Walking de Music

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セイリング・ワンダー/増尾好秋 【1】

セイリング・ワンダー

今日は大変暑く、まさにリゾート的な穏やかさの中でwalkingをしました。と言うことで増尾好秋さんのセイリング・ワンダーwalkingをしました・・・。

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この作品は1978年のリリース。増尾好秋さんのリーダー作としては4作目にあたるのですが、フュージョンサウンドを全面に出したものとしては最初の作品になります。
先日もMASUOライヴ(*)のレビューで書きましたが、この作品はあのハードで熱いライヴ盤の後に聴いた作品となります。当時はそのあまりにも大きいギャップに戸惑ったのですが、結局それが、増尾好秋さんの作品が個人的にお蔵に入ってしまった理由にもなっていましたが・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『海が見たくなった・・・』

少々センチメンタルな感傷に浸ってしまうくらい、とにかく爽やかなサウンドです。
この作品はタイトルからもお解かりだと想いますが、海をひとつのコンセプトにして全曲が仕上げられています。聴いていると想わずリゾートに行きたくなります。上手くその雰囲気を出していて、見事な統一感がある作品になっています。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

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01:セイリング・ワンダー
とても涼しそうな波のSEからスタートします。しばらくするとピアノの何とも言えない爽やかなリフがスタートします。このピアノのリフのポイントは左手のベースライン。このラインが既に肝!
ちなみにこの作品では、今をときめくフュージョン界の凄腕ミュージシャンがたくさん参加しています。この曲は、鍵盤だけでも、デイヴ・グルーシンさん、リチャード・ティーさん、そしてマイク・ノックさんの3人が参加しています。ライナーノーツからするとこの心地よいピアノのリフはリチャード・ティーさんのプレイだと想われます。

テーマは増尾好秋さんのクリアトーンで優しく奏でられていきます。
ここで使用しているギターは増尾好秋さんのHP(http://www.ymasuo.com/top.htm)にインタビューがありましたが、ギブソンのレスポールのようです。

ここでのテーマは何故か右チャンネルに定位しています。左チャンネルにはピアノがイントロのパターンを刻んでいます。流れるようなリズムの中でのプイレです。
でも、何故に右チャンネルにてテーマなの?
と想っていると、入ってきました!左チャンネルでも増尾好秋さんのテーマが重なっている部分があります。さらに、その中心、つまりセンターで歯切れの良いカッティングが聴こえます。このプレイはエリック・ゲイルさん。

実はこのギターの定位がこの作品のひとつの特徴になっていて、ギターがセンターでメロディが基本なんですが、左右に振られている部分があります。この3ポイントでのギターを中心にして創られています。ですから物凄くギターがフュ-チャ-されていて、まさにギターサウンドと言うのに相応しい仕上がりになっています。

曲は、サビに入ります。
このサビのメロディが実にいいです。何と爽やか!そして哀愁もほのかに漂っていてまさに肝!
実はこのサビを印象的にしている要因としてサビ前のリフがあります。このリフは明確なメロディはなくて
分数コードの流れで聴かすリフになっています。正確にはベース音をE=「ミ」に固定したペダルトーン。その上に微妙にメジャーコード、マナーコード、そしてデミニッシュコードを重ねています。この少し不安な感じがまさに風で波が少し立ってきた荒めの感じを醸し出しています。その後のサビのメロディは、それを抜けた後の爽やかな海が広がっている大海原と言う感じで一気に世界を広げてくれるのです。さらに、このサビの部分でかすかに聴こえるオルガンの音がまたいいんです。

増尾好秋さんのソロは、緩やかに刻まれていきます。音は右チャンネルのみなんですが、そのすぐ横のセンターでのエリック・ゲイルさんのバッキングが絶妙に絡んでいます。そして展開部分でそのままエリック・ゲイルさんがいぶし銀の短いソロを聴かせてくれます。

再びテーマに戻ってサビのコード進行で増尾好秋さんのソロが、今度はセンターに定位して繰り広げられていきます。

そして、エンディング近くにシャーリーさんとジュディ・アントンさんのコーラスが絡んできます。ちなみにシャーリーさんは増尾好秋さんの奥様でジュディ・アントンさんはシャーリーさんのお姉さんだそうです。さらにジュディ・アントンさんはこの作品の前に日本にいた時に、11PMや天気予報に出たりしていたそうです・・・。

そのまま航海は静かにフェードアウトしていきます。そして再び波の音が広がって周りを包み込みます・・・。


02:トレジャー・アイランド
1曲目の波の音を聞いていると少しレゲエのリズムを持ったこの曲がフェードインしてきます。航海から早くも2曲目でトレジャー・アイランド=宝島についてしまいました。穏やかで楽しいムードでテーマが流れていきます。この曲は歌詞つき。歌うのはシャーリーさんとジュディ・アントンさん。

この曲でのギターも3ポイントでの定位になっています。
右チャンネルはこの曲を特徴付けているレゲエと言うかカリプソと言うか。アルペジオを刻んでいます。そして左チャンネルは歌と一緒にテーマを奏でます。記載が無いので何とも言えないのですが音的にこちらがエリック・ゲイルさんではないかと想いますが・・・。そしてセンターで時々カッティングが入ります。
とにかく左右のギターと女性2人の歌声で進んで行く感じが楽しそうです。

CD Time=1:44のソロ前のちょっとしたブレイクに入るドラムのリフが凄い切れ味。これはスティーヴ・ガッドさんのリフ。ここまでゆったりとしたカリプソ風のリズムを静かに奏でているのですがワンポイントで聴かせるところは流石です。

そして、それに続いてパーカッションとベースがリズムを刻みます。パーカッションはウォーレン・スミスさん。そしてベースはT.M.スティーヴンスさん。シェーカーとアフロ風のベースラインが夏っぽくていい感じです。

しばらくすると、左チャンネルからギターのカッティング、そしてそれに少し遅れてセンターからもギターのカッティングが聴こえてきます。そしてさらに遅れて右チャンネルでアルペジオが重ねて奏でられます。

スティーヴ・ガッドさんのおかずを合図に、全体がリズムインをしてギターソロに入ります。この部分は静かですが、段々と盛り上がっていく音の重なり方がいい感じです。また、先ほどのギターの3ポイントの定位がはっきりわかる部分になっています。

あくまでの爽やかに、そしてリラックスした雰囲気。夏の陽射しが目に眩しい感じとのんびりしたムードが心和む曲です。


03:シューティン・ザ・ブリーズ
のんびりとしたムードから、アップテンポのラテンのリズムの曲です。それでもリゾート風の楽しい雰囲気が漂っています。

テーマはセンター定位で増尾好秋さんがやや固めのコンプレッサーが良く効いたクリアトーンで奏でます。音を良く聴くとオクターバーもかかっていてオクターブ下の音をかすかに重ねています。

印象的で明るいテーマから増尾好秋さんがそのままソロへなだれ込んでいきます。
ここでもセンターにて定位しているのですが、ギターのカッティングが同じくセンターで奏でられています。ど真ん中にギターが寄っている感じが、モノラル的で逆にいい感じに聴こえてくるので不思議とレトロな感じのサウンドになっています。
それにあわせてか、ドラムやベースもかなりセンター寄りのサウンド。かなりノリノリのリズムを刻んでいますが、ベースのT.Mスティーヴンスさんがグイグイ引っぱっていく感じがいいですね。パーカッションのバシリさんとウォーレン・スミスさんもいい味です。

ここでの増尾好秋さんのソロは見事のひと言です。

CD Time=1:06からはひとつの簡単なモチーフを繰り返しながらも、コード進行によってノートを微妙に変えていくというフレーズ。単純なんですが、しっかりとワンコーラスそれだけで奏でていきます。

CD Time=1:44からはメロディアスな高い音でのフレーズ回しから、パーカッシブなリズムアプローチで弾き抜けていきます。

CD Time=2:11からも簡単なモチーフをコード進行にあわせて変えてていくアプローチです。単純なんですがここでも本当に良くギターが歌っています。

速いパッセージやフレーズ、ジャズ的なテンションノートを多用したフレーズやクロマティックなアプローチはありませんが、メロディアスでしっかりと歌っていますし、ジャズ的なテンションが溢れています。
ラインがシンプルで実にナチュラルなフレーズ回しで、ある意味素直で誠実な感じが伝わってきます。これは増尾好秋さんの底力と言うか強烈な個性。このナチュラルと言うキーワードは物凄くギター弾きにとっては参考になるソロでまさに肝!です。

後テーマは、カッティングをしていたギターがそのままテーマを一緒に奏でていきます。ですから最初のテーマから更に音の輪郭が増して、丁度コーラスのエフェクトをかけたような効果が出ていて、より華やかな感じに仕上がっています。


04:自然への賛歌
増尾好秋さんのナイロン弦のアコギのソロからスタートします。
ミディアムテンポに乗ってコード奏法で楽しい中にも美しいメロディを奏でていきます。
この部分はセンター定位の音なんですが、その後で、ベースがインしてくるとギターは一気に右と左に分かれて奏でられていきます。もちろん別々に録音をしているので、ここでも3ポイントのトライアングルギターを味わうことができます。ちなみにこの部分はセンターのギターはお休みです。

さらにドラムがインしてくると、今度は左のギターが休んでセンターと右のギターがメロディを奏でていきます。この部分ではドラムのスネアのロールが絶妙なビートとアクセントを創っています。見事なロールはスティーヴ・ガッドさん。

さらにサビに入ると今度はセンターのギターが休んで右と左のギターがメロディを奏でます。

CD Time=1:51からはギターソロです。
センターのギターのみになって奏でられていきます。単音でのプレイではなくてコードソロになっています。リリカルでリズミカルなソロラインを展開します。

3ポイントで鳴るギターが実に綺麗です。メロディも美しいので聴いていると段々と吸い込まれていくような感覚になります。不思議な魅力を持った楽曲に仕上がっていますね。


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と言うことで
続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:37:37/ Walking消費カロリー:153.48kcal)

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セイリング・ワンダーセイリング・ワンダー
増尾好秋

曲名リスト
1. セイリング・ワンダー
2. トレジャー・アイランド
3. シューティン・ザ・ブリーズ
4. 自然への讃歌
5. カーク船長
6. クラッカー・ジャック
7. 豪風(ロリンズに捧ぐ)

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(*)本文に登場したCD・DVD

Masuo ライブMasuo ライブ
増尾好秋

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あとがき
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