
今日のwalking Musicはスティーリー・ダンの彩(エイジャ)のTrack03~05のレヴューです。
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03:ディーコン・ブルース
ミディアムテンポのリズムが何とも心地よいナンバー。
左右のチャンネルで奏でられているアコギのバッキングストロークが流れるリズムを生み出しています。
このギターは、ライナーノーツによると
ラリー・カールトンさんかリー・リトナーさん。
まあ、何といっても
この2人の名前がクレジットされていることがまず凄い。
でも、この作品をスティーリー・ダンの2人が自ら解説したDVDを観ると
このアコギのプレイヤーをディーン・バークスさんだと
ドナルド・フェイゲンさんが言っています・・・。
そこでよく聴いてみると・・・
この曲で演奏されているギターは3種類。
左右のアコギと左チャンネルのクリア・トーンのエレキ。
勝手に解釈をすると・・・
ラリー・カールトンさんのアコギが左チャンネルで
右チャンネルのアコギはディーン・バークスさん。
そしてエレキがリー・リトナーさん
だと・・・想います。
ラリー・カールトンさんはこの作品では
全体を取り仕切るような役割をしていたと言います。
ですから、ギタリストとしては少し引いていて裏方的な部分も多かったかと。
だから、ほんのり聞こえる左チャンネルのアコギかと。
そして、ドナルド・フェイゲンさんがデーンバークスさんと言ったのは
印象にたぶん残っていたからかと。
そして、右チャンネルのアコギの方が
はっきりと聴こえて、さらに曲を牽引しているのでディーンバークスさんかと。
そして、一聴ラリー・カールトンさんのようなフレーズにも聴こえますが
意外に共通したフレーズボキャブラリーを持っているのがリー・リトナーさんなので
このようなプレイもありかと。
さらに、最後の部分のミュートして単音のフレーズは
リー・リトナーさんの超得意フレーズ。
だからエレキはリー・リトナーさんかと。
勝手な推測ですので
実際に間違っていましたらご指摘くださいませ。
04:ペグ
問答無用の名曲です。
ラリー・カールトンさんがこの曲にインスパイアされて
名曲「ルーム335」を創ったのは有名なエピソード。
イントロは、Gmaj7から半音づつベース音が下がっていくコード進行。
CD Time=0:06のチャック・レイニーさんのベースが
3度の音とベース音を弾いた和音になっていて
その味わいは抜群です。
この曲は小節を追っていくと、なかなかつかみ難いところがあります。
それは奇数のまとまりを巧みに創っているためです。
その最初のトリップがこのイントロ。
キメのブレイクがちょうど7小節めになります。
普通、偶数で小節のセンテンスをまとめるのが
一応作曲のセオリーなんですが
それをいきなり崩しているわけです。
テーマが入る部分からはブルース形式を持ったコード進行で曲が進みます。
しかし、ここにもトリップがあって
ワンコーラスめは、13小節です。
ところが、2コーラスめは12小節になっています。
ワンコーラスめの最初の1小節を別のセンテンスと考えると
ちょうど12小節のブルース進行になって両コーラスとも
同じサイズになります。
試しに、頭の中で
イントロの後のブレイク部分から歌い始めてみてください。
それでも曲として成り立つことがわかりますね。
つまり、このワンブレイクを入れて
さらに、12小節のセンテンスの終わりの1小節分を
頭に持ってきているということなんです。
ちょっとわかりにくいですが・・・。
このあたりの奇数のセンテンスの使い方が実に見事です。
そして、そのアレンジのためにブルース進行であるにも関わらず
言われなければ気がつかないような洗練された形になっていると想うのです。
まさに、スティーリー・ダン風モダンブルースですね。
サビに入ると、分厚いコーラスで展開をしながら
ここでも見事に、最初のブルースコード進行に戻っていきます。
そして、このソロで有名になったジェイ・グレイドンさんのギターソロです。
このギターソロの部分もワンコーラスめのテーマと同じですので
最初の1小節めを別のセンテンスと考えて
12小節のソロサイズとしてまとめるか?
それとも
13小節のソロサイズとしてまとめるか?
この選択で大きく違うアプローチになると想うのですが
ジェイ・グレイドンさんは、
どちらかと言うと後者でのアプローチで
最初の部分はスチールギターを模したような
ハワイアン風のリフで弾き始めます。
これは実にうまいアプローチで
ソロサイズを意識させないようにして
且つ、奇数小節の不安定さを感じさせるようなアプローチ。
たくさんのギタリストにソロを弾いてもらった中で
ジェイ・グレイドンさんのソロを使ったスティーリー・ダンの2人は
見事なチョイスだったと想います。
CD Time=2:01からのややアウトなフレーズも曲にあったいい感じですね。
再び、テーマからサビ、そしてサビを繰り返しながら
ジェイ・グレイドンさんのソロが再び入るところでフェードアウトしていきます。
この曲をさらに良いものにしているのがリズム隊。
特にベースのチャック・レイニーさんのプレイが肝!です。
テーマの部分では、この曲を印象づけているリズムパターンを弾きつつも
間に絶妙にアクセントフレーズを挿入しています。
これが、単純なリズムにグルーヴ感を与えています。
合わせて、左チャンネルのスティーヴ・カーンさんの短音ミュートの
ギターも相乗効果で盛り上げていますね。
サビの部分のベースラインはスラップでのプレイ。
本人曰く
スラップはダメだとスティーリー・ダンの2人に言われていたので
2人に見えないように、また気がつかれないようにスラップでプレイをした・・・
とか・・・。
サビの部分はコーラスも含めて、キメのリズムを基本的に繰り返して進みます。
もちろんバックのギターやエレピも同じです。
その中で、ベースラインはアクセントは合わせながらも
キメのリズムを崩したスラップでプレイをしています。
そのために、テーマから続いているリズムの単調さを消して
サビの部分を盛り上げるという効果をもたらしています。
このスラップというチョイスがまさに見事!
特にエンディングでの繰り返しの部分は
まさにスラップが効いている感じです。
さらに、スラップも必要最低限の感じで
派手派手でなく、さりげなさが残っているプレイであるのが
これまた見事です。
ですから、この曲はベースラインの巧みさが生み出した名曲!
と言うこともできると想うのです。
まあ、チャック・レイニーさんは、スティーリー・ダンの2人に
気付かれないように・・・と言っていますが
気がつかないはずはないですよね。
スティーリー・ダンの2人がイメージしていた
スラップではないベースラインよりも
実際に聴いたときの
スラッププレイで感じた耳を信じたわけで
そのチョイスというか直感のようなものが
たぶん絶妙なんですね、スティーリー・ダンの2人は。
ジェイ・グレイドンさんのソロも
たぶんその耳を信じた結果だと想うのです。
またこれは逆に
名人チャック・レイニーさんの匠の技が2人を納得させた
ということも言えると想うのです。
とにかくいい曲ですね。
無条件に肝!でベストトラックだと個人的には想います。
05:安らぎの家
ミディアムスローでちょっとレゲエ調のリズムを持った曲。
ドラムのバーナード・バーディーさんの3連、バーナードシャッフルは
もう唯一無二の強力なビートです。
曲はゆったりとしたビートで進みます
サビに入ると、厚いコーラスがこれまたいい感じです。
間奏を挟んでのソロはシンセ。フレーズはハーモニカ風の感じですが
音質を良く聴くと、パット・メセニーさんのギターシンセと似たような音ですね。
このシンセソロは、ドナルド・フェイゲンさんのプレイ。
続いてギターソロですが
ここはウォルター・ベッカーさんのソロ。
派手なフレーズではありませんが、味があるプレイで
結構好きなソロです。
ちなみに左チャンネルのカッティングはラリー・カールトンさん。
ナチュラルにひずんでいるトーンで
こちらも渋い味わいを醸し出しています。
・・・
続きのTrackはまた後日に・・・
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