T-スクェアのNEW-SのTrack06から細かく聴いてみます・・・。
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06:MIDNIGHT CIRCLE
ミディアムシャッフルの和泉宏隆さんの曲。ドラムの則竹裕之さんのバスドラとベースの須藤満さんのラインがここでも絶妙に決まっていて良いビート感が溢れています。
テーマはピアノで奏でられていきます。
このライトな感じはシャカタク的と言うか、少し古いトレンディー・ドラマの挿入曲の感じと言ったら良いでしょうか。
ファーストソロは須藤満さんのベース。
バックの難しいリズムの決めの間を縫うように速いパッセージで駆け抜けていきます。
つづいて本田雅人さんのソロなんですが、この頭の部分がかなり入り難いリズムになっています。T-スクェアの曲には、このような一瞬迷ってしまいそうなリズム的なトリックがけっこうたくさんあります。
本田雅人さんのソロはオーソドックスなフレーズ展開で、曲の持っているトレンディな雰囲気をムーディに奏でていきます。
CD Time=3:44からの展開部分は、今までの感じとは少し違って単調になりやす曲調にいい変化をつけます。ここでは、綺麗なコード進行とそれに乗る本田雅人さんのサックスのメロディが聴き所ではありますが、そのバックでの則竹裕之さんのトップシンバルワークが強烈な細かさと正確さで叩きだされます。ただでさえ細かいトップシンバルワークなのに、さらにCD Time=4:02からはタムが切れ目無く絡んでくるというテクニックを聴かせてくれます。
テーマのパターンに戻ってからは、和泉宏隆さんのソロです。
今までのソロの中では、テーマの持っているスタッカートなメロディを上手く使用しているので、比較的歯切れの良いフレーズを展開しています。そして、則竹裕之さんが絡んできて、クラシカルなコード奏法に入ったところでフェードアウトとなります。
07:THE SUMMER OF '68
鳥の声など幻想的なSEをバックに、シンセ・ストリングとともに安藤まさひろさんがナイロン弦のアコギでメロディを奏でていきます。
このSEはアマゾンか何か森の深いところでの鳥と言うか獣の叫びのようなものなんですが、ナイロン弦のアコギとのイメージがぴったりくるのでしょうか。パット・メセニーさんのファーマーズ・トラストでも同じようなSEでした。
安藤まさひろさんが緩やかなリズムに乗って優しいテーマを奏でていきます。
サビに入ると更に幻想的なムードは増していきます。この部分はちょっとパット・メセニー・グループを想い起こさせる感じです。創ったのは和泉宏隆さん。そう言えばいつかは忘れましたがパット・メセニー・グループのライヴを観に行った時に、前列の方で和泉宏隆さんを見かけたことがありました。
08:NAB THAT CHAP!!
やや長めのラテンパーカッションのパフォーマンスからスタートして、ベースとドラムのユニゾンのフレーズへ。ベースがポリリズム的なフレーズなのでとにかく拍頭が取り難いです。このような難しいリックでは2人の息の合ったところを聴かせてくれます。
テーマは安藤まさひろさんの歪みギターと本田雅人さんのサックスが奏でていきます。
中サビに入ると安藤まさひろさんのギターのみになりますが、この音は良く歪んでいるのですが、ハードロックとかのそれとは違って聴き易く、何と言うか、品のある音と言ったら良いでしょうか。とてもいい音だと想います。
サビは派手派手で元気の出るT-スクェア節でまとめられていきます。イントロからテーマの部分とのイメージギャップがこれまたT-スクェアらしいですね。
このように発展を次第にさせていくのは曲を創っていく中でも比較的簡単なアレンジなんですが、実は展開したところから元に戻るのが難しいんです。極端に変化をさせてしまうと、最初のイメージに戻るアレンジがやや強引になることがあるのですが、この曲の場合は派手派手で盛り上がった決めを介して最初のベースパターンへ戻ります。非常に練られた曲だと想います。
ファーストソロは則竹裕之さん。
戻った拍の取り難いベースラインをバックに短いのですが見事にソロを決めます。
つづいては安藤まさひろさんと本田雅人さんの掛け合いになります。
最初の8小節はお互いにバックの決めの間をソロで駆け抜けていきます。リズムがインしてからCD Time=3:15の安藤まさひろさんのアーミングとライトハンドの連続技は流石の上手さがありますね。
後半はサビのパターンで本田雅人さんのソロ。コード進行がいいのでフレーズも走っています。ライヴだったら長尺で吹きまくると言うような部分ですが、ここでは短めにまとめて、最後にあのベースラインでエンディングになります。
非常にいいアレンジで良くまとまっている楽曲に仕上がっていると想います。
09:ロマンティック・シティ
アップテンポのボサノバのリズムに印象的なメロディでスタートします。このスタート部分はサビ。サビスタートと言うアレンジの方法で構成されていますが、短いセンテンスが集合した部分ですので、イントロと言えばそうともとれる絶妙なメロディで出来ています。
テーマは安藤まさひろさんのナイロン弦のアコギが奏でていきます。
ドラムのスネアワークと細かいベースラインがいい流れを創っていますね。
ファーストソロは本田雅人さんのソプラノサックス。テーマのコード進行でのソロになります。
このコードは基本的にマイナーコードでスケールも一発で行こうと想えば行けないこともないのですが、テーマのメロディの音をどうやってチョイスするかとか、CD Time=0:32の音が下がっていくクリシェの部分とか、CD Time=0:43の1小節入るメジャーの部分をどのように奏でて行くかが聴き所になります。
本田雅人さんはCD Time=1:52のクリシェの部分を音数を減らして、最後の部分にフレーズを重ねます。CD Time=2:03のメジャーの部分もいいフレーズで吹き抜けています。CD Time=2:10ではテーマのメロディをフェイクして奏で2コーラスめにつないでいます。
CD Time=2:19の2回目のクリシェの部分は絶妙なフレーズで下がっていく音をポイントにフレーズを重ねてその感じを上手く出しています。CD Time=2:30の2回目のメジャーの部分では、前半をメジャーフレーズで決めて、そのままつながったマイナーフレーズに以降してつぎのコードに解決していきます。
このソロは肝!で個人的にはベストプレイだと想います。
つづけて同じパターンで和泉宏隆さんのピアノソロです。
クリシェの部分は1回目が流れるようなラインで逆にあまりそれを感じさせないフレーズで弾き抜けます。そして2回目は高い音で引っ掛けるような節回しをして、今度はそれを意識させるような展開をしています。
メジャーになる部分は、1回目はけっこうストレートにフレーズを奏で、2回目はアクセントをつけたフレーズで綺麗にまとめて、瞬間、ひと呼吸おいて次ぎのフレーズにつないでいます。
この和泉宏隆さんのソロも見事な構成と流れでやはりベストプレイで肝!です。
そして続くは安藤まさひろさんのソロ・・・と行くかと想うとテーマに戻ります。安藤まさひろさんのソロはこの曲では無いので、物凄く残念です。
この曲も非常にコンパクトにまとまっていて、なお且つ、ジャズ的なソロまわしがあって非常にいい曲だと想います。セッション向きの楽曲とも言えますね。
10:WHEN I THINK OF YOU
本田雅人さんのアルトサックスが叫ぶ、渾身のバラードです。テーマももちろん綺麗なメロディなんですが、やはりここは本田雅人さんのソロが聴き所。
テーマのコード進行で、静かなフレーズを中心にサックスのタンギングと息使いでブルージーに奏でていきます。
そしてサビを挟んでピアノとのデュオになる部分では、静かながら、これまた絶妙なアーティキュレーションで朗々と歌い上げていきます。それにしてもニュアンスの付けかたが見事です。音がクネっていると言うか、波があると言うか。それが抑揚と言うことで、しっかりとした基本が出来ているからこそのアーティキュレーションと言えますね。
そのまま、静かにこの曲は幕を閉じていきます・・・。
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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『非常にまとまりがあってバランスがいい』
やはり細かく聴いて見ても同じ印象で、とにかく聴きやすい作品に仕上がっています。
全体を見ると、フューチャーリング本田雅人さんと言う感じもするのですが、これはジャケットを見ても同じで、本田雅人さんが他のメンバーより大きく写っています。
T-スクェアの屋台骨を支えてきた伊東たけしさんが脱退して、ある意味ピンチに登場した本田雅人さん。当時は、そのルックスからジャニーズ系などとも言われていたことを思い出しました。
だから、それだけでは無いと言う実力の部分をやはり全面にプッシュする必要があったと言うことでしょうか。安藤まさひろさんも少し引いていて、ある意味プロデュース的な役割をしているかのようにも想いました。
また、リズム隊の2人もタイトなリズムに徹してして、出すぎず、引きすぎずと言う、いい塩梅のところでのプレイが光っています。
このあたりの部分と、本田雅人さんのジャズ的な部分と、更に楽曲の良さが重なって、少しアダルトで聴きやすい良質な作品に仕上がったのではないかと想うのです。
(CD TOTALTIME:55:32/ Walking消費カロリー:223.24kcal)
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