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彩(エイジャ)【1】/スティーリー・ダン




今日のwalking Musicはスティーリー・ダン彩(エイジャ)です。walkingで通して聴いた印象とTrack01~02のレヴューです。

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この作品は1977年の作品です。超名作のために、今更レビューと言うのも何か恥ずかしいような気もするのですが・・・。

既にいろいろ語り尽くされている感のある作品ですが時々、無性に聴きたくなる数少ない作品とも言えます。時代を経ても色あせることがないのが、凄いと言うか不思議な感じさえします。久しぶりに通して聴きました・・・。

今更私がいろいろと書くこともせんえつな感じもしますのでギターを中心に・・・と想ったのですが、まあ、想いついたままに勝手にレヴューをしてみたいと想っています。

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『単純さが生み出す奥行きの深さ・・・』

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので1曲つづ聴いていきます・・・。

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01:ブラック・カウ
スタートのギターのハンマリングフレーズがインパクトになっていますね。これはラリー・カールトンさんのプレイ。独特のタイム感があって、ラリー・カールトンさんのいつものソロラインにも良く出てくるニュアンスのフレーズです。

この場合は「ラ→ド」とギターだと間を2フレット空けて弾くフレーズになります。一発聴いただけでラリー・カールトンさんと解るフレーズとアーティキュレーションはまさに適材適所。

その左チャンネルのギターを受けるような形で右チャンネルのクラヴィとベースがこの曲の特徴的なリズムリフを刻みます。ベースはチャック・レイニーさんでクラヴィはジョー・サンプルさん。

ラリー・カールトンさんのフレーズが途切れるとゲートリバーヴでそのリズムリフをエコー。そして、ほんのかすかに残響が左チャンネルに響くのが聴こえます。細かいところですが、丁寧なミックスダウンだと想いますね。

淡々としたリズムのポール・ハンフリーさんのドラムのリズムにのってドナルド・フェイゲンさんの歌が語るように奏でられていきます。

テーマが始まると、曲を牽引していくのは左チャンネルのラリー・カールトンさんのギターでのバッキング。実は、センターのエレピも右チャンネルのクラヴィもここでは同じフレーズを弾いているのですがギターが先頭を切っているように目立って聴こえます。ところがコーラスが入るCD Time=0:31からその先頭がセンターのビクター・フェルドマンさんのエレピに変わります。しかし、ギターとクラヴィもエレピと同じコードで同じように弾いています。でもエレピが目立って聴こえますね。これは、その楽器の特徴を上手く生かしたバッキングが生み出す演出です。同じことを演奏していても、その楽器の目立つフレーズや音を生かしているということです。これも見事な感じがするのですが。

さらにサビの部分では、その牽引がギターとクラヴィになります。

ラリー・カールトンさんのギターはそんなに複雑なカッティングではないのですがそれでも少しコーラスとフェイザーを効かせてエフェクトした音は歯切れが良くて良い感じです。

また、ジョー・サンプルさんのクラヴィもファンキーな味を出しています。そして、分厚いコーラスで「Over Now Drink your big black cow」とワンコーラスを締める部分は個人的に肝!です。

2コーラスめから続いてエレピのソロ。そして、サビに戻ってエンディングはテナー・サックスのソロ。これはトム・スコットさんのプレイ。曲調にあったライトな感じのフレーズですが、よく聴くとなかなか熱いフレーズを展開しています。トム・スコットさんのフレーズに絡むコーラも良いですね。

この曲は今回聴いてみて意外に単純なサウンドだということに気が付きました。何かもっと複雑な感じがしていたのですが。基本的には、左チャンネルのギターと右チャンネルのクラヴィ。そしてセンターのエレピと後はベースとドラム。コーラスとブラスのアンサンブルが音を厚くしています。それでも、強力なサウンドの厚みとサウンドに隙間を感じさせないのはスティーリー・ダン・マジックかと。

改めて、丁寧な音創りとこだわりに感銘しました。

ところでタイトルであるブラック・カウは和訳をそのまますると黒い牛。サビエンドの部分のライナーノーツでの和訳は「大きい黒い牛の乳を飲み干してここからさっさと脱出だ」元は「Over Now Drink your big black cow And get out of here」これは何か隠語になっているのでしょうか?

スティーリー・ダンを聴くときに、サウンドの妙はもちろんなんですが、このような歌詞の面白さが解るともっと楽しめるのに・・・っていつも想います。でも、日本語だとちょっと!?という感じなのですが英語だと抜群にサウンドしてしまうところが日本人として何ともうらやましい感じさえしてしまいます。

02:彩(エイジャ)
アルバムタイトル曲にして、壮大で完成度の非常に高い名曲。いまさら私が書く必要もないほどです。

この作品のジャケット写真はご存じ1977年に、ニューズウィーク誌の「世界のトップモデル6人」にアジアで初めて選ばれた故・山口 小夜子(やまぐち さよこ)さん。

この曲の彩(エイジャ)とは人名ですよね?すると、イメージは山口 小夜子さん。しかし、歌詞には「Chinese Music under banyan tree・・・」「チャイニーズ・ミュージックが流れ・・・」とあります。この部分から解る「アジアひとくくり」見たいなところが唯一気になるところではありますが・・・。

それでも、曲自体は特にアジアテイストというような感じの旋律やコード進行は使用していないように想うのですが何故か、東洋の神秘的な雰囲気が充満しているのがやはりスティーリー・ダン・マジックかと。

イントロはマイケル・オマーティアンさんのピアノが綺麗な旋律を奏でそれに答えるように、ジョー・サンプルさんのエレピとラリー・カールトンさん(たぶん?)のギターがユニゾン。歌が入っても、三者三様のバッキングが絡み合います。その間を埋めるようにおかずを入れるチャック・レイニーさんのベースもいいですね。

この部分のテーマメロディは良く聴くとけっこう短くて5小節という奇数で終わっていて不安定な感じがあります。このあたりも東洋の神秘的なムードを醸し出している一因かと。

曲は、スティーヴ・ガッドさんのリムショットでの2拍4拍のリズムが入ってオン・ビートで進んでいきます。ここでも、センターのピアノと左チャンネルのエレピ、そして右チャンネルのギターのバッキングが実に見事に歌の隙間を埋めています。特に歌が「彩(エイジャ)♪」と歌うCD Time=0:54でのピアノとギターの絡みそしてコーラス終わりCD Time=1:07のエレピのひと和音とその音を受けてのCD Time=1:10のピアノはこれまたいいですね。

2コーラスめに入ると、さらに三者三様の絡みは絶妙さを増していって間奏の部分に入っていきます。この部分は、曲の雰囲気をガラッと変える展開になっています。この部分があるので、この曲はより壮大になっていて組曲のようなテイストが生まれていると想います。

この間奏部分を印象つけているのはセンターに飛び込んでくるギターのフレーズ。少しひずんだ音で奏でられているフレーズはウォルター・ベッカーさん(たぶん?)。もちろん、右チャンネルのラリー・カールトンさんもセンターのピアノも左チャンネルのエレピも同じフレーズを弾いて全体のグルーブを出しています。

CD Time=3:08は、再び展開をしてギターソロ。このプレイはデニー・ディアスさんのプレイ。複雑なコード進行ですが、スケールライクなプレイで元の間奏部分につなぎます。

再び間奏部分とギターソロを経てCD Time=4:42から曲は再び展開をしていきます。ある意味一番の聴きどころとも言えるウェイン・ショーターさんのサックスソロです。

バッキングのリズムが喰ったユニゾンになっていてユニゾンの間をスティーヴ・ガッドさんのドラムがこれでもか!という感じで暴れていて物凄くテンション溢れるバッキングになっているのですが、そんなの関係ねえ!とばかりに、優雅で堂々としたフレーズがさすがです。

CD Time=4:57のスティーヴ・ガッドさんのリムにスティックがあたるような音はミスか?偶然か?それとも狙ったのか?解りませんが、このリムの音の後にほんのわずか一瞬だけある静寂が、個人的には肝!です。

そして再び同じパターンでソロが続くのですがここではさらにスティーヴ・ガッドさんが暴れます。お互いが強力に主張をしているのですが、どちらも決して引っこんでいないし負けていないのが2人のすごいところ。リスナーは今日は、スティーヴ・ガッドさんのプレイに耳を傾けて明日はウェイン・ショーターさん。そしてあさっては両方を・・・というような一粒で3度美味しい部分になっています。

曲はテーマに戻ってからエンディングへ向かいます。エンディングはサックスソロのパターンで
今度はスティーヴ・ガッドさんのソロでフェードアウトしていきます。ここでも見事なプレイで曲終りを締めています。とにかく歯切れが良いのがいいですね。それは、バッキングのユニゾンパターンに合わせるようにフレーズをきちんと終止しているためでスティーヴ・ガッドさんの真骨頂とも言える部分です。

個人的にはCD Time=7:27からのトップシンバルの8ビートとスネア、タムを絡めたラテン調のフレーズが肝!です。

歌の印象も薄れてしまうほどのバック・ミュージシャンの凄技を聴くことができる名曲です。しかし、それはあくまでも歌があってのこと。このテーマメロディと歌詞があってこそのバック・ミュージシャンのプレイですし逆に、このプレイがあってこそテーマメロディと歌詞が生きてくる・・・。相乗効果が生み出す名曲です。

これもやっぱりスティーリー・ダン・マジック!

・・・

続きはまた・・・。

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曲名
1. ブラック・カウ
2. 彩(エイジャ)
3. ディーコン・ブルース
4. ペグ
5. 安らぎの家
6. アイ・ガット・ザ・ニュース
7. ジョージー

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コメント/トラックバック (2件)

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  1. 私も、スティーブガッドのスティックの音(?)とその後の一瞬の間には、何度聞いてもある種の緊張感を感じてしまいます。
    chinese music、、、という下り、言われてみれば確かにちょっと苦笑いですね(笑)

  2. 猫ケーキさん
    コメントありがとうございます。
    そうですか!感じるところが近いですね。あの部分は本当にいいと想いますね。




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