Walking de Music

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2008年06月Archives


2008年06月28日

NEW-S/T-スクェア 【1】

NEW-S

梅雨なんですが、あまり雨も降らないのでwalkingは順調・・・ですがアップは久しぶりになります。と言うことで昨日はT-スクェアNEW-Sでwalkingをしました・・・。

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この作品は1991年のリリース。サックスの伊東たけしさんの脱退後、本田雅人さんが加入しての最初の作品になります。
当時は、ポップテイストからかなりジャズ的な側面が押し出されたような印象でしたが、とにかく、1曲目のMEGALITHのインパクトがかなり強くありました。
個人的には丁度、T-スクェアのコピーバンドに加入したか、しないかくらいの時期でその意味でもT-スクェアをしっかりと聴いた最初の作品とも言えます。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『非常にまとまりがあってバランスがいい』

通して聴いた時に、非常にすんなりとスムーズに聴くことができました。

まずは全体的なサウンドが解りやすく音が良いと言うこと。
突飛な音や攻撃的な音はほとんど無くて、全体的な統一感のあるサウンドに仕上がっています。また、音のバランスや定位も綺麗にまとまっているのでヘッドフォンでもかなりの広がりを聴かせてくれます。

そして、楽曲のよさ。
全体的には、もう少し激しい感じのイメージがあったのですが、どちらかと言うと落ち着いていて、1曲目から最後の10曲目までの流れと構成がスムーズで飽きがきません。かといってBGM的かと言うとそうではなくて、1曲ごとのクオリティが高く、バリエーションに富んでいて適度なテンションも感じることができます。

コピーバンドをしていた関係で、通して聴くことはほとんどなく、聴く曲はそれこそ隅々まで聴きましたが、聴かない曲は全く聴かないと言うのが当時。ですから、この全体の完成度には少々驚いたと言うか、こんなに良い作品だったっけ?と言うのが正直な部分です。

さらに、本田雅人さんが当時新加入と言うことで、全面的なフューチャーと言う感じがあるのですが、EWIが意外に少なかったです。もっとたくさん吹いていたような感覚があったのですが。これは『サックス本田雅人』を押していた私としては嬉しい気付きでした。
その分、ギターの安藤まさひろさんのソロ・プレイやリリカルな和泉宏隆さんのピアノ・ソロなどが少ないのがマイナスと言えばマイナスかなと。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:MEGALITH
1小節目のいきなりのホーンセクションから、シンセベースの16分音符のライン。シンセベースが曲中は終止流れていて、それをコアに楽器を重ねていくと言うような楽曲の構成。そのために打ち込み色が強いのですが、とにかく曲がカッコ良い!
実はこの曲は、コピーバンドでも一番演奏したかった曲。しかし、私には曲決めの決定権がなかったのでいつも却下されていた曲なんです。その意味では、T-スクェアの楽曲の中での1、2番を争うくらい好きな曲です。

テーマは安藤まさひろさんのギターと本田雅人さんのサックスがユニゾンで奏でていきます。

ファーストソロはドラムの則竹裕之さん。
シンセベースの16ビートに乗って、スネアとタムまわしを中心に奏でていきます。
そのラインを奪い取るように本田雅人さんのソロがスタートします。
老舗バンド、新加入一発目のソロ!と言うことで聴く方も当時気合いが入ったと想うのですが、もともとが実力者ですので、全く問題なかったと言うソロを展開します。
CD Time=2:27からのポリリズム的なフレーズは音の選択が見事で、その後でドラムの則竹裕之さんが絡んでくるところは、打ち込み色が濃いアレンジなのに、とてもバンド的でヒューマンな感じがします。

再びサビに戻り、CD Time=2:38からはユニゾンに入ります。
このユニゾンの部分ではシンセベースの16分音符での打ち込みがありません。その代わりにベースの須藤満さんが、おしん的な16分音符を刻みます。そのために、この部分が曲にアクセントをつけて、単調な雰囲気から救いつつも今までの流れを継続させていると言う見事なアレンジになっています。
そして、ユニゾンの最後の部分が拍の取り難いシンコペーションになっていて、そのリズムを持った全体のシンコペーション・パターンに入ります。
この部分で絡んでくる本田雅人さんのソロ・ラインと拍頭を混乱させるような則竹裕之さんのおかずがやはり効いています。

エンディングはサビのパターンで、最初はフレーズ間に短いソロを絡めていた本田雅人さんが、CD Time=4:00からさらに強烈なソロを展開します。
スタート部分の超高音でのベンドを使用したフレーズは凄いですね。さらにCD Time=4:17の絶妙なアーティキュレーションのフレーズからCD Time=4:21の高音でのロング・トーン。つづけてCD Time=4:23までのフレーズまわしは肝!です。

再びユニゾンに入るのですが、今度はドラムの則竹裕之さんがタムで暴れていますので、中間の部分にはない華やかさを醸し出しています。

そしてエンディング・・・その後も5秒くらい飛行機のエンジン音が遠のいていくようなエフェクトがなり続け、次第にフェードアウトされていきます。

やはりいい曲だと想います。
曲としては、メロディがそれほど良いと想わないので、いい曲と言うのは少し違う感じもするのですが・・・。単にメロディやコードと言うことでは無くて、アレンジや演奏も含めた全体の創りが見事だと想うのです。
私が個人的にいい曲と想うかどうかには、『メロディやコードが単純に良い曲』と『この演奏、録音だから良い曲』と『単に想い入れがあるので良い曲』と言う3つのパターンがあります。この曲はまさにその真ん中の良い曲と言えます。


02:ガーティーの夢
安藤まさひろさんのアコギが効いているイントロに本田雅人さんの鳥のさえずりを想い起こさせるようなソプラノサックスの綺麗な音が絡みます。
軽いボサノバのリズムに乗ってリリカルにテーマを本田雅人さんが奏でていきます。テーマの最初のメロディの4音目の音が素早くスラーされているのですが、このニュアンスが絶妙ですね。

ファーストソロは和泉宏隆さんのピアノ。
クラシカルにリリカルに奏でられていきます。CD Time=2:17からのフレーズは同系の短いフレーズが段々と低い音へ下がっていくフレーズ。その後やや速めのパッセージでソロを閉めます。特に激しいアクセントやスタッカートなフーレズは無くて、あくまでも流れる様にクラシカルに展開していきます。

CD Time=3:12からイントロのパターンに絡んで本田雅人さんのソロなんですが、テーマの終りの部分からロングトーンを続けてソロにそのまま入ります。そして緩やかな波のようなアーティキュレーションでつないでいきます。この部分のソプラノサックスの音がとても綺麗です。
テンポが戻ってソロはつづきますが、ここではゆったりとしたフレーズを前半は奏でて、後半になってくると速いパッセージやフラジオなどが段々と出てきて盛り上がってくるところで残念ながらフェードアウト。

1曲目がアルトサックスで聴かせて、そして今度はソプラノサックスと当時新加入の本田雅人さんの力を十分に聴かせてくれる構成になっています。多分、伊東たけしさんの脱退で心配をしていたファンにも納得の構成だったのではないかと想います。


03:真夏のため息
重めのビートの中にも少し跳ねたリズムが夏らしさとため息が出るような憂鬱な感じを出しています。
夏らしいライトな感じは、ドラムの則竹裕之さんの軽いスネアとハイハットの8ビート。そしてため息の部分は、5弦ベースの一番低い弦をD=「レ」にチューニングした須藤満さんのラインが醸し出しています。

テーマは安藤まさひろさんのアコギが奏でていきます。
先ほどはナイロン弦でのプレイでしたが今度はスチール弦でのプレイ。ギターの音色の元をしっかりとセンターに定位させつつ、スチール弦のでのプレイによって生まれる金属的なフィンガーノイズをわずかに右側に響かせると言うエフェクト処理をしていて音に広がりをもたらしています。

CD Time=0:56はサビ前のブレイク部分。則竹裕之さんのバスドラがいい響きのゲートリバーヴに乗っていてアクセントになっています。

つづくサビは本田雅人さんのサックスと安藤まさひろさんのギターでのユニゾンでメロディが奏でられていきます。CD Time=1:10のブラスの入り方が絶妙なタイミングですね。

ベースとのユニゾンフレーズを挟んで安藤まさひろさんのソロです。
CD Time=1:58からのフレーズはジャズ的なライン。そのままジャージーに奏で、CD Time=2:12のスケールチェンジへ。実はソロ前のユニゾンの部分を演奏することで、このソロはD♯m7で前半は進みます。このコードは曲のキーの半音上がりと言うことになります。ですから、この部分が際立つと言うことになるわけです。そしてスケールチェンジは半音下がると言う展開。安藤まさひろさんはごく自然にフレーズをつないでいます。

そして本田雅人さんのソロ。
こちらもジャージーに決めます。同じくスケールチェンジはスムーズで余裕のあるまとまったソロを展開しています。

エンディングではイントロのパターンで再び本田雅人さんのソロです。
こちらは先ほどの曲中でのソロとは違ってだいぶ熱いソロを回していきます。そして、タンギングでの短いフレーズの連続に則竹裕之さんが絡んでいく部分はグルーヴが加速していきます。しかし残念ながら程なくしてフェードアウトしていってしまうのです・・・。


04:LITTLE LEAGUE STAR
T-スクェアらしさのある元気の出るロックテイストの8ビートの曲です。ここでテーマを奏でるのが本田雅人さんのEWI。
今やEWIとのイメージも合っているのですが、当時は本田雅人さんはEWIはどのくらい使っていたのでしょうか。どうしても、EWI=伊東たけしさんと言うイメージが強いので、さぞ吹きにくかったと想うのですが。ちなみに個人的にはEWI=マイケル・ブレッカーさんなんです・・・。

この曲は安藤まさひろさんか和泉宏隆さんの曲だと想っていたのですが、今回ライナーノーツを見たら本田雅人さんの作曲なんですね。CD Time=1:32からの中サビの部分のコード進行が結構いい感じでT-スクェアらしさが出ています。

ソロは激しく歪んだ音での安藤まさひろさんと本田雅人さんのEWIの掛け合いになっています。
安藤まさひろさんがアーミングとライトハンド奏法を多用したロック的なフレーズで先行します。それに対して本田雅人さんも似た3連のフレーズを出して応戦します。さらに、お互いに速いパッセージの応酬になって、短いながらも聴き応えのある掛け合いを展開します。

テーマを挟んで須藤満さんのソロ。
スラップではなくてピチカートで劇的でコード進行に乗って速いパッセージを奏でます。


05:YOUR RESTLESS EYES
ミディアム・ビートのバラードです。ここでも須藤満さんが低い音のベースラインで陰鬱なコードの雰囲気を出しています。

テーマは本田雅人さんのソプラノサックス。
サビ前からサビに入ると、曲は一転して親しみ易く解り易いメロディになります。少し情緒的で、悪く言えば歌謡曲の香りがするメロディは安藤まさひろさんのある意味得意技。少々陳腐な香りもするメロディなんですが妙に印象に残るラインに仕上がっています。

ファーストソロは和泉宏隆さん。
ここでもフレーズはいたってレガート。流れる様に綺麗なメロディを奏でていきます。かなりクラシカルな展開が曲調にも合っています。

エンディングは本田雅人さんのソプラノサックスソロ。
全体的に速いパッセージを控えて音数を少なくして、朗々と歌い上げていくと言う感じのフレーズ展開です。ソプラノサックスのロングトーンが非常に綺麗です。そのまま曲はフェードアウトしていきます。

実はこの曲でもうひとつ凄いと想ったのが、須藤満さんのベースラインと則竹裕之さんのバスドラ。少しルーズな感じのラインなんですが、これが乱れなくピッタリとあっています。そのために凄いビート感が出ていますね。しかも、単に譜面上あっていると言うことだけではない、何かもっと奥の深い、凄みを感じてしまいました。

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と言うことで続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:55:32/ Walking消費カロリー:223.24kcal)

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NEW-SNEW-S
T-SQUARE

曲名リスト
1. メガリス
2. ガーティの夢
3. 真夏のためいき
4. リトル・リーグ・スター
5. ユア・レストレス・アイズ
6. ミッドナイト・サークル
7. ザ・サマー・オブ・’68
8. ナブ・ザット・チャップ
9. ロマンティック・シティ
10. ホエン・アイ・シンク・オブ・ユー

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あとがき
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2008年06月13日

フューズ/フューズ・ワン

フューズ

梅雨に入ったのですが、何故か雨が私のwalking場所では降らないのです。ですからいたって順調に運動をしていると言うわけです。と言うことで昨日はフューズ・ワンフューズwalkingをしました・・・。

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この作品は1980年のリリース。当時CMソングとしても使用されていたので物凄くカッコ良いイメージがあったのですが、ほぼ忘れていると言うのが実際です。
プロデューサー、クリード・テイラーさんによるオールスター・セッション・アルバムですがメンバーを見ると確かに凄いメンバーです。超豪華な顔ぶれのこの作品でwalkingをしました・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『時代を感じるサウンド・・・』

もっと攻撃的なカッコの良いサウンドだったような気がしていたのですが、意外に大人しいサウンドでした。
細かい演奏内容は後述するとして録音があまり良くないのが感想です。
とは言っても、聴いているCDプレイヤー自体があまりいい物ではないのですが、そのあたりを差し引いてもバランスの悪さが目立ちます。古い作品に対して録音のことを言うのは酷な感じもあるのですが・・・。それでも今回のCDはリマスター盤なんです・・・。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので
1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:グランプリ
スペーシーなロニー・フォスターさんのシンセでのオーケストレーションから、アップテンポのファンキーなリズムが入ります。テーマはそのままシンセで作曲者でもあるロニー・フォスターさんが奏でていきます。

そのテーマをセンターにして、左チャンネルがパーカッション、右チャンネルがもうひとつのシンセ、そしてセンターのバックにドラムとベースが定位しています。
さらにセンターでギターの単音カッティングのような音が入っているのですが、どうも音色がやけに太い感じがするのでこれはスタンリー・クラークさんのテナー・ベースでは?と想ったのですが、良く聴くとやはりギターですね。このギターはジョン・マクラフリンさん。
ちなみに、パーカッションはポウリーニョ・ダ・コスタさん、シンセはジェレミー・ウォールさん、そしてドラムはレオン・チャンクラーさん。

サビに入るとジョー・ファレルさんのテナーサックスがリズムリックなテーマに加わります。サックスの音は完全にセンターに定位していて、やや騒がしいようなリバーヴがセンターで響き渡っています。ちょっと線の細い音と言うかモノラル的な音になっています。
同時にサビの終り部分でドラムのタム流しのおかずが入るのですが、これまたモノラル、センター定位。ですからタムの動きがまったく解らないような感じの録音になっています。

ファーストソロはスタンリー・クラークさんのテナー・ベース。
非常に歯切れの良いフレーズで流石の上手さを感じます。
続いて、ジョー・ファレルさんのテナー・サックスソロからロニー・フォスターさんのエレピソロへとつながっていきます。

それにしても、ほとんどの楽器がセンターに定位している感じで、ステレオ感があるのはシンセのみと言うサウンドに仕上げています。意図的なことだとは想うのですが、センターによっていることによって、特にスタンリー・クラークさんのベースラインがクリアに聴こえないのが物凄く残念ですね。


02:ウォーター・サイド
センターのアコギでのやや激しいカッティングはラリー・コリエルさん。そのカッティングを包むようにストリングスがメロディを奏でます。

ジェレミー・ウォールさんのエレクトリック・グランド・ピアノでのテーマに入るといきなりギターが綺麗なギターカッティングの音に変化して、さらに左右のチャンネルに振られて一気に広がりを聴かせてくれます。
このジェレミー・ウォールさんの奏でるエレクトリック・グランド・ピアノはクレジットからYAMAHAの製品と言うことがわかります。それにしてもちょっと・・・と言うレトリックな音ですね。当時は最先端の楽器だったのだと想いますが・・・時代を感じます。

ファーストソロはラリー・コリエルさん。
前半はエレクトリックでのソロになります。それにしても、アンプダイレクト!リアピックアップ!そして強いピッキング!でナチュラルに歪んでいると言う、生一本!と言うような音。個人的には少し耳に痛い音でありますが・・・。
後半はアコースティックでのソロに変わるのですが、こちらは、今もあまり変わらない独特のトーン。ナイロン弦ではないのですが、適度な丸さと、いかにも弦が弾けていると言う感じの音で、個人的には結構好きな音色です。
フレーズもまるで別人が弾いているかのような違いがあって、ラリー・コリエルさんはそんなに多く聴く方ではないのですが、ボキャブラリーの多さを感じるプレイです。
ちなみに淡々とブラジルテイストのリズムを刻んでいるのは、ドラムのレニー・ホワイトさんとベースのウィル・リーさん。


03:サンシャイン・レディ
綺麗なピアノの音色からスタートする爽やかさの漂うシャッフルのバラードです。
テーマはジョー・ファレルさんのソプラノサックスにジョン・マクラフリンさんのナイロン弦のアコギがユニゾンを奏でていきます。
しかし、若干違和感を感じるのが、ピッチがピッタリと合っていない感じがするためです。私の耳のためか、実際に合っていないのか、それともお互いの個性が強すぎるのか・・・

ファーストソロはジョー・ファレルさん。
今までのテナーサックスとは違って実に綺麗な音で奏でられています。朗々と歌う感じがなかなか良いですね。
それを受けてジョン・マクラフリンさんのソロです。
いたってデッドに録音されているので、音が生々しいです。それでもいい感じのライン展開で、時折聴かせてくれる速いパッセージの粒が見事に揃っているのは流石です。


04:トゥ・フーム・オール・シングス・コンサーン
シャッフル4ビートと言ったら良いでしょうか。複雑なテーマの流れを持っているフュージョンらしい、攻撃性を持っている曲です。
テーマは前の曲と同くジョー・ファレルさんとジョン・マクラフリンさんが、それぞれテナー・サックスとエレクトリックに持ち替えて奏でていきます。
4ビートになりそうでならないスタンリー・クラークさんの微妙なベースラインに、もどかしさの中にも快感を覚えていましそうです。

ファーストソロはジョン・マクラフリンさん。
クリアトーンでややフレーズをテヌートに奏でていきます。ここは一発速いパッセージを!と想っていると肩透かしを喰らうようなルーズな感じで、続くジョー・ファレルさんのソロに奪い取られていきます。と言うのも、スタートはいきなりの3連16部音符でのポリリズムパターンを高速に決めてきます。相手がジョン・マクラフリンさんだからでしょうか?そんな中にもジャージーさのあるラインで攻めのソロを展開します。

フェードアウト近くで暴れるドラムのレオンチャンクラーさんのプレイが結構良いですね。レオン・チャンクラーさんのプレイはクルセイダーズ時代に聴いたくらいでそんなにお馴染みではないのですが、ファンキーに攻め入ってて、スタンリー・クラークさんが逆に大人しい感じさえ受けてしまうプレイになっています。


05:ダブル・スチール
この曲は当時TDKのCMソングに使用されていたナンバーです。
今回クレジットでそのこと読んでもどんな曲だったか、はっきり想い出せませんでした。曲がスタートしても?と言う感じでしたが、テーマ前でとても印象的に入るシンセのキメフレーズを聴いてはっきりと想い出しました。

レオン・チャンクラーさんの淡々とした8ビートにウィル・リーさんのアフターにビートを引きずるようなスラップのラインが実にいい感のテンポを刻んでいきます。今まで聴いてきた曲とは随分違う感じで、特に録音に広がりを感じます。

聴き所はジョー・ファレルさんのテナーサックスソロ。
ソロスタートは1小節休み2小節めから入ります。そしてワンフレーズ終わって、CD Time=2:32から次ぎのフレーズに入り、さらにそのフレーズを短めにまとめて、CD Time=2:36から次ぎのフレーズに移ります。このフレーズのブレイクが、何とも言えない絶妙なタイミングで肝!です。この部分はあくまでもフレーズ間で、実際には音を奏でてはいないのですが、フレーズのつながりが空気感で解る!みたいな、聴こえない音を感じることができますね。


06:フレンド・シップ
幻想的なストリングスからジョー・ファレルさんのフルートとジョン・マクラフリンのアコギがまさにフレンドと言う感じで絡み始めます。

インテンポになってからフルートの旋律に絶妙にジョン・マクラフリンさんのアコギが絡んでいきます。
さらにその2人の間に時々、それでもさり気なく割って入るエレピが綺麗です。これはドン・グルーシンさんのプレイです。

CD Time=1:45からジョン・マクラフリンさんがソロを奏でるのですが、ここでは、今までささやかに絡んでいたドングルーシンさんのエレピが絡んできます。
すると、それを裂くように今度はスタンリー・クラークさんのベースが割って入ってきます。そして、またしてもエレピはささやかにバッキングに徹していきます。

途中の単音のラインでのジョン・マクラフリンさんのカッティングを合図に曲は一気にテンポアップしていきます。

そのテンポに乗ってジョン・マクラフリンさんが速いパッセージでソロを展開します。
そのラインに今度はドラムがタムまわしやバスドラワークで絡んでいきます。これはトニー・ウィリアムスさん。その流れは、そのままフルートのジョーファレルさんのソロにつながっていきます。

再び曲はスローな展開に戻ってエンディングに入っていきます。いろいろなインタープレイが楽しめるトラックに仕上がっていてこの作品の中でベストトラックだと想います。


07:タクシー・ブルース
結構ストレートなブルース進行を持った曲ですが、イントロの部分のスタンリー・クラークさんのスラップを使用したベースラインのグルーヴが凄いです。

テーマはユニゾンでギターが奏でていきます。これはラリー・コリエルさんのオーバーダビングです。そのテーマに乗ってますますスタンリー・クラークさんのスラップは加速していって、今度は和音を混ぜながら抜群のグルーヴを生み出していきます。

ファーストソロはラリー・コリエルさん。
比較的ストレートなフレーズ回しなんですが、CD Time=2:15からのハーモニクスを使用した煌びやかなフレーズに想わずハッとさせられます。

かなりラフな雰囲気で曲は進んでいくのですが、それにしてもスタンリー・クラークさんのスラップでのブルース・ラインが見事で、今まで割合に地味めな感じでのプレイだったのですが、最後に爆発と言う感じで肝!ですね。


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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『時代を感じるサウンド・・・』でした。
実際に細かく聴いていくとやはりその感じはあります。
良し悪しと言うことではなくて、かなりレトロな感じがしました。

walkingを終えた時は、録音自体があまり良くないと言う感じを持ったのですが、それぞれの楽器の音色や時代と言うことを考慮して、細かく聴いてみるとそれほど悪いと言うことではありませんでした。
しかし、楽器間のバランスと定位については、あまり良くないと言うか、好みではないので、やはり気になりました。

鍵盤楽器は綺麗に広がりを持っているのですが、その他の楽器についてはとにかくセンターに集中をしているので音がゴチャッとした感じがあります。
特にドラムについてはほぼモノラル的な感じがします。その為かどうか解りませんが、ベースがあまりクリアに聴こえません。
さらにギターをはじめにデッドな音で耳に痛い感じがしました。

ジャケットのデザイン、メンバー、それからTDKのCMと言うところから、非常に音の良い洗練されたカッコ良いサウンドと言うイメージが頭な中で出来ていましたので、少し肩透かしを喰った感じがありますね。
そのギャップの大きさがよりレトロな雰囲気を感じさせたのだと想います。

(CD TOTALTIME:37:38/ Walking消費カロリー:151.29kcal)

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フューズフューズ
フューズ・ワン

曲名リスト
1. グランプリ
2. ウォーターサイド
3. サンシャイン・レディ
4. トゥ・フーム・オール・シングス・コンサーン
5. ダブル・スチール
6. フレンドシップ
7. タクシー・ブルース

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あとがき
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2008年06月10日

MASUOライヴ/増尾好秋 【2】

Masuo ライブ

増尾好秋さんのMASUOライヴのTrack05から先回の続きです・・・。

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05:アイ・ウィル・ファインド・ア・プレイス
サンバのリズムに乗って歪んだギターのトーンでカッコ良いメロディを増尾好秋さんが刻んでいく曲。コード進行や途中のリズムのシンコペーションなどが攻撃的でこの曲も時代のフュージョンサウンドと言う感じがします。

ファーストソロは軽快にヴィクター・ブルース・ゴッジーさんがエレピで奏でていきます。
コードが結構変わっていってスケールの選択も難しいのですが、流れるようなフレーズ回しで、バックのビートと合体して想わず体が動きます。

再びテーマを奏でた後のCD Time=2:22から曲はさらに展開していきます。
増尾好秋さんのローコードを使用したロングトーンにヴィクター・ブルース・ゴッジーさんのアフロキューバン的なエレピが重なるブリッジを経て、曲はさらにラテンのフレーバーを加速させていきます。
そのリズムを加速させるのに一役かっているのが増尾好秋さんのフィードバック。
今はエフェクターで簡単にフェードバックをかけることが出来ますが、多分この時代はストレートにアンプを使用していたと想います。綺麗に掛っていますね。

そのまま増尾好秋さんのソロに入っていきます。
前半はロングトーンをひとつのキーとしてその周りにスパニッシュと言うかラテンの小フレーズを展開します。

CD Time=4:44からのフレーズはちょっと理解が難しい音の選択。この合っているようで微妙にアウトしているのが実に心地よいです。

後半になるにしたがって次第に音数が増えて言って速いパッセージが飛び出し始めます。
CD Time=7:00からはクロマティックに下がっていって、アウトしている音での5連符のポリリズムの連続フレーズに入ります。このフレーズはちょっと宙に舞っているような感じがして結構好きです。

ちょっとしたキメのフレーズを挟んでCD Time=7:34からはサンバのリズムに乗せてロビー・ゴンザレスさんのドラムソロです。

細かいスネアワークからスタートして、段々とタムを絡めていき、そしてシンバルとスネアのアクセントでフレーズを広げていきます。再度キメを挟んで、今度は単独のドラムソロに入ります。
CD Time=9:00からのスネアワークが絶妙に上手いです。途中に入るハイハットのオープンがいいアクセントになっていますね。
ソロの後半はドラムの音が左右に行ったり来たりするエフェクトに、フランジャーなどで創り出したジェットマシーンのような効果が加わります。多少時代を感じる演出ではありますが、迫力のある展開になっています。

エンディングで増尾好秋さんのロビー・ゴンザレスさん紹介のMCが入ると、繋がったまま次ぎの曲へ入っていきます。


06:豪風
前のドラムソロから引き続いて、この曲はベースのT.M.スティーヴンスさんのソロフォーマンスからスタートします。ですから正確には5曲目と6曲目はドラムソロとベースソロを挟んでメドレーになっていると言うことになります。ライヴの演出上、なかなか盛り上がる構成です。

スペーシーなエフェクトをバックにしてベースでのロングトーンでのラインがスタートします。
しばらくしてそれを断ち切るようにヴォイスでの叫びが入ります。誰の叫びかの明確なクレジットはありませんがT.M.スティーヴンスさんのでしょうね。流れから・・・。

CD Time=2:40からは和音とハーモニクスを絡めた奏法で静かに奏でます。このあたりのハーモニクスセンスはちょっとジャコ・パストリアスさんを想い起こさせてくれます。

と、それを裂くように超スピードの速弾き6連符のダウンフレーズへ。これには想わずオーディエンスも手拍子を打ちます。

凄いのはこの後のCD Time=3:23のりズミックなフレーズ。
2拍4拍でアクセントを入れて和音でのフレーズを奏でていきます。この感じはエイブラハム・ラボリエルさんが得意としているようなファンキーなフレーズをもっとマイナーにして攻撃的にした感じと言えば良いでしょうか。この様なフレーズを聴いていると、単なる超絶ベーシストではない部分を物凄く感じます。

ドラムも入ったCD Time=3:52からのスラップフレーズは、櫻井哲夫さん的フレーズ。と言ったらT.M.スティーヴンスさんに申し訳ないのですが、櫻井哲夫さんの方が馴染みがありますので・・・。カシオペアサンダーライヴのベースソロの終りに演奏しているフレーズですね。
先ほどのドミノ倒しと言い、この作品をカシオペアのメンバーは良く聴いていたのでしょうか・・・。でも時期的にはほとんど同じ時期になりますね。まあ、スラップでは2人に限らず良く使用されるフレーズではありますが。

トリルからドラムが入ってアップテンポになります。そのバックで速いパッセージを連続して奏でていきます。でも、単に速いだけではなくて、フレーズが結構ギター的。そして途中のブレイクや和音などバリエーションに富んでいて、且つ迫力があって・・・やはりボキャブラリーの広いベーシストだと想います。その極めつけが、CD Time=5:56からの4ビートでのランニングベース。

そしてソロのエンディングでは再び超スピードの速弾き6連符のダウンフレーズ。今度はドラムとのユニゾンで決めます。そして、豪風に入っていくと同時に増尾好秋さんのMCが入ります。この展開も興奮しますね。カッコ良い・・・。

この曲はセイリング・ワンダー(*)に収録されていて括弧書きでフォー・ソニーとあります。ソニーと言うのは、増尾好秋さんが世界的なギタリストになるきっかけとなったバンドのリーダー、かのソニー・ロリンズさんのこと。個人的にはソニー・ロリンズさんとこの曲のイメージってあまり合わないのですが・・・。

この曲はテーマ自体が複雑な音の運びとリズムを持っていて、それでいて何ともラテンフレーバーのメロディアスなラインです。特に個人的には、スウィープピッキング的な奏法で効果を出しているCD Time=7:24のピックアップのフレーズが肝!です。
またテーマの面白さもありますが、何と言ってもベースのおしん的なラテンのリズムをもったパターンにも魅力があります。これをこのテンポで続けるのは結構大変だと想います。
さらにT.M.スイティーヴンスさんは、CD Time=8:15のように先ほどから連発している超スピードの速弾き6連符のダウンフレーズを絡めてアクセントとスピード感を加速させています。これは結構肝!です。

CD Time=8:30から増尾好秋さんのソロがスタートします。
最初はロングトーンのフレーズをバックの細かいビートに乗っかるように優雅に奏でていきます。CD Time=8:15からはポリリズムのフレーズ。音の選択が見事で機械的なフレーズであるにも関わらず歌っているフレーズに仕上がっています。そして微妙なバックとのズレを生み出していてなかなかグッと来るものがあります。

CD Time=9:47からは3連符とロングトーンに高い少し哀愁のあるような音を絡めたフレーズをモチーフに展開していきます。そして速いパッセージに突入します。やはり音の選択とモチーフの展開が見事で、このようなワンスケールでしかもフリーサイズのソロはネタ切れと言うことが起こりうるのですが、かなり効果的な奏法テクニックだと想います。

このままソロのエンディングに向けて、段々と熱くなっていく増尾好秋さんのプレイを聴くことができます。

再びテーマに戻りそして、怒涛のエンディング。オーディエンスの大拍手と大歓声の中、増尾好秋さんのお礼のMCでフェードアウトしていきます・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『やっぱりすげェ・・・これは』
それは細かく聴いた今も全く同じ感想です。

サウンド的に言うと、全体の音がオーバーめでかなり歪んでいます。特にギターの音がハウリングギリギリのような感じの設定で多少聴き難い鋭い音になっています。
また、2曲目では増尾元章さんのソロをパンニングしたり、ドラムにジェットマシーンのような効果をエフェクトしたり、4曲目のドミノ倒しの時のT.M.スティーヴンスさんの音を唐突にセンターから左チャンネルにふったり・・・。

その意図している効果は良く解るのですが、創りが全体的に粗いというのは確かです。もちろん同時に演奏自体も同じで、細かな部分ではかなり荒削りのところがを感じます。あくまでも今聴くと・・・と言うことなんですが。

それでも、そんなものを全て吹っ飛ばすだけのパフォーマンスとテンション。
そして粗さも味のうち!と言えるライヴ感、臨場感。
さらに迫ってくるようなパワーがあるのが実際で、それだけで名盤と言えるだけの凄さのある『すげェ』作品だと想うのです。

トータルで約50分。切れ目無く繰り広げられるパフォーマンスにしっかりと聴き入ってしまいます。

増尾好秋さんのこの作品だけではなくて、この近年にはJ-フュージョンの名作と言えるライヴ作品が生まれています。
1979年の渡辺香津美さんのKYLYN LIVE
1979年のプリズムプリズム・ライヴ
1980年のカシオペアサンダー・ライヴ
そして1980年のこの作品・・・。
全て1~2年の期間ですので、リアルタイムで観た方は、本当にうらやましいと想います。

いずれもパワーに溢れていて、J-フュージョンのエポック的な創成期の名作たち。
これらの作品のパワーはまさにあの時代が創ったエネルギーと言う感じがします。

(CD TOTALTIME:48:34/ Walking消費カロリー:195.24kcal)

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Masuo ライブMasuo ライブ
増尾好秋

曲名リスト
1. ディーリング・ウィズ・ライフ
2. グッド・モーニング
3. ルック・アウェイ・フロム・ミー
4. ア・スリーサム
5. アイ・ウィル・ファインド・ア・プレイス
6. 豪風

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セイリング・ワンダーセイリング・ワンダー
増尾好秋
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あとがき
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2008年06月08日

MASUOライヴ/増尾好秋 【1】

Masuo ライブ

今年の梅雨は珍事が起こっているようで、関東甲信地方が梅雨に入ったにも関わらず九州などではまだ入っていないらしい?そんな梅雨の晴れ間に昨日は増尾好秋さんのMASUOライヴでwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1980年のリリース。ほぼリアルタイムに近い時に本当に良く聴いた作品です。
増尾好秋さんの作品はこのライヴが実は最初に聴いた作品で、その後でセイリング・ワンダー(*)やグッド・モーニング(*)を聴いたと言う逆の流れを辿っていきました。
その為、このライヴでのハードな面とソフト&メロウな面のギャップに戸惑い、その後ほとんど聴かないままに増尾好秋さんの作品は自分の中である意味お蔵入りとなってしまったわけです。
先日、たまたまこのライヴを含めて3枚ほどのCDを手に入れることが出来ました。どの作品をレビューしようか?と考えた時にやはり当時聴いた順番にと言うことで、今回は、下手をしたら20年ぶりくらいに通して聴くことになるであろうこの作品でwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『やっぱりすげェ・・・これは』

『すごい』では無くて『すげェ』と言うニュアンスがミソで、とにかくその圧倒的なパワーがまさに『すげェ』と言う感じでした。さらに細部に渡って覚えているんですね。これが。人間の記憶と言うものは、こちらも『すげェ』と想いました。ソロなどはメロディをしっかりと覚えていて一緒にフレーズを歌うことが出来ました。
特に良く覚えていたのはベースのT.M.スティーヴンスさんのプレイ。今聴くと粗さはかなりあるのですが、それでも強烈なパワーとインパクトがやはりありました。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:ディーリング・ウィズ・ライフ
ドラムのロビー・ゴンザレスさんのカウントにオーディエンスの拍手と歓声が重なり、1拍早く増尾好秋さんのフレーズがスタート。
このイントロの部分をカッコよくしているのは、リズムやメロディもありますが、大きな部分としては分数コードを連続しているところ。分数コードと言うのは、文字通り分数で表示されるコードのことで、例えば、F/GとかG/Aとか。
非常にお洒落なコードで、特に現代のポピュラーソングには欠かせないコードと言えます。この時代のフュージョンはこの分数コードを多用することが多くて、それがひとつのサウンドの特徴になっていたりします。

この後のブレイクでのT.M.スティーヴンスさんのベースが無条件にカッコいい!
基本的にはこの曲のベースパターンを刻んでいるのですが、1回目はパターンの後、スラップのかきむしり的な荒々しいフレーズで締め、2回目はパターンの後、ハーモニクスで締めます。
そしてドラムがインして、絶妙にスネアと連動したパターンに変えて、最後は6連符の速いダウンフレーズで締めます。それを受けて、ドラムのロビー・ゴンザレスさんのスネアが同じく6連符で決めて、全体のリズムがインしてきます。
この部分は、本当に肝!で、過去に何回となく聴いたのですが、やはり今回も何回か想わずリピートをしてしまいました。・・・無条件降伏です。

リズムが入ってからも超絶なベースパターンは続いているのですが、耳に飛び込んでくるのは左チャンネルのヴィクター・ブルース・ゴッジーさんのエレピバッキング。これはフェンダーローズの音だと想いますが、歯切れの良いバッキングがいかにもこの時代のサウンド。少し歪んでいるところもまた味ですね。
テーマに入る前のT.M.シティーヴンスさんのベースパターンが8分音符をルーズめに弾いていて、超絶だけではない絶妙な音運びを聴かせてくれます。

それを受けて増尾好秋さんのテーマは良く歪んだギターサウンド。
当時、増尾好秋さんがどのような機材だったのか全く解りませんので何とも言えないのですが、ジャケの裏側を見るとセミアコのようですが、表のピンスポが当たっている、実に渋い写真から判断してサンバーストのヤマハのSGでは無いかと想われます・・・。
かなりブーストしているらしく、フィードバックが掛りそう、と言うか少しハウっているのがライヴな感じでいいですね。

CD Time=1:09からのサビの部分は、少しラテンのリズムが入った3連のポリリズム的なパターン。ここで増尾好秋さんは、今までの少し甘いフロントピックアップからスイッチングで煌びやかなリアピックアップに切り替えをしていると想われます。それはCD Time=1:20でテーマの戻る部分の音色と比べると良く解ります。細かいところなんですが非常に効果的な選択ですね。
また、このサビの部分のバッキングのベースパターンがこれまた超絶なパターン。

そして転調をして再びテーマのモチーフに入ります。ここでは、テーマのメロディの合い間に入るパーカッションが効果的と言うか、少し唐突な感じもしますが、これはこれでいい感じではあります。パーカッションはシャーリーさん。増尾好秋さんの奥様ですね。

CD Time=2:22の増尾好秋さんのピンポイントの低い音でのスライドをジョイントにしてエレピのヴィクター・ブルース・ゴッジーさんのソロに入ります。
リズム隊の強力なビートに乗って軽快にフレーズを重ねていきます。かなりリズム隊に触発されたのか、CD Time=3:00から後はエレピが歪みまくります。かなり力の入ったソロで増尾好秋さんに引継ぎます。

ここでの増尾好秋さんのフレーズはブルース・ロック的なフレーズで単純に速弾きでたたみ込むようなフレーズ回しではありません。一聴、もっと激しいフレーズをとか、上手くないじゃん、見たいに感じるところもあると想いますが実はフレーズのひとつひとつがとても丁寧で且つメロディアス。良く聴いて見るとギターが歌っている感じが物凄くします。

CD Time=3:50からは、チョーキングでのフレーズを決めてからCD Time=3:52のブルージーなフレーズへ。さらに、そのブルージーなフレーズをモチーフにしたラインを決めて再び同じフレーズに戻ります。そしてCD Time=3:58とCD Time=4:01でもそのモチーフを決めます。
短い間に4回同じモチーフを決めて、その間をモチーフの展開で繋いでいくと言う流れになっています。計算されつくされたかの様な見事なフレーズ展開で肝!です。

CD Time=4:40からはロングトーンのチョーキングフレーズを2回決めてCD Time=4:46から3連の細かいプリングを絡めたフレーズから、エンディングをさらにチョーキングフレーズで見事に閉めます。
ソロの終りをきちんと閉めるって結構プロでも難しいと想います。ライヴだとつい力が入り過ぎて、終わりたくないけど終わってしまい唐突だったり尻切れだったりすることがままあるのですが・・・。キッチリ終わっているフレーズはまさに歌っていると言うことと、組立てがしっかりしていると言うことだと想います。
増尾好秋さんの、サウンド全体を見ているプロデューサー的な冷静さが生み出している名演だと想います。
まあ、バッキングが熱いので、逆にこの冷静なソロ回しは効果的ですね。特にT.M.スティーヴンスさんは、ちょっと『あっちの方?』へ行ってしまったかの様な迫力のバッキングです。

再びサビに戻ってテーマに入り、CD Time=5:48からT.M.スティーヴンスさんのソロです。
このソロの弾き方について、当時組んでいたバンドのベーシストが、これはスラップのプルで弾いていると言っていたのですが、当時それが本当か?と言うちょっとした内輪の論争になっていたことを想い出します。
今回聴いてみて、確かにスラップのプルのようでもありますが、多分、T.M.スティーヴンスさんは右手のフィンガリングが物凄く強いのではないかと想います。それこそベースの弦がビビルくらいに強いフィンガリングがプルのような効果をもたらしているのではないかと。普通、スラップとピチカートだと、断然ピチカートの方が弱いので音色やヴォリュームも下がり気味になるのですが・・・。
ですからT.M.スティーヴンスさんの場合は、スラップとピチカートを混ぜて弾いていても違和感なく音色が繋がっているのでは無いかと想うのです。

例えばCD Time=6:12は明らかにプルの音だと想いますが、続くCD Time=6:15からのフレーズはプルではかなり難しい速いパッセージ。その後のCD Time=6:18からのフレーズは間違えなくスラップだと想うのですが、その後の3連のポリリズムフレーズから続くCD Time=6:30でのダウンフレーズはピチカートっぽいし・・・。

と言うことでどなたかお解かりの方がいましたら、教えていただきたいところですが・・・。

とにかく荒々しいのですが、猛烈な迫力で迫ってきてまさに肝!
実はこの作品を想い出すときには必ずこのソロを想い出していました。それぐらい当時もインパクトがあったソロでした。今回も強烈なインパクトでした。やはり・・・。

それにしても強烈な曲です。この力は当時のフュージョンが持っていたパワーと言ったら良いでしょうか。歴史に残る名演だと想います。やはり・・・無条件降伏です。個人的な想い入れもありますが・・・。


02:グッド・モーニング
いかにも爽やかな雰囲気を持った曲で言わずと知れた増尾好秋さんの代表的な曲です。特に印象的なのはサビの部分。コード進行がD/Gと言う分数コードから半音づつ上がっていく感じが非常に朝の陽が昇る時の清々しさがあります。
さらにメロディはコードを分散したアルペジオでメロディが構成されています。ちょっとサビの前半をコピーをして見たら、コードを押さえて少し指を動かすだけでソロギターとしてギター1本でも十分に奏でることができます。ですから、間違いなくこの曲はギターで作曲をしていて、そのメロディとコードを含めてギタリストが創ったギターの為の曲になっていると想います。

ギターソロはレゲエ風のリズムになって、ゆったりとしたメロディを刻んでいきます。このリズムを醸し出しているのは右チャンネルの増尾元章さんのギター。増尾好秋さんの弟さんですね。

CD Time=3:05からのフレーズはA=「ラ」の音を連続的に奏でてその上にスタッカートで高い音を細かく変化させていくと言う面白いフレーズ。連続的に奏でている音に微妙にヴィブラートが掛っていて、その感じが少しファニーな雰囲気を出しています。
ピックを高速でトレモロしながらメロディを奏でる奏法をハミング・バードと言うのですが、ここでの増尾好秋さんのフレーズも、朝の光の中で、さえずっている鳥の声のように聴こえませんか?

エンディングは増尾兄弟のソロの掛け合い。でもここは掛け合いと言うよりは、増尾元章さんのソロに、増尾好秋さんがバッキングメロディを奏でていると言う感じ。
増尾元章さんの音が右、左にパンされると言うエフェクトが掛っています。これはスタジオでのミキシングの時のエフェクト処理だと想いますが、ちょっと聴きにくいと言うかあまり良い効果とは言えない気がしますけど。


03:ルック・アウェイ・フロム・ミー
綺麗なピアノの音色からスタートするソロ演奏の曲です。ライナー・ノーツによると、これはヴィクター・ブルース・ゴッジーさんが即興で演奏したものらしいです。

CD Time=2:00過ぎくらいから、今までの美しい雰囲気から段々激しいフリージャズ的なアバンギャルドな雰囲気になっていって、最後は鍵盤をたたき付けたようなダーティーな響きを残したまま、次ぎの曲のイントロのエレピに入っていきます。

04:ア・スリーサム
タイトル通りにスリー、つまり増尾好秋さんとヴィクター・ブルース・ゴッジーさんとT.M.スティーヴンスさんのソロの掛け合いを聴き所にした攻撃的な、いかにもフュージョンと言うテンションのあるアップテンポのナンバーです。

ソロの掛け合いはCD Time=1:48から。
Fmで8小節。G♯mで8小節。D7で8小節。この3つのパターンを繰り返していきます。なかなか凝っているのは、単純にこれを均等に分けて3人がソロを取っているのではないところ。
最初はFmでエレピ。そしてG♯mでベース。そしてD7でギター。次ぎは、エレピ・・・と行きそうなところをギターがFmとG♯mの部分を続けてソロを取ります。そして次ぎのD7ではエレピ・・・と言う具合に少しずらしてソロを展開しているので、単調にならずに聴き応えのある掛け合いになっています。

極めつけは最後の部分で、2小節づつの掛け合いから、1小節づつ、2拍づつ、と段々減っていき、最後の1拍つづ、8分音符づつはドラムのスネアも入れて4人で掛け合います。これは、まさにカシオペアの『ドミノ倒し』のパターン!
まあ、カシオペアの『ドミノ倒し』の場合は、後期になってくると、ほとんどどうやってあわせているのかすら解らない複雑なリズムになっていましたが・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

と言うことで、続きのトラックは次回に・・・。


(CD TOTALTIME:48:34/ Walking消費カロリー:195.24kcal)

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2008年06月05日

ラーセン=フェイトン・バンド/ニール・ラーセン&バジー・フェイトン

ラーセン=フェイトン・バンド

いよいよ6月でしかも梅雨。なかなかwalkingも計画通りに行かない季節。昨日は梅雨の晴れ間を狙ってニール・ラーセン&バジー・フェイトンさんのラーセン=フェイトン・バンドwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1980年のリリース。昨年発売された雑誌jazzLife特別編・JAZZ GUITAR2007-2008の中の『70年代ギターアルバム100選』にも入っていましたし、フュージョンの歴史を振り返る時に良く見かける作品です。もちろん、過去にも聴いたのですが・・・ほとんど印象に無いのが実際。今回はたまたま良く行くBOOK OFFで見つけたので久しぶりに聴いて見たと言うわけです。
ほとんど、初めて聴くに等しい感覚のこの作品でwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『いいサウンド。だけど・・・』

なかなかいいサウンドで、聴き始めると、やはり聴いた記憶がよみがえってきました。
この音楽を果たしてフュージョンと呼んで良いのかどうか解りませんが、CD帯にもフュージョンと明記されています。
確かに、ニール・ラーセンさんの持っているジャズ的なテイストとバジー・フェイトンさんの持っているロック、ポップス的なテイストが融合していて、ある意味フュージョンではありますが・・・。
この時代は、スティーリー・ダンを初め、例えばエアプレイロマンティック(*)やTOTO宇宙の騎士(*)などの作品がリリースしていますので、AORのさきがけと言うことでのフュージョンと言ったらよいのしょうか。
まあ、ジャンルはとりあえず置いておいて、サウンドのクオリティは流石に高いと言う感じを受けました。

それでも細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れません・・・。
1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:今夜はきまぐれ
ややスローめの8ビートでスタートします。ブラスの入り方やバジー・フェイトンさんのヴォーカルの感じがスティーリー・ダンを少し想い起こさせます。

バジー・フェイトンさんのミュート・カッティングがなかなか良い味を醸し出しています。それに加えて、ニール・ラーセンさんのオルガンのロングトーンがさらに渋かったりします。

サビの部分に入ると印象的なメロディとコーラスが耳に残ります。この曲はシングルカットされてスマッシュヒットをしました。いかにも売れ線の曲と言ってしまえばそれまでなんですが、このあたりの作曲のセンス、つまり、あくまでも歌ものバンドとして狙って行くと言う部分が上手いですね。リスナーの心をくすぐるようなコード進行とメロディをもっています。ちなみにこの曲はバジー・フェイトンさんの曲。

CD Time=2:19からバジー・フェイトンさんのギターソロです。
節回しとしてはいたって素直なメロディラインだと想います。それでも曲調やシングルカットと言う部分を考えて短いながらも印象に残るソロに仕上がっていると想います。
CD Time=2:35の3連符を使用したモチーフをソロエンドまで効果的に使用していますね。

また歌に絡むフレーズやエンディングからフェードアウトまでのフレーズなどを聴くとなるほど、ギターアルバム100選に入るのも解りますね。あくまでもメインは歌で、サブのギターをどう際立たせるか?と言う命題の答えと言える典型的なサウンドに仕上がっていると想います。


02:デインジャー・ゾーン
想わず前のめりになりそうな突っ込んだ重いビートを持っている曲です。バジー・フェイトンさんのカッティングがファンキーな味を出しています。

ちなみにこの重いビートのリズム隊はドラムがアート・ロドリゲスさんでベースがウィリー・ウィークスさん。さらにパーカッションのレニー・カストロさんが印象的なカウベル・ワークを聴かせてくれます。

CD Time=2:38から6連符の連続した速いパッセージでバジー・フェイトンさんのソロがスタートします。CD Time=2:43で元のビートに戻るまで一瞬『何?』と言う感じの強烈なインパクトのあるフレーズです。その後はハードめにソロを決めて行きます。
フレーズ的にはロック的と言う感じ。それでもブルージーな節回しもありますのでブルースもバックボーンにあるのでしょうか。そんな雰囲気も漂っています。


03:ファーザー・ノーティス
今までの2曲とは雰囲気の違うインスト曲。これはニール・ラーセンさんの曲。
実はこの曲を聴いて今回過去に聴いた記憶がよみがえって来たのです。この曲はCMか何かに使用されていたような気がするのですが・・・。

とにかく印象的なのがテーマ。何とも言えない明るくポップな感じのメロディの中に、少しマイナーな、センチメンタルのかけらのようなテイストがあって後を引くメロディと言えますね。

CD Time=1:28からサンバ風のリズムに乗って軽快にバジー・フェイトンさんのソロがスタートします。今までの曲のテイストとは違って、フュージョンサウンドと言うかジャズテイストがあります。CD Time=1:55からの流れるラインは見事でオールマイティな巾の広さを感じるプレイです。

この曲だけを単独で聴くと結構好きなんですが、前の2曲との繋がりと言うことで行くとどうでしょうか?個人的には若干の違和感と言うか唐突さがあるのですが・・・。


04:オーヴァー
ミディアムテンポのバラード調のニール・ラーセンさんの曲です。はっきり解らないのですが、ここでのヴォーカルはニール・ラーセンさんでしょうか。あまり上手とも言えないのですが、それでも味のある感じで嫌いではないです。
雰囲気、特にサビの雰囲気が、日本のスタジオミュージシャンの集合体のバンド・ショーグンに似た感じがします。

この曲でのバジー・フェイトンさんのプレイは前の曲とはまた違って、チョーキングを多用したロックテイストで攻めのソロを展開しています。


05:彼女はフリー
拍のビートで前に進む!と言う感じのリズムとサビの部分の軽快なビートの部分の対比が面白い曲。特にテーマからサビに入る部分はスムーズなんですが、サビから拍ビートに戻る方がスパッとしていて途切れる感じが逆に良かったりします。

バジー・フェイトンさんのソロはコンパクトにまとまっていて丁寧なフレーズ展開です。でも、この曲ではサビ部分のカッティングの歯切れよさとカッコ良さが抜群です。特にCD Time=2:22のキメのカッティングは物凄いインパクトになっています。
これはチョーキングを入れた単音でのバッキング。どちらかと言うとお手軽で効果的なエコバッキングと言ったら良いでしょうか。

また、このサビの部分ではギターは単音とコードカッティングの2種類でバッキングをしているようですが、左チャンネルのクラヴィ系の音でのニール・ラーセンさんのバッキングが、加えて歯切れよさを出しています。

曲の展開やサビのメロディ、特にスキャットになる部分は少し恥ずかしい感じもするくらいベタな感じなんですが、結構好きなサウンドだったりします・・・。


06:モーニング・スター
ややレゲエのリズムテイストを持ったバジー・フェイトンさんの曲です。
イントロのギターのノーマルトーンの音が綺麗です。特にブレイクする時のハーモニクスとその後のギターのワンポイントフレーズがいいですね。
1曲目もそうだったのですが、バジー・フェ-トンさんのCD Time=0:24の少し熱い歌いまわしとかCD Time=1:42のサビのコーラスなど、この曲はさらにスティーリー・ダンのサウンドのテイストを感じるのですが。

ゆったりとしたリズムに乗ってロングトーンを中心に奏でるバジー・フェ-トンさんのギターソロでフェードアウトです。もう少し聴きたいと想わせるラインなんですが、曲がまったりと長めなので、丁度良い長さにまとまっています。ここでも、歌メインの姿勢がしっかりと継続されていますね。


07:メイク・イット
イントロの部分のラテンのテイストが少し入っている部分と、テーマに入ってからの拍ビートの部分のメリハリがある曲です。このイントロ部分がところどころサビの代わりのように入っていて全く違うリズムをもっているのですが、違和感無く繋がっています。ある意味フュージョンであり、単なるポップスのバンドとは違うテイストを持っているこのバンドの魅力的な部分だと想います。


08:アステカの伝説
作品の最後はニール・ラーセンさんのインスト曲が再び登場です。タイトルの通り幻想的なムードを持った曲で、ミュートを使用して迫るようなラインを奏でているウィリー・ウィークスさんのスラップが印象的です。

CD Time=2:10からのニール・ラーセンさんのピアノのソロが美しいです。
今までソロの部分はほとんどバジー・フェートンさん。もう少しニール・ラーセンさんのソロも聴きたいところでしたが、この最後の曲でクラシカルにピアノソロを決めます。

曲はその幻想的な雰囲気のまま、静かにフェードアウトしていきます。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象は『いいサウンド。だけど・・・』でした。
この『だけど・・・』の続きなんですが、それはインパクト。やはり、インパクトが薄いと言う感じがしました。
何か、迫ってくるような、それは攻撃的なサウンドと言う意味ではなくて、強く訴えるものを感じないと言うことです。まあ、あくまでも個人的な感覚と、最近の個人的な心理状態や環境によるものなのでお許し願いたいのですが・・・。

全体に感じるのは優等生的サウンド。
クオリティは高くて、完成度も申し分ないところなんですが、大人しいと言うか、逆にまとまり過ぎていると言う感じでしょうか。スーッと聴くにはとても耳に心地よいのですが。

またスティーリー・ダンが登場してしまいますが、スティーリー・ダンのサウンドも負けずに高クオリティで完成度が高いのは言うまでもありませんが、よりソウルフルと言うか、その中にとても心を躍らせるようなハートビートがあるように感じるのです。
多分大きな違いはやはりヴォーカルかなと。
ドナルド・フェイゲンさんのあの独特の歌いまわしと訳詞でもウィットに富んでいて楽しい歌詞の力はやはり大きいと。

この作品をギターと言う視点で見たときに、特にフュージョン・ギターとして見た時には、少し物足りないのは仕方のないところです。
つい、ギター好きならなお更、ギターフューチャーと言うことでギタリストの作品が中心になるのですが、このラーセン=フェイトン・バンドの作品は歌メインのギターサブ。
ギター的に見ると、サブのギターをどうやって歌ものの中で輝かせるか!

ソロのみならず、歌に絡んでギターが結構メロディを入れていますが、それが決して歌の邪魔になっていなくてポップに聴こえる、と言う面に置いて成功しているし、またその後に大きな影響を与えていると想います。

それにしても、昨年発売された雑誌jazzLife特別編・JAZZ GUITAR2007-2008の中の『70年代ギターアルバム100選』の作品を選んだjazzLife編集部さんは単なるギター・ミュージックだけではなくて、このような作品やこれはジャズ・フュージョン?と言えるような作品もチョイスしていて、触手がくすぐられる、流石のチョイスだと改めて想いました。

JAZZGUITAR 2007-2008 (SAN-EI MOOK)JAZZGUITAR 2007-2008 (SAN-EI MOOK)
内藤遊人


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(CD TOTALTIME:37:12/ Walking消費カロリー:149,54kcal)

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ラーセン=フェイトン・バンドラーセン=フェイトン・バンド
ラーセン・フェイトン・バンド

曲名リスト
1. 今夜は気まぐれ
2. デインジャー・ゾーン
3. ファーザー・ノーティス
4. オーヴァー
5. 彼女はフリー
6. モーニング・スター
7. メイク・イット
8. アステカの伝説

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宇宙の騎士宇宙の騎士
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