Walking de Music

2008年06月05日 15:30にアップしたエントリーです。

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ラーセン=フェイトン・バンド/ニール・ラーセン&バジー・フェイトン

ラーセン=フェイトン・バンド

いよいよ6月でしかも梅雨。なかなかwalkingも計画通りに行かない季節。昨日は梅雨の晴れ間を狙ってニール・ラーセン&バジー・フェイトンさんのラーセン=フェイトン・バンドwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1980年のリリース。昨年発売された雑誌jazzLife特別編・JAZZ GUITAR2007-2008の中の『70年代ギターアルバム100選』にも入っていましたし、フュージョンの歴史を振り返る時に良く見かける作品です。もちろん、過去にも聴いたのですが・・・ほとんど印象に無いのが実際。今回はたまたま良く行くBOOK OFFで見つけたので久しぶりに聴いて見たと言うわけです。
ほとんど、初めて聴くに等しい感覚のこの作品でwalkingをしました・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『いいサウンド。だけど・・・』

なかなかいいサウンドで、聴き始めると、やはり聴いた記憶がよみがえってきました。
この音楽を果たしてフュージョンと呼んで良いのかどうか解りませんが、CD帯にもフュージョンと明記されています。
確かに、ニール・ラーセンさんの持っているジャズ的なテイストとバジー・フェイトンさんの持っているロック、ポップス的なテイストが融合していて、ある意味フュージョンではありますが・・・。
この時代は、スティーリー・ダンを初め、例えばエアプレイロマンティック(*)やTOTO宇宙の騎士(*)などの作品がリリースしていますので、AORのさきがけと言うことでのフュージョンと言ったらよいのしょうか。
まあ、ジャンルはとりあえず置いておいて、サウンドのクオリティは流石に高いと言う感じを受けました。

それでも細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れません・・・。
1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

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01:今夜はきまぐれ
ややスローめの8ビートでスタートします。ブラスの入り方やバジー・フェイトンさんのヴォーカルの感じがスティーリー・ダンを少し想い起こさせます。

バジー・フェイトンさんのミュート・カッティングがなかなか良い味を醸し出しています。それに加えて、ニール・ラーセンさんのオルガンのロングトーンがさらに渋かったりします。

サビの部分に入ると印象的なメロディとコーラスが耳に残ります。この曲はシングルカットされてスマッシュヒットをしました。いかにも売れ線の曲と言ってしまえばそれまでなんですが、このあたりの作曲のセンス、つまり、あくまでも歌ものバンドとして狙って行くと言う部分が上手いですね。リスナーの心をくすぐるようなコード進行とメロディをもっています。ちなみにこの曲はバジー・フェイトンさんの曲。

CD Time=2:19からバジー・フェイトンさんのギターソロです。
節回しとしてはいたって素直なメロディラインだと想います。それでも曲調やシングルカットと言う部分を考えて短いながらも印象に残るソロに仕上がっていると想います。
CD Time=2:35の3連符を使用したモチーフをソロエンドまで効果的に使用していますね。

また歌に絡むフレーズやエンディングからフェードアウトまでのフレーズなどを聴くとなるほど、ギターアルバム100選に入るのも解りますね。あくまでもメインは歌で、サブのギターをどう際立たせるか?と言う命題の答えと言える典型的なサウンドに仕上がっていると想います。


02:デインジャー・ゾーン
想わず前のめりになりそうな突っ込んだ重いビートを持っている曲です。バジー・フェイトンさんのカッティングがファンキーな味を出しています。

ちなみにこの重いビートのリズム隊はドラムがアート・ロドリゲスさんでベースがウィリー・ウィークスさん。さらにパーカッションのレニー・カストロさんが印象的なカウベル・ワークを聴かせてくれます。

CD Time=2:38から6連符の連続した速いパッセージでバジー・フェイトンさんのソロがスタートします。CD Time=2:43で元のビートに戻るまで一瞬『何?』と言う感じの強烈なインパクトのあるフレーズです。その後はハードめにソロを決めて行きます。
フレーズ的にはロック的と言う感じ。それでもブルージーな節回しもありますのでブルースもバックボーンにあるのでしょうか。そんな雰囲気も漂っています。


03:ファーザー・ノーティス
今までの2曲とは雰囲気の違うインスト曲。これはニール・ラーセンさんの曲。
実はこの曲を聴いて今回過去に聴いた記憶がよみがえって来たのです。この曲はCMか何かに使用されていたような気がするのですが・・・。

とにかく印象的なのがテーマ。何とも言えない明るくポップな感じのメロディの中に、少しマイナーな、センチメンタルのかけらのようなテイストがあって後を引くメロディと言えますね。

CD Time=1:28からサンバ風のリズムに乗って軽快にバジー・フェイトンさんのソロがスタートします。今までの曲のテイストとは違って、フュージョンサウンドと言うかジャズテイストがあります。CD Time=1:55からの流れるラインは見事でオールマイティな巾の広さを感じるプレイです。

この曲だけを単独で聴くと結構好きなんですが、前の2曲との繋がりと言うことで行くとどうでしょうか?個人的には若干の違和感と言うか唐突さがあるのですが・・・。


04:オーヴァー
ミディアムテンポのバラード調のニール・ラーセンさんの曲です。はっきり解らないのですが、ここでのヴォーカルはニール・ラーセンさんでしょうか。あまり上手とも言えないのですが、それでも味のある感じで嫌いではないです。
雰囲気、特にサビの雰囲気が、日本のスタジオミュージシャンの集合体のバンド・ショーグンに似た感じがします。

この曲でのバジー・フェイトンさんのプレイは前の曲とはまた違って、チョーキングを多用したロックテイストで攻めのソロを展開しています。


05:彼女はフリー
拍のビートで前に進む!と言う感じのリズムとサビの部分の軽快なビートの部分の対比が面白い曲。特にテーマからサビに入る部分はスムーズなんですが、サビから拍ビートに戻る方がスパッとしていて途切れる感じが逆に良かったりします。

バジー・フェイトンさんのソロはコンパクトにまとまっていて丁寧なフレーズ展開です。でも、この曲ではサビ部分のカッティングの歯切れよさとカッコ良さが抜群です。特にCD Time=2:22のキメのカッティングは物凄いインパクトになっています。
これはチョーキングを入れた単音でのバッキング。どちらかと言うとお手軽で効果的なエコバッキングと言ったら良いでしょうか。

また、このサビの部分ではギターは単音とコードカッティングの2種類でバッキングをしているようですが、左チャンネルのクラヴィ系の音でのニール・ラーセンさんのバッキングが、加えて歯切れよさを出しています。

曲の展開やサビのメロディ、特にスキャットになる部分は少し恥ずかしい感じもするくらいベタな感じなんですが、結構好きなサウンドだったりします・・・。


06:モーニング・スター
ややレゲエのリズムテイストを持ったバジー・フェイトンさんの曲です。
イントロのギターのノーマルトーンの音が綺麗です。特にブレイクする時のハーモニクスとその後のギターのワンポイントフレーズがいいですね。
1曲目もそうだったのですが、バジー・フェ-トンさんのCD Time=0:24の少し熱い歌いまわしとかCD Time=1:42のサビのコーラスなど、この曲はさらにスティーリー・ダンのサウンドのテイストを感じるのですが。

ゆったりとしたリズムに乗ってロングトーンを中心に奏でるバジー・フェ-トンさんのギターソロでフェードアウトです。もう少し聴きたいと想わせるラインなんですが、曲がまったりと長めなので、丁度良い長さにまとまっています。ここでも、歌メインの姿勢がしっかりと継続されていますね。


07:メイク・イット
イントロの部分のラテンのテイストが少し入っている部分と、テーマに入ってからの拍ビートの部分のメリハリがある曲です。このイントロ部分がところどころサビの代わりのように入っていて全く違うリズムをもっているのですが、違和感無く繋がっています。ある意味フュージョンであり、単なるポップスのバンドとは違うテイストを持っているこのバンドの魅力的な部分だと想います。


08:アステカの伝説
作品の最後はニール・ラーセンさんのインスト曲が再び登場です。タイトルの通り幻想的なムードを持った曲で、ミュートを使用して迫るようなラインを奏でているウィリー・ウィークスさんのスラップが印象的です。

CD Time=2:10からのニール・ラーセンさんのピアノのソロが美しいです。
今までソロの部分はほとんどバジー・フェートンさん。もう少しニール・ラーセンさんのソロも聴きたいところでしたが、この最後の曲でクラシカルにピアノソロを決めます。

曲はその幻想的な雰囲気のまま、静かにフェードアウトしていきます。


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walkingを終えて聴き終えたときの印象は『いいサウンド。だけど・・・』でした。
この『だけど・・・』の続きなんですが、それはインパクト。やはり、インパクトが薄いと言う感じがしました。
何か、迫ってくるような、それは攻撃的なサウンドと言う意味ではなくて、強く訴えるものを感じないと言うことです。まあ、あくまでも個人的な感覚と、最近の個人的な心理状態や環境によるものなのでお許し願いたいのですが・・・。

全体に感じるのは優等生的サウンド。
クオリティは高くて、完成度も申し分ないところなんですが、大人しいと言うか、逆にまとまり過ぎていると言う感じでしょうか。スーッと聴くにはとても耳に心地よいのですが。

またスティーリー・ダンが登場してしまいますが、スティーリー・ダンのサウンドも負けずに高クオリティで完成度が高いのは言うまでもありませんが、よりソウルフルと言うか、その中にとても心を躍らせるようなハートビートがあるように感じるのです。
多分大きな違いはやはりヴォーカルかなと。
ドナルド・フェイゲンさんのあの独特の歌いまわしと訳詞でもウィットに富んでいて楽しい歌詞の力はやはり大きいと。

この作品をギターと言う視点で見たときに、特にフュージョン・ギターとして見た時には、少し物足りないのは仕方のないところです。
つい、ギター好きならなお更、ギターフューチャーと言うことでギタリストの作品が中心になるのですが、このラーセン=フェイトン・バンドの作品は歌メインのギターサブ。
ギター的に見ると、サブのギターをどうやって歌ものの中で輝かせるか!

ソロのみならず、歌に絡んでギターが結構メロディを入れていますが、それが決して歌の邪魔になっていなくてポップに聴こえる、と言う面に置いて成功しているし、またその後に大きな影響を与えていると想います。

それにしても、昨年発売された雑誌jazzLife特別編・JAZZ GUITAR2007-2008の中の『70年代ギターアルバム100選』の作品を選んだjazzLife編集部さんは単なるギター・ミュージックだけではなくて、このような作品やこれはジャズ・フュージョン?と言えるような作品もチョイスしていて、触手がくすぐられる、流石のチョイスだと改めて想いました。

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ラーセン・フェイトン・バンド

曲名リスト
1. 今夜は気まぐれ
2. デインジャー・ゾーン
3. ファーザー・ノーティス
4. オーヴァー
5. 彼女はフリー
6. モーニング・スター
7. メイク・イット
8. アステカの伝説

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(*)本文に登場したCD・DVD

ロマンティックロマンティック
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宇宙の騎士宇宙の騎士
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あとがき
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コメント (2)

この『ラーセン=フェイトン・バンド』は残念ながら未聴なのですが「フルムーン」名義の「ラーセン=フェイトン」が大好きなんです。
それでayukiさんの低評価が(悪い意味ではなく)ファンとしては気になりました。この2人組で,そんなにインパクトが薄いとは。
ayukiさんと同じ趣味の私ですので「ラーセン=フェイトン」は外して「フルムーン」でフィーバーしちゃおうと思っています。

セラピーさん
コメントありがとうございます。
残念ながら「フルムーン」は未聴なんです。この作品はかなりポップな感じとキャッチ―でコマーシャル的な印象を受けたんです。サウンド自体は好きな方ですが、たまたま最近聴きたい音楽ではなかったと言うことですね。多分当時もそうだったのだと想います。

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