Walking de Music

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フェイシング・ウェスト
【シークレット・ストーリー/パット・メセニー】

今日のwalking Musicはパット・メセニーさんのシークレット・ストーリートラック02です。

02:フェイシング・ウェスト
フォークとカントリーがジャズにフュージョンされたと言ったらよいでしょうか?
まさにパット・メセニー・ワールドが全開の曲です。

言うまでもなく、この曲のリズムをグイグイと牽引しているのは、左右のチャンネルで奏でられているスチール弦のアコギでのコード・ストローク。そして、それをストレートにサポートしているアーマンド・マーサルさんのパーカッション。
そのリズムの中でアクセントになっているのが、パット・メセニーさんのエレクトリックギターでの2拍4拍右左?のショートなカッティング。

曲中のアクセントと隙間を埋めているのがライル・メイズさんのピアノ。
そして、さらに豊かさを加えているのがロンドン・フィルハーモニニック・オーケストラのストリングス。

一緒にリズムを牽引している楽器であるベースですが、この曲ではパット・メセニーさんが奏でています。

この曲は、特に全体のバッキング・プレイにほとんど遊びがなく、単純に淡々と進んで行くのが最大の特徴です。
一歩間違うと打ち込みのサウンドのようになってしまいますが、まったくそんな風に感じさせないのは、抑揚があるからです。それがサウンドのうねりになっていると想います。
この抑揚だけで、劇的にしかも映像的に進んで行く曲と言ってもよいと想います。

そのためかライル・メイズさんのピアノも白玉が多くいたってシンプル。ストリングス・アレンジも後テーマ部分以外は非常にシンプル。
また、ベースはやはりベーシストが弾いた方がよりクオリティが上がるのでは?とも想ったのですが、逆にベースラインに派手なおかずなど不要でパット・メセニーさんのプレイで必要十分であったのでは?と想います。

テーマはシンセで、これまたパット・メセニー・ワールドである笛系の音。
そして抑揚のあるこの曲のキーポイントになる部分がCD Time=0:37、CD Time=0:39そしてCD Time=0:41のアクセント。
個人的には続くCD Time=0:45やCD Time=0:52のアクセント部分が肝!で、この抑揚とアクセントには、想わずwalkingをしていても空に向かって手を突き上げたくなってしまいました。
このパターンは頻出しているのでこの曲の最大の特徴になっていますね。

2コーラスめになると、テーマが変わって今度はパット・メセニーさんのギター。これは、エレクトリック・シタールでしょうか?
それをオクターブで重ねて弾いていうような感じです。ちょっと良く解りませんが、これまた独特のサウンドです。

CD Time=2:24からはパット・メセニーさんのソロです。このソロは実によくメロディを歌っていると想います。
最近のパット・メセニーさんの特にジャズ的なフォーマットでのプレイは、少し指癖に走るところがあって、しかも弾きまくりスタイルでちょっと満腹!という感じが個人的にはあるのですが、それに比べると格段の音数の少なさの割りには格段に歌っているのがこのソロです。

この部分はテーマのコード進行に従ってインプロヴィゼーションを展開しているのですが、コード進行の流れをフレーズ単位で捉えていくようなアプローチで本当によく歌っていると想います。まるであらかじめ創っておいたかの様な綺麗なメロディが連続しています。

パット・メセニーさんのソロの後は、再びテーマに戻ります。今度はコードがAからCへ転調をしていて、さらにテーマをパット・メセニーさんのエレクトリックシタールと共に笛の音などのシンセ類が一緒に奏で、さらにロンドン・フィルハーモニック・オーケストラがストリングスで豊かさを添えます。

この部分が抑揚の最大の盛り上がりポイント。
ストリングス・アレンジが非常に盛り上がりを醸し出していて、最初は比較的シンプルに進むのですが、CD Time=3:45のカウンター・ラインをきっかけにして膨らんでいき、CD Time=3:58でメロディを一緒に奏で最高潮の盛り上がりを聴かせ、エンディングのパット・メセニーさんのソロへと繋がっていきます。

エンディングのパット・メセニーさんのソロは8小節をワンパターンとして展開をしていきます。
最初の6小節はCsus4→Cというコードを繰り返し、最後の2小節がA♭mai7(add6)→A♭may7を繰り返します。
この最後の2小節でインプロヴィゼーションに使用するスケールをチェンジします。

このチェンジした部分が実に気持ちが良いですね。
これは、ギターを弾く上で実はスケールチェンジが比較的しやすいパターンと言えます。その割には効果的なスケールチェンジになっていて聴いていても気持ちが良いのですが、弾いているともっと気持ちが良いパターンと言えます。ギタリストならではのコード選択とも言えますね。
この部分の雰囲気が変わるソロラインをじっくりと聴いていただきたいところ。

そのままパット・メセニーさんのソロで曲はフェードアウトしていきます。

構成も非常にシンプルな曲で、さらに使用しているコードを見てもいわゆるAとかCといったシンプルなコードが多いのも特徴です。けっこうジャズ・フュージョンの場合は、このようなノーマルでシンプルなコードを使用した曲だと『ノー天気』なサウンドになりやすので敬遠する傾向があるのですが、それをストレートに使用しているのはやはりパット・メセニー・ワールド
つまり、フォークやカントリーにもルーツを持っているというあらわれですね。

そして、全体に単純でシンプルな楽曲をここまで劇的に壮大に仕上げているのは、抑揚と頻出しているアクセントフレーズのたまものだと想うのです。
心が晴れるような清々しさを与えてくれる秀作だと想います。

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Pat Metheny

曲名リスト
1. Above the Treetops
2. Facing West
3. Cathedral in a Suitcase
4. Finding and Believing
5. Longest Summer
6. Sunlight
7. Rain River
8. Always and Forever
9. See the World
10. As a Flower Blossoms (I Am Running to You)
11. Antonia
12. Truth Will Always Be
13. Tell Her You Saw Me
14. Not to Be Forgotten (Our Final Hour) [*]

1. Back in Time
2. Understanding [*]
3. Change in Circumstance [*]
4. Look Ahead [*]
5. Et Si C'Etait La Fin [As If It Were the End]

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