Walking de Music

2008年07月のすべてのエントリーです。新しいエントリーから古いエントリーへと順番に並んでいます。

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2008年07月Archives

2008年07月31日

TOTOⅣ~聖なる剣/TOTO 【2】

TOTO IV~聖なる剣

TOTOTOTO Ⅳ~聖なる剣のTrack06から細かく聴いてみます・・・。

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06:アフレイド・オヴ・ラヴ
イントロのギターのパターンが『ギタリスト心』をくすぐります。このようなフレーズは実はキメどころ。
1弦の解放の音を上手く使用したリフで、その後で8ビートのバッキングに入って歌前に低音弦で同じフレーズをリフレインするところが、更に弾き甲斐のあるフレーズです。

曲はTOTOの特徴的な雰囲気と言える8ビートのロックテイストにピアノの音や少し優しい音などが盛り込まれて、単に激しいロックではなくてあくまでもポップなテイストがあるナンバーです。
それでも決して軟弱なロック?に仕上がっていないのは、スティーヴ・ルカサーさんのバッキングの妙と言えますね。また、ジェフ・ポーカロさんのドラミングのタイトで正確な8ビートにも仕上がりの良さの要因があると言えます。時折入れるちょっとしたおかずなどは抜群の上手さとグルーヴ感がありますね。


07:ラヴァ―ズ・イン・ザ・ナイト
前の曲との切れ目がほとんど無く突入する同じくロックテイストの曲。ほとんどメドレーのようになっていて、あわせて1曲と言う聴き方がいい感じですね。

基本的にアフレイド・オヴ・ラヴと同じ8ビートの曲でスティーヴ・ルカサーさんの歪みギターでの8ビートバッキングがメインになります。

最初の中間部分でのスティーヴ・ルカサーさんのソロは、チョーキングでの大きなフレーズを中心としたラインで奏でられていきます。基本的な譜割は8分音符でストレートなフレーズ回しと言えます。
ソロ終りの部分が少し歌の方へはみ出しているのですが、このあたりは勢いを選んだテイクと言うことでしょうか。個人的にはキッチリフレーズを納めて歌へ・・・と言う流れが欲しかったと想いますが。

その分エンディングでのソロは爆発している感じです。
スタート部分のトレモロ・アームを絶妙に使ったうねりのあるフレーズからバッキング的な和音と速いダウンパッセージを絡めたフレーズに入り、続けてCD Time=3:43からのロック定番フレーズを高速でキメ、ピッキングハーモニクスでチョーキングを決めてアームでダウン・・・。
この流れは肝!です。
その後は音の運びが見事なパッセージ。あくまでも8ビートに乗ったフレーズで余裕を感じるラインです。実に軽く弾いている感じがしますね。

この曲と前の曲でのギターのバッキングは、物凄く歪んでいるのも関わらず、それでいて非常に耳に優しい音だと想います。それでも、激しいロックな音で、そのあたりの塩梅が実に良いバランスになっています。この作品全体でのギターのバッキングの音色とその選択の妙を味わうことが出来るメドレー風の2曲と言えます。


08:ウィ・メイド・イット
この曲も8ビートで乗りの良いナンバーです。ギターのバッキングは更に複雑になっていて、ここでは2~3種類くらいの音を入れているように想います。

サビに入る前のギターのちょっとしたフレーズはやはりピッキングハーモニクスで締めています。
この奏法はピックで弦を弾くと同時にピックを持っている人差し指もしくは親指を時間差で弦と触れさせると言う奏法です。音が歪んでいると出やすいのですが、ライヴなどで決める場合はけっこう緊張をしたりします。
全部で3回このフレーズは出てくるのですが、2回目はハーモニクスを出していません。これは失敗したのではなくて、2回目は外すことでのアクセントですね。

ここでもジェフ・ポーカロさんのドラミングがタイトでいいですね。やはり上手いプレイヤーの8ビートって当たり前ですが上手いです。

3曲連続で8ビートのロックテイストの曲だったのですが、1曲目がスティーヴ・ルカサーさん、そして次がデヴィッド・ペイチさん、そしてこの曲はボビー・キンボールさんのリードヴォーカル。三者三様の持ち味でのロックテイスト。
これが出来ると言うものTOTOの大きな強みであり、この作品のバリエーションを豊にしていますね。


09:ユア・ラヴ
少し跳ねた8ビート曲。前3曲の持っているロックテイストとは違ったアダルトなムードがあります。ここでのヴォーカルはボビー・キンボールさん。シャウトスタイルがお馴染みなんですが、この曲では少し落ち着いた感じで歌います。もちろんシャウトもいいですが、とても歌の上手さと言うかテクニックを聴くことが出来るトラックです。

少しシンセをかぶせたような音のデヴィッド・ハンゲイトさんのベースラインがよく動いています。さらにここでのスティーヴ・ルカサーさんのバッキングはクリアトーンでさり気無く奏でられています。


10:アフリカ
全米チャート1位になったTOTO最大のヒット曲です。当時のMTVやラジオでは盛んにこの曲がオンエアされていたのを想い出します。

この曲の最大の魅力のひとつはそのアフリカンなリズムにあると想います。
ライナーを読んで初めて知ったのですが、この曲はリード・ヴォーカルをとっているデヴィッド・ペイチさんとドラムのジェフ・ポーカロさんの共作になっています。個人的には1、2を争うくらいTOTOの楽曲の中では好きな曲です。

まずイントロに流れるリズムが非常に重厚でいてスムーズな流れをもっています。このあたりは流石のジェフ・ポーカロさんと言う感じのリズムアレンジだと想います。
ちなみに、コンガはレニー・コステロさんでマリンバをジェフ・ポーカロさんが演奏をしているようです。

そして、何とも印象的なアフリカの大地と民族的なサウンドを想わせる様なバッキングパターンへ。この部分は、ちょっと聴くと変拍子のような感じに聴こえます。バッキングが3拍で完結していて、その後リズム的なリックが5拍で完結しているためです。

テーマはデヴィッド・ペイチさんが囁くように歌い上げていきます。
コーラスの切れ目でイントロのアフリカンなモチーフがブリッジとして入るのですが、ここでは2/4拍子を挟むことで3拍で完結しているモチーフを上手くまとめています。
さらに、このモチーフは3拍で完結してはいるのですが、実はそのままテーマの頭のコードに解決するように創られていて、さらに曲の流れを見事に繋いでいます。
つまりイントロでは3拍で完結、ブリッジ部分では4拍で完結して次ぎのメロディ頭のコードに繋ぐと言うアレンジ。このアレンジはいつ聴いても肝!で、このモチーフがブリッジに入るのがこの曲の最大の聴き所と言えますね。

サビに入る前はあえて2/4拍子を挟まないでジェフ・ポーカロさんのおかずで流れを創っています。そしてヴォーカルがボビー・キンボールさんにチェンジします。

綺麗なハモリと厚いコーラスでのサビがまた印象的で盛り上がります。さらに、サビ終りの部分でさり気無く入るスティーヴ・ルカサーさんの歪み系の音でのバッキングが効いています。
ちなみに、スティーヴ・ルカサーさんのバッキングは歪み以外の部分では、スチール弦のアコギを使用しています。ライナーを読むとタカミネのアコギの様でそれだけでも日本人としては嬉しくなってしまいますね。
また、このアコギがあまりしっかり聴こえないのですが、それでも時々流れの隙間から煌びやかに聴こえると抜群の効果で迫ってきます。

そしてデヴィッド・ペイチさんのシンセでのソロ。と想っていた部分ですがリコーダーのクレジットでジム・ホーンさんの名前がありますので、ここは一緒に奏でていると想われます。その部分を挟んで再びサビに入ります。

このサビに入る部分のコーラス部分からジェフ・ポーカロさんのドラムリフが入るまでの空間部分で右チャンネルに入るピアノのベルのようなフレーズが個人的には肝!です。ちょっとしたことですが、非常に哀愁が漂っていて曲調にあっていると想います。

そしてサビ。
ここで効いているのは、スティーヴ・ルカサーさんのアコギ。今までより大きく、アルペジオがしっかり聴こえるようにヴォリュームがアップされています。
さらに、今までシンセでさり気無く奏でられていたテーマの対旋律を歪みギターで奏でています。そしてボビー・キンボールさんのシャウトが重なってくるころにはすっかり、しかも自然に盛り上がってしまいます。

エンディングはイントロのモチーフを連続していきながら段々とフェードアウトをしていくように静かになっていって、最後はリズム隊だけになって本当にフェードアウトをして終わっていきます・・・。

それにしてもいい曲だと想います。
単純に聴こえるようで実は演奏をするには難しい曲に仕上がっています。以前コピーバンドで演奏をしたことがあるのですが、これが、決まりそうで決まらないと言う不思議な難しさのある曲で、それでもこのリズムに身を委ねて演奏をしていると、これまた不思議に引き込まれて、陶酔していってしまうと言う楽曲でした。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『良く出来ている作品・・・』

CDの帯にも『完成されたロックの美しさを表現した傑作』
と言うコピーがありますが、まさにそんな感じです。

ロックと言うものをどのように理解するかによって違ってくると想うのですが
人によっては『これはロックじゃないぜ!』みたいなところもあるかと想います。
総じて攻撃的な側面を持っているのがロックだと個人的には解釈していますので
その意味ではロックではないのかなと。
でも精神はロックだと想うし、これを称してAORと言うのかと・・・。
あまり得意なジャンルではないのでよく解りませんが。

それでも全体に余裕を感じるサウンドで、アップアップではなく余裕が創り出す緻密さが溢れていると想います。
完成度が非常に高く、またコマーシャル的な売れ線をしっかりと意識した中にもキャリアに裏打ちされたテクニックとサウンドの構成やアレンジ、そして楽曲の良さなど、隙のないサウンドと密度の濃さを持った名作だと想います。

(CD TOTALTIME:42:12/ Walking消費カロリー:196.74kcal)

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TOTO IV~聖なる剣TOTO IV~聖なる剣
TOTO

曲名リスト
1. ロザーナ
2. メイク・ビリーヴ
3. ホールド・ユー・バック
4. グッド・フォー・ユー
5. イッツ・ア・フィーリング
6. アフレイド・オブ・ラヴ
7. ラヴァーズ・イン・ザ・ナイト
8. ウィ・メイド・イット
9. ユア・ラヴ
10. アフリカ

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あとがき
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2008年07月25日

TOTOⅣ~聖なる剣/TOTO 【1】

TOTO IV~聖なる剣

とにかく暑い・・・。少しでも回避するために時間を早くしたりしてwalkingをしましたがやはり汗だく・・・。暑い日には熱い音楽を!と言うことで今日はTOTOTOTOⅣ~聖なる剣walkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1982年のリリース。ご存知の通りグラミー賞6部門受賞の名作です。収録されている曲はシングルとしてリリースもされている曲も多いので、どちらかと言うとラジオやTVで聴いたと言う印象が強くて一枚通して聴いたと言う記憶はあまりありないんです・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『良く出来ている作品・・・』

とにかく丁寧に創られていると言う印象です。
曲の良さはもちろんなんですが、それぞれの音質や録音での定位、さらに音のマテリアルも豊富で、聴いていて飽きがあまりこない作品です。
それでもスリリングな感じや熱さと言うものはあまり表面に出てきていなくて、あくまでも売れ線を狙ったまとまりと感じます。
実際のプレイなど演奏と言う面から聴くと、非常に無難にこなしていると言う感じもするのですが、テクニック的な余裕の上に立っての演奏で、TOTOのメンバーのキャリアに裏打ちされたテクニックを逆に感じることができますね。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。

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01:ロザーナ
全米で2位になった言わずと知れたTOTOの代表的な曲。
ドラムのジェフ・ポーカロさんのリズムからスタートするのですが、このリズムがいいですね。
シャッフルを刻んでいるのですが、必要以上に跳ねていなくて、逆にどっしりとした8ビートを感じることが出来るドラミングだと想います。これはスネアのタイミングにあるかと。
少しアフタービート気味に後ろに引きずっている感じがします。その為、前のめりになりそうなシャッフルビートのブレーキのような役割をしている感じがするのです。

そのビートにスティーヴ・ルカサーさんの単音でのバッキングが右チャンネルで、デヴィッド・ペイチさんのピアノが左チャンネルでインしてきます。

最初にリードヴォーカルをとるのはスティーヴ・ルカサーさん。
イメージ的に歌があまり上手くないと言う印象があるのですが、今回聴いてみて、それなりに上手い感じがしたのが不思議でした。それは味と言ったら良いでしょうか、少し鼻にかかってこもったような声が曲に良く合っています。

8分音符での『キメ』の部分を挟んで、ヴォーカルがボビー・キンボールさんに交代します。
この『キメ』の部分で、右チャンネルにスティーヴ・ルカサーさんのかなり歪んだギターリフが重なってくるのですが、これが実にいいインパクトになっています。
そして、中サビ前のワンコードとその後のカッティングを右チャンネルのノーマルトーンのギターと一緒に奏でます。
この様な音の重ね方や使い方が作品全体にあって、非常に丁寧な印象を受けたわけです。

中サビは想わず指を鳴らしたくなるような印象的なメロディとコーラスなんですが、この部分では、スティーヴ・ポーカロさんのオルガンがいい味を出しています。

そしてカッコ良い『キメ』めからサビに入ります。
この決めの部分はシンセブラスがこれまた印象的なラインで入ります。ここにブラスが入ることで楽曲がものすごく垢抜けた感じに聴こえます。さらにここでもスティーヴ・ルカサーさんの歪みギターでのバッキングが効いています。

また、この『キメ』はサビのメロディとバッキングパターンをモチーフにしてブラスサウンドを重ねたフレーズ。これを頭にしてサビに入ると言うアレンジが実にいいです。

サビのメロディはどちらかと言うとバッキングに乗ってのものなので、メロディ自体はそれほど印象的ではありません。むしろ、このバッキングパターンがあってこそのメロディと言う感じさえします。

このサビのバッキング部分の演奏には細かい技とアレンジが効いています。
メロディは、前小節の4拍めから入るのですが、メロディの空間の部分であるCD Time=1:11の2小節めに細かく、ベースのデヴィッド・ハンゲイトさんのスラップとジェフ・ポーカロさんの絶妙なバスドラが入り、続けてギターとピアノのバッキングが入ります。
つまり、コーラス、ドラムとベース、ギターとピアノ、と言う流れがあって、これが実に心地よい流れになっているのです。そしてCD Time=1:18で歪みギターが重なると更に流れは加速していきます。この繰り返しと言う単純なサビなんですが実にカッコ良いと想います。

シンセとブラスの織り成すしっかりとアレンジされたメロディに続いて、スティーヴ・ルカサーさんのソロに入ります。
短いソロなんですが、実に中身の濃いソロラインを展開しています。
CD Time=3:16の直後のチョーキングでのフレーズから、16分音符での速いパッセージへ流れ込んでいくライン。そしてチョーキングでのフレーズで締めて歌にスムーズにつなぐ構成は、かなり肝!なフレーズです。

更にエンディングでのデヴィッド・ペイチさんのピアノソロに絡んで、スティーヴ・ルカサーさんのソロが炸裂しています。
CD Time=4:57のチョーキング2連発のフレーズがまずカッコ良い!さらにCD Time=5:01からのダウンしていくアウトフレーズは、ワンコードの進行でのアウトフレーズとしてギターを弾く方ならコピーしておくと何かにつけて便利で、しかも決まるフレーズ。
そして更に速いパッセージに続いて、ふっと気を抜くようなCD Time=5:09の緩やかなチョーキングダウンは見事なアーティキュレーション。
楽曲がポピュラーで親しみやすい中にも、ギター好きを十分に納得させるような技をさり気無く入れるところは流石だと想います。


02:メイク・ビリーヴ
ピアノの跳ねた3連でのフレーズからスタートする少しアダルトな感じのする曲。
スティーヴ・ルカサーさんのバッキングが良く歪んだ音なんですが、ロザーナとは違った感じで、曲調に合わせた歪みを、きちんと計算してると言う感じがします。

テーマは2声のハモリで進んでいきます。それに絡むようにスティーヴ・ルカサーさんのバッキングが奏でられています。

この曲はロザーナの後にシングルカットされたようですが、30位が最高と言うことで終わったようです。
まあ、曲自体はいい曲だと想いますが、ロザーナの後ではと言う感じでしょうか・・・。


03:ホールド・ユー・バック
TOTOのバラードと言うとスティーヴ・ルカサーさんのリードヴォーカルと言うイメージがありますがこの曲もそうです。綺麗なピアノのバッキングに語るようにスティーヴ・ルカサーさんが歌っていきます。

サビの部分は厚いコーラス。
TOTOはメンバーほとんどが歌うことが出来る人たち。ですからこのようなハーモニーの部分では独特のムードとTOTOらしさが醸し出ています。

コーラスの隙間で、最初はピアノがフレーズを刻みますが、2回目はギターの分厚く歪んだフレーズになります。
この音も耳ざわりが良い割りには良く歪んでいて、また適度な空間と迫力を感じさせてくれる音になっていて、ギターの音は本当に良く練られていると言う感じがここでもしました。

サビ終りから、ホルン風のシンセをメロディにコードに変化を持たせて再びテーマに戻るところは美しい展開です。

2コーラスめが終わってCD Time=3:17からはギターの中間メロディ。メロディ自体は単純なんですが、しっかりとギターが歌っていると想います。
このような、ある種『情緒的なメロディ』を朗々と奏でていくのはスティーヴ・ルカサーさんの得意技とも言えます。
そのギターのトーンといい、細かいアーティキュレーションといい、実にグッと来るものがありますね。


04:グッド・フォー・ユー
ピアノの8分音符でのバッキングに歪んだギターがリフを重ねる、と言う、これもTOTOの名曲ホールド・ザ・ラインに代表される黄金のパターン。

それでもホールド・ザ・ラインとの違いは、ギターの音をいくぶん抑えていること。
ここで主役のバッキングを刻んでいるのがシンセ。特にイントロやサビに絡む音、シンセサイザーのプリセット音としても名前がついている、いわゆるTOTOホーンと言うブラス系の音。

これをどちらかと言うと全面に出して、ギターを少し引くことで、前の曲とのメリハリが付いて、少し優しい感じのロックに仕上がっています。ここでもギターの使い方が実に上手いですね。

しかしCD Time=2:50からのギターソロの音はちょっと唐突な感じのトーンだと・・・。すぐにフェードアウトをしてしまうので良いのですが、曲の感じからするともう少し低音を抑えてクリアにした方がよかったかと
個人的には想うのです。


05:イッツ・ア・フィーリング
今までの曲とは全く違ったタイプの、静かでアダルトな雰囲気を持った曲です。創ったのはスティーヴ・ポーカロさんでリードも取っています。

サビの部分のコード進行などは、ロックとは言えない綺麗さがありTOTOの音楽のボチャブラリーの広さを感じます。

また、この曲ではクリアトーンでギターバッキングが奏でられていて、歪み音の無いギターサウンドはこの作品唯一で、それが作品全体にバリエーションをつけていると想います。

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と言うことで
続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:42:12/ Walking消費カロリー:196.74kcal)

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曲名リスト
1. ロザーナ
2. メイク・ビリーヴ
3. ホールド・ユー・バック
4. グッド・フォー・ユー
5. イッツ・ア・フィーリング
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2008年07月16日

シルク/フューズ・ワン

シルク

昨日は先日のようにゲリラ雨の危険がある中でのwalking。雲行きとのかけ引き・・・。とりあえず雨に見舞われず終了したと言うことでフューズ・ワンシルクwalkingをしました・・・。

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この作品は1981年録音のフューズ・ワンとしては2枚目の作品になります。
先日、ファースト作品をレビューさせていただいたのですが、ご存知フューズ・ワンはフュージョン界のミュージシャンが集まったスペシャル・プロジェクト・バンド。2枚目のこの作品は、音楽監督がスタンリー・クラークさんでリズム隊を固めて、それをバックにソリストがソロを展開すると言う流れになっています。記憶が非常に曖昧だったのですが、1枚目とこの作品のどちらかが結構好きで良く聴いていたような・・・。先日の1枚目の印象からすると、どうもこの2枚目の方が好みだったような気がしています・・・。もちろん物凄く久しぶりに聴きました。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『可も無く不可も無く・・・』

インプロビゼーションを中心にした作品ですので、もちろん聴き所は各人のソロと言うことになります。それぞれに聴いてみると、それぞれがいいソロを展開しているのですが、全曲を通して聴いて見ると、やはり完成度が低いと言うのが印象です。楽曲の展開やアレンジ、また録音やバランスもまとまり切れなかった!と言う感じでしょうか。
セッションやライヴ的な味と言う意味では臨場感があるのですが、少しソロを重ねすぎたと言う感じがします。逆にスタジオ録音と言うことで割り切ってのアレンジやソリストの選択をするともっと良かったかなと個人的には想いました。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。

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01:シルク
ドラムのレオン・チャンクラーさんのスネアロールからスタートするミディアムテンポのナンバーです。タイトな8ビートにのってエリック・ゲイルさんがメロディを奏でます。しかし、ソロと言うよりはバッキングでのメロディラインと言う感じ。出過ぎず、引っ込み過ぎずと言う絶妙なバランスを持ったプレイです。

曲は、ロニ―・フォスターさんのエレピの印象的なバッキングに入ると16ビートに展開をします。淡々としたリズムの中にもファンキーさが漂っていて、スーッと流れるようなリズムが生み出されています。音楽監督でもあるスタンリー・クラークさんのベースラインがレオン・チャンクラーさんのバスドラと連動してノリの良いビートを刻んでいきます。

テーマはスタンリー・タレンタインさんのテナーサックスが奏でます。
短い音を連続したようなメロディラインで単純なメロディなんですが、いいアーティキュレージョンで吹き抜けます。

サビの部分ではトランペットのトム・ブラウンさんとのユニゾンになって曲は綺麗な広がりをもった展開になります。この広がりは、ユニゾンのメロディももちろんですが、ストリングシンセが程よく絡んでいるところが大きいですね。また、エリック・ゲイルさんのカッティングが実にいい味を出しています。

ファーストソロはスタンリー・タレンタインさん。
全体的に速いパッセージでたたみ掛けると言う感じではなくて、ファンキーなリズムにゆったりとのったフレーズを展開します。特にスタート部分は、しばらくリズムに身を委ねてから一気に流れるフレーズを吹き切ります。あまり聴き馴染みがないミュージシャンなんですが、特に前半部分のフレーズはかなりいい感じで好みです。
でも少し気になるところが、サックスの音。と言うか音自体はとてもいい音なんですが、センターのやや左側に定位している音が時々センターに寄ってきます。これは意図したものなのか・・・。聴き難い感じがあります。

再びテーマに戻りエンディングに向かっていきますが、この曲は完全にバッキングのリズム隊のうねるビートを感じてリスナーも身を委ねると言うのが良いようで・・・。じっくり聴いていると想わず体が動いてしまうような抜群なビート感があります。


02:ヒューマン・スピリット
スタンリー・クラークさんのソロが静かに奏でられてスタートします。そのソロに重なるようにもう一本のベースがリズムインの牽引をします。これはマーカス・ミラーさんのベース。
この曲はベーシックなリズムはマーカス・ミラーさんでギター的なメロディやバッキングをスタンリー・クラークさんが奏でていくと言うスタイルで進みます。

テーマは軽快なサンバのリズムにのってスタンリー・クラークさんのベースとトム・ブラウンさんのトランペット、デイヴ・ヴァレンタインさんのフルート、さらにもうひとつウィントン・マルサリスさんのトランペットがユニゾンで奏でます。このウィントン・マルサリスさんの参加がこの作品のひとつの目玉になっています。

短いテーマの後、ウィントン・マルサリスさんのソロがスタートします。
軽快なサンバのリズムに逆らうこと無く流麗なソロを展開します。CD Time=2:22から2:28までは切れ目無く16分音符を連続して吹き切ります。この連続したパッセージは見事です。しかもこれがまたいいラインなんです。
さらにこのパッセージの後はスタッカートでフレーズを刻み、絶妙なブレスコントロールでの息が抜けていくようなグリスで締めます。
以前も少し書いたことがあるのですが、個人的にはトランペット奏者の作品はあまり聴きません。ですから当然ウィントン・マルサリスさんもそんなに馴染みがないのですが、このソロは見事だと想います。流石と言ったら良いでしょうか、当然と言ったら良いでしょうか・・・。
それにしてもサンバのリズムにはトランペットは合いますね。この曲でウィントン・マルサリスさんのソロを依頼したと想われるスタンリー・クラークさんの音楽監督としての力を感じることが出来る部分です。

その後はスタンリー・クラークさんのソロです。
ベースの音がだいぶデッドに録音されていて、やや歪んでいるのも味ですね。

その後を受けてロニ―・フォスターさんのピアノソロがフェードインするような形で入ってきます。モノラル的な音なんですが、サンバのテイストを持った速いパッセージを中心に弾き抜けていきます。
ここではバックのレオン・チャンクラーさんとかなり今まで地味に淡々とリズムを刻んでいたマーカス・ミラーさんが物凄いグルーヴ感を出していきます。
そのままのグルーヴを引きずってレオン・チャンクラーさんのソロにつながっていきます。

そして今度は2小節づつの掛け合いに入ります。
順番はスタンリー・クラークさん、ウィントン・マルサリスさん、デイヴ・ヴァレンタインさん、そしてトム・ブラウンさんです。
基本的にフレーズの牽引をしているのがスタンリー・クラークさん。スタンリー・クラークさんのフレーズをきっかけにして、それぞれが個性的なソロを繰り返していきます。
特にCD Time=7:39からの展開は、スタンリー・クラークさんのコード分散フーレズに、ウィントン・マルサリスさんが正統派ジャズラインで答え、デイヴ・ヴァレンタインさんがブレスでパーカッシブなフレーズを奏でトム・ブラウンさんが全体をまとめます。
続いてスタンリー・クラークさんが超速いパッセージの連続技、それにウィントン・マルサリスさんが同じく速いパッセージ、さらに続く2人も速いパッセージで答えます。そしてスタンリー・クラークさんの決めフレーズを全員がリフレインして重ねて行き、最後はスタンリー・クラークさんのコード掻き鳴らしバッキンングにウィントン・マルサリスさんが16分音符のジャズラインを重ねて、曲は一気にエンディングテーマになだれ込んでいきます。


03:サン・ウォーク
何とも爽やかさの漂う16ビートと浮遊するエレピのコードが心地よいスタートです。ここでもスタンリー・クラークさんのベースラインとレオン・チャンクラーさんのバスドラムがリズムを牽引しています。時々入るベースのアクセントが更にリズミカルです。

テーマはロニー・フォスターさんのヴォコーダーで少しファニーに奏でられていきます。メロディを聴けば、少し年配の方であれば想わず『白いギター』を想い出してしまう・・・そう、私も良く見ていた日曜日の午後の定番番組、TVジョッキーのテーマ曲として使用されていた曲です。

サビは1曲目と同じように、スタンリー・タレンタインさんのテナーサックスとトム・ブラウンさんのトランペットが奏でます。なんとも爽やかなメロディラインです。メロディの合い間に入るスタンリー・クラークさんのグリスが効いています。

そして、ソロ前のブリッジ的なメロディはギターの和音で奏でられていきます。これはジョージ・ベンソンさんのプレイ。それに絡むように左チャンネルから聴こえるエリック・ゲイルさんのカッティングが歯切れ良いです。

ファーストソロはスタンリー・タレンタインさん。
このソロラインもいいですね。ちょっと私の好きなウィルトン・フェルダーさんの様な雰囲気があってアダルトな感じに引き込まれます。
CD Time=2:50からの部分など3連をアクセントにしたフレーズ回しはジャズ的でカッコ良いです。途中からジョージ・ベンソンさんのバッキングが入ってきますが、これがまたエリック・ゲイルさんとは違った感じで味わいがあります。

スタンリー・タレンタインさんのソロ終りのフレーズをリフレインしたフレーズでトム・ブラウンさんのソロに引き継がれます。伸びのあるトランペットのトーンを生かしたソロラインで奏でていきます。

そしてジョージ・ベンソンさんのソロ。
音がかなり固めなんですが、もろフルアコ!と言う感じの音です。
CD Time=5:48の段々に速度を増していく流れるようなフレーズやCD Time=6:14のコード和音を分散したアルペジオ的なフレーズなど、個人的にはかなり久しぶりにジョージ・ベンソンさんのフレーズを聴きましたが、やはり粒揃いのフレーズと時々入る速いパッセージやコードを分散したフレーズなどはグッときます。フレーズのバックでかすかに聴こえるヴォイスもいい感じですね。
CD Time=6:22はソロのエンドフレーズでテーマに戻るかのように聴こえてしまうのですが・・・。つまり尺の打ち合わせが不十分だったのではないかと。実際はさらにワンコーラス続いていくので最終コーラスが若干フレーズ詰まりのような感じが個人的にはします。しかし最後のエンドフレーズを流麗に決めるところは流石のジョージ・ベンソンさんと言う感じです。

エンディングはスタンリー・タレンタインさんのテナーサックスとロニー・フォスターさんのエレピの掛け合いでフェードアウトしていきます。


04:ホット・ファイアー
ピアノのコードフレーズにブラスが派手に絡むイントロはまるで刑事ドラマのテーマのような勇壮さとカッコ良さがあります・・・とそれもそのはずでこの部分は大都会と言うドラマのテーマとそっくりと言うことで話題になった部分。
実は、大都会シリーズは大好きで、もちろんPARTⅠ~PARTⅢまでテーマ曲は全て記憶があります。当時、この話題があったことはほとんど記憶が無く、ライナーノーツを読んで気がつきました。今回頭の中で検証して見たのですが、大都会PARTⅢで使用されていたフレーズかと・・・。でもオープニングテーマを頭の中で歌ってみてもこの部分が出てこないんです・・・。するとエンディングのバージョンの方かと・・・。実際は良く解りませんでしたので細かい検証はしていないのですが。
でも、ありがちと言えばありがちな感じのフレーズ。ライナーナーツの熊谷美広さん曰く『確かにソックリ、と言うか全く同じだ!』と・・・。作曲はレオン・チャンクラーさんなんですが、大都会を観て黒岩軍団に毎週ワクワクしていたとも想えませんし・・・。

イントロのリフを抜けると、サンバ調のリズムに乗ってエリック・ゲイルさんがテーマを奏でていきます。たどたどしい感じのフレーズはヘタウマと言われる由縁。でも下手ではないところが、ミソ。これは呼吸だと想います。独特のブレイク感覚があってそれが逆に味になっていると想います。

その後を引き継いでソロに入るのがロニー・フォスターさんのピアノ。
そしてその流れを引き継いでスタンリー・クラークさんのソロに入ります。
展開部分であえて速いフレーズを封印してメロディアスにまるでテーマのように奏でられていくメロディは、逆にインパクトがあります。

再びあのイントロのリフがブリッジとして入ってウィントン・マルサリスさんのソロです。
このソロもやはり貫禄のフレーズまわしで、時折入るハイトーンのひと吹きや速いパッセージがサンバのリズムに抜群にのっています。

パーカッションのサミー・フィゲロアさんのソロを経てデイヴ・ヴァレンタインさんのフルートソロ。
そして再びテーマに戻ってイントロのリフでエンディングになります。

この曲で一番重要な部分がやはりイントロのリフ。これは各人のソロを繋ぐブリッジにもなっています。
それにしても、大都会PARTⅢが無性に観たくなりました。
ちなみに、大都会PARTⅢのサウンドトラックは高橋達也と東京ユニオンが演奏をしていてかなりフュージョンテイストのあるサウンドになっていると言うことらしいです。ドラマを観ているときにはほとんど気がいきませんでしたが、機会があれば聴いて見たいですね。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『可も無く不可も無く・・・』

walkingで聴き終えたときは完成度の低さを感じたのですが、細かく聴いて見ると少し印象が違いました。
確かに全体的な完成度と言う面で聴くと、セッション的な粗さがありますが、それでも細かく聴くことによってソロのフレーズの細かい部分やバッキングでの小技の部分が良く聴こえて、演奏自体の完成度と言うか、個々の演奏の完成度は極めて高いレベルだと想いました。まあそれもそのはず、このメンバーですから。

ですから漫然とBGM的に聴くと、1曲が結構長いので少し飽きが出ると言うか、疲れるというか。散漫な印象になってしまうのですが、気合いを入れて『音に集中して聴く』となかなか良いと言うのが改めて想ったことです。

この作品は細かく『聴き耳を立てて聴く』と言うのが味わい方だと想います。バンドアンサンブルよりも個々の技量を聴くと言う、丁度先回レビューをさせていただいたカシオペアの作品の対極にある作品と言えますね。

(CD TOTALTIME:33:32/ Walking消費カロリー:134.80kcal)

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1. シルク
2. ヒューマン・スピリット
3. サン・ウォーク
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2008年07月11日

ミント・ジャムス/カシオペア 【2】

MINT JAMS

カシオペアミント・ジャムスのTrack05から細かく聴いてみます・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


05:ドミノライン
オリジナルとはけっこう雰囲気の違う感じにアレンジされていて当時もすぐに気に入ったバージョンです。ですから、個人的にはこのテイクがオリジナル様な感じがしています。

野呂一生さんのオクターバーがかかった綺麗な歪み音でスタートします。テーマに入るとレンジを狭くして、サビ部分との差別化をしているサウンドに仕上げています。また、神保彰さんのドラミングが物凄くタイトで、所々に入るカウベルが抜群の効果を出しています。

ファーストソロは、向谷実さんのシンセ。
やはりスペーシーな感じで奏でていくのですが、フレーズが創りに創り込まれたと言う感じです。それでも曲調にあった良いフレーズ展開です。
また、このバックでの野呂一生さんのカッティングが実は個人的に肝!で、CD Time=1:47の少しトリッキーな部分とかCD Time=1:57からのアルペジオでコードを分散するカッティングパターンなどが好きでコピーをしました。特に、サビのパターンに入ってからの歯切れの良いカッティングとコード進行が実に気持ちよかったのを覚えています。今回聴いてもやはり気持ちの良いカッティングですね。

向谷実さんのソロの後は、神保彰さんのバスドラが拍で叩かれてドミノ倒しが始まります。頭の中で考えると実に簡単なフレーズなんですが、実際に演奏をしてみると本当に難しいフレーズです。

ご存知の通り1拍を16分音符分けて4人で分担しながら奏でていくと言うものなんですが、コピーバンドをしていたときも成功率が極めて低い部分でした。
一番簡単なのが、神保彰さんで頭にハイハット打ち・・・と想っていたのですが、今回聴いてみて神保彰さんのハイハットがきちんと16分音符になっていることに改めて気が付きました。バスドラは拍打ちですので4分。同時に叩いているので頭さえ合えばとりあえずことは済むのですが、足と手を同時に鳴らして、足を4分音符、手を16分音符・・・これは簡単ではありませんね。このドラミングがあってこそのドミノ倒しと言っても良いと想います。

続くは野呂一生さんが16分喰って裏で弾きます。
これはドラムが難しいと解った今となっては一番簡単かも知れません。右手のピッキングのアップダウンを使用してダウンの時に休符でアップで引っ掛けるような弾き方をすると意外に簡単にあわせていくことができます。野呂一生さんが実際にどうやって弾いていたかは覚えていませんが。

そして16分+16分、つまり8分休符で次ぎの頭の16分に入るのが桜井哲夫さんのベース。
これはクチで言うと「ン・ン・パ・ン」となりますがこれが難しい。クチでも難しい・・・。試しに足で4つを刻みながらテーブルでも叩いてみていただくと解りますが、連続していくところは段々と訳が解らなくなっていきます。さらに、最後の向谷実さんの部分は、同じくクチで言うと「ン・ン・ン・パ」となって更に難しい・・・。

物凄くゆっくりとバンドであわせて段々にテンポアップしていき、しかもかなり根を詰めないと仕上がらない部分だと想います。その意味でもカシオペアのメンバーも結構練習したのだと想うのですが。
その為か、後のドミノ倒しは更に強力になっていき、もうどうやってあわせているのか、どうやってテンポをとっているのかすら解らない極地に達してしまいました。

ドミノ倒しの後は桜井哲夫さんのベースのソロに入ります。
もっとラフな印象があったのですが、今回聴いて見て実にテンポキープがしっかりと出来ていると想いました。これだけテンポをキープしつつ、かつ細かいサムピックをたくさん入れると言うのは流石だと想います。この時期の他のソロを聴いても大体同じ感じなので構成も含めて考えて、練られたフレーズだと想うのですが、それでも十分な迫力とインパクトを与えてくれます。

続いては神保彰さんのドラムソロ。
インテンポでのソロですが、こちらもインパクト十分なソロになっています。神保彰さんのソロも即興的ではなく、別バージョンでも大体同じ演奏なんですが改めて聴いて見るとやはり凄いですね。

更に凄いと想うのがバックのコードリフ。CD Time=4:54からは頭が取り難いフレーズなんですが、バックはピッタリあっているのがカシオペアの力です。

さらにバンドとしての凄さが、この後のCD Time=5:16から野呂一生さんのソロに入っていくところ。
これは、コピーバンドをしていたときの感覚なんですが、ドラムソロの終りの1拍つづのユニゾンがピッタリ合うと気分的には物凄く高揚します。まさにやったり!と言う感じ。
当然、その気分のままインテンポに戻ると多少なりともテンポが走ってしかも熱くなってしまうのが真情。しかし、このカシオペアの演奏は、テンポは当然ながらキープ。さらに全体の演奏も必要以上に熱くなることもなく、まるで何も無かったかのようにつながっていきます。この冷静さと言うか、この余裕は、かなりのリハと本番を積んでこなければなかなか出来る事ではないと想うのです。その意味でも、カシオペア恐るべし!そして肝!な部分になっています。

当然野呂一生さんのソロは、熱さはあまり無く、あるのはどちらかと言うと余裕。ですから、比較的オーソドックスに奏でていきます。

エンディングまで、ほとんど隙のない完璧な演奏だと想います。このクオリティがライヴでの演奏と言うのは今更ながら見事ですね。もちろんこの作品の中ではベストトラックだと想います。


06:ティアーズ・オヴ・ザ・スター
この作品の中での唯一のバラードナンバー。オリジナルはやはりファースト作品カシオペア(*)。何故にこの曲がここで選択されたのか?と想ったのですが、ライナーノーツによると、ヨーロッパで人気の出そうな曲と言うチョイスだったようです。他の楽曲でも良いバラードはたくさんあると想うのですが、4曲目のタイム・リミットと同様にオリジナルではイントロ部分とエンディング部分にマイケル・ブレッカーさんのテナーサックスが入っています。やはり、意と違うテイクを焼き直したと言う意味があるの?とまたしても邪推してしまいます。

向谷実さんのちょっと海っぽい?感じのシンセの音でテーマが奏でられていきます。短いテーマが終わると野呂一生さんのクリアトーンでのソロです。
軽いシャッフル・ビートになり、そのリズムに乗って優雅に乗りつつも、特にダウンフレーズは速いパッセージで弾き抜けています。そう言えばオリジナルがナイロン弦のアコギでした。似た感じのラインですので、この曲でのソロはこう弾く!見たいな明確なイメージが野呂一生さんの中にあると言う感じがします。

ソロの後はサビに入りますが、ここは空間系のエフェクトをかけまくったと言う感じで、かなりの広がりを演出しています。壮大でスケールの大きなサウンドに仕上がっていると想います。
その中でも神保彰さんのドラミングがやはり凄いと想います。派手なんですが、曲の雰囲気を壊さない品の良さがあって、細かく聴いて見ると凄いと言うフレーズ。

この部分が大きく盛り上がってそして、スーッと引くように再び静寂のテーマが戻ってくるエンディングの部分はメリハリがあります。この部分で、桜井哲夫さんのベースラインがハーモニクスを上手く絡めたラインで静寂さを際立たせていますね。


07:スウェアー
この曲はバンドとしてコピーをしたことはありませんが、個人的にギターコピーはしました。この曲のような、ある意味『どメジャー』な曲はバンド内ではあまり人気が無く、そのあたりは若気と言ったらよいでしょうか、つい技巧的な曲に走っていました。今回じっくり聴いて見たら、かなり良い曲だと今更ながら想いました。

イントロの野呂一生さんのカッティングはなかなか気持ちの良いパターン。
テーマはやはり前の曲と同じような海っぽい?音。途中に入るヴォコーダー的な音のシンセが良い味を出しています。

サビの部分は半音進行などを上手く挟んで、気分を高揚させてくれるコード進行。ラインは大きな乗りのメロディで構成されていてそれをシンセとギターのユニゾンで奏でていくアレンジになっています。
それでも中心が和音でのメロディになっているのと、その切れ目部分に良いタイミングでベースのちょっとしたおかずが入っているので、全体的に音数が少なくて、いわゆるコードバッキングが無くても、空間の隙間をあまり感じさせません。少人数でのアンサンブルのひとつの方法として参考になりますね。
今回改めてこのサビの部分のギターをコピーして見たのですが、メロディの半音進行を巧みに使用していてクセになりそうなラインです。良いメロディだと想います。

ファーストソロは向谷実さんのエレピ。
全体にすっきりとした感じでまとめたソロです。左手のコードワークと絡めてリズムに変化をもたらしたCD Time=2:28のジャージーな部分が良い感じです。

再びテーマに戻り、サビのパターンで野呂一生さんのソロです。
ここはコード進行がけっこう面白いので弾きがいのあるところ。野呂一生さんは丁寧に音とスケールを選択しながらも、時にメロディアスに時に速いパッセージで奏でます。聴き所はやはりバックがブレイクするCD Time=4:49。ここはどうしたって盛り上がると想いますが。このブレイクは物凄いアクセントで肝!です。

その後いったん終わったかのように聴かせて神保彰さんのドラムリフへ入ります。
タムを使用した高速な回しフレーズなんですが、ここで唯一オーディエンスの歓声が入ります。今まで一切それを除いてきたと言うライヴ作品なんですが、この部分でこの歓声が無いと逆に変な感じですよね。聴いているリスナーがここで、ライヴ作品だったと言うことに改めて気がつくと言う意味でも、ここでの歓声は物凄い効果的。

その後向谷実さんのラグタイム風のテーマが奏でられます。これもまたライヴ的な楽しさのある部分です。

神保彰さんのドラムのリフをきっかけに再びサビに戻り、そしてエンディング。しっかりと構成とコードが練られていてなかなか劇的な流れを持っているエンディングにアレンジされています。
そしてオーディエンスの拍手と歓声でフェードアウトしていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『できすぎ・・・』

細かく重箱の隅的に聴いていくと粗と言うか、ライヴ的な部分がありましたが、そんなことはこの全体的な出来の良さからすると些細なこと。今聴くと『できすぎ優等生』で面白みとか危険な香りに欠けると言う面はありますが、それでも、ライヴでこのクオリティのある演奏と言うのはやはり凄いと想います。

この作品がこの後の作品のひとつの指標になって、ライヴでの再現性がスタジオで重要視され、さらにライヴとスタジオでのサウンドクオリティに差があまり無いと言うカシオペアサウンドになっていくことは私が言うまでもありませんね。

でも、スタジオ録音とライヴって、結構違いのあるところが面白いと想うのですが。
カシオペアで言えば、1枚目、2枚目の作品とサンダーライヴ(*)の違い見たいな・・・。それがほぼ無くなってしまったカシオペアのサウンドから、個人的に少しずつですが離れて行ったのは、そんなところにも一端があるかと想います。


この作品は楽曲的にベストアルバム。新曲が一切無いと言うものになります。収録曲はヨーロッパマーケット向けとは言ってもファースト、セカンドアルバムから半分以上の曲が再録音されています。

調べて見たのですが、ここまでライヴを含めて7作品をリリースしています。全57曲収録の内、2度以上録音された曲が17曲あります。実際はスペースロードブラックジョークミッドナイトランデブー朝焼けテイクミーが3回づつになっています。これは結構特異な感じがするのですが・・・。

確かに人気曲であったり、アメリカやヨーロッパマーケットと言うことはあったと想いますが。人気曲の度重なるレコーディングそして人気曲ゆえのライヴ演奏。ちょっとメンバーの意思や技量とは全く関係のない、言ってみればアイドル的な扱いと言うか意図も若干感じますね。実際は解りませんが・・・。

野呂一生さんの最新作インナー・タイムズについての雑誌インタビューの中でカシオペアでの活動と最新作のソロとの違いについて
「意図的にライヴで初期のものを組み入れたり、過去のものを引っ張り出すことも多かった・・・そう言う意味で歴史に縛られていた部分がありました・・・」
と言っています。ミント・ジャムスが発売されてから約25年後のインタビューなんですがこんな話を聴くと、人気バンドゆえのプレッシャーとストレスと言うようなことも感じてしまいます。
全くの個人的な感想ですが、その歴史の縛りをカシオペア時代にしかも、神保彰さんと桜井哲夫さんが脱退する前に、想い切って縛りを解いて欲しかったなあ・・・と想ったりします。
果たして縛りを解くことが出来たのかどうか?インナー・タイムズはまた後日改めてレビューさせていただきたいと想います。

さらに調べて見たら、神保彰さんと桜井哲夫さんが脱退するまでの間で、ライヴ作品やベスト盤的なものを除いて、純粋なスタジオ新録音の作品が連続して3作品続いていることが無いんです。必ず1~2枚リリースするとライヴかベスト盤的な作品をリリースしています。
それだけライヴバンドであり、人気バンドであると言うことももちろん言えますし、ライヴとスタジオを同じクオリティで創ることが出来ると言う『力』も感じますが、逆に先ほどの野呂一生さんの言葉ではありませんが『歴史に縛られている』と言う部分も感じます。

いろいろと書きましたが、こと純粋にこの作品を聴くと、ライヴでのクオリティとスタジオでのクオリティの差が無いと言う面で、そのクオリティの頂点を極めるのがこのミント・ジャムスであると言うことは間違えないと想います。
『ライヴの迫力とスタジオの緻密さが一緒になった作品』と言うコンセプトが見事に成功している超名作だと想います。

(CD TOTALTIME:36:03/ Walking消費カロリー:144.92kcal)

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カシオペア

曲名リスト
1. テイク・ミー
2. 朝焼け
3. ミッドナイト・ランデブー
4. タイム・リミット
5. ドミノ・ライン
6. ティアーズ・オブ・ザ・スター
7. スウェアー

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2008年07月10日

ミント・ジャムス/カシオペア 【1】

MINT JAMS

今日も暑い一日でした。雨の合い間をぬってwalkingも順調です。と言うことで今日はカシオペアミント・ジャムスwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

カシオペアを巡るスーパーフライトもついにこの作品まで辿り着きました。
この作品は1982年のライヴ・パフォーマンスを録音した作品。言うまでもなく、ライヴステージとスタジオのいいとこ取りを実現してしまったカシオペアの作品の中でも名盤中の名盤です。
発売当時、カシオペアのコピーバンドをリアルタイムでしていましたので、この作品でのバージョンはコピーバンドにとってはバイブル。ですから、教科書的に隅々まで熟読した記憶のある作品です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『できすぎ・・・』

もちろんいい意味での言葉です。
この作品は、オーバーダビング一切無しと言うものですので、ライヴでの音源を加工はしていますが、そのまま使用していると言うのが売り。でも、本当?と今回も想ってしまった程、隙が無い!当時は、野呂一生さんのプレイのみを追いかけて聴いていた記憶がありますので、今回はまた新しい発見や驚きがありました。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:テイク・ミー
一番最初に、カウントの変わりに叩かれている神保彰さんのスネアのリヴァ―ブのかかり方が結構いい感じです。スタジオでの加工でエフェクトしているようですが、スタジオともホールとも取れるような微妙な響きで、このスネア一発が作品のトータルなコンセプトである、『ライヴステージの迫力とスタジオレコーディングの緻密な音作りを合わせ持った作品』と言うことを象徴しているような響きです。

テーマは向谷実さんのエレピ。今までとは違ってよりエレクトリクな響きのGS-1で奏でているようです。非常に奥行きと広がりのあるリバーヴがエフェクトされています。
さらに、このバッキングの野呂一生さんのギターもデジタル・ディレイで基本は右チャンネルなんですが、物凄い広がりを持ってテーマを包み込んでいます。
CD Time=0:10ではそのディレイの効果のために、グリスダウンする音がセンターで聴こえます。一瞬、ギター2台?って想ってしまうほどの空間を持って奏でられていきます。
この広がりのために、少ない音数でも十分な音圧を持ったテイクに仕上がっています。

ファーストソロはオリジナルの通りに野呂一生さん。
ノーマル・クリアトーンにオクターバーで下の音を加えてのプレイです。この音は当時魅惑の音で、オクターバーが欲しかったのを想い出します。まだマルチエフェクターなどは無い時代でしたので、コンパクトエフェクターを必要に応じて買い揃えていくと言うスタイル。当然必須なディストーションやコンプレッサー、そして空間系のコーラスやフランジャーと揃えていくので、オクターバーなどは後回しになっていくわけです。その意味でも憧れの音でした。

野呂一生さんのソロは今聴くと非常に完成度が高くて、ある程度創ってあったラインかとも想われます。それでも音の選択やフレーズ回しは見事で、この曲もいろいろなテイクがありますが、ベストテイクと言えるソロだと想います。
またリムショットからスネアに変わった後の神保彰さんのスネアのゴーストノートが絶妙なグルーヴを生み出しています。比較的オーソドックスに聴こえる神保彰さんのプレイですが、拍のビートをしっかりと出しつつも、例えばテーマ部分のリムショットを拍で叩きながらもハイハットの16ビートを奏でると言う技など、聴き所がたくさんあるプレイになっています。

サビから中間の美しいメロディとコード進行のブリッジ部分を挟んで向谷実さんのソロに入ります。
テーマそのままの綺麗で広がりのある音でリリカルにメロディを奏でていきます。向谷実さんのソロラインは、左手のバッキングがそんなに目立たないようなイメージがあったのですが、このソロは絶妙に左手のバッキングが入っていて、それが、時に単独で時に右手と連動して見事に奏でられています。

再びテーマに戻ってエンディングですが、全体的に非常に大人しい感じで、それでいて洗練されている感じを受けました。
また、ここでの桜井哲夫さんのベースラインですが、ほとんど冒険は無く、いたってストレートにコードを追っているラインです。おかずも最小限に留めていると言う感じで、逆にこのライヴレコーディングのプレッシャーみたいなものが伝わって来るプレイになっています。その分、こじんまりとまとまってしまっていますが、それが曲に洗練さを与えていると言う、狙ったものかどうかは解りませんが、いい効果となっている感じもします。


02:朝焼け
超がいくつ付くか解らないくらいのカシオペアの代表曲。何種類かバージョンがありますが、この作品のものが一番まとまっていて定番になっています。

イントロのギターカッティングは単純なんですが改めて聴いてみると非常に良く出来たフレーズだと想います。
このフレーズはギターの弦の1、2、3弦しか使用しません。残りの弦は左手でミュートをするのですが、これがけっこう難しい。5,6弦は親指を回してミュートするのですが問題は4弦。これは押さえている指を微妙に触れさせてミュートをします。
さらに右手は16分音符でのアップダウン。しかも歯切れ良く1,2,3弦のあたりを集中的に弾きます。それを左手のミュートとともにアクセントを絡めてフレーズが出来ています。
このテイクを聴くと、まったくと言って良いほど野呂一生さんに乱れはありませんね。まるでシーケンサーかループのように全てのフレーズが同じように聴こえます。聴き飽きたとも言えるくらい聴いたり、弾いたりしたフーレズですが、改めて聴くとやっぱり肝!ですね。また、ここではデジタルディレイを使用してエフェクトしているので、物凄い広がりを感じることが出来ます。

しかしその分ギターのテーマが入った時に急激に音像が狭くなったように感じます。一応エレピで同じバッキングをしているのですが、音数もライヴ音源と言うことで限られていますので、難しいところではあると想いますが。それにしても、エレピのバッキングを聴けば聴くほど、やはりギターでなければダメで、ギターならではの歯切れよさが身上のバッキングですね。

サビはご存知ギターのオクターブ奏法のメロディですが、ここで再びデジタルディレイで広がりを出しています。

まあ、流れで聴いていくと、テーマ部分の広がりの無さが逆に、イントロとサビを引き立てていると言う感じもします。

野呂一生さんのギターソロは、細かいリズムとは逆に大きなフレーズの乗りで展開をしています。
CD Time=2:19は多分右手に持っているピックで押さえてスライドをさせると言うライトハンド奏法だと想いますが、ややミストーンになっているのがライヴらしい感じ。
また決めのライトハンド奏法も少し後半リズムが乱れてくるのも同じくライヴな感じ。
それでもまとまったフレーズとメロディアスなラインは、適度な即興性の中にも練られてと言うか、何度も演奏をしている内に完成度がどんどん高くなってきたソロと言う感じがします。

ギターソロの後のテーマは向谷実さんのシンセでメロディを奏でます。このときのバッキングのギターはイントロの広さを少し抑えてまとめてありますがそれでもいい感じです。個人的には、ギターのテーマより、シンセでのテーマ部分の方が好きですね。

リズム隊なんですが、ここでもかなりオーソドックスに淡々とリズムを刻んでいます。特に桜井哲夫さんのベースラインは1曲目と同じくほとんど遊びが無く、余計な音が無く、いたってシンプルでリズムを正確に刻むことに徹している感じがあります。もう少し遊んでもよかった感じはありますが・・・。


03:ミッドナイト・ランデブー
この曲も説明不要の名曲です。
前の2曲は、前々作のアイズ・オヴ・ザ・マインド(*)で、元になるアレンジバージョンを聴いていたのでそんなに違和感は無かったのですが、この曲は当時結構な変わり方でインパクトがありました。個人的にはオリジナルのバージョンの方が好きですが。

オリジナルはシャッフルのビート感があるのですが、ギターのベースのユニゾンでのバッキングが比べて平坦な感じで、そのちょっとしたギャップがミッドナイトと言う少し暗く陰鬱な世界観を醸し出していたと想います。
比べて、この作品でのバージョンは、シャッフルがかなり全面に出てきていて、しかも、途中のユニゾンなど華やかな側面があって、どちらかと言うともっと絢爛なネオンが霞むミッドナイトと言う感じで、垢抜けてしまったと言う感じがします。まあ、お好みと言うところではありますが。

でもその効果とも言えるのがサビの部分。サビの部分は豪華でリッチな感じがもともとあったので、その意味ではサビの雰囲気に綺麗につながるのはこのバージョンと言えるかなと。まあオリジナルはそのギャップもミッドナイトな感じだったんですが。

野呂一生さんのクリアトーンのテーマはやはりデジタルディレイで左右に振られています。丁度テーマを追いかけるようになっていて、リー・リトナーさんが得意としているディレイの使い方のようです。
しかし、右側の音量が少し大きい感じがして、気になるとけっこう耳に付きます。テンポとの微妙なズレが当然ですがありますので意識してしまうと、ダメですね。

テーマ後のユニゾンは結構音が飛んでいるので難しいバッセージです。少し緊張感が漂う危なげな感じもありますが上手くまとめてシンセのソロにつなぎます。

向谷実さんのシンセソロは、左手でエレピを白玉でバッキングをしながら進みます。ロングトーンを中心としたメロディの間をギターとベースがユニゾンでバッキングをしていきます。

CD Time=2:44はミストーンとは言えないのですが、個人的にはかなり気になった音です。
このソロの最後の部分のコードは、トップノートをソから最後の1小節でファに動かすことによって続くユニゾンへの導入部となります。
ここでは、ギターとベースはユニゾンでのバッキングからユニゾン部へつながるために、コード的な音を入れることができないのですが、唯一向谷実さんの左手バッキングがそれをすることができる状況にあります。しかし、ここが単音のファが一発になってしまっているのです。これだけ完成度が高い演奏なので、このような部分は逆に目だってしまっている感じがするのですが。まあ、これも気になれば・・・と言うことではありますが。

野呂一生さんのソロは、これまた練ったと言うか、度重なる演奏で完成されていったソロと言う感じで見事に弾きぬけています。大変メロディアスでまとまったソロに仕上がっていますね。

再びテーマに戻ってエンディングですが、エンディングはユニゾンをさらに強力にしたユニゾンで終わっています。この終わり方はなかなか良いと想います。
オリジナルはフェードアウトですし、サンダーライブのバージョンでは、仕方なく終わっていると言う感じのするエンディングですので、実はこのエンディング部分が最初に出来て、それがこの部分だけではもったいない!ので中間にも入れたのでは?と言うのは考え過ぎでしょうか。そんな感じさえするエンディングらしいエンディングに仕上がっていると想います。


04:タイム・リミット
カシオペアのファースト作品カシオペア(*)の1曲目と言う記念的な曲。当時はこのテイクが物凄くカッコ良くてしかも超絶な演奏だったので、かなり驚いたと言う記憶があります。
オリジナルではブレッカー・ブラザーズデイヴィッド・サンボーンさんが参加していましたが、もちろんこの作品では4人のシンプルな演奏に仕上がっています。見事に4人で演奏をするようにアレンジされていて、まさにライヴバージョンと言う感じを持ちました。

しかし、だいぶ後になってからLD作品で、まだドラムが神保彰さんに代わる前のピット・インでのこの曲の演奏を映像で見たときに、ほとんどこの作品のテイクと同じだったことに逆に驚きがありました。
つまり、もともとこの曲はこの作品のテイクが野呂一生さんの考えていたアレンジで、それをオリジナルではデビュー作と言うことでのマーケット的なことか、ゲストがたくさん入ってしまって、もしかしたら意とは違うテイクになってしまったのがファーストアルバムのオリジナルテイクだったのではないかと・・・邪推ですが。

この曲はかなりの難曲で、スタートしてしばらく経ってからのギターとキーボードの16分音符でのユニゾン・ダウンフレーズなどはかなり難しいフレーズになっています。

ファーストソロは向谷実さんのシンセです。
オリジナルはエレピで少しジャズ的に決めていたのですが、このバージョンではスペーシーなシンセでのフレーズ展開になっています。

そして野呂一生さんのギターソロですが、この曲ではお馴染みの16分音符の連続した速いパッセージでのフレーズ。少しテンポキープの危な気な部分もありますが、何とか弾き切っています。

そして、サビの部分に入りますが、ここでは野呂一生さんがギターソロを展開していきます。ここはコード進行とスケールがワンパターンづつ変わっていくのですが、スケールライクに捉えながら、こちらは貫禄の弾き抜けです。

そのままイントロのパターンへ戻ってエンディング。約2:30ほどの短い演奏なんですが、なかなか内容の詰まったテイクに仕上がっています。

エンディングなんですが、当時から気になっていたのですが、野呂一生さんの弾いているコードがどうしてもしっくりこないのです・・・。このパターンはイントロでも出てくるのですが、妙に?メジャーコードなんですね。オリジナルを今回聴きなおして見たのですが、こちらはブラスの和音でしっかりとマイナーコードになっています。

また、この曲での桜井哲夫さんはやはり無難なプレイでまとめています。先ほどのピット・インでのライヴなどは、若さもありますがかなり暴れていて面白いです。そこまでいかなくても、もう少し暴れても良かったのではないかと想うのですが。

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と言うことで
続きのトラックは次回に・・・。

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1. テイク・ミー
2. 朝焼け
3. ミッドナイト・ランデブー
4. タイム・リミット
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2008年07月06日

セイリング・ワンダー/増尾好秋 【2】

セイリング・ワンダー

増尾好秋さんのセイリング・ワンダーのTrack05から先日の続きのレビューです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

05:カーク船長
ファンファーレ的と言うか出航の為のイントロダクション的なシンセから、雨の音のようなSEが左から右に流れると、それを裂くようにT.Mスティーヴンスさんのベースの激しいリフ。続いてギターとのユニゾン・・・。そのまま、増尾好秋さんの短いソロに入っていきます。
フュージョンらしい攻撃的なサウンドのこの曲はテーマらしいテーマが無く、短いユニゾンの部分を介して増尾好秋さんのソロが続いていきます。

ここでの増尾好秋さんは歪んだギターの音でフレーズをドライヴさせています。また、この曲はT.Mスティーヴンスさんのベースが強烈で、やはり曲をグイグイと牽引していきます。


06:クラッカー・ジャック
増尾好秋さんのカウントからゆったりとしたファンクビートで奏でられていく曲です。
とにかくビートがグルービーで抜群の乗りがあります。ドラムのスティーヴ・ガッドさんの重い2拍4拍のアクセントにT.Mスティーヴンスさんの細かいパッセージを挟んだフレーズ。そして、右チャンネルのエリック・ゲイルさんのカッティングに左チャンネルのリチャード・ティーさんのクラビのバッキング。
その強烈なリズムに乗ってクリアトーンでややファニーな中にも、綺麗なサビメロのテーマを増尾好秋さんが奏でていきます。

ギターソロは少し特殊な音。ライナーノーツからギターシンセを使用しているようです。種類等は良く解りませんが、音としてはワウがきつく掛っているような感じの音。細かいフレーズにもクリアに追従していますので、当時としてはかなりクオリティの高いものだった言えるのではないでしょうか。フレーズも丁寧に音を選択していてメロディアスな展開で聴かせてくれます。


07:豪風(ロリンズに捧ぐ)
T.Mスティーヴンスさんの印象的なラテン調のベースラインからスタートする曲。タイトルらしい激しい風のような雰囲気が伝わります。サブタイトルのロリンズは、ご存知ソニー・ロリンズさんのこと。
先日レビューをしたMASUOライヴ(*)でも、エンディング曲として怒涛の演奏がありますが、それよりはいくぶんかスマートな感じのテイクに仕上がっています。

テーマはナチュラルに歪んだ音でこれまた印象的なメロディを奏でていきます。ギター弾きが好みそうなメロディで、想わずコピーをしたくなるラインを持っています。

最初のテーマ部分はセンターにメロディが定位していますが、サビの部分でセンターが休み、左右のギターに変わります。ここでも、一貫した3ポイントのトライアングルギターを聴くことができます。

このサビのメロディですが、5音で出来たフレーズをわずかのブレイクを創りながら連続していく、と言うラインなんですが、良く聴くとそのブレイクの部分にB=「シ」の音がアクセントとして入っています。この音はギターで言う2弦の解放の音で、ワンフレーズごとに解放の音を鳴らしていると言うフレーズです。
簡単そうに聴こえるのですが、ちょっとコピーをしてみたらタイミングが実に難しい。しかもさり気無く解放弦の音を入れるのはさらに難易度を増しています。弾いているとちょっとグッとくるギタリスト好みのフレーズに想わず肝!ですね。

とにかくドラムのアル・マックさんとベースのT.Mスティーヴンスさんのバッキングリズムが強力。その上、両方ともにセンターに定位しているので、モノラル的にごちゃっとしているのですが豪風と言うタイトルに相応しい荒々しさを醸し出しています。

そのリズムに乗って増尾好秋さんはハードに攻めるソロを展開します。それでも、やはりナチュラル。無理なフレーズは無くてシンプルなラインを奏でていきます。

そんな豪風の中、海をテーマにしたこの作品はエンディングをむかえていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『海が見たくなった・・・』

海をひとつのテーマにして全体を構成しているのですが、前半はやや緩やかなリゾート気分で爽やかさが漂うサウンドなのに対して、後半はやや荒波の激しい海の表情を捉えています。
個人的には、最後に激しい豪風でエンディングではなくて4曲目の自然への賛歌あたりで爽やかさを持って終わった方が全体の構成としてはより好みだったと言えます。激しい航海で終わっていて、最後は無事に帰路についたのか?などと言う余計な心配もしたりしてしまいますので・・・。

増尾好秋さんのギタープレイは、超絶な速弾きや凝ったフレーズ展開はあまりなく、いたって解りやすくシンプル。先ほどからそれをナチュラルと言わせていただいていますが、まさにそんな言葉が似合います。

この作品にも参加しているエリック・ゲイルさんのことを良く、『ヘタウマギタリスト』などと言ったりしますが、増尾好秋さんもどちらかと言うとそんな感じでしょうか。
決して技巧派ではないのですが、それでもフレーズの素直さなどはアマチュアも参考にするところが大きいと想います。
まさにそれは心からナチュラルに出た1音の重みとでも言ったら良いでしょうか・・・。

この作品は、聴くと言うよりは、感じると言う作品で、ただ音に身をゆだねていくのが一番いい感じ・・・。
目の前に夏の景色が広がって来たら、気分はリゾート。
やっぱり、海が見たくなった・・・。

(CD TOTALTIME:37:37/ Walking消費カロリー:153.48kcal)

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