About

*

エレガント・ジプシー【1】/アル・ディメオラ

Blu-spec CD エレガント・ジプシー


今日のwalking Musicはアル・ディメオラさんのエレガント・ジプシーです。

この作品は1977年の作品で、アル・ディメオラさんの「白夜の大地」に続く2枚目のリーダー作品になります。アル・ディメオラさんの作品は、「スーパー・ギタートリオ」に代表されるアコースティックものが個人的には好きですが、近年のワールドミュージック指向の作品も好きで良く聴いています。エレガント・ジプシーを聴くのはかなり久しぶりです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★

01:フライト・オーヴァー・リオ
何とも言えない、スパニッシュというかエスニックと言うか・・・。何とも重厚な雰囲気で曲はスタートします。
かなり硬質な音でチューンされたベースはアンソニー・ジャクソンさんのプレイ。そこに、ヤン・ハマーさんのシンセが重なってくるとマハヴィッシュヌ・オーケストラ的と言ったら良いか、ジェフ・ベックさんの世界と言ったら良いか。

その感じを打ち破るのが、CD Time=1:28からのアップテンポ。
ここで肝!になっているのがドラムのスティーヴ・ガッドさんのドラムワーク。
最初はパーカッションに絡みながらハイハットのオープンでリズムを牽引していきますが、CD Time=2:07からは、8分音符の裏で奏でられるトップシンバルを3拍、そして4拍めのハイハット・オープン・クローズ。このリズムが全体のラテン調のアップテンポをグイグイと引っ張っていきます。

CD Time=2:33からがアル・ディメオラさんのソロ。
当時は、ジャケットにあるように、黒のレスポールを使用していたのでしょうか?強力な歪音なんですが、芯がハッキリと聴きとれる音。ピッキングのごまかしがしにくい音と言ったら良いでしょうか。
それは音符の粒が正確に揃っている冒頭のCD Time=2:45からいきなり解ります。
まるで、ご挨拶のように、しかも簡単そうに超速いパッセージをキッチリ決めます。
基本的に16分音符での連続したパッセージなんですが、CD Time=2:46にさりげなく入る倍の6連フレーズが強烈なスピード感をかも出しています。しかもスムーズな繋がり。そして正確な粒。ピッキング・・・。

CD Time=2:52からはフランジャー(当時だったらジェット・マシーン)でスぺーシーな浮遊感を演出しています。そして、ヤン・ハマーさんとの掛け合いに入ります。
この2人の『高速掛け合い』は言うまでもなく凄いのですが、そのバックで掛け合いの微妙な隙間を、奪うわけでもなく、出しゃばることもなく、見事に埋めているアンソニー・ジャクソンさんのベースが肝!です。
2人の掛け合いのバックですので、つい聴きそびれてしまうのですが、この、「聴こえているはずだけど、耳に入ってこない・・・」でも、「しっかりと曲を構成していて、かつじっくり聴くと凄いことをプレイしている・・・」、まさに、ベーシストの極みと言ったらよいでしょうか。

02:ミッドナイト・タンゴ
今度は一転してクリアトーンでアル・ディメオラさんがメロディを奏でていきます。このようなリズムをタンゴというのかどうか、専門的なことはわかりませんが、ちょっとアルバムタイトルのようにエレガントな感じで曲はスタートします。

リズムを牽引しているのが、ドラムのハイハットワーク。これは、レニ―・ホワイトさんのプレイ。そこに、アンソニー・ジャクソンさんの、エフェクトされた、やはり硬質な音色のベースが長めの音符でゆったりと乗ってきます。

曲は途中で展開をして、歪系の音色で奏でられたギターが入ってきます。・・・と想ったら、アコースティックギターのリフからアコースティック・ピアノのソロへと。さらに、ベースソロに繋がっていきます。

複雑な展開部分や楽器選択を持った曲で、このあたりの作曲とアレンジはまさにアル・ディメオラさんの真骨頂と言えますね。

03:パーカッションイントロ
ミンゴ・ルイスさんのパーカッションとレニ―・ホワイトさんのテンパレスのソロ。1分強と短い曲ですが、次の曲へのイントロということでしょうか。
でも、このワンポイントがあるとないのとでは、次の曲のスタートのインパクトが違うように想います・・・。

04:地中海の舞踏
パーカッションイントロを経てこの作品の大きな聴きどころである地中海の舞踏がスタートします。個人的には、「アル・ディメオラさん=地中海の舞踏」という感じのときがあったくらい大好きな曲です。これは、別の言い方をすると「アコギバトル=地中海の舞踏」とも言えますね。
この曲がいきなり始まるよりは、3曲目のパーカッションイントロがあった方が最初のギターでのアルペジオが冴えて聴こえるような気がしませんか?その意味では3曲目のパーカッションイントロは、アルバムの構成、流れとして一味効いていると想うのです。

曲はご存じフラメンコ・ギタリストのパコ・デ・ルシアさんとのデュオ。
イントロのアルペジオを聴くだけでもわくわくしてくる!そしてギターを弾きたくなる!ギター弾きにはたまらないアルペジオです。

イントロの部分での肝!パコ・デ・ルシアさんのアルペジオ。
1小節めの2拍裏に入る3連符や2小節めの3,4拍部分の3連が実に効いています。
これは1弦から3弦に向かって、一本の指で引っ掻くように弾く奏法で奏でています。基本のアルペジオが8分音符なので単純に聴こえてしまいかねないところを、アル・ディメオラさんと同じようにアルペジオをするのではなく、この3連符を入れるだけで、物凄いビート感、スピード感があると想いませんか?
また、このパコ・デ・ルシアさんのアルペジオは弾いてみると想ったより難しいです。フラメンコギターでは良くある奏法ですが、これは指弾きの成せる技と言えますね。
そう、パコ・デ・ルシアさんは当たり前ですが指弾きです。
基本的には、フラメンコギターですので、人差し指と中指で弾いていると想うのですが、それにしてはイントロ部分のCD Time=0:28のユニゾンなどは、ピック弾きに負けないスピードと正確さ奏でています。このスピードで指で弾くのはかなり難しいですね。
以前、パコ・デ・ルシアさんのフラメンコ音楽のライブを観たことがありますが、それはそれは、物凄く速いパッセージをバシバシ決めていたことを想い出しました。

ファーストソロはアル・ディメオラさん。
トレモロ奏法からゆったりとしたフレーズまわして展開していきます。
CD Time=1:09から8分音符の3連符でややゆったりめの速弾きを決めて、そのまま倍速になる・・・かと想っているといったんゆったりとしたフレーズをはさんでから、CD Time=1:16で倍速の16分音符フレーズに突入していきます。
このブレイクとも言えるワンフレーズが実に効いている見事な組み立てと流れだと想います。
そしてアル・ディメオラさんのソロのハイライトはCD Time=1:37からの連続フレーズ。スタートはミュート奏法。これは右手の腹の部分をギターのブリッジの部分にのせてミュートしています。
16分音符でのフレーズを連続して奏でて、CD Time=1:43で8分音符の3連符に速度ダウンしてしばらくフレーズを続けたあと、CD Time=1:46で一瞬倍速の32分音符の3連に入りすぐに16分音符での連続フレーズから8分音符の3連、そしてフレーズ終わりは4分音符の3連で締めています。
この自在な速度変化が滞りなく、綺麗に、しかも粒揃いで、さらにテンポの乱れなく連続するところはまさに肝!
アル・ディメオラさんのフレーズの特徴であり、唯一無二のもので大好きなパターンです。
このフレーズはコピーをしましたが、まあ、そのまま演奏するには難易度が高すぎて・・・。仕方がないので、CD Time=1:55のようなパコ・デ・ルシアさんの掛声を完璧にコピーして、勝手に盛り上がっていたことを想い出します・・・。

続いてはパコ・デ・ルシアさんのソロ。
スタートから、アル・ディメオラさんのソロにインスパイアされたのか高速フレーズで飛ばしていきます。それにしても、まるでピックを使用していいるかのようなアタックの強さと正確なテンポキープ。
ソロのスタートから2小節めの終わりの同じ音を連続して16分音符で奏でるところなどは、常人が指で弾くにはかなりの難易度です。まあ、クラシック系のギタリストであれば何とかなるのかな、とも想いますが・・・。
CD Time=2:42からの少しトリッキーなフレーズから和音でのフレーズ、そして8分音符のゆるやかなフレーズに流れていくところはグッときます。
CD Time=3:06からが個人的には肝!
速いソロラインではないのですが、アル・ディメオラさんの超絶フレーズとの対比として、個性が出ているゆったりとした和音を使用したラインです。特にCD Time=3:08のコード「D」の部分が非常に綺麗な和音になっていますね。
そして、開放弦を絡めたCD Time=3:17のフレーズ。
これを見事に決めて、フレーズ終わりの6弦の解放の「E」を一発。
そして、それにすかさず反応してカッティングを入れるアル・ディメオラさん。
無茶苦茶カッコイイ部分で肝!です。

そしてここから、お互いにフラメンコ的なカッティングで呼応しながら、段々とソロの掛け合いに突入していきます。まさに、ギターバトルに突入です。
ここはただただ息を飲んで聴き入るのみですね。

それにしてもフレーズが良く呼応しています。お互いの音やフレーズをしっかり聴いていて、ギター同士の会話が物凄く雄弁に活発にディベートしています。
バトルの終わりは、搔きむしり奏法をお互いに負けずと奏で、そしてテーマに戻り、まるでバトルが嘘だったかのように静かめに終わっていきます。

ギターのロングトーンが終わるか終らないかくらいのところで、パコ・デ・ルシアさんのため息とも口笛とも聴こえる歓喜の声が・・・。
ここで、リスナーも、あのバトルが嘘ではなくかなり激しかったことを再認識することになるわけです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

続きは次回に・・・。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ
 人気ブログランキングへ
 
Blu-spec CD エレガント・ジプシー

『エレガント・ジプシー アル・ディメオラ』アマゾンで検索

曲名
1. フライト・オーヴァー・リオ
2. ミッドナイト・タンゴ
3. 地中海の舞踏
4. レース・ウィズ・デヴィル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ
5. レディ・オブ・ローマ,シスター・オブ・ブラジル
6. エレガント・ジプシー組曲

関連記事

コメント/トラックバック

トラックバック用URL:

この投稿のコメント・トラックバックRSS




管理人にのみ公開されます

PAGE TOP ↑