昨日は先日のようにゲリラ雨の危険がある中でのwalking。雲行きとのかけ引き・・・。とりあえず雨に見舞われず終了したと言うことでフューズ・ワンのシルクでwalkingをしました・・・。
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この作品は1981年録音のフューズ・ワンとしては2枚目の作品になります。
先日、ファースト作品をレビューさせていただいたのですが、ご存知フューズ・ワンはフュージョン界のミュージシャンが集まったスペシャル・プロジェクト・バンド。2枚目のこの作品は、音楽監督がスタンリー・クラークさんでリズム隊を固めて、それをバックにソリストがソロを展開すると言う流れになっています。記憶が非常に曖昧だったのですが、1枚目とこの作品のどちらかが結構好きで良く聴いていたような・・・。先日の1枚目の印象からすると、どうもこの2枚目の方が好みだったような気がしています・・・。もちろん物凄く久しぶりに聴きました。
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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『可も無く不可も無く・・・』
インプロビゼーションを中心にした作品ですので、もちろん聴き所は各人のソロと言うことになります。それぞれに聴いてみると、それぞれがいいソロを展開しているのですが、全曲を通して聴いて見ると、やはり完成度が低いと言うのが印象です。楽曲の展開やアレンジ、また録音やバランスもまとまり切れなかった!と言う感じでしょうか。
セッションやライヴ的な味と言う意味では臨場感があるのですが、少しソロを重ねすぎたと言う感じがします。逆にスタジオ録音と言うことで割り切ってのアレンジやソリストの選択をするともっと良かったかなと個人的には想いました。
細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。
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01:シルク
ドラムのレオン・チャンクラーさんのスネアロールからスタートするミディアムテンポのナンバーです。タイトな8ビートにのってエリック・ゲイルさんがメロディを奏でます。しかし、ソロと言うよりはバッキングでのメロディラインと言う感じ。出過ぎず、引っ込み過ぎずと言う絶妙なバランスを持ったプレイです。
曲は、ロニ―・フォスターさんのエレピの印象的なバッキングに入ると16ビートに展開をします。淡々としたリズムの中にもファンキーさが漂っていて、スーッと流れるようなリズムが生み出されています。音楽監督でもあるスタンリー・クラークさんのベースラインがレオン・チャンクラーさんのバスドラと連動してノリの良いビートを刻んでいきます。
テーマはスタンリー・タレンタインさんのテナーサックスが奏でます。
短い音を連続したようなメロディラインで単純なメロディなんですが、いいアーティキュレージョンで吹き抜けます。
サビの部分ではトランペットのトム・ブラウンさんとのユニゾンになって曲は綺麗な広がりをもった展開になります。この広がりは、ユニゾンのメロディももちろんですが、ストリングシンセが程よく絡んでいるところが大きいですね。また、エリック・ゲイルさんのカッティングが実にいい味を出しています。
ファーストソロはスタンリー・タレンタインさん。
全体的に速いパッセージでたたみ掛けると言う感じではなくて、ファンキーなリズムにゆったりとのったフレーズを展開します。特にスタート部分は、しばらくリズムに身を委ねてから一気に流れるフレーズを吹き切ります。あまり聴き馴染みがないミュージシャンなんですが、特に前半部分のフレーズはかなりいい感じで好みです。
でも少し気になるところが、サックスの音。と言うか音自体はとてもいい音なんですが、センターのやや左側に定位している音が時々センターに寄ってきます。これは意図したものなのか・・・。聴き難い感じがあります。
再びテーマに戻りエンディングに向かっていきますが、この曲は完全にバッキングのリズム隊のうねるビートを感じてリスナーも身を委ねると言うのが良いようで・・・。じっくり聴いていると想わず体が動いてしまうような抜群なビート感があります。
02:ヒューマン・スピリット
スタンリー・クラークさんのソロが静かに奏でられてスタートします。そのソロに重なるようにもう一本のベースがリズムインの牽引をします。これはマーカス・ミラーさんのベース。
この曲はベーシックなリズムはマーカス・ミラーさんでギター的なメロディやバッキングをスタンリー・クラークさんが奏でていくと言うスタイルで進みます。
テーマは軽快なサンバのリズムにのってスタンリー・クラークさんのベースとトム・ブラウンさんのトランペット、デイヴ・ヴァレンタインさんのフルート、さらにもうひとつウィントン・マルサリスさんのトランペットがユニゾンで奏でます。このウィントン・マルサリスさんの参加がこの作品のひとつの目玉になっています。
短いテーマの後、ウィントン・マルサリスさんのソロがスタートします。
軽快なサンバのリズムに逆らうこと無く流麗なソロを展開します。CD Time=2:22から2:28までは切れ目無く16分音符を連続して吹き切ります。この連続したパッセージは見事です。しかもこれがまたいいラインなんです。
さらにこのパッセージの後はスタッカートでフレーズを刻み、絶妙なブレスコントロールでの息が抜けていくようなグリスで締めます。
以前も少し書いたことがあるのですが、個人的にはトランペット奏者の作品はあまり聴きません。ですから当然ウィントン・マルサリスさんもそんなに馴染みがないのですが、このソロは見事だと想います。流石と言ったら良いでしょうか、当然と言ったら良いでしょうか・・・。
それにしてもサンバのリズムにはトランペットは合いますね。この曲でウィントン・マルサリスさんのソロを依頼したと想われるスタンリー・クラークさんの音楽監督としての力を感じることが出来る部分です。
その後はスタンリー・クラークさんのソロです。
ベースの音がだいぶデッドに録音されていて、やや歪んでいるのも味ですね。
その後を受けてロニ―・フォスターさんのピアノソロがフェードインするような形で入ってきます。モノラル的な音なんですが、サンバのテイストを持った速いパッセージを中心に弾き抜けていきます。
ここではバックのレオン・チャンクラーさんとかなり今まで地味に淡々とリズムを刻んでいたマーカス・ミラーさんが物凄いグルーヴ感を出していきます。
そのままのグルーヴを引きずってレオン・チャンクラーさんのソロにつながっていきます。
そして今度は2小節づつの掛け合いに入ります。
順番はスタンリー・クラークさん、ウィントン・マルサリスさん、デイヴ・ヴァレンタインさん、そしてトム・ブラウンさんです。
基本的にフレーズの牽引をしているのがスタンリー・クラークさん。スタンリー・クラークさんのフレーズをきっかけにして、それぞれが個性的なソロを繰り返していきます。
特にCD Time=7:39からの展開は、スタンリー・クラークさんのコード分散フーレズに、ウィントン・マルサリスさんが正統派ジャズラインで答え、デイヴ・ヴァレンタインさんがブレスでパーカッシブなフレーズを奏でトム・ブラウンさんが全体をまとめます。
続いてスタンリー・クラークさんが超速いパッセージの連続技、それにウィントン・マルサリスさんが同じく速いパッセージ、さらに続く2人も速いパッセージで答えます。そしてスタンリー・クラークさんの決めフレーズを全員がリフレインして重ねて行き、最後はスタンリー・クラークさんのコード掻き鳴らしバッキンングにウィントン・マルサリスさんが16分音符のジャズラインを重ねて、曲は一気にエンディングテーマになだれ込んでいきます。
03:サン・ウォーク
何とも爽やかさの漂う16ビートと浮遊するエレピのコードが心地よいスタートです。ここでもスタンリー・クラークさんのベースラインとレオン・チャンクラーさんのバスドラムがリズムを牽引しています。時々入るベースのアクセントが更にリズミカルです。
テーマはロニー・フォスターさんのヴォコーダーで少しファニーに奏でられていきます。メロディを聴けば、少し年配の方であれば想わず『白いギター』を想い出してしまう・・・そう、私も良く見ていた日曜日の午後の定番番組、TVジョッキーのテーマ曲として使用されていた曲です。
サビは1曲目と同じように、スタンリー・タレンタインさんのテナーサックスとトム・ブラウンさんのトランペットが奏でます。なんとも爽やかなメロディラインです。メロディの合い間に入るスタンリー・クラークさんのグリスが効いています。
そして、ソロ前のブリッジ的なメロディはギターの和音で奏でられていきます。これはジョージ・ベンソンさんのプレイ。それに絡むように左チャンネルから聴こえるエリック・ゲイルさんのカッティングが歯切れ良いです。
ファーストソロはスタンリー・タレンタインさん。
このソロラインもいいですね。ちょっと私の好きなウィルトン・フェルダーさんの様な雰囲気があってアダルトな感じに引き込まれます。
CD Time=2:50からの部分など3連をアクセントにしたフレーズ回しはジャズ的でカッコ良いです。途中からジョージ・ベンソンさんのバッキングが入ってきますが、これがまたエリック・ゲイルさんとは違った感じで味わいがあります。
スタンリー・タレンタインさんのソロ終りのフレーズをリフレインしたフレーズでトム・ブラウンさんのソロに引き継がれます。伸びのあるトランペットのトーンを生かしたソロラインで奏でていきます。
そしてジョージ・ベンソンさんのソロ。
音がかなり固めなんですが、もろフルアコ!と言う感じの音です。
CD Time=5:48の段々に速度を増していく流れるようなフレーズやCD Time=6:14のコード和音を分散したアルペジオ的なフレーズなど、個人的にはかなり久しぶりにジョージ・ベンソンさんのフレーズを聴きましたが、やはり粒揃いのフレーズと時々入る速いパッセージやコードを分散したフレーズなどはグッときます。フレーズのバックでかすかに聴こえるヴォイスもいい感じですね。
CD Time=6:22はソロのエンドフレーズでテーマに戻るかのように聴こえてしまうのですが・・・。つまり尺の打ち合わせが不十分だったのではないかと。実際はさらにワンコーラス続いていくので最終コーラスが若干フレーズ詰まりのような感じが個人的にはします。しかし最後のエンドフレーズを流麗に決めるところは流石のジョージ・ベンソンさんと言う感じです。
エンディングはスタンリー・タレンタインさんのテナーサックスとロニー・フォスターさんのエレピの掛け合いでフェードアウトしていきます。
04:ホット・ファイアー
ピアノのコードフレーズにブラスが派手に絡むイントロはまるで刑事ドラマのテーマのような勇壮さとカッコ良さがあります・・・とそれもそのはずでこの部分は大都会と言うドラマのテーマとそっくりと言うことで話題になった部分。
実は、大都会シリーズは大好きで、もちろんPARTⅠ~PARTⅢまでテーマ曲は全て記憶があります。当時、この話題があったことはほとんど記憶が無く、ライナーノーツを読んで気がつきました。今回頭の中で検証して見たのですが、大都会PARTⅢで使用されていたフレーズかと・・・。でもオープニングテーマを頭の中で歌ってみてもこの部分が出てこないんです・・・。するとエンディングのバージョンの方かと・・・。実際は良く解りませんでしたので細かい検証はしていないのですが。
でも、ありがちと言えばありがちな感じのフレーズ。ライナーナーツの熊谷美広さん曰く『確かにソックリ、と言うか全く同じだ!』と・・・。作曲はレオン・チャンクラーさんなんですが、大都会を観て黒岩軍団に毎週ワクワクしていたとも想えませんし・・・。
イントロのリフを抜けると、サンバ調のリズムに乗ってエリック・ゲイルさんがテーマを奏でていきます。たどたどしい感じのフレーズはヘタウマと言われる由縁。でも下手ではないところが、ミソ。これは呼吸だと想います。独特のブレイク感覚があってそれが逆に味になっていると想います。
その後を引き継いでソロに入るのがロニー・フォスターさんのピアノ。
そしてその流れを引き継いでスタンリー・クラークさんのソロに入ります。
展開部分であえて速いフレーズを封印してメロディアスにまるでテーマのように奏でられていくメロディは、逆にインパクトがあります。
再びあのイントロのリフがブリッジとして入ってウィントン・マルサリスさんのソロです。
このソロもやはり貫禄のフレーズまわしで、時折入るハイトーンのひと吹きや速いパッセージがサンバのリズムに抜群にのっています。
パーカッションのサミー・フィゲロアさんのソロを経てデイヴ・ヴァレンタインさんのフルートソロ。
そして再びテーマに戻ってイントロのリフでエンディングになります。
この曲で一番重要な部分がやはりイントロのリフ。これは各人のソロを繋ぐブリッジにもなっています。
それにしても、大都会PARTⅢが無性に観たくなりました。
ちなみに、大都会PARTⅢのサウンドトラックは高橋達也と東京ユニオンが演奏をしていてかなりフュージョンテイストのあるサウンドになっていると言うことらしいです。ドラマを観ているときにはほとんど気がいきませんでしたが、機会があれば聴いて見たいですね。
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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『可も無く不可も無く・・・』
walkingで聴き終えたときは完成度の低さを感じたのですが、細かく聴いて見ると少し印象が違いました。
確かに全体的な完成度と言う面で聴くと、セッション的な粗さがありますが、それでも細かく聴くことによってソロのフレーズの細かい部分やバッキングでの小技の部分が良く聴こえて、演奏自体の完成度と言うか、個々の演奏の完成度は極めて高いレベルだと想いました。まあそれもそのはず、このメンバーですから。
ですから漫然とBGM的に聴くと、1曲が結構長いので少し飽きが出ると言うか、疲れるというか。散漫な印象になってしまうのですが、気合いを入れて『音に集中して聴く』となかなか良いと言うのが改めて想ったことです。
この作品は細かく『聴き耳を立てて聴く』と言うのが味わい方だと想います。バンドアンサンブルよりも個々の技量を聴くと言う、丁度先回レビューをさせていただいたカシオペアの作品の対極にある作品と言えますね。
(CD TOTALTIME:33:32/ Walking消費カロリー:134.80kcal)
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