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南から来た十字軍 【1】/クルセイダーズ

南から来た十字軍


今日のwalking Musicはクルセイダーズ南から来た十字軍です。

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この作品は1976年の作品で、言うまでもなくクルセイダーズの代表作です。個人的には名作・ストリート・ライフ以降のクルセイダーズが好きでしたので、この作品の頃のものはそれほど突っ込んで聴いた記憶があまりないのです。ですから、この作品も前に聴いたのはいつだっけ?というくらい記憶がない・・・。
ということで、かなり久し振りに聴きました・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『ご機嫌だぜ!』
細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。

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01:スパイラル
シンセの奏でるややテンション感のあるメロディに、ラリー・カールトンさんのギターが対旋律で絡んでくるともうそれだけで盛り上がってしまう大好きな曲です。クルセイダーズの楽曲の中でも1、2を争うくらいの名曲だと想います。
ドラムのスティックス・フーパーさんのタムをきっかけにファンキーなビートに突入します。少し跳ねた16ビート風の8ビートで軽快に曲が進んでいきます。ここでのビートの肝はやはりベースのロバート・ポップス・ポップウェルさんの強力なビート感。

テーマはおなじみの2管。ウェイン・ヘンダーソンさんのトロンボーンとウィルトン・フェルダーさんのサックスが奏でていきます。その合間を埋めるようにフェンダー・ローズで入るジョー・サンプルさんのバッキングが絶妙です。

2コーラスめからはラリー・カールトンさんがテーマの2管に対旋律を仕掛けてきます。この瞬間に、強力な3フロントになって、まさにこの頃のクルセイダーズの真骨頂と言えるアンサンブルに進化します。

そして、ラリー・カールトンさんのギター・ユニゾンでの短い間奏。ここで効いているのが、2コーラスめから薄らと入っていたストリングス。それが、ここで大きくなっていきギターのメロディを包むように盛り上げてソロまわしに突入していきます。

ソロのコード進行は、基本的にテーマのコード進行を元にした16小節とイントロのコード進行の8小節。そして再びテーマのコード進行を元にした8小節の合計32小節になっています。ポイントは、4小節と8小節の2拍目のコード。これは、テーマのコード進行にはなく、基本のコードB♭m7の半音上のセブンスコードになっています。ですから、印象的な部分であり、スケールチェンジの妙を聴くことができる部分になっています。

ファーストソロはCD Time=1:30からラリー・カールトンさんのギター。
ゆるやかなチョーキング・ダウンからスタートしてスタッカートで決めます。そしてブルージーなフレーズからチョーキングを絡めて、4小節・2拍め、CD Time=1:37のスケールチェンジの部分をクオーター・チョーキングの微妙な音程ニュアンスで弾き抜けます。そしてブルース・フレーズの連発でたたみかけて、再びスケールチェンジの部分、CD Time=1:54で、今度はハイノートのチョーキングをきっちりと決めます。
この2つのスケールチェンジ部分は、両方ともにチョーキングで音を上げてコード・トーンまで持っていくというアプローチですが、2つのフレーズのニュアンスの違いはそのまま多彩なチョーキング・テクニックを感じることができるよい対比になっていて面白いですね。
さらにこの部分では、イントロのコード進行に入る前のCD Time=2:00からのロング・トリルが見事です。トリルというのは、右手は弾かないで左手の指で押さえて離すときに弦を少しはじいて再び押さえる・・・これを高速で繰り返して左手だけでフレーズを奏でるテクニックです。一聴簡単そうな感じもするのですが、ここでのラリー・カールトンさんは、段々とイントロのパターンへのコード進行に向かって薬指の引っ掛かりとニュアンス、強さを換えて、音色を明るく、クリアにしていくというテクニックを聴かせてくれます。

CD Time=2:04からイントロのコード進行になります。
ここはコードがけっこう変わっていくので、当然使用するスケールも変わっていきます。ラリー・カールトンさんは、絶妙な音運びで難なくここを弾き抜けていきます。特にCD Time=2:13のチョーキング終わりのフレーズと次のCD Time=2:15のチョーキング終わりのフレーズは、まるで呼応しているかのように見事な掛け合いになっていて肝!
そして、チョーキングでブルージーなフレーズから、ラリー・カールトンさんらしいペンタトニックなフレーズ、そしてクロマティックなラインで締めて再びテーマのコード進行に戻ります。
今度は、8分音符の連続パッセージでブルース的なフレーズに時折、ジャージーな音を混ぜながらソロエンドまで弾き抜けていきます。

ソロのフレーズ自体は、もう少しジャズ的な要素が入っている方が個人的には好みなんですが、曲調やノリを考えるとまさにハマっているソロ。全体の構成も見事ですが、ブルージーでありながら、実に丁寧なラインがまさに肝!です。

続いてはジョー・サンプルさんのソロ。
いつもながらのコロコロと歯切れよく回る節が心地よいです。4小節・2拍め、CD Time=2:45のスケールチェンジの部分は、それほど大きくアウトをしていなくて左手のコード・バッキングでスケール・チェンジ感を出しています。CD Time=2:55からは、リズムをモチーフにした展開で奏で、そしてスケール・チェンジの部分を単音のジャズ的なフレーズで弾き抜けます。
CD Time=3:12からのイントロのコード進行部分では、流れるようなフレージングからバックのリズムに合わせたフレーズ展開をするというパターンで駆け抜けます。
そして、再びテーマのコード進行に戻り、CD Time=3:36のスケール・チェンジの部分を最も印象的と想われる絶妙なフレーズで決めます。このフレーズは個人的に肝!

残念なのは、ソロエンド部分。テーマに戻るCD Time=3:46で「ソ♯」の音がミストーンとして鳴ってしまっています。テーマのメロディの頭が「ラ♯」ですからぶつかっていますね。ですから、ソロの締めの部分が少し中途半端に聴こえてしまっています・・・。

テーマをワンコーラス奏でた後、ラリー・カールトンさんの、ロング・トーンでのフレーズをきっかけにロバート・ポップス・ポップウェルさんのベースがはじけ出します。
続くテーマの部分で、ソロ的なフレーズを絡めながらバッキング。そして、CD Time=4:45からソロへ突入します。
16分音符で歯切れの良いパッセージを連続していきます。しかし、メロディを弾いているという感じよりはむしろ、バッキングのリズムを派手に刻んでいるという感じのプレイです。でも、しっかりとソロとしてのラインを弾いていつつ、全体のグルーヴをキープしているのが見事。

このソロからさらに盛り上がってきて、ラリー・カールトンさんの絡みから、ウェインヘンダーソンさんとウィルトン・フェルダーさんの掛け合いに突入していきます。誰のソロとも言えない、全体がリズムの塊になったような怒涛のグルーヴが押し寄せてくるのがここです。
そして、ラリー・カールトンさんもソロラインで参加をし始めたところでフェードアウト。これは実に残念。もっと聴きたいところですね。

とにかくノリが良く、ご機嫌なナンバーです。
曲としては、いたって単純な構成になっているのですが、アレンジは単純なものを感じさせない匠さがあります。その中でもイントロのコード進行のパターンをソロの美味しい展開部分に使用しているのがかなり肝!だと想います。

ライヴなどでは、各人がこのパターンでソロまわしをするのでしょうから物凄く長い曲になると想うのですが、後半の部分はベースソロをかわきりに、掛け合いというパターンを取って盛り上げていくというアレンジも良いですね。またこれが、怒涛のグルーヴを生み出していて曲全体を上手くまとめて、コンパクトになるように長さのコントロールをしているわけです。このアレンジはまさに肝!です。

この曲を聴くだけでも、この作品を聴く価値がある!まさに、名曲であり、名演奏だと想います。

02:キープ・ザット・セイム・オールド・フィーリング
1曲目の興奮をさましてくれるかのような爽やかさのある16ビートナンバー。コーラスが入っているのですが、これはクレジットではクルセイダーズとなっているので皆で歌っているということでしょうか?スタートの爽やかさと比べると、少々いかつい感じもするのですが、これはこれでファンキーだったりします。

このコーラスのバックでのラリー・カールトンさんのヴォリューム奏法を使用したバッキングラインが実にいいですね。
コーラスに続いて、CD Time=0:40のラリー・カールトンさんのバッキングに答えるように2管が奏で、そしてCD Time=0:44でギターと共に3管のようになって、CD Time=0:46でジョー・サンプルさんのエレピがメロディを追いかける・・・。この部分のアレンジと雰囲気が肝!です。

CD Time=1:15の展開部分は、ロバート・ポップス・ポップウェルさんのベースラインが軽快さを醸し出しています。そしてCD Time=1:22の部分のリズム・ユニゾンフレーズもグッときます。

ファーストソロはウェイン・ヘンダーソンさんのトロンボーン。じっくりと聴かせてくれるソロラインで展開をしていきます。

続いてジョー・サンプルさんのソロ。感じは近年のジョー・サンプルさんに近い感じのソロ展開でメロディアスに弾き抜けています。

03:マイ・ママ・トールド・ミー・ソー
ロバート・ポップス・ポップウェルさんのスラップ・ベースが、少し跳ねたミディアムテンポのリズムにのってスタートします。良いですね、ファンキーテイストが溢れています。

テーマはラリー・カールトンさんのギター。ブルージーなメロディラインで良く歌っています。2コーラスめからはウィルトン・フェルダーさんのサックスとのユニゾンになります。サックスとギターは相性が良く、このようなユニゾンには持ってこいですね。
左チャンネルでは、このリズムにノッた軽快なギターカッティングが奏でられていますがこれは、アーサー・アダムスさんのプレイだと想います。

ファーストソロはウィルトン・フェルダーさん。
少し遅れてソロをスタートさせる感じがいかにもウィルトン・フェルダー節という感じです。かなりブルージーに奏でていきますが、いつ聴いても強力な個性で、唯一無二のフレーズという感じがして好きです。さらに、必要以上に速いパッセージなどに依存しないて、悠々と奏でる感じも好きです。

続いてはジョー・サンプルさん。ここでは、ファンキーなリズムにノッて歯切れ良いラグ的なフレーズを奏でていきます。

エンディング部分では、ラリー・カールトンさんとウィルトン・フェルダーさんが掛け合いをしながらフェードアウトしていきます。これも、もうちょっと聴きたい!という感じですね。

04:太陽の輝き
ラリー・カールトンさんの絶妙なアーティキュレーションのヴォリューム奏法を聴くことができるバラードです。
ウィルトン・フェルダーさんのリリカルなサックスに絡むように奏でられるラリー・カールトンさんのフレーズが実にいい感じです。
曲は3分弱と短いのですが、逆にこの短さが密度の高さで、印象に残るトラックに仕上がっていると想います。

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続きのTrackはまた後日・・・。
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南から来た十字軍

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曲名
1. スパイラル
2. キープ・ザット・セイム・オールド・フィーリング
3. マイ・ママ・トールド・ミー・ソー
4. 太陽の輝き
5. アンド・ゼン・ゼア・ウォズ・ザ・ブルース
6. セレニティー
7. フィーリング・ファンキー

2009/04/01 | クルセイダーズ

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コメント/トラックバック (2件)

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  1. 私もストリートライフとかその頃のアルバムから入ったので、このアルバムは後から聞きました。それにしてもスパイラルはクルセイダーズを代表するような名曲ですね!

  2. 猫ケーキさん
    コメント返事遅くなりました。いつもありがとうございます。
    スパイラルについては同感です。本当にすごい曲だと想います。




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