Walking de Music

カテゴリースティーリー・ダン
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スティーリー・ダン

          

幻想の摩天楼/スティーリー・ダン 
THE ROYAL SCAM/STEELY DAN

The Royal Scam

もう12月も1/3終わろうとしています。あと何回、今年はwalkingできるでしょうか・・・。と言うわけで今日は、スティーリー・ダン幻想の摩天楼でwalkingです・・・。


この作品は1976年のリリースでスティーリー・ダンの5枚目の作品になります。次の作品が超名作、彩【エイジャ】(*)そしてガウチョ(*)と続いていきます。いわゆるグループがユニット体制になってスタジオミュージシャンを適材適所に起用すると言う黄金のパターンが本格的にになったのがこの作品からと言うことになります。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:滅びゆく英雄
多分スティーリー・ダンの曲の中では一番と言って良いほど好きな曲です
左チャンネルのクラヴィの様なエレピが頭打ちでコードを鳴らし、それを受けて8分喰ってセンターのエレピがリズムを刻む・・・。ここのコードはC7(♯9)と言う緊張感の溢れるコード。このファンキーなバッキングを聴くだけで気分が高揚していきます。

ドナルド・フェイゲンさんが御馴染みの歌いまわしで語るように歌っていきます。
この曲は、もっと複雑にいろいろな楽器が入っていたように想っていましたが、今回聴いてみて意外にシンプルだと言う事に気が付きました。
左チャンネルがクラヴィの様な音でファンキーなバッキング。センターがノーマルな音でシンプルにアレンジされたリフを奏でるエレピ。そして右チャンネルがギターのカッティング。後はドラムとベースとコーラス。途中ギターソロのバックでハモンドオルガンの様な音を使用したり、カウンターメロディをエレピでオーバーダブしていますが、それでも圧倒的な音圧を感じるのは、アレンジの力と演奏とミックスダウンのテクニックから来るクオリティの高さと言うことでしょうか。

でも本当はもうひとつ重要な音があって、それがものすごく全体のクオリティを押し上げていると想います。それはラリー・カールトンさんの歌に絡むギターのカウンターメロディ。入れ方とフレーズが絶妙です。CD Time=3:16などはかなり肝!です。

この曲だけではなくて、実はこの作品は全体的にこのようなギターのカウンターメロディが入っている曲が多くこれがひとつの特徴と言えると想います。

この仕掛け人はどうやらラリー・カールトンさんの様で、以前のインタビュー記事で、この作品に於けるご自身の役割について『デモ・テープからコードチャートを創り、スタジオミュージシャンとスティーリー・ダンとの橋渡し的役をした』と言っています。

ラリー・カールトンさんのカウンターメロディは2コーラス目のCD Time=1:44のチョーキングでスタートします。さりげなくサビの部分でも絡みながら、そのままの流れでソロに入っていきます。

このソロの部分のコード進行はかなり複雑です。しかしスケールが変わっても選択できる音が比較的共通しているのでワンスケール的に弾き抜けていくことが出来ます。
しかし、そこはラリー・カールトンさんですので、実に見事にコードトーンを捉えていて、一聴簡単なフレーズに聴こえるのですが、ものすごく奥の深いラインになっています。このソロがローリングストーン誌が選んだロック史上最高のギターソロの3つの内のひとつに選ばれたのも納得です。

前半はちょっとしたメロディを受けるような形でソロを奏でていきます。
そしてCD Time=2:28のDm7→Bと言うコード進行のフレーズは、いかにもDm7!と言うフレーズから、Bの特徴的なトーンであるE♭を使って「ミ♭→ファ♯→ミ♭→ファ♯」とトリッキーな音使いのフレーズ。ハマっていないようで、見事にハマってる絶妙なラインです。もう大肝!
続くEm7→Dの部分での絶妙なクオーターチョーキングからスライドを使用して更にクオーターチョーキングを絡めて、再び同じようなスライドを使用しますが、今度は音を下げてのスライド。そして高いA=ラの音へ解決。
1回目のスライドは「ラ→シ」でEm7の5度に解決、そして2回目は「ソ→ラ」でDの5度に解決しています。
まあコードトーンをいかに捉えているかと言うことで少し説明しましたが、難しい理論は置いておいても、グッと来る部分だと想いませんか?

CD Time=2:36からの8分音符のラインからCD Time=2:39の素早く切れのあるチョーキング。そしてポジション移動のノイズをそのまま生かして低い音へ移動してのフレーズへ。いかにもラリー節!の部分です。

CD Time=2:44からのE=ミの音をペダルトーン的に使用した8分音符のフレーズからオルタード的なフレーズでコードトーンのB♭=シ♭へ解決。

ソロの終りではチョーキングをして伸ばしそのまま右手でフレットを押さえるライトハンド奏法でエンディングの雰囲気を出して、ドナルド・フェイゲンさんの歌に繋ぎます。

分析するとこうなるのですが、まあこれはどちらでも良いようなことで実際は、このような理論を肌で感じて弾いていて、しかもそれを卒なく、さらにリスナーに感じさせないような、歌っていてよどみなく流れているラインにしているところが偉大なところですよね。

曲のエンディング部分でもソロを弾いていてそのままフェードアウトしていきますが、とにかくラリー・カールトンさんのこのソロを聴くだけでもこの作品を聴く価値がある!と言ってしまいたい程の名演奏です。

02:アルタミラの洞窟の警告
ブラスセクションが入ってややスローな8ビートの曲。サビの部分の流れるようなメロディと絶妙な和音のコーラスが心地よいです。
サックスソロがフューチャーされています。ライナーノーツにホーンクレジットはありますが、具体的な楽器名とミュージシャンが記載されていないのでどなたか解りませんが曲調にあったソロラインで聴かせてくれます。

03:最後の無法者
イントロは歪んだギタートーンで和音をばらして弾いて延ばし、フィードバックがかかってきたらミュートしてブレイク。すかさずダブルノートチョーキングから8ビートに乗ってイントロのソロラインを奏でます。このプレイはラリー・カールトンさん。
前半は絶妙なチョーキングニュアンス。ギタープレイで言うところのセクシーなフレーズとでも言ったら良いでしょうか。16ビートの速いパッセージも少しありますが、やはり音の選択が見事で、これまたハマっていないようで見事にハマっているラリー節!超個性的なフレーズで肝!です。

この曲ではドナルド・フェイゲンさんの歌に所々カウンターメロディーでラリー・カールトンさんが絡んでいきます。それが見事なタイミングで歌を邪魔しないけど、際立っていると言う技を聴くことができます。このさり気無さが、これまたギタープレイで言うところの内助の功とでも言ったら良いでしょうか。

この曲もサビの部分のメロディがリズムに乗って気持ちよく流れるようなラインでさらにコーラスがとても美しいです。個人的にはスティーリー・ダンの初期のヒット曲ドゥ・イット・アゲインを想い出します。

04:狂った町
ジャズのテイストを感じるピアノを今度はカウンターメロディーにして曲は進んでいきます。途中からピアノの変わりにギターがやはりカウンターメロディを歌に絡めていきます。この演奏はラリー・カールトンさんではありません。先ほどのホーンと同じでライナー・ノーツに全員の名前はありますが、誰がどの曲をと言うことが記載されていませんので誰かは解りませんが・・・。
ギターソロもありますが、その感じからするとデニー・ダイアスさんかと。ちょっとラリー・カールトンさんと比べると・・・。1曲目と3曲目のインパクトが強力なだけに少し酷な気もしますが・・・。

デニー・ダイアスさんはスティーリー・ダンのオリジナルメンバーです。しかしこの作品ではグループとしてのメンバークレジットがないのでこの時点ではメンバーと言うことではなかったようです。ちなみに彩【エイジャ】のタイトル曲でも短いですがソロを弾いています。

05:トルコ帽もないのに
ストリングスの合い間を縫ってコーラスでテーマを奏でる曲。同じようなテンポと雰囲気を続けていくと言うパターンでサビの部分で少し変化がありますが全体的な流れは単調です。しかし、その単調な流れのために逆にイントロの少し変わった感じのピアノのフレーズがいきています。

06:緑のイヤリング
イントロのモールス信号みたいなエレピのフレーズにベースとギターの印象的なユニゾンからリズムのキメ。そして突っかかったようなリズムのバッキングに想わず腰が動きそうなビート。この曲もスティーリー・ダンの曲の中ではかなり好きな曲です。

ベースが拍頭に16分音符で「デ・デ♪」と弾き、それを受けてバッキングが「タ・タッ・ター♪」と追いかけます。ドナルド・フェイゲンさんの歌は、ベースに重なるように同じリズムで短いセンテンスで入ってきます。さらにそのバックのリズム隊、特にドラムの8ビートの中にもうねる様な16ビートがスネアで奏でられていきます。この単純ですが見事に整理されたアレンジが魅力ですね。

このドラマー、ハーフタイムシャッフルらしきビートはバーナード・バーディーさんでしょうか。見事なグルーヴを生み出しています。

ギターソロはピッキング・ハーモニクスから入ってメロウトーンでジャズ的なラインを奏でています。よく解りませんが、ウォルター・ベッカーさんかと想います・・・。

スティーリー・ダンドナルド・フェイゲンさんはもちろんリードヴォーカルなので目立つのですがやはりウォルター・ベッカーさんが強烈な影響力でけん引しているように想うのです。知的な感じが結構好きなんです。

07:ハイチ式離婚
レゲエのリズムに緩やかにドナルド・フェイゲンさんのテーマが乗っていきます。イントロから曲中にトーキング・モジュレーターを使用したようなギターのリフを聴くことができます。サビの部分のコーラスに絡むハミングでのハーモニーと笛のメロディラインが東洋風の雰囲気がありますね。

08:裏切りの売女
前の曲とは変わって都会的な雰囲気のある曲。どこかへ逃げた尻軽女をなじるような歌詞の内容。そんな感じの良く出ているドナルド・フェイゲンさんの少し崩れた歌い方がまたいい感じです。
サビの最後の方の『とんだ尻軽女め・・・イーグルスをもっと大きく鳴らせ、近所の奴らに聞えるからな・・・』と言う歌詞。
この作品と同じ年にリリースされたのが、イーグルスの名作ホテル・カリフォルニア(*)スティーリー・ダンらしい、歌詞での皮肉?それともリスペクト?

以前も書いたことがありますが、英語がわかって、なお且つアメリカの文化を肌で理解していればさらに面白く聴くことができたのが、スティーリー・ダンのもうひとつの魅力と言われている歌詞。これは日本にどっぷり浸かっている私にはとても残念だけど仕方のないことですね。スティーリー・ダンを聴くといつもそう想います・・・。

09:幻想の摩天楼
重いリズムをもったマイナー調の曲。その重いリズムが淡々と奏でられていきます。その間を縫って入るギターの印象的なメロディが更にマイナーさと陰鬱さを醸し出しています。テーマとその重いビートの部分が、押しては引く波のように繰り返されて頭の中に残ります。
途中に少し展開があるのですが、またその重いリズムに戻ってそのままフェードアウト。
大都会、ニューヨークの闇の部分が一緒に暮れていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

冒頭の部分でスティーリー・ダンと言えば『ユニット体制でいろいろなスタジオミュージシャンを適材適所に起用する』と書きました。
しかし、この作品はその片鱗は伺えますが、この次の作品の彩【エイジャ】の様な”超”が付く程の豪華さはありません。また、彩【エイジャ】の次のガウチョは確かに豪華ですが、それでもかなりバンド寄りのサウンドと言う感じがします。

そうすると実際には多くの豪華ミュージシャンを使った作品ってそれほど多くないんですね。ある意味、その全ては彩【エイジャ】のみを指していると言っても良いくらいではないでしょうか。

しかし、そのきっかけになったのは間違いなくこの作品と言えると想います。
それは、ラリー・カールトンさんのソロが入った1曲目や3曲目に現れているように、もっと適材適所にミュージシャンを起用すれば、更に曲のクオリティは上がる・・・と言うことを示しているのではないかと。
それが彩【エイジャ】で開花したのだと想うのです。

(CD TOTALTIME:41:21 / Walking消費カロリー:166.23kcal
 walkingには・・・ビート感があって、テンポもややゆっくりめの曲が多いので良く合います!)

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The Royal ScamThe Royal Scam
Steely Dan

曲名リスト
1. Kid Charlemagne
2. Caves of Altamira
3. Don't Take Me Alive
4. Sign in Stranger
5. Fez
6. Green Earrings
7. Haitian Divorce
8. Everything You Did
9. Royal Scam

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AjaAja
Steely Dan
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GauchoGaucho
Steely Dan
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ホテル・カリフォルニアホテル・カリフォルニア
イーグルス
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あとがき
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アライヴ・イン・アメリカ/スティーリー・ダン
ALIVE IN AMERICA/STEELY DAN

Alive in America


先日、お気に入りブログサウンドエクスプローラー♪今日のBGM♪さんでドナルド・フェイゲンさんの名盤ナイト・フライ(*)を取り上げていました。どうもスティーリー・ダンの音楽は、連鎖的に聴きたくなる!と言う不思議なマジックがあるようで・・・。
と言うわけで今日はスティーリー・ダンアライヴ・イン・アメリカwalkingをしました・・・

この作品のリリースは1995年。名作ガウチョ(*)以来15年ぶりにリリースした作品です。スティーリー・ダンはリユニオンツアーを1993年、そして日本にも来日した1994年と連続して行っていて、復活は一応していたのですが、これがイコール活動再開に即つながると想っていなかったファンも多かったようです。(実は、わたしもそう想っていた一人です・・・。)そのツアーをライヴアルバムと言う形でリリースして見事復活!したと言うわけです。

会場のざわめきからカウントが入ってバビロン・シスターズが始まると同時にオーディエンスの大歓声!ほぼスタジオバージョンと同じ感じなんですが、幾分かラフな感じがあって、ライヴ感が十分の演奏です。

2曲目は印象深いエレピのバッキングで始まる緑のイヤリング。スタジオより少しテンポアップしていてやや早歩きになってwalkingには丁度良いテンポです。またそのテンポのためにグイグイと迫ってくる感じがあります。その肝!はリズム隊。ドラムはピーター・アースキンさん。ベースはトム・バーニーさん。特にトム・バーニーさんのベースラインはかなり強力。
ウォルター・ベッカーさんの歌へ絡むギターがいい感じです。ファーストソロはギターのドゥルー・ジングさん。それを受けてのウォーレン・バーンハートさんのエレピソロが心地よいです。

3曲目は切れ目なく菩薩。イントロ部分で厚いブラスとギターのユニゾンから歌に入り、ジョージ・ティニアスさんのギターソロへ。特にブラスセクションとの掛け合いは絶妙なビート感があります。

4曲目はリーリング・イン・ジ・イヤーズ。軽快なテンポからのドナルド・フェイゲンさんの早口?の歌がいつ聴いてもカッコ良いです。ウォルター・ベッカーさんの渋いギターソロからクリス・ポッターさんのサックスソロへ。このあたりのソロの流れも良いですね。この曲でもベースのトム・バーニーさんがなかなか良いグルーブ感を出しています。相棒のドラムはデニス・チェンバースさん。

5曲目は名曲ジョー・ジー。この曲は大好きなのでイントロの怪しげなコード進行を聴いただけで感動的ですらあります。ウォルター・ベッカーさんがドナルド・フェイゲンさんの歌にずっと絡んで演奏していきます。なにか息の合った掛け合いの様な感じで良いですね。そして後半の聴き所はドラムのデニス・チェンバースさんのソロ。スネアで16ビートをキープしながらのインテンポソロです。もう少し重い感じのプレイヤーと言うイメージがあったのですが軽快な中にも重さのあるソロです。

6曲目はブック・オフ・ライアーズウォルター・ベッカーさんのソロアルバムからのナンバーです。歌もウォルター・ベッカーさん。このソロアルバムは聴いていないので実際は、ウォルター・ベッカーさんの歌ってあまり聴いたことがないです。ドナルド・フェイゲンさんに似た感じがあるんですね。

7曲目はこれまた名曲ペグ。ややテンポが速めですが、ここでもデニス・チェンバースさんとトム・バーニーさんのリズム隊が良いですね。レニー・ホワイトさんがレコーディングでスティーリー・ダンの二人に反対されたスラップベースのパターンをしっかり演奏しています。またギターソロの出だしは、この曲にはこれしかない!と言う感じのスティールギター見たいなダブルチョーキングとスライドをミックスしたジェイ・グレドンさんのフレーズをジョージ・ティニアスさんが演奏しているのが面白いです。

ここまでテンポの良い曲が連続していたのでひと休みのバラードサード・ワールド・マンドゥルー・ジングさんのギターソロが良いです。さらには地味ですがピーター・アースキンさんのドラムがいい味です。

9曲目は、これまた名曲滅びゆく英雄ドナルド・フェイゲンさんはややラフに歌っています。それがけっこう良かったりします。ギターソロはオリジナルでの名演ラリー・カールトンさんの雰囲気を持ちつつ、ジョージ・ティニアスさんが頑張っています。でもラリー・カールトンさんのソロがあまりにも完成されすぎていましたので・・・。いっそのことペグの時のようにリスペクトを込めてモチーフを使用すればよかったのに・・・とも想いました。

10曲目は狂った町ビル・ウエアさんのヴァイブが良い味と雰囲気を出しています。

そして最後がエイジャです。イントロが流れるとやっぱりオーディエンスの大歓声!
クリス・ポッターさんのサックスソロとそのバックでのデニス・チェンバースさんのドラムが一瞬ウェイン・ショーターさんとスティーヴ・ガッドさんに重なります。この絡みは肝!です。


考えてみれば、再現不可能!と言われていた楽曲を再現するには、かなりのリハーサルが必要だったと・・・。実は、この作品の曲は1993年のツアーと1994年のツアーの曲が混ざっています。しかも同じ年でも同じ日の演奏はほとんど無くて、さらに曲の順番も年代、日付がバラバラ。
普通ならば、1曲ごと単独のトラックに聴こえるのでしょうけれどもここがスティーリー・ダンのすごいところで、全く同じ日のステージのように聴こえるんです。しかも曲の流れがひとつのプログラムのような感じがして、さらにはオーディエンスの反応も同じような感じに聴こえるんです。
ミュージシャンもドラムのピーター・アースキンさんとギターのドゥルー・ジングさんが途中で変わったりしているのですが・・・。

これは、ある意味、スタジオ録音の場合のミュージシャンを、自分達の納得の行くまで演奏してもらうと言うスタイルのライヴ版と言いますか・・・かなりのリハーサルをしたのだろうと想像できます。

いたってラフにバンド的な感じにも聴こえるのですが、実際はけっこう忠実にオリジナル録音を再現しているようなところもあって、このあたりのバランスはさすが!と言うか絶妙!な感じがします。

また、このライブを聴くとギターの役割がスティーリー・ダンの音楽にはかなりのウェイトをしめていると言うことが良く解ります。ほとんどの曲が左右のギターのカッティングで進行している感じがするのです。

スタジオ録音でも基本はそうなんでしょうけれども、スタジオではさりげなくそれをしているために、あまり意識せずにとてもスマートな感じに仕上がっています。
逆にライヴでは、やや全面にそれを押し出してライヴ感とバンド感を出しているのだと想います。このあたりはウォルター・ベッカーさんの存在が効いているのでしょう。

それにしても、2人の好みに耐えるだけのテクニックを持ったミュージシャンを良く集めたものだと感心します。
(CD TOTALTIME:66:42 / Walking消費カロリー:268.13kcal)

Alive in AmericaAlive in America
Steely Dan

曲名リスト
1. Babylon Sisters
2. Green Earrings
3. Bodhisattva
4. Reelin' in the Years
5. Josie
6. Book of Lairs
7. Peg
8. Third World Man
9. Kid Charlemagne
10. Sign in Stranger
11. Aja

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(*)本文に登場したCD・DVD

ナイトフライナイトフライ
ドナルド・フェイゲン
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ガウチョ(紙ジャケット仕様)ガウチョ(紙ジャケット仕様)
スティーリー・ダン ウォルター・ベッカー ドナルド・フェイゲン
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あとがき
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ガウチョ/スティーリー・ダン
GAUCHO/STEELY DAN

ガウチョ
CD・TOTALTIME:38:13
Walking・消費カロリー:153.63 kcal

今日はわたしの大好きなスティーリー・ダンwalking。いろいろと聴きたいものはあるのですが、1980年の作品のガウチョにしました・・・


スティーリー・ダンの超名作のエイジャ(*)から3年ぶりの作品がこのガウチョです。その間に、ドナルド・フェイゲンさんとウォルター・ベッカーさんは50~60の曲を書いて、さらに相変わらずの豪華スタジオミュージシャンに数々の演奏をしてもらっては却下して、また次のミュージシャンへ・・・と言うような、うらやましい贅沢さとこだわりで過したらしい・・・。その結果がこの作品と言うわけです。

1曲目はバビロン・シスターズ。ややゆっくり目のテンポなんですが、まったりとしたリズムにwalkingが良く合います。でも良く聴くとレゲエの様な雰囲気の中で光るものが・・・。そうですドラムのハイハットワークです。3連のゴースト・ノートが絶妙なハーフ・タイム・シャッフル。誰かと想ったら、やっぱりバーナード・パーディさんでした。

次の曲は実に良いテンポ。丁度少し大股でwalkingをすると丁度良い・・・。ヒットしたへイ・ナインティーンです。サビのコーラスが綺麗ですし、結構日本人好みの感じのコード進行です。それにしても左チャンネルのギターのカッティングはなかなか良いですね。だぶんヒュー・マックラケンさんだと想うのですが・・・。

次の曲もほぼ同じ様なテンポ。今度はもう少し速いので、やや歩幅を縮めて丁度良いです。3曲目のグラマー・プロフェッションです。流れるような快適なリズムがかなり良いのですが、これはドラムがスティーブ・ガットさん。ベースがアンソニー・ジャクソンさん。かなり強烈なリズムの訳です。また途中でのコーラスがきつめにかかっているピアノは綺麗な音です。でもわたしの肝!はサビの「グラマー、プロフェッション♪」と言うコーラス部分。理由は無いのですが良いんです・・・。

ちょっとwalkingも中休みの様なテンポのタイトル曲、4曲目のガウチョ。サビの部分が壮大な感じで、しかも雰囲気的に「希望を捨てずに、明日を見て!」みたいな感じ。でも実際の歌詞は「あのガウチョは誰なのさ、友よ・・・」みたいな全然曲調と合っていない感じ。スティーリー・ダンの特徴のひとつに歌詞の面白さと言うものがあるようです。残念ながら、英語がわかりませんので、対訳を見るしかないんですね。でも微妙な英語の意味合いや文化を知っていて、さらに英語がわかればもっとスティーリー・ダンの世界が解るんでしょうね。ちなみにこの曲のドラムは今は亡きTOTOスティーヴ・ポーカロさん。

軽快なリズムの曲が始まりました。5曲目のタイム・アウト・オヴ・マインドです。walkingのテンポも速くなります!この曲はサビ後の部分のギターのちょっとしたテーマのコード進行が面白いです。ここでのギターはダイアーストレイツマーク・ノップラーさん。またクレジットには、マイケルブレッカーさん、ランディーブレッカーさん、デヴィッド・サンボーンさんの名前がありますが、ソロではなく、ブラスセクションのみ・・・う~ん、なんと贅沢なこと!

6曲目はマイ・ライヴァル。この曲もスティーブ・ガッドさんとアンソニー・ジャクソンさんの強力リズム隊。たんたんとしたビートを淡々と続けるのは結構大変なんですが、強いビート感が出来ています。見事ですね。ギターはスティーブ・カーンさん。またここでもブレッカーブラザーズの両名のクレジットがありますが、やはりブラスセクションのみ・・・。

そして最後の曲はサード・ワールド・マン。ギターソロはもう1人のスティーリー・ダンとも言われていたラリー・カールトンさん。でもなにか変わった音。少なくてもトレードマークの335ではなさそう・・・。フレーズもあまり良くない。本当にラリー・カールトンさん?って想ってしまいました。クレジットにはそうありますが、もしかしたらスティーヴ・カーンさんではないでしょうか?一応アコギになっていますが・・・。でもこの曲のわたしにとっての肝!は、4分過ぎのドラムのスティーブ・ガットさんのスネアワーク。ほんの数小節入るのですが、これが実にさりげなくて。曲調がバラードであるので下手なドラマーだったら、他のメンバーが「なにすんだよ!バラードで!」って言われかねないところを見事にキメています。

前作のエイジャではどちらかと言うと、もっとミュージシャンのソロやテクニック的なものが割と堪能できたのですが、この作品はかなりバンドより。つまり歌を聴かせる、曲を聴かせる、と言うようなスタイルです。でもここがスティーリー・ダンのすごいところで、普通だったらもっとバンド的にライブ感を出すところなんでしょうけれども、ライブ感がありつつも実に緻密で奥が深い演奏なんです。

そのひとつに、適材適所があります。企業ではないのですが、どんなに一流なミュージシャンでも個性を出してもらいつつ、スティーリー・ダンの二人のイメージに合わないテイクは人を変えて取り直すと言う部分がこの作品にも多々あったようです。前作のエイジャペグと言う名曲でのギターソロはジェイ・グレイドンさん。この曲からブレイクしたギタリストです。実はこの曲でラリー・カールトンさんも弾いたらしいのですが、それはお蔵入りになったらしいです。

ここまで徹底して自分達のイメージを貫くのは、お金と時間の問題もありますが、やっぱりこだわりなんですね。そして、自分達のイメージに一番必要なミュージシャンを試して、ピッタリはまったものだけを使用する・・・まさに適材適所。でも音楽は非常に個々のパーソナルな感情に訴えてくるものなので、スティーリー・ダンのイメージとわたしたちのイメージがあったときに名盤になるのだと想います。このガウチョは、そのあたりも十分心得ている感じがします。スティーリー・ダンには・・・完敗ですね。


GauchoGaucho
Steely Dan

曲名リスト
1. Babylon Sisters
2. Hey Nineteen
3. Glamour Profession
4. Gaucho
5. Time Out of Mind
6. My Rival
7. Third World Man

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(*)本文に登場したCD
彩(エイジャ) [でかジャケCD]彩(エイジャ) [でかジャケCD]
スティーリー・ダン
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