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南から来た十字軍 【2】/クルセイダーズ

南から来た十字軍


今日のwalking Musicはクルセイダーズ南から来た十字軍Track05からトータル・レビューです。

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05:アンド・ゼン・ゼア・ウォズ・ザ・ブルース
いきなりラリー・カールトンさんのゆったりとしたチョーキングにゆったりとしたテンポの引きずるようなアフタービートが襲いかかってきます。ビートを生み出しているのは、スティックス・フーパーさんのバスドラムとロバート・ポップス・ポップウェルさんのベースがきっちりと連動しているところ。
さらに、その上にノッているアーサー・アダムスさんの歯切れの良いギターカッティングとジョー・サンプルさんの、こちらも歯切れの良いエレピ。何とも言えない心地よいビート感がハマります。

そのグルーヴの上でラリー・カールトンさんはいきなりのチョーキングから絶妙なロングトーンを押さえた左手のビブラートのみで聴かせてくれさらに、CD Time=0:08で一音半チョーキングをビシッと決めます。この最初の部分だけですでに肝!

テーマは2管。それに絡むようにラリー・カールトンさんがカウンター・メロディーを仕掛けていきます。

ファーストソロはウィルトン・フェルダーさんのサックス。
ソロのスタートから少しルーズにフレーズに間を置いたアプローチはウィルトン・フェルダーさんの特徴。これが、アフタービートの感じに良く合います。
CD Time=2:02からの2音づつのアップフレーズでスケールチェンジ。これもお馴染みのフレーズ。ややルーズに吹いているところがまた良かったりします。
CD Time=2:42からは2コーラスめ。高音のフレーズで攻めてきます。ここは、ラリー・カールトンさんの絡みが最高です。CD Time=2:50のウィルトン・フェルダーさんのフレーズに対しての反応などは流石です。ここは肝!
CD Time=3:24で叫びのひと吹きから静かに次のソリストに引き渡していきます。

次はジョー・サンプルさんのエレピ。
静かなソロの入りにラリー・カールトンさんがヴォリューム奏法で絡みます。この反応も流石ですね。
前半は鍵盤の狭い範囲での引きずったようなグルーブを持ったフレーズまわしをしていきます。展開をしてからのCD Time=4:10で今まで鍵盤の狭い範囲から飛び出して高音へスパークしていきアウトフレーズで弾き抜けます。
CD Time=4:22で歯切れの良いリズム的なリックがロバート・ポップス・ポップウェルさんのベースと強烈に絡みあいます。そしてブルージーなフレーズからの速いパッセージで2コーラスめへ。
CD Time=4:42からの2コーラスめは、8分音符の和音に半音で細かいグリッサンドを入れてアクセントをつける典型的なブルースフレーズを2小節。その後の2小節で速いパッセージをかまします。
そして再び同じブルースフレーズを2小節奏でてCD Time=5:00で速い機械的なシーケンスでアップフレーズを奏でます。そのままフレーズは上がり続けて展開部分に突入。CD Time=5:08では、エレピの最高音で耳に少々痛いキンッとしたところまで上がっていきます。この流れはまさに肝!です。

さらにこの部分でラリー・カールトンさんのバッキング反応が見事でCD Time=5:02などはジョー・サンプルさんのアップフレーズに合わせてアップしていくバッキングで答えています。
ソロエンドに向けては、ブルージーなフレーズ展開で次のソリストに引き継いでいきます。

3番手はウェイン・ヘンダーソンさんのトロンボーン。
2小節のフレーズをモチーフにして繰り返します。わかりやすいフレーズは非常にメロディアスです。その後も丁寧なフレーズまわしでしっかりと歌っていきます。
展開後のCD Time=6:17から、歯切れの良いフレーズまわしからCD Time=6:21のブレイクダウンしたようなフレーズ。そしてCD Time=6:23のトロンボーンならではのゆったりとアップするベンドフレーズ。ものすごくいい雰囲気に包まれます。
そして、タンギングで聴かせてくれる細かいフレーズからゆったりと次のソリストに引き継ぎます。CD Time=6:39のロバート・ポップス・ポップウェルさんの細かいアクセントフレーズも引き継ぎを後押しします。

4番手はラリー・カールトンさんのギター。
SE的なチョップと言う、音をミュートして弾きおろす奏法からチョーキングをキメます。そしてブルージーにフレーズを展開していきます。CD Time=6:46のアウト1音がいかにもラリー・カールトンさんらしい一撃でこの音の選択はいつ聴いても見事。この部分ですでに肝!です。
そのアウト1音からロングトーンでのビブラートを決めて少し引っかけるようなアクセントのフレーズから、CD Time=6:53で絶妙なアーティキュレーションのフレーズまわしを決めます。ここからCD Time=6:56までのフレーズもラリー・カールトンさんの得意節で好きな私などはたまらない部分です。ここもやはり肝!
展開部分に入るとCD Time=7:09で1音半チョーキングを決め、そして、想わず一緒にタメを作って聴いてしまうアップフレーズから高音でのチョーキング一発。
あくまでもブルージーにしっかりとアフタービートの感じを出しながらソロを終えていきます。

曲はテーマに戻り心地よいビートを残してフェードアウト。
この曲でのラリー・カールトンさんのソロは1曲目のスパイラルと双璧の出来です。悩みますが・・・こちらの方が個人的にはベスト・トラックですね。

さらに、ソロプレイだけではなくてバッキングが実に見事です。TPOをわきまえて、すぐにいろいろなサウンドに反応するスタイルはラリー・カールトンのギターテクニックだけでは測れないすご技。一度、ラリー・カールトンさんのバッキングプレイだけに耳を傾けて聴いてみても面白いと想います。
全体のリズムがまったりしているので10分近い長さは飽きも出そうですが、それでもじっくりとこのビートに沈み込んで、トリップして聴くと・・・これが快感なんです。

06:セレニティー
ロバート・ポップス・ポップウェルさんの8分音符でのゆるやかなラインに、印象的なギターフレーズをアーサー・アダムスさんが繰り返して進んでいく、何とも言えない陰鬱なムードもあるバラードです。
ジョー・サンプルさんのエレピが散りばめられて星のように輝いたフレーズにラリー・カールトンさんのハーモニクス奏法が、さらにきらびやかな感じを演出しています。
テーマはウィルトン・フェルダーさんのサックス。これが、今までの曲とは全く違った綺麗な音。どちらかというと今までの曲はやや引いた音質で録音されていましたが、ここは全面に少しエフェクトを強くかけて演奏されます。
曲は印象的な繰り返しの中ウィルトンフェルダーさんのサックスがささやくように奏でられながら、そしてその周りを取り囲むバッキングがきらびやかに。さらにウェインヘンダーソンさんのトロンボーンも登場して、幻想的でやや陰鬱なムードの中エンディングを迎えます。

07:フィーリング・ファンキー
ロバート・ポップス・ポップウェルさんのスラップからスタートするノリの良いファンキーなナンバーです。想わず、あごと腰が動いてしまうグルーヴを持っています。ジョー・サンプルさんのクラビのバッキングがまたいいです。
テーマはウェイルトンフェルダーさんのサックスとラリー・カールトンさんのギターのユニゾンで奏でられていきます。
中サビ部分は、ジョー・サンプルさんのバッキング的なコードメロディでリズム重視で流れていきます。そしてCD Time=0:59のブレイクでロバート・ポップス・ポップウェルさんのスラップワンポイント。これがカッコいい。

ファーストソロは、ウェイルトンフェルダーさんのサックス。ブルージーでファンキーで丁寧なラインを聴かせてくれます。
再び中サビ、そしてテーマを経てエンディングです。
かなり短い曲なので少し欲求不満になりそうですが、このファンキーさには変えられません。
エンディングとしては、前の2曲が結構長く聴くのにも気合が必要な部分がありましたので、このさっぱりとした構成は逆に良かったりもします。

★☆南から来た十字軍・トータルレビュー★☆

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『ご機嫌だぜ!』
・・・
細かく聴いてみた後でもやはり『ご機嫌だせ!』です。

クルセーダーズの場合は、そのキャリアが物凄く長いので、ジャズ時代を含めると、すべてを網羅して聴くのは結構大変だと想っています。
個人的には80年代の、3人のユニットの時代が実は好きでその頃のジョー・サンプル色が入った良い意味でのあかぬけた感じと、もともと持っている泥臭い感じのミックス具合が個人的にはちょうど良かったわけです。
まあ、それ以前の作品はそれほど聴きこんだ感じもないので多くは語ることができないのですが、この作品はやっぱりいいですね。

何と言っても、1曲目スパイラルの出来の良さは特筆するものがあります。この1曲を聴くためだけでもこの作品に触れる価値は十分にありますね。

さらに、ラリー・カールトンさんのソロプレイ以外のバッキングプレイも同じく特筆すべきものがあります。バッキングとは言っても、コードを刻むのはアーサー・アダムスさんにまかせているようなので、あくまでもフロントとしてのバッキングと言ったらよいでしょうか。
テーマメロディに絶妙に絡んだり、時にソリストへ仕掛けたり、また、ソリストのフレーズに素早く反応したり・・・
作品を通して、ずっとメロディを弾いているという感じもしますが、これが決して邪魔になっていないところが見事。管楽器的なフロントをギターが奏でている作品、という意味でも貴重であり、ギター弾きにとってはかなり参考になる作品と言えます。

まあ、いろいろなことを考えずにとにかくそのリズムに心と体を傾ける・・・。そうすると、何故か心も晴れて気持ちがファンキーになるから不思議。そして『ご機嫌だぜ!』と想わず叫んでしまうのです。

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南から来た十字軍

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曲名
1. スパイラル
2. キープ・ザット・セイム・オールド・フィーリング
3. マイ・ママ・トールド・ミー・ソー
4. 太陽の輝き
5. アンド・ゼン・ゼア・ウォズ・ザ・ブルース
6. セレニティー
7. フィーリング・ファンキー

2009/04/09 | クルセイダーズ

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  1. お久しぶりです。
    レス・ポールさんが旅たたれました。
    現役で演奏されているのを映画で知っていらいライブにいくことが夢でした。




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