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セイリング・ワンダー/増尾好秋 【2】

セイリング・ワンダー

増尾好秋さんのセイリング・ワンダーのTrack05から先日の続きのレビューです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

05:カーク船長
ファンファーレ的と言うか出航の為のイントロダクション的なシンセから、雨の音のようなSEが左から右に流れると、それを裂くようにT.Mスティーヴンスさんのベースの激しいリフ。続いてギターとのユニゾン・・・。そのまま、増尾好秋さんの短いソロに入っていきます。
フュージョンらしい攻撃的なサウンドのこの曲はテーマらしいテーマが無く、短いユニゾンの部分を介して増尾好秋さんのソロが続いていきます。

ここでの増尾好秋さんは歪んだギターの音でフレーズをドライヴさせています。また、この曲はT.Mスティーヴンスさんのベースが強烈で、やはり曲をグイグイと牽引していきます。


06:クラッカー・ジャック
増尾好秋さんのカウントからゆったりとしたファンクビートで奏でられていく曲です。
とにかくビートがグルービーで抜群の乗りがあります。ドラムのスティーヴ・ガッドさんの重い2拍4拍のアクセントにT.Mスティーヴンスさんの細かいパッセージを挟んだフレーズ。そして、右チャンネルのエリック・ゲイルさんのカッティングに左チャンネルのリチャード・ティーさんのクラビのバッキング。
その強烈なリズムに乗ってクリアトーンでややファニーな中にも、綺麗なサビメロのテーマを増尾好秋さんが奏でていきます。

ギターソロは少し特殊な音。ライナーノーツからギターシンセを使用しているようです。種類等は良く解りませんが、音としてはワウがきつく掛っているような感じの音。細かいフレーズにもクリアに追従していますので、当時としてはかなりクオリティの高いものだった言えるのではないでしょうか。フレーズも丁寧に音を選択していてメロディアスな展開で聴かせてくれます。


07:豪風(ロリンズに捧ぐ)
T.Mスティーヴンスさんの印象的なラテン調のベースラインからスタートする曲。タイトルらしい激しい風のような雰囲気が伝わります。サブタイトルのロリンズは、ご存知ソニー・ロリンズさんのこと。
先日レビューをしたMASUOライヴ(*)でも、エンディング曲として怒涛の演奏がありますが、それよりはいくぶんかスマートな感じのテイクに仕上がっています。

テーマはナチュラルに歪んだ音でこれまた印象的なメロディを奏でていきます。ギター弾きが好みそうなメロディで、想わずコピーをしたくなるラインを持っています。

最初のテーマ部分はセンターにメロディが定位していますが、サビの部分でセンターが休み、左右のギターに変わります。ここでも、一貫した3ポイントのトライアングルギターを聴くことができます。

このサビのメロディですが、5音で出来たフレーズをわずかのブレイクを創りながら連続していく、と言うラインなんですが、良く聴くとそのブレイクの部分にB=「シ」の音がアクセントとして入っています。この音はギターで言う2弦の解放の音で、ワンフレーズごとに解放の音を鳴らしていると言うフレーズです。
簡単そうに聴こえるのですが、ちょっとコピーをしてみたらタイミングが実に難しい。しかもさり気無く解放弦の音を入れるのはさらに難易度を増しています。弾いているとちょっとグッとくるギタリスト好みのフレーズに想わず肝!ですね。

とにかくドラムのアル・マックさんとベースのT.Mスティーヴンスさんのバッキングリズムが強力。その上、両方ともにセンターに定位しているので、モノラル的にごちゃっとしているのですが豪風と言うタイトルに相応しい荒々しさを醸し出しています。

そのリズムに乗って増尾好秋さんはハードに攻めるソロを展開します。それでも、やはりナチュラル。無理なフレーズは無くてシンプルなラインを奏でていきます。

そんな豪風の中、海をテーマにしたこの作品はエンディングをむかえていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『海が見たくなった・・・』

海をひとつのテーマにして全体を構成しているのですが、前半はやや緩やかなリゾート気分で爽やかさが漂うサウンドなのに対して、後半はやや荒波の激しい海の表情を捉えています。
個人的には、最後に激しい豪風でエンディングではなくて4曲目の自然への賛歌あたりで爽やかさを持って終わった方が全体の構成としてはより好みだったと言えます。激しい航海で終わっていて、最後は無事に帰路についたのか?などと言う余計な心配もしたりしてしまいますので・・・。

増尾好秋さんのギタープレイは、超絶な速弾きや凝ったフレーズ展開はあまりなく、いたって解りやすくシンプル。先ほどからそれをナチュラルと言わせていただいていますが、まさにそんな言葉が似合います。

この作品にも参加しているエリック・ゲイルさんのことを良く、『ヘタウマギタリスト』などと言ったりしますが、増尾好秋さんもどちらかと言うとそんな感じでしょうか。
決して技巧派ではないのですが、それでもフレーズの素直さなどはアマチュアも参考にするところが大きいと想います。
まさにそれは心からナチュラルに出た1音の重みとでも言ったら良いでしょうか・・・。

この作品は、聴くと言うよりは、感じると言う作品で、ただ音に身をゆだねていくのが一番いい感じ・・・。
目の前に夏の景色が広がって来たら、気分はリゾート。
やっぱり、海が見たくなった・・・。

(CD TOTALTIME:37:37/ Walking消費カロリー:153.48kcal)

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セイリング・ワンダーセイリング・ワンダー
増尾好秋

曲名リスト
1. セイリング・ワンダー
2. トレジャー・アイランド
3. シューティン・ザ・ブリーズ
4. 自然への讃歌
5. カーク船長
6. クラッカー・ジャック
7. 豪風(ロリンズに捧ぐ)

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(*)本文に登場したCD・DVD

Masuo ライブMasuo ライブ
増尾好秋

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あとがき
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