていくのですが、このトラックではその部分をチック・コリアさんが和音で『おかず』を奏でています。

しかしCD Time=0:10からはゲイリー・バートンさんがその間を奪い、さらにCD Time=0:14で再びチック・コリアさんが奪い返します。

わずか20秒足らずのイントロなんですが、見事なかけ引きです。

テーマはヴァイヴとギターのユニゾン。今までに何回となく聴いたメロディラインなんですが、ヴァイヴが入るとまた違った爽やかさと言うか心地よさがあります。ヴァイヴでのメロディがしっかりと乗っているんです。
ギタリストが、特にギターで作曲をすると、いかにもギター的なメロディになりがちなんですが、まるでヴァイヴで奏でるために創ったかのような印象さえ覚えてしまうほどにピッタリとハマッていますね。パット・メセニーさんは鍵盤で創ったのでしょうか?

ファーストソロはチック・コリアさん。
テーマのバッキングの流れをそのまま引きずったようなフレーズでスタートします。バッキングをしている左手の歯切れの良いコードワークに乗せて丁寧にラインを奏でていきます。
CD Time=2:11からはテーマのメロディをフェイクして、クラシカルな展開でソロを閉めています。

続くソロはゲイリー・バートンさん。
出だしからハッとするような駆け上がりラインでスタートして一瞬にして世界を創ります。全体的に複雑でメロディアスなラインなんですが、よく聴いていると、実にテーマのメロディに沿って、ポイントではテーマのモチーフを上手く絡めていることが解ります。
究極のテーマのメロディ・フェイクとも言える見事なソロ・ラインだと想います。

最後はパット・メセニーさん。
相変わらず見事なメセニー節なんですが、ちょっとインパクトに欠ける感じがしました。これはフレーズとかの問題ではなくて、ギターの持っている音色のため。ヴァイヴと、ピアノの音があまりにもクリア過ぎるので、ギターの持っているある意味ダークな音質が際立ってしまった感じと言えばよいでしょうか。これはもう楽器の特性ですので仕方の無いことなんですが・・・。一転、ギターシンセなどで『かまして』も面白かったかも知れませんね・・・。

また、この作品の全体的な録音でもギターの音を少し弱めている部分があります。それはチック・コリアさんのピアノの音。左チャンネルにモノラルのように定位をさせていて、かつソロの時と音量の変化をほとんどつけていないので、ピアノの音がやや歪み気味で目立っています。

このテイクはファーストテイクと言うことですので、臨場感があって、ライヴ感が漂っていて良い感じではあるのですが、やはりピアノの音に耳が奪われてしまいます・・・。

CD Time=5:16からのイントロのパターンでのエンディング部分は3人のかけ引きがよく解る聴き応えのあるポイントになっています。3つの音の内、どの音を聴いても実に面白いです。
1人のプレイに集中していると、その他の2人との付かず離れずのプレイがよく解ります。それが3回楽しめると言うのは、一粒で3度美味しいと言う、まさに生きたインタープレイと言えると想います。


02:イルシデイション
パット・メセニーさんのアップテンポの楽曲です。テーマはヴァイヴとギターのユニゾン。実に軽快な4ビートで想わず体がスウィングしてしまうと言うのは、まさにこの感じですね。

言うまでもなく、それを牽引しているのが、ドラムのロイ・へインズさんとベースのデイヴ・ホランドさん。
さらに三者三様のアドリブラインがそれに拍車をかけています。

ファーストソロはチック・コリアさん。
アップテンポでさらに歯切れよさが増した左手のバッキングに速いパッセージを乗せて奏でていきます。

よく聴いていく内に、先ほどギターの音色を弱めていると言った録音が、かえって効果的なことに気が付きます。
と言うのは、ここでのバッキングはパット・メセニーさんでゲイリー・バートンさんはお休み。ピアノの音とギターの音が左右のチャンネルに振られていて、なお且つ音の定位が近いので両方の音を同時に聴く事が容易になっている感じがします。それはお互いの生のソロとバッキングの感性をリアルにリスナーが感じることができると言う効果になっていると想います。

例えば、CD Time=0:49の展開部分で、チック・コリアさんがロングトーンと和音でのフレーズを『しかけ』ると、パット・メセニーさんが同じ様な響きの和音とロングトーンで答えて、さらにグリスでのパーカッシブなフレーズで閉めて、それをきっかけにチック・コリアさんが再び速いパッセージに戻るところや、CD Time=1:12の細かいチック・コリアさんの左手のバッキングに、パット・メセニーさんが少しズレを持ちながらも、同じような細かなカッティングで答えたり・・・。
2人の息遣いが聴こえるような効果があって、これはなかなか肝!です。

続くパット・メセニーさんのソロの部分でも同じで、流れるようなメセニー節チック・コリアさんが絶妙なバッキングで『しかけ』ています。

それにしてもチック・コリアさんのバッキングは攻撃的なバッキングですね。これに答えられるのは、やはりパット・メセニーさんやゲイリー・バートンさんと言うことですね。ちょっと、たまりません!と言う感じになってきます。

そしてその感覚はゲイリー・バートンさんのソロの時にピークになります。
もうスタート部分のパット・メセニーさんのソロパートへの食い込みフレーズからして絶妙です。
ゲイリー・バートンさんの速いパッセージをセンターに、左右でチック・コリアさんとパット・メセニーさんがそれぞれにバッキングをします。
一聴、勝手に奏でているようでいても見事に隙間を埋める役割を暗黙の内にしているのが見事ですね。

それがよく解る部分が、CD Time=3:34から。
ゲイリー・バートンさんの先行するフレーズにチック・コリアさんがバッキングですかさず答えます。そしてゲイリー・バートンさんのテーマのモチーフである下がっていく和音のフレーズに、今度はパット・メセニーさんが対応、さらにチック・コリアさんが追従・・・。

特に、このソロのバッキングではチック・コリアさんが光っています。良くソリストのラインを聴いているのだと想います。本当によく絡んでいますね。
また、同じバッキングのパット・メセニーさんのフレーズにも絡んでいる感じがあるのが凄いところ。全体をしっかりと聴きながら、しかも攻撃的にしかけていく様は、まさにチック恐るべし!と言う感じで肝!です。


03:ウィンドウズ
チック・コリアさんのオリジナルの中でも、美しさの中にパーカッシブなテイストが入っていて個人的にはけっこう好きな曲です。

ソリストの3人は、このトラックでも印象的なソロを奏でているのですが、ソロの最後をとるパット・メセニーさんのソロはかなり良いラインだと想います。
速いパッセージや得意技にあまり走らずに、メロディアスにコード進行に忠実に弾き抜けている感じですね。特に、ソロの後半のCD Time=4:49からのラインはメロディアスでありながら絶妙なコードトーンで歌い上げています。

さらに、このトラックで印象的なのは、今まで、3人の影にあったデイヴ・ホランドさんのベースライン。実にいい味とグルーヴを出しているのが、ソリストの3人以上に印象的とも言えますね。


04:フューチャーズ
チック・コリアさんの書いた、ちょっとダークの響きのある中に幻想的な雰囲気のあるミディアムテンポのバラードです。

今までの曲からすると、少し箸休めのようでしっとりと聴き入ってしまうのですが、それでも、よく聴いていると、今までの曲のようにしっかりとソリストに絡んでいくチック・コリアさんのバッキングがあります。

特に顕著なのは、パット・メセニーさんのソロの中ほどのCD Time=4:22から。
チック・コリアさんがオドロ、オドロした様なトレモロ風のバッキングで『しかけ』ます。その後CD Time=4:27でパット・メセニーさんが同じくオドロ、オドロしたようなラインで答えます。
実は、このフレーズは今までの曲の中でパット・メセニーさんがバッキングで弾いている部分があります。例えば、1曲目のCD Time=5:42。パット・メセニーさんのバッキングのパターンとしてはたまに出てくるフレーズなんですが、それを知ってか、知らずか解りませんが、この場面で逆にそれで『しかけ』ていくチック・コリアさんは、まったく凄いと言うか、何と言うか・・・。


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既に、この4曲で完全にノックアウト気味になってしまうほどの演奏です・・・。
続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:68:24/ Walking消費カロリー:274.97kcal)

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曲名リスト
1. クェスチョン・アンド・アンサー
2. イルシデイション
3. ウィンドウズ
4. フューチャーズ
5. ライク・マインズ
6. カントリー・ローズ
7. ティアーズ・オブ・レイン
8. スーン
9. フォー・ア・サウザンド・イヤーズ
10. ストレイト・アップ・アンド・ダウン

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あとがき
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コメント (2)

このアルバム、パットが仕掛人だったとは初めて知りました。でも自分の名義にしなかったのは、あくまで師匠を立てたのでしょうか。ところでパットとチックの共演って、これ以外にありましたっけ?

猫ケーキさん
コメントありがとうございます。
まさに仕掛けが成功したと言う感じですね。
チック・コリアさんとの共演ですが・・・すぐに想い浮かびませんね・・・そう言われて見れば。

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