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ライヴ!/スーパー・ギター・トリオ 
FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO/AL DiMEORA,PACO DE LUCIA,JOHN McLAUGHLIN

フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!


昨日はとっても寒かったです。いよいよwalkingにも冬の2アイテム、手袋とマスクが必要になってきました・・・。と言うことで昨日のwalking musicは、スーパー・ギター・トリオライヴ!です・・・。
アコースティック・ギターによる緊張感の高いバトル風戦闘!の先駆的な作品です。これは1981年のリリース。前年のライヴを収録したスーパー・ギター・トリオの激演が楽しめる作品です。
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01:地中海の舞踏/広い河
右チャンネル、手で拍子を取りながら囁くようなアル・ディメオラさんのカウントに続いて煌びやかなアル・ディメオラさんのスチール弦ギターとパコ・デ・ルシアさんのナイロン弦ギターのアルペジオ。それに重なるようにオーディエンスの大歓声・・・。まさにライヴ会場での臨場感がひしひしと伝わってくるオープニングです。
このアルペジオは2人と基本的には同じラインなんですが、良く聴くと左チャンネルのパコ・デ・ルシアさんが3連の16分音符を入れたアルペジオになっていて、さりげなくスピード感を演出しています。これはアル・ディメオラさんがピックで弾いているのに対して、パコ・デ・ルシアさんは指で弾いているために出来る技と言えます。当然、パコ・デ・ルシアさんはフラメンコギターの大御所ですので指弾きと言うことなんです。
速弾きのユニゾンとテーマを挟んで、CD Time=1:10での一瞬のブレイクにアル・ディメオラさんの「イエーッ」のひと言が実にカッコ良くて肝!です。
実は、地中海の舞踏のスコア譜があってそれを見ていたのですが、どうもここからのテーマが記載されていないんです。コード進行も違うようですし・・・。この曲はアル・ディメオラさんのオリジナルでエレガント・ジプシー(*)と言う作品に収録されているのですが、実は、このライヴのインパクトがかなり強かったのでオリジナルはそれほど聴き込んでいないのです。ちょっと確かめようと想って探したのですがテープが見つからなかったので、結局良く解りませんでした。
この部分は広い河と言うことになるのでしょうか?
まあ、いずれにしてもテーマらしきメロディを2コーラス弾いてからアル・ディメオラさんのソロになります。
そのテーマの2回目CD Time=1:30では、スチール弦ギターでの絶妙なチョーキングでメロディに抑揚をつけています。どうしても16分音符の超絶技巧に耳が行くのですが、このようなところが実は渋い!のです。
CD Time=1:45からは得意技のミュートした速弾きフレーズ。スケール練習の様な音使いなんですが、このフォーマットにおいてはそれも良し!と言うことですね。ひたすら正確にスピードの勝負と言う感じです。
CD Time=1:54の速弾きフレーズが、低音まで言って終焉したとたんのオーディエンスの絶叫!待ってました!と言う感じが伝わってきます。
しかしCD Time=1:59からの優しいフレーズが速弾きの反動のフレーズとしてメロディアスで実に良いです。この対比と抑揚のあるフレーズを奏でることが出来る力があるところが、アル・ディメオラさんの凄いところだと想います。
次ぎはパコ・デ・ルシアさんのソロです。
先にも書きましたが指弾きですが、実に速いパッセージを奏でます。まあフラメンコやクラシックではある意味当たり前に速く弾くことが出来るのですが、それでもCD Time=3:47からの超絶フレーズなど、アル・ディメオラさんのピックでのプレイと遜色がありませんね。
CD Time=4:06からのフレーズは音使いが面白いフレーズです。このあたりはバックボーンがフラメンコと言うところに起因している感じですね。メロディアスな中にも、スパニッシュな音の選択がエキゾティックなムードを漂わせています。
再びテーマを挟んで今度はテンポアップして2人とも弾きまくります。
CD Time=6:25からのパコ・デ・ルシアさんのソロから少し静かになるのですが、そのバックのアル・ディメオラさんのバッキングがコードを上手く分散して奏でていて上手さを感じます。このようなワンポイントが実に上手いです。
さらにこれを発展させて、上手いコードトーンの選択をしているバッキングがCD Time=8:09から。パコ・デ・ルシアさんもここでは同じようなラインでソロを奏でているために、絶妙なコンビネーションになっています。
それにしても迫力満点で、アコースティックギターのパーカッシブな部分の醍醐味を味わうことが出来る名演です。
02:ショート・テイルズ・オヴ・ザ・ブラック・フォレスト
トレモロ奏法をモチーフにした超絶な曲。テーマらしきテーマはなく、リズムで押していくアプローチです。途中、掛け合いのようになりますが、これが宇宙人の様な会話と言うか、コンピューターの信号音のようにも聞こえてくる掛け合い。とにかく速い!
この部分では遊んでいて、ライヴの面白さと、ギター2台と言うフリーで束縛のないパフォーマンスの面白みを味わうことが出来ます。
途中、ピンクパンサーのテーマを入れつつ、ブルースに移行していくところは本当に楽しそうです。でも、さりげなく演奏していますが、もしこれが全くの打ち合わせなしとすれば、力のある2人だからこそ出来る匠の技と言えます。さりげなくこの様な即興を決めるのって凄く難しいんです・・・。
03:フレボ・ラスガド
今度は、アル・ディメオラさんに変わってジョン・マクラフリンさんが左チャンネルに登場です。パコ・デ・ルシアさんは右チャンネルに移動するのですが、録音の関係でしょうか、そのまま左チャンネルに定位しておいた方が聴きやすかったと想うのですが・・・。
ファーストソロはジョン・マクラフリンさん。
2人に負けずと速いパッセージを中心に奏でます。その部分はもちろん超絶なんですが、やはり本当の渋さはCD Time=2:35からの様なコード進行にのったメロディアスなライン。アル・ディメオラさんと同じで、このようなフレーズが出来るので速いパッセージも生きてくるわけです。
続いてはパコ・デ・ルシアさんなんですが、今までと同じ様なフレーズを弾いてはいるのですが雰囲気はだいぶ違います。これは、バッキングのジョン・マクラフリンさんのギターがナイロン弦ギターであると言うことが大きいと想います。スチール弦とナイロン弦の音の煌びやかさと音圧の違いを感じることができます。
CD Time=4:36では今まであまり弾いていないラスゲヤード奏法が登場です。これはフラメンコギターの代表的な奏法で、右手の指をバラバラの動かしてジャカジャカと弾く奏法。少し年配の方には夏木マリさんの名曲絹の靴下の指のアクションを、右手で高速にしながら弾くと言うことなんですが・・・お解かりでしょうか?
その後、掛け合いを挟みながらエンディングです。演奏内容は凄いのですが、雰囲気はけっこうアダルトな感じで落ち着いた感じが良いですね。また2人ともナイロン弦なので耳ざわりが良いのが、その、落ち着いた感じとアダルトさをさらに演出しています。
04:幻想組曲
この曲はライナーノーツにクレジットが何故か書いてないのですが3人の演奏です。しかしこの曲は音が悪いです。多分、左チャンネルがパコ・デ・ルシアさんでセンターがジョン・マクラフリンさん、そして右チャンネルがアル・ディメオラさんだと想うのですが、アル・ディメオラさんの音がかなりセンターよりで、ほぼジョン・マクラフリンさんの音と重なって聴こえます。まあ私の再生機の問題もあると想いますが・・・。
この作品もリマスターとかリリースされているのでしょうか。このようなピュアな音源で左右の分離が、ある意味重要な作品こそリマスター盤をリリースして欲しいと想うし、またその違いが良く解るのではないかと想うのですが・・・。
3人が3様で速いパッセージを中心に弾きまくります。3人で弾くとかなりの迫力ですね。どの部分をとっても、そのかけ引き、そしてお互いがインプロヴァイズし合いながら更に白熱していく熱気が伝わってきます。
また、CD Time=3:00からのアル・ディメオラさんのトレモロ奏法は本当に粒が綺麗に揃っていて見事です。しかも、段々とその粒揃いのままでデクレッシェンドしていくところはかなり難しいです。正確なピッキングは神的なオーラさえ感じてしまいます。
05:ガーディアン・エンジェル
この曲のみニューヨークでのレコーディング。スタジオでの録音だと想われます。もちろんオーバーダビングをしたような感じはありませんので、多分一発録りだと想います。
複雑な拍子とアンサンブルでスタートします。まさにジョン・マクラフリンさんの曲と言う感じです。スケール感があって、ちょっと哀愁のあるメロディの秀作ですね。
テーマからソロの部分は3/4拍子。速弾きには少し弾きにくいリズムではあります。
ファーストソロはジョン・マクラフリンさん。
スタートの音使いやCD Time=0:58の速いスライドダウンなど曲の雰囲気を掴んだラインを奏でていきます。その後CD Time=1:08からは16分音符の連続で息をつくヒマも与えてくれない感じです。
続いてはアル・ディメオラさんのソロ。
音使い的にはジョン・マクラフリンさんと似ているラインを奏でていくのですが、CD Time=1:42のセクシー?なチョーキングニュアンスやCD Time=1:46のスチール弦では大変そうなチョーキングからの怒涛の速弾きはグッ!とくるものがあります。ソロエンドもチョーキングで締めます。
最後はパコ・デ・ルシアさん。
やはりフラメンコがバックボーンなので、2人とは少し違ったアプローチでよりストレートと言うか、そんな感じがします。またCD Time=2:29からの速弾きラインは、頭の部分でコード和音の分散を上手く使用して、煌びやかな音色を奏でています。これは指弾きならではの音使い。実に味ががあります。
その後は掛け合いに入ってからテーマに戻ってエンディングです。短い曲ですが、3人の弾き方やフレーズの違いが一番良くわかるプレイになっていると想います。
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どうしてもこのフォーマットの場合は、誰が一番上手い?速い?的なバトルになってしまいがちなのですが、もちろんその意図は少なからずあるにせよ、もうこの3人のレベルになるとテクニック的なことは本当に互角で、後はお好みの世界になりますね。
逆に、これだけ超絶技巧の速弾きを聴き続けると、途中で満腹感を得てしまいます。個人的には・・・。
若かりし頃はこの雰囲気が好きで、とにかく速く弾く!と言うのがリスニングポイントだったのですが、今回聴いてみると、この3人にとっては速弾きは普通、当たり前。
とすると“味”が出るのは、その速弾きと速弾きの間を埋める為のフレーズやバッキングワークではないか、と想ったのです。
その部分をポイントに聴いていくと、より3人の“味”の違いを感じることが出来て、また新しい気持ちで聴くことが出来ました。
もちろん超絶技巧を単純に味わうのもまた良しですが、秋の夜長には、その間を埋めるメロディアスな部分やバッキングワークなどの妙を探して聴くのも、また“オツ”な感じがするのです・・・。
(CD TOTALTIME:41:07/ Walking消費カロリー:165.29kcal
 walkingには・・・適度な緊張感が良いです!その迫力に想わず早足になります・・・。)

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フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ! フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!
ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシア アル・ディ・メオラ

曲名リスト
1. 地中海の舞踏~広い河
2. 黒い森
3. フレボ
4. 幻想組曲
5. ガーディアン・エンジェル ※〈CDテキスト〉

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(*)本文に登場したCD・DVD

エレガント・ジプシー エレガント・ジプシー
アル・ディ・メオラ ミンゴ・ルイス バリー・マイルス
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あとがき

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  1. 「スーパー・ギター・トリオ」の作品は残念ながら未だ未聴です。私にとってのギター3人組は「OTTO TRIO」で止まっています。
    「とすると“味”が出るのは、その速弾きと速弾きの間を埋める為のフレーズやバッキングワークではないか、と想ったのです」って名言ですね。
    3人の“味”の違いを聞き分けることができて良かったですね。さすがはギタリストでいらっしゃる。
    私もayukiさんのような耳がほしいです!

  2. セラピーさん
    コメントありがとうございます。
    本当にこの作品は速弾きのオンパレードですので、それが普通に聴こえてきてしまうんですね。朱に交われば・・・ではないんですが、逆にそれ以外の部分が際立つような気が今回はしたというわけです。でも初めて聴くと、これでもか!と言う速弾きに圧倒されると想います。




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