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宇宙の騎士 【1】/TOTO

宇宙の騎士

今日のwalking MusicはTOTO宇宙の騎士です。walkingで通して聴いた印象と、Track01からTrack05までのレヴューです。

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この作品は1978年の作品。言うまでもなくTOTOのデビュー作であり、名盤と呼ばれている作品。実はCDを持っていなくて、長い間聴いていませんでした。先日BOOK OFFでたまたま見つけたので、購入したというわけなんです。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『完成度が高く、やっぱり名盤・・・』
久しぶりに興奮をしてしまった一枚で、忘れかけていた想いとともにTOTOの凄さを改めて感じた一枚です。細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。

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01:子供の凱歌
TOTOのオープニングには欠かせない定番のインスト。頭のユニゾン部分の3連符フレーズは、休符でスタートをしているのですがそれが頭のようにも聴こえるので、拍を一瞬失うようなスタートになっています。
そして、ピアノで奏でられる3連のアルペジオとTOTOホーンと呼ばれている音色でのシンセがテーマを奏でます。
再びユニゾンからリズムインになり、今度はスティーヴ・ルカサーさんのギターとシンセのユニゾンでテーマが引き継がれていきます。

このスティーヴ・ルカサーさんの音が実にいいですね。また、アーティキュレーションが良いのでなおさらカッコ良く聴こえます。特に、CD Time=1:04から1:05のチョーキングなどは絶妙です。
スティーヴ・ルカサーさんは、つい速弾きや大胆なアーミングなどに耳が行ってしまうのですが、実は、細かいヴィブラートやチョーキングのニュアンスが絶妙で、このようなメロディや間奏部分の旋律などを弾かせると実によく歌っていて、その底力をいつも感じます。

また今回久し振りに聴いてみて想ったのが、やはりジェフ・ポーカロさんのプレイの華麗さ。ドラムがインしたワンコーラスめのハイハットは単純に叩いているように聴こえるのですが、ゴースト的にリズムが刻まれていてしっかりと3連のリズムになっています。
さらに、2コーラスめは、そのリズムを崩さずに細かくアクセントとしてシンバルワークを加えています。特にCD Time=1:55のさりげなく入れるおかずや、CD Time=2:12からの頭入れシンバルの部分でハイハットのリズムが切れていないのが見事。
淡々とリズムを刻んでいるのですが、この曲のビートを生み出しているのは、まさにジェフ・ポーカロさんのプレイだと想います。

そして、ユニゾンに続いてのエンディングのコード。一聴、複雑なコードのようにも想えるのですが、どうもここはG♯mのような感じ・・・。でも、シンセがそのコードの3度の音を中心としたヴォイシングになっているようなのでちょっと不安定なコードにも聴こえます。このアレンジも見事です。

02:愛する君に
米ヒットチャートで45位になったヒット曲。簡単なコードのギターリフからスタートするのですが、とても印象的なフレーズになっています。単純な方がより印象深いギター・リフになる、という典型的なフレーズと言えます。
そのギターリフに乗ってサビから始まるという曲の構成。特に最近のJ-POPなどには多いパターンですが、曲のキャッチーな部分を先に出してしまうというテクニックとさらにラジオやTVなどを意識したアレンジと言えます。

テーマに入ると、ギターのクリアなカッティングが曲を牽引します。この部分はもう少しハードなイメージがあったのですが、今回改めて聴いてみると意外に可愛らしい感じがしました。テーマを歌うボビー・キンボールさんのシャウトスタイルがいかにもTOTOのサウンド・・・。

そしてCD Time=1:32から印象に残る間奏部分へ。今までの曲の雰囲気とは全くと言って良いほど違うムードの間奏をここに持ってくるところが曲全体を物凄く絞めていると想います。もともと、サビとテーマが単純に繰り返されている曲なのでその効果は絶大です。

また、スティーヴルカサーさんの弾くメロディが、先ほども書きましたが、やはり上手いですね。特にオクターブ上がってからのCD Time=1:51は、クイックなチョーキングが、正確な音程にビシッと決まってグッとくるものがあります。

再びサビに戻り、繰り返します。ここで、カウンターとして絡むボビー・キンボールさんのシャウトがいい感じです。コーラスのパターンが少し変わったのをサインにして、CD Time=2:40のワンブレイク・コーラス。そして、エンディングへ。この流れ、短いながらも、良く練られていて、アレンジの巧みさを感じます。

エンディングは再び展開をして、今まで出てこなかったパターンになります。ベースとギターのユニゾンのフレーズをキーにして16ビートのリズムにTOTOホーンが細かいフレーズを奏でます。まさにエンディングという感じでこの曲をさらに絞めていて、まるで組曲のようにさえ感じさせてくれます。特に、ドラムがツービートになるCD Time=3:21からはかなりカッコ良いですね。
4分弱の短い曲ですが、それでもバリエーションが豊富で曲が変化に富んでいて、アレンジの妙を楽しめる名曲です。

03:ジョージー・ポーギー
この曲もTOTOではお馴染みの大ヒット曲。米ヒットチャートで48位になった曲です。
前の2曲は少し派手めの曲でしたので、このアダルトな雰囲気は少し落ち着く感じがします。さらに、この曲はピアノとドラムのバッキングがフェードインしてくるというアレンジ。これも、作品の流れから言うと実に、洒落た、そしてワンパンチ効いているアレンジだと想います。

ヴォーカルは、TOTOのバラード系担当とも言えるスティーヴ・ルカサーさん。決して技巧的ではないのですが、何とも味がある声と歌い方だと想います。スティーヴ・ルカサーさんが歌えてさらにデヴィッド・ペイチさん、そしてメイン・ヴォーカルのボビー・キンボールさんと、3人のヴォーカリストがそれぞれの特徴を出して曲を振り分けて歌っているのがTOTOの魅力のひとつですね。

CD Time=0:31からのギターのバッキングはクリアトーンで歌に絡みます。このバッキングセンスはスタジオワークでつちかったもの。とても、いい感じですね。
そして、タイトルを歌う印象的な部分に入ります。この部分はデヴィッド・ペイチさんが歌っていると想っていたのですが、ライナーノーツで、シェリル・リンさんのヴォーカルのようなことが書いてあります。確かにライナーノーツに名前がクレジットされていますし、デヴィッド・ペイチさんがシェリル・リンさんの作品をプロデュースをしたという縁もあるようですが。詳しいことは良く解りません・・・。

ブリッジのユニゾンを挟んでスティーヴ・ルカサーさんの間奏です。ここでは、ボトルネックを使用してプレイをしています。特に最後に上がっていく高音はとても丁寧でさらに綺麗な音です。
全体にさらりと駆け抜けていくような曲ですが、非常に印象深い名曲です。

04:マヌエラ・ラン
作品のスタートからインスト、ボビー・キンボールさん、スティーヴ・ルカサーさんとメインヴォーカルを取ってきて、この曲は3人目のヴォーカルであるデヴィッド・ペイチさんがリードを歌います。ここまでの作品の流れは本当によく考えられていると想います。

曲はいかにもTOTOらしい曲です。ピアノとハードな音のギターという取り合わせはこの時代のAORでの定番のパターンとも言えます。明るい雰囲気で曲は進んで行きます。

CD Time=0:37からの中サビの部分は、まさにTOTOらしい厚いコーラス。さらにCD Time=0:42のスティーヴ・ルカサーさんのワンポイント・フレーズが良い味です。のようなワンポイントでは本当に絶妙なアーティキュレーションを聴かせてくれますね。

サビの部分は少しカントリーの雰囲気を持った、聴いていて想わず口ずさんでしまう楽しいメロディに仕上がっています。

CD Time=2;03からは間奏で、スティーヴ・ルカサーさんのギターがメロディを奏でます。このメロディの歌い方も上手いです。特に、ヴィヴラート・ニュアンスの使いわけが聴きどころ。
CD Time=2:08はロングトーンですのでほとんどヴィヴラートが掛かっているか、掛かっていないか、という感じ。そしてCD Time=2:17は短い音符ですので、やや大きめのヴィヴラートでつないで、CD Time=2:18の速いパッセージからCD Time=2:20でかなり大きめにヴィヴラートをかけてサビにつないでいます。単純なメロディとパッセージですが、このようなギターの歌わせ方は見事です。まさに肝!です。

エンディング近くではボビー・キンボールさんがシャウトで仕掛けます。このあたりもTOTOの真骨頂でグッときます。
そして、エンディングはスぺーシーなSEにピアノがポロリと。そしてドアの閉まる音で終わる・・・。
この演出は次の曲へのプロローグというか、ごく短い曲間で次の曲が始まりますので効果的だと想います。少し宇宙の彼方へなどが大ヒットしたバンド・ボストンの楽曲のような雰囲気もありますね。
ここまでの作品の流れはまさに肝!。想わずのめり込んでしまう絶妙な流れを持っていると想います。

05:ユー・アー・ザ・フラワー
前の曲を受けて間髪入れずにピアノのブルージーなフレーズからスタートします。フルートなども入っていて今までの曲の雰囲気とはずいぶん違う感じのアダルトなナンバーです。前の4曲はすべてデヴィッド・ペイチさんの作曲ですが、この曲はボビー・キンボールさんの曲。

この曲でのボビー・キンボールさんは、シャウトスタイルではなくて地声で歌っています。ボビー・キンボールさんのシャウトスタイルの歌ももちろん良いのですが、この地声も個人的には結構味があって好きです。

サビの部分はつながりの綺麗なコード進行で印象深い部分です。コーラスも綺麗にハマっていますね。また、テーマから左右のチャンネルでかなり渋いカッティングをしていたスティーヴ・ルカサーさんのバッキングプレイが光っています。
基本的には、左チャンネルが少しひずんだ音でミュートや短音を中心にして奏でて、右チャンネルはコードカッティングを中心としています。CD Time=1:01では、ほんのわずか全体がブレイクするのですが、それを絶妙に埋める短音バッキングを聴かせてくれます。

2回目のサビでは、さらにバッキングの妙を聴くことができて、CD Time=1:52での両チャンネルでのクリアなカッティングやCD Time=1:58の右チャンネルのブレイクを埋めるカッティングなど・・・。このあたりは単なる『ロック野郎』ではないまさに『セッション・マン』という感じのセンスの良さですね。

さらに、そのセンスの良さを聴かせてくれるのがCD Time=2:09からのギターソロ。サビのコード進行はけっこう複雑な展開をしているのですが、このサビのパターンでスティーヴ・ルカサーさんはソロを奏でます。

まずは、サビのメロディをフェイクしたフレーズでスタート。CD Time=2:11の終わりのチョーキング、さらに1音挟んでチョーキング・・・そして大きめのヴィヴラート。このチョーキングした音は両方とも同じ音。最初は、少し喰ってコード・D/Cの3度の音に解決し、再びクイックに3度の音を奏でています。このあたりのニュアンスは絶妙ですね。

続けて、3度の音そして5度の音を経て、次のコードのDmaj7の3度の音に向けてCD Time=2:15でハイノートのチョーキングを決めます。そのチョーキングがそのままスケールのチェンジを牽引します。それぞれのコードトーンを上手くとらえて、自然でありながら、スケール感を十分感じさせてくれるフレーズになっていると想います。この部分はまさに肝!

続くアウト風のフレーズからCD Time=2:17のチョーキングを絡めたフレーズでいったん閉めて、さらに、CD Time=2:20からのアップしていくメロディアスなラインでワンコーラスを終えます。

そしてこのソロの一番の聴きどころである2コーラスめのスケールチェンジ後のフレーズへ。

CD Time=2:36からCD Time=2:40までのフレーズがそれで、絶妙な音の選択とアーティキュレーションで再び肝!です。この部分はまさにジャズ的というかフュージョン的と言ったらよいでしょうか。CD Time=2:36から2;37あたりでの高音の使い方や歌い方などは、ラリー・カールトンさんの影響をもろに感じるフレーズです。

実は一曲目からスティーヴ・ルカサーさんのソロらしいソロ・プレイはないんですね。ですから5曲目のこのソロが一番初めのソロになるわけです。ロックフレーバーで派手なプレイも多いスティーヴ・ルカサーさんが、デビュー作品でこのような渋いソロが最初のお披露目ソロだったというのは、今回聴いて改めて気がついたことです。

この曲までが、作品が創られた当時のレコードではA面ということになります。まさにA面は楽曲優先という色合いで創られている感じがしますね。
ですからスティーヴ・ルカサーさんのソロもあえて派手なものは入れずに、間奏的なメロディのみで収めたということでしょうか。
このあたりのソロサイズへのチョイスも、全体のバランスと流れが上手く仕上がっている要因になっている、という感じがするのです。

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続きは後日に・・・

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宇宙の騎士

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曲名
1. 子供の凱歌
2. 愛する君に
3. ジョージー・ポージー
4. マヌエラ・ラン
5. ユー・アー・ザ・フラワー
6. ガール・グッドバイ
7. ふりだしの恋
8. ロックメイカー
9. ホールド・ザ・ライン
10. アンジェラ

2009/02/28 | TOTO

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