Walking de Music

walking de music!
このブログは、ウォーキングをしながら聴いたジャズ・フュージョン・CDのレビューを中心としたブログです。個人的に想い付くままに綴っています。

Walking de Music・・・
ベストなCDが見つかりますでしょうか?

Walking de Musicにアクセスしてくださいましてありがとうございます!
管理人のayukiと申します。
簡単な自己紹介はこちらです。
>>>About

★ランキング参加してます♪
にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ

人気ブログランキングへ

このブログのフィードを取得
[フィードとは]
with Ajax Amazon

【walking de music】サイト内検索



マイケル・ブレッカー

123
          

テイルズ・フロム・ザ・ハドソン【3】/マイケル・ブレッカー

テイルズ・フロム・ザ・ハドソン

今日のwalking Musicはマイケル・ブレッカーさんのテイルズ・フロム・ザ・ハドソン・Track06からトータルレヴューです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

06:イントロダクション・トゥ・ネイキッド・ソウル
マイケル・ブレッカーさんとデイヴ・ホランドさんのデュオで奏でられる次の曲へのイントロダクション。
約1分くらいの短い演奏ですが、情緒的に奏でるマイケル・ブレッカーさんに答えるようなベースワークのデイヴ・ホランドさんのプレイが光っています。


07:ネイキッド・ソウル
バラードですが、やはり綺麗な曲というよりは都会の片隅でしっとり奏でられるという感じの曲で、どこか陰鬱なムードが漂っています。

ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。ここでもプレイも壮絶なソロです。

前半は静かなアプローチなんですが、段々と盛り上がっていく感じが見事な構成。CD Time=3:40あたりから段々と速いパッセージや感情をさらけだしたフラジオなどが飛び出し始めます。それはCD Time=4:21からのポリリズムフレーズなどを頂点にして盛り上げていきます。

そしてだんだんと静かなフレーズを展開していって、次のソリスト、デイヴ・ホランドさんに渡していきます。

アフリカンズ・スカイもそうでしたが、マイケル・ブレッカーさんのソロはもちろんフレーズの巧みさもありますが、全体の構成が実にいいですね。盛り上がり部分を真ん中よりやや後半に持っていって、ソロエンド部分では少し抑え気味にフレーズを展開して次のソリストに引き渡す・・・。
プロの演奏でも、けっこう感情で演奏してしまって、ソロのエンドが唐突だったり、尻切れだったりするのは良くあることです。そう考えるとソロの終わりをきちんと終止する形にもっていくのは実はなかなか難しいことです。
その意味でもこの曲とアフリカンズ・スカイでのマイケル・ブレッカーさんのソロは見事と言えますね。アフリカンズ・スカイでのソロとともに作品中でも、双璧のベスト・プレイであると想います。


08:ウィリー・T.
イントロダクションに続いてスローミディアムでスウィングするマイナー調の曲。淡々としているジャック・ディジョネットさんのビートが心地よいです。

ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
ソロ前の部分からの約8秒間くらいの長いロングトーンでスタートします。全体的には、テンポに乗ってブルージーに奏でていきます。まったりとしたテンポに最初はまったりとしたフレーズを展開しますが、後半は歯切れの良いパッセージで攻めてきます。それに伴ってバックのビートも一気に締まるのが聴いていて心地よく、引きずり込まれます。

続いてはパット・メセニーさん。
かなりブルージーなトーン選択で、ゆったりと演奏をスタートします。その後もクロマティックなラインを挟みながらも、基本的にはブルースラインを中心にして弾き抜けていきます。

そしてジョーイ・カルデラッツォさんのピアノソロ。
左手のコードワークをあまり使用しないで、右手のメロディラインで牽引していくソロです。曲調にあったムーディーな展開で上手くまとめています。


09:キャビン・フィーヴァー
アップテンポのユニゾンでのテーマ。そのバックで奏でられているジャック・ディジョネットさんのシンバルワークと細かいスネアワークが効いているスタートです。

2コーラスめはユニゾンから外れて、インテンポで同じテーマになります。ベースのデイヴ・ホランドさんのラインが今度は効いています。なかなか凝ったアレンジでいい感じですね。

ソロのコード進行は16小節のブルース進行です。ブルース進行の曲は初めての登場になります。
ブルース進行でのソロはある意味、単純なコード進行であるために、逆に難しく、ソリストの腕やセンスが顕著に現れると想っています。ですから、そのあたりが聴きどころと言えます。

一番手のマイケル・ブレッカーさんも続くパット・メセニーさんも、独自のオリジナリティあふれるソロを展開しているのですが、最後のジョーイ・カルデラッツォさんのピアノソロが抜群に良いラインを奏でていて、個人的には肝!です。
また、ピアノソロのバックでは強烈にバックがスウィングしています。もちろん、前のソリスト2人にインプロヴァイズされた結果ともいえますが・・・。特に、CD Time=5:35の一曲目のモチーフを使っているところなどは渋いですね。そしてCD Time=5:58からのコードワークは絶妙です。ブルース進行はいずこへ?という感じでアウトしています。これは肝!です。

高速で駆け抜ける曲ですが、最後のパフォーマンスにしては少しあっけなく終わってしまう感じもするのですが、それでも最後にブルースを持ってくるところがいかにもジャズメンという感じですね。


★☆テイルズ・フロム・ザ・ハドソン・トータルレビュー★☆

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『全編に広がるテンションが快感・・・親しき中にもテンションあり!』

・・・

マイケル・ブレッカーさんのストレイト・ア・ヘッドなジャズとして注目された作品ですがやっぱりいいですね。いつ聴いても、ほぼ間違えなく感動をしてしまうという、自分にとっては稀有な作品と言えます。

今回に限らずいつも聴いて想うのが全編に漂っている緊張感。このテンションが実に快感だったりするわけです。

また、マイケル・ブレッカーさんのリーダー作にも関わらず、単にサックスを吹きまくっていないのが良いところ。
例えばテーマはほとんどパット・メセニーさんとユニゾンですし、ソロのサイズも特別多いというわけではなくて、きちんと別のソリストを立てているのが、サックス吹きまくりの場合に起こる可能性のある『聴き慣れ』を防いでいて、バリエーションに富んだ音を楽しめて、さらにジャズ作品として全体のクオリティをあげていると想います。

当然リーダーでありつつ、いちソリストですからマイケル・ブレッカーさんのソロも一発勝負的で、特に5曲目のアフリカンズ・スカイや7曲目のネイキッド・ソウルでは見事で熱いソロを展開してくれています。

ですから、この作品は、マイケル・ブレッカーさんのリーダー作ではありますが、間違いなく各人のソロまわしが最大の聴きどころ。まあ、考えてみたらこれがジャズの醍醐味の大きな部分でもあるわけですね。その意味でもマイケル・ブレッカーさんが仕掛けた、まさにストレイト・ア・ヘッドなジャズ作品と言えます。

また、ソリストとしてマイケル・ブレッカーさんと戦うためには、それなりのプレイヤーが必要ですが、この作品では、私が言うまでもない凄腕ミュージシャンを起用しています。

ともすれば、共演も多く、互いに手の内をよく知っていると想われるので、ファミリー的な雰囲気でテンションも薄くなるところ。でも、慣れ合い的なムードは一切なくて、逆に、真剣勝負的なムードがひしひしと伝わってきます。

気持ち的にはリラックスして演奏をしていると想いますが、親しい仲だからこその『かけ引き』、手の内を知っているからこその『かけ引き』・・・。そんな、眼に見えないものが作品全体の緊張感を生んでいるのだと想います。まさに、親しき仲にもテンションあり!ですね。

それぞれがスポーツで言うとアスリートだからこそ出来る、名人芸の集大成と言える作品でそのにじみ出るテンションに浸っているとやっぱり快感なんです・・・。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ  人気ブログランキングへ
 
テイルズ・フロム・ザ・ハドソンテイルズ・フロム・ザ・ハドソン
マイケル・ブレッカー パット・メセニー ジョーイ・カルデラッツォ

ユニバーサル ミュージック クラシック 2007-05-16
売り上げランキング : 130041

関連商品
トゥ・ブロックス・フロム・ジ・エッジ タイム・イズ・オブ・ジ・エッセンス 聖地への旅 ドント・トライ・ジス・アット・ホーム ワイド・アングルズ
おすすめ平均 star
starグラミー連続受賞後の波に乗るブレッカーの第4作

曲名リスト
1. スリングス・アンド・アローズ
2. ミッドナイト・ヴォヤージ
3. ソング・フォー・ビルバオ
4. ボー・リヴァージュ
5. アフリカン・スカイズ
6. イントロダクション・トゥ・ネイキッド・ソウル
7. ネイキッド・ソウル
8. ウィリー・T.
9. キャビン・フィーヴァー

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

テイルズ・フロム・ザ・ハドソン【2】/マイケル・ブレッカー

テイルズ・フロム・ザ・ハドソン

今日のwalking Musicはマイケル・ブレッカーさんのテイルズ・フロム・ザ・ハドソン・Track04から05です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

04:ボー・リバージュ
基本的には綺麗なバラードなんですが、マイナー調であることと、適度な展開があるために少し陰鬱なムードの漂っている曲になっています。

ファーストソロは、パット・メセニーさん。
その曲の持っているムードをそのまま展開します。時々フレーズの合間に挟まれている、CD Time=2:52やCD Time=3:27のようにクロマティックから高速にダウンするフレーズが、ちょっとやるせなさのような気だるいムードを醸し出していて効果的だと想います。

続いてはマイケル・ブレッカーさんのソロ。
前半はロングトーンを中心として、朗々と歌い上げていきます。このようなフレーズはものすごくセクシーと言うか艶のある音色とフレーズでかなりムーディですね。そして、CD Time=5:07のような一瞬の速いパッセージからCD Time=5:12のロングトーンでのフラジオなどが入ると、これはもう感じざるを得ない!
まさに艶の極みだと想います。

バックがインテンポになり4つを刻み始めると、さらにマイケル・ブレッカーさんはブロウしていき、CD Time=6:00からを頂点にして、先ほどの艶から今度は荒々しく吹き抜けていきます。


05:アフリカンズ・スカイ
この曲では、3曲目のソング・フォー・ビルバオに続いて再びマッコイ・タイナーさんが参加しています。
マッコイ・タイナーさんの参加ということで、3曲めとこの曲がチョイスされたそうですが、ソング・フォー・ビルバオがスパニッシュなムードがあるのに対して同じ様なラテン系のリズムですが、こちらはかなりアフリカン・テイストが溢れています。
その違いは、あまり目立っていませんがドン・アライアスさんのパーカッションにあるかなと。
ソング・フォー・ビルバオでもドン・アライアスさんは参加していますが、この曲でのプレイの方が、低めの音のパーカッションを使用してよりアフリカンなムードを漂わせていると想います。

テーマははじめマイケル・ブレッカーさんが一人で奏で、次にパット・メセニーさんがユニゾンで参入してきます。

CD Time=0:45のサビはわかりやすいメロディと加速していくようなリズムが非常に心地よいです。
その後、パット・メセニーさんのギターがメロディを奏でる間奏部分に入ります。CD Time=1:25で入ってくるマイケル・ブレッカーさんのテーマメロディを奪い取るような感じがいいですね。

CD Time=1:37からはマッコイ・タイナーさんのソロがスタートします。
最初は、スタッカートなフレーズを展開してきます。そしてコードをいろいろとフェイクしながら、少し不安定な要素を盛り込んだフレーズを入れて曲の展開部分に突入していきます。

やはりここでも、コードをいろいろに変化させながらクラシカルに弾き抜けていきます。もうこの感じは止めることができなくなり、CD Time=2:20からのコーラスでは、まさにアウトなコード進行でフレーズをつなげていきますので、絶妙な浮遊感と不安定感があって、ものすごくテンションが高いプレイになっています。

そして展開部分では、細かいロールを使用したフレーズまわしからコード和音で朗々と歌い上げる感じでエンドしていきます。かなりカッコ良いソロフレーズの連発は、もちろん肝!

続いては、マイケル・ブレッカーさんのソロ。
ロングトーンを中心にしたフレーズで入ります。この部分ではバックのグルーブが際立っています。特にベースのデイブ・ホランドさんのビートが抜群ですね。これはまさしく、マッコイ・タイナーさんのソロを受けてインプロヴァイズされた結果。
ですから、マイケル・ブレッカーさんも段々と熱くなっていくという相乗効果を生み出しています。

CD Time=3:47の細かいトレモロフレーズから続くラインはアウトフレーズの連発です。どう考えても音があちらこちらに飛びまわっています。しかも、合っていないような、いるような・・・。この浮遊感がたまりませんね。その後もアウトラインをなぞって吹き続けますが、フレーズ的には8分音符をややルーズに吹き続けている感じです。

これが、CD Time=4:16の2コーラスめからはスイッチが入ったかのように激変していきます。
歯切れの良い短音を、そのタンギングの強さで聴かせて、CD Time=4;26あたりから段々と速いパッセージで攻めてきます。

CD Time=4:30のロングトーンから、ダウンフレーズを匠なアーティキュレーションと絶妙なタイミングで連続して奏で、CD Time=4:45の駆け上がりフレーズから完全にスイッチオンになります。

4音で構成されたポリリズムフレーズを高速で連続的に決めて、さらに、CD Time=4:49で今度は7音で構成されたフレーズで段々とダウンしていく・・・これがまた歯切れ良い!

そしてCD Time=4:53の速いパッセージからCD Time=4:54のひと鳴き。続けてフラジオでの、さらに高い音でのふた鳴きめ。
マイケル・ブレッカーさんのスイッチオンとともに、抜群のテンションと興奮で迫ってきて、こちらもスイッチがオンになってしまいます。この部分はまさに肝!

CD Time=5:00からはさらに追い打ちをかけるように見事なフレーズが続きます。
CD Time=5:00からCD Time=5:06までのフレーズはメロディアスでサックスが実に良く歌っていて肝!
続けて、今度は5音で構成されたポリリズムフレーズの連発。CD Time=5:12での、叫びのようなロングトーン。こちらも肝!です。

そして、CD Time=5:14のややラウドなフラジオから、8分音符で歌うアウトフレーズを奏でていき、その後は、だんだんとスイッチをオフにするかのようにサビの部分につなぐために静かなフレーズに回帰していきます。

この曲でのマイケル・ブレッカーさんのソロは作品中でもベスト・プレイだと想います。構成といい、フレーズといい、文句なしの名演です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

続きはまた後日・・・。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ  人気ブログランキングへ
 
テイルズ・フロム・ザ・ハドソンテイルズ・フロム・ザ・ハドソン
マイケル・ブレッカー パット・メセニー ジョーイ・カルデラッツォ

ユニバーサル ミュージック クラシック 2007-05-16
売り上げランキング : 130041

関連商品
トゥ・ブロックス・フロム・ジ・エッジ タイム・イズ・オブ・ジ・エッセンス 聖地への旅 ドント・トライ・ジス・アット・ホーム ワイド・アングルズ
おすすめ平均 star
starグラミー連続受賞後の波に乗るブレッカーの第4作

曲名リスト
1. スリングス・アンド・アローズ
2. ミッドナイト・ヴォヤージ
3. ソング・フォー・ビルバオ
4. ボー・リヴァージュ
5. アフリカン・スカイズ
6. イントロダクション・トゥ・ネイキッド・ソウル
7. ネイキッド・ソウル
8. ウィリー・T.
9. キャビン・フィーヴァー

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

テイルズ・フロム・ザ・ハドソン【1】/マイケル・ブレッカー

テイルズ・フロム・ザ・ハドソン

今日のwalking Musicはマイケル・ブレッカーさんのテイルズ・フロム・ザ・ハドソンです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

テイルズ・フロム・ザ・ハドソンは1996年のリリースの作品です。この作品の前までとは違って、打ち込みなどのエレクトリックなサウンドから一変したピュアなアコースティック・ジャズ作品です。
以前にレビューをしたのですが、それから何回となく聴いています。久し振りにwalkingのお伴として持ち出しました。以前にレビューしたときは、ちょうどマイケル・ブレッカーさんが亡くなったときでしたのでだいぶん感傷に浸っていたような感じがありました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『全編に広がるテンションが快感・・・親しき中にもテンションあり!』

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:スリングス・アンド・アローズ
リズム的なユニゾン・フレーズからスタート。テーマに入るとマイケル・ブレッカーさんのテナーサックスとパット・メセニーさんクリア・トーンのギターのユニゾンがメロディを奏で、そのユニゾンのバックで、ジャック・ディジョネットさんのドラムがアップテンポに乗った細かいサイド・シンバル・ワークでリズムを刻みます。

このテーマの部分はちょうど2対2の会話のようになっていて、マイケル・ブレッカーさんとパット・メセニーさんのメロディに喰い込んで、奪い取るようにデイヴ・ホランドさんのベースとジョーイ・カルデラッツォさんのピアノが喰ったフレーズでユニゾンを重ねます。これは1小節づつ交互に演奏されていて、何とも言えない緊張感のあるテーマに仕上がっています。ちなみにこの曲は、マイケル・ブレッカーさんの作曲。

サビの部分は一瞬スローになります。今度はお互いに相手を交換して、マイケル・ブレッカーさんがジョーイ・カルデラッツォさんのピアノとメロディを奏でます。そのバックで、パット・メセニーさんとデイヴ・ホランドさんが少しアウトなコードでバッキングを奏でます。
再びテーマに戻ってから、全体の流しフレーズで一瞬のブレイクの後ソロがスタートします。


このソロの部分を聴いていつも想っていたのが、ソリストの3人とも、フレーズが終わりそうでつながっていたり・・・展開しそうなフレーズだけど2小節分くらい余分に長く感じがしたり・・・聴いていてもコーラスの切れ目がわかりにくいソロだと・・・。

今回しっかり聴いてみたら、このソロ部分のコード進行は、どうも36小節でワンコーラスになっているようですね。そして、コーラス間の切れ目が同じコード進行でつながっていて、ソリストの3人ともにコーラスを『意識していません!』 という感じでフレーズをつなげているので、よりわかりにくかったのだと。

でも、このために、演奏全体にものすごい緊張感があるのと同時に、聴いているリスナーもそのテンションをビシビシと感じることができる 『ソロまわし』 になっていますね。

聴きどころはコーラスの17小節目にあたるコードの展開部分。この部分でスケールをチェンジしますが、そのチェンジへの導入のフレーズとチェンジ後のフレーズをどう奏でているか?ちょっと拍を失うような緊張感が漂っているだけに、この部分でどうやってフレーズをきっちりと決めるか?というのが、ソロ全体をぼけたものしないで 『キッ』 としめる急所だったりするわけです。

ファーストソロはパット・メセニーさん。

スタートはゆっくりと入り、そして飛び出すようなCD Time=0:54の高音にまずはグッときます。すかさずCD Time=0:59から速いクロマティックなパッセージで一聴でパット・メセニーさんと解る展開を聴かせてくれます。
CD Time=1:05でワンコーラスめのスケールチェンジ。ここでは、比較的ゆったりとしたフレーズで入り、そして弾き抜けていきます。

CD Time=1:23から2コーラスめに入りますが、ここは完全につながっていますね。そしてCD Time=1:36のスケールチェンジでは、その前から得意技のアップフレーズを導入として、そのまま見事にスケールチェンジをして、さらにアップフレーズをソロエンド近くまで連続していきます。これはまさにパット・メセニーさんの真骨頂。聴きなれたフレーズですが、やっぱりため息が出る見事な展開です。

続くソロはマイケル・ブレッカーさん。
導入は、単純なモチーフを展開してつなげていくというフレーズ。そして、速いパッセージからCD Time=2:06のスケールチェンジへ。コードが変わった瞬間に速いパッセージから強いタンギングの歯切れ良いフレーズ展開。

その後は速いパッセージで切れ目なく2コーラスめまで突入していきます。そしてCD Time=2:35のスケールチェンジ。ここでも歯切れの良いフレーズを展開していますがややラウドに決めていきます。また、この部分に入る前のCD Time=2:34のクロマティックな2小節のフレーズが
実に肝!見事な導入フレーズでこの展開部分につないでいます。

マイケル・ブレッカーさんのソロは3コーラス。3コーラスめの展開部分はCD Time=3:04の駆けあがるような速いパッセージから入り、今度はポリリズム的なフラジオを挟み込んだ得意技フレーズを聴かせてくれます。このあたりではバックの演奏も含めて、最高の緊張感が漂っていてまさに肝!
そしてその緊張感をそのままつないで、次のジョーイ・カルデラッツォさんのソロに引き渡されていきます。

左手でのバッキングを歯切れよく演奏して、それが右手を牽引するように最初は細かくフレーズを展開しますが段々と速くクロマティックなフレーズ展開に変わっていきます。CD Time=3:33のスケールチェンジ部分は左手のコードワークがソロを牽引します。

その後から2コーラスめは、左手のバッキングワークが細かくなっていき、段々と左手主導から右手の速いパッセージが主導権を握っていくような感じのフレーズ展開をしていきます。そしてCD Time=4:01のスケールチェンジ部分は、その前の導入部分のモチーフをそのまま使用してつなげていますのでスケールの変化をさりげない感じで奏でています。

さらにCD Time=4:30の3コーラスめのスケールチェンジ部分。ここではイントロとテーマ部分のミックスしたようなフレーズをモチーフにしてからスケールチェンジ部分に突入しています。これは実に見事です。まさに肝!

ソロまわしの緊張感がいったんサビに入って落ち着いてからテーマに戻ってエンディングへ。

エンディングはジャック・ディジョネットさんのソロにマイケル・ブレッカーさんがソロをからめながらフェードアウトしていきます。2人のからみがフェードアウト近くになってかなり面白いので、このままエンディングまで聴きたいところですが・・・残念ながらのフェードアウト。

いつ聴いても実にテンションがアップする演奏でまさに肝!です。完全ノックアウトと言って良い、まさに時代の残した名演のひとつだと想います。


02:ミッドナイト・ヴォヤージ
ミディアムファーストのテンポでゆったりとした流れでスタート。大変心地よいテンポとリズムを持ったマイナー調の曲でブルージーな雰囲気の中にも適度な緊張感があるのは、1曲目のそれをそのまま引き継いでいるためでしょうか。

ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
コード進行はセブンスコードを中心としたブルース的なもの。ですから、ここでのマイケル・ブレッカーさんは、1曲目とは違ったオーソドックスなジャズ・フレーズを中心に展開しています。これが実にいい感じです。

続くパット・メセニーさんのソロもブルージーに奏でていて、フレーズとしてはマイケル・ブレッカーさんと同じ様に比較的オーソドックスなラインです。しかし、教科書的ではなくてあくまでもメセニー的オーソドックスフレーズ。

その分パット・メセニーさんのフレーズがわかりやすくなっていますので、フレーズ研究やギター・コピーにはもってこいのソロだと想います。組み立ても良くて、まとまったソロだと想います。

エンディングはテーマの初めのメロディをリフレインしていく中でジョーイ・カルデラッツォさんがピアノソロを重ねていき、最後はブルージーにエンディングを迎えます。


03:ソング・フォー・ビルバオ
いわずと知れたパット・メセニー・グループの名曲です。
テーマは、マイケル・ブレッカーさんとパット・メセニーさんのギターシンセがユニゾンで奏でます。この曲は特にソロまわしが聴きどころの曲ですね。まさに、セッションに最適です。

ソロのコード進行はテーマ部分と同じです。テーマ自体は短いのですが、実に上手く演奏ポイントが組み込まれています。

24小節でワンコーラスになりますが、まずは5小節めでC7sus4からG♭maj7♯11にかわる部分のスケールチェンジ。そして17小節めのポリリズム的な部分。ここは3/4拍子に変わるのですが、ここの弾き抜け、吹き抜け方がポイント。

ファーストソロはマイケル・ブレッカーさん。
静かな入りのワンコーラスめ。曲のリズムがアフロ・キューバン的なラテン・リズムですので、それに乗るように短い音符をつないだフレーズでスタートします。CD Time=1:15の流れるような8分音符のフレーズから連続してスケールチェンジ部分に入り、そのままCD Time=1:22まで吹き抜けます。ここはひと呼吸で一気にという感じでしょうか。
そしてワンコーラスめの展開部分。ここでは、サビのメロディを少しだけフェイクして吹き抜けています。

2コーラスめは途中から、倍速の速いパッセージに段々と変わっていきます。そしてCD Time=1:49からフラジオを組み込んだポリリズムでの得意技フレーズに突入。フレーズの音を微妙な変えながら、CD Time=1:15のスケールチェンジ部分になだれ込み、CD Time=1:56のロングトーンまで怒涛のごとく吹き抜けます。この部分は見事な展開で肝!です。その後も、速いパッセージで攻めてCD Time=02:03の低い音での「ブォ」のひと吹き。そして展開部分へ。
1小節目はコード「F」のトーンを分散的に使用して、次の「E」のコードトーンにつないでいます。そして後半は喰った短い音符でコードの3度とルートの音をアクセントフレーズにして吹き抜けています。単純なラインで無難な音の選択をアーティキュレーションとリズム・センスで吹き抜けている感じです。

続いてピアノソロ。この曲ではマッコイ・タイナーさんがプレイをしています。
スタートはラテンのリズムに乗った展開でブルージーに奏でます。最初の展開部分は、そのままコード和音をフォルテシモでクラシカルに弾き抜けます。そして、その後はそのクラシカルな雰囲気でワンコーラスを終わらせて2コーラスめへ。

CD Time=2:57からのフレーズは、よりラテン的な感じになります。右手のメロディ・パターンを統一して流しそれに、左手のバッキングの音を少しづつ変えながら流麗に奏でます。この部分のソロラインのため、曲全体の雰囲気が一瞬変わります。単調になりがちな曲調中で見事なアクセントになっていますね。スケールチェンジのCD Time=3:11はかなりブルージーなフレーズ。
そして展開部分は、一回目と同じ様にコード奏法でクラシカルに奏で次のソリストに渡していきます。

最後はおなじみの音色のパット・メセニーさんのギターシンセです。
長めの音符でだんだんと下がっていくフレーズからスタートして、スケールチェンジ部分でブルージーなフレーズを決めます。そして、8分音符でのラインに変わっていき、展開部分に入ります。
CD Time=3:51からの展開部分は、4小節を2つにわけて考えるアプローチで2小節でワンパターンのフレーズをそれぞれのスケールに合わせて弾いています。やはり自分の曲で、何度も演奏をしている曲ですので、このフレーズ展開と構成はやはり前の2人よりも見事ですね。
その後は2コーラスめに向けて、だんだんとハイフレットにフレーズが移っていきます。

CD Time=4:06から2コーラスめ。叫びのような高音でのフレーズがいかにもパット節。ここでギターシンセのオクターヴをフットペダルで切り替えて上げているのではないかと想います。高い叫びの合間をクロマティックでのダウンフレーズの速いパッセージで挟みながら展開部分に向います。

CD Time=4:26からの展開部分は、ややアウトなフレーズにも聴こえるのですが、実はコード進行が動いているのに追従してトーンを選んで奏でています。でもこれが取ってつけたようなフレーズになっていなくて一拍半のリズムにしっかりと乗りながらフレーズが連続して流れているのがさすがですね。続けて、ひとつのモチーフをだんだんと上げていって、最後にスライドを絡めた連続フレーズでエンディングに突入します。

パット・メセニーさんの最後のフレーズがずっとテーマ頭まで連続しているのですが、そこにマイケル・ブレッカーさんが入ってきてテーマに戻るところは肝!ものすごくカッコ良いと想います。無条件にグッとっくる展開ですね。その後のテーマで2人がハモルのもかなりいいです。

そしてエンディングのロール部分で、パット・メセニーさんのギターシンセとマイケル・ブレッカーさんのサックスが、残響をなごり惜しむように奏でる掛け合い部分が、また良かったりします。

パット・メセニー・グループでのバージョンを含め、いろいろなテイクがある曲ですが、この作品でのテイクは個人的にNO.1、2を争うテイクだと想っています。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

今回はここまで。続きは後日レビューします。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ  人気ブログランキングへ
 
テイルズ・フロム・ザ・ハドソンテイルズ・フロム・ザ・ハドソン
マイケル・ブレッカー パット・メセニー ジョーイ・カルデラッツォ

ユニバーサル ミュージック クラシック 2007-05-16
売り上げランキング : 130041

関連商品
トゥ・ブロックス・フロム・ジ・エッジ タイム・イズ・オブ・ジ・エッセンス 聖地への旅 ドント・トライ・ジス・アット・ホーム ワイド・アングルズ
おすすめ平均 star
starグラミー連続受賞後の波に乗るブレッカーの第4作

曲名リスト
1. スリングス・アンド・アローズ
2. ミッドナイト・ヴォヤージ
3. ソング・フォー・ビルバオ
4. ボー・リヴァージュ
5. アフリカン・スカイズ
6. イントロダクション・トゥ・ネイキッド・ソウル
7. ネイキッド・ソウル
8. ウィリー・T.
9. キャビン・フィーヴァー

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
あとがき
★トラックバック、コメント歓迎いたします。
★ギター好き・音楽好きの為のサイトも運営しています。お暇なら遊びに来てください。
>>>ギターの響き・ソロギターを中心とした”ギター好き・音楽好き”のサイト

123



Powered by Movable Type 3.33-ja
文責・著作権者:ayuki:ご意見・ご感想はこちらからどうぞ。
Copyright(C) 2006~2009 ayuki All Rights Reserved.