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エレガント・ジプシー【2】・アル・ディメオラ

Blu-spec CD エレガント・ジプシー

今日のwalking Musicはアル・ディメオラさんのエレガント・ジプシーです。

先日の続きで5曲目からです。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


05:レース・ウィズ・デビル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ
とにかくスピード感とスパニッシュな雰囲気。さらに少しダークな感じを『これでもか!』という感じでタイトルの言葉に織り込んだ曲ですね。

スタートのアンソニー・ジャクソンさんのベースとレニ―・ホワイトさんのハイハットでの16ビートがスピード感の触手をくすぐります。
そして、アル・ディメオラさんのハードなギターがユニゾンで入ってくると、いやでも盛りあがってきます。
さらに、ここではアル・ディメオラさんと同時にミンゴ・ルイスさんのコンガが左チャンネルに入ってきます。このコンガがさらに盛り上がる要因で肝!です。想わず腰とアゴが動いてリズムを取ってしまう!そんな感じでしょうか・・・。

曲が進むとCD Time=0:23から突然のユニゾン。しかもとても速いパッセージ。2回目のユニゾンはもっと複雑さを増して襲いかかってくる感じです。さらに3回目のユニゾンは、まるでデビルが覆いかぶさってくる恐怖すら覚えます・・・。

そのユニゾンの恐怖から、スーッと解き放たれるようにCD Time=1:05からハーフテンポに落ちます。ここはデビルから逃れて一瞬ホッとする展開。しかし、コード進行などはまだまだ近くに潜んでいるのでは?と想わせる暗鬱なコードが続く・・・。

そしてCD Time=2:06からのアル・ディメオラさんのミュートを上手く挟み込んだ16ビートの単音バッキングを合図に再びデビルが登場します。

アップテンポのままブレイクを上手く使用したリフにアル・ディメオラさんのミュート・ギターが重なってきてCD Time=2:53から短いソロに突入です。

ここでは、エフェクトとしてセンターチャンネルを中心に右、左に音を動かしています。アル・ディメオラさんのフレーズは高速フレーズを弾きまくっているので、このエフェクトの効果もあってまさに頭の中を音が駆け巡る感じ。少し、頭がフラッとするくらい強烈な部分で肝!です。デビル再登場という感じでしょうか?

そして、ストップモーションからハーフテンポに変わって展開していきます。

そしてさらに高速に再び展開して・・・。


とにかく目まぐるしくテンポが展開していき、その合間合間には高速のユニゾンや短いソロなどが組み込まれていて劇的な展開を持った曲に仕上がっています。

エンディング部分のCD Time=5:49からのアル・ディメオラさんの速いパッセージが凄いです。デビル降臨という感じかと・・・。この粒揃いな連続技は・・・ためいきですね。


06:レディ・オヴ・ローマ、シスター・オヴ・ブラジル
今度は一転してスチールのアコギでの軽いボッサのリズムのアル・ディメオラさんのオーバーダビングによるデュオ曲。

トレモロを上手く使用したフレーズで、前の曲とは全く違うリリカルな展開でフレーズを決めます。1分強と短い曲ですが、CD全体の流れの中で、バラエティーに富んだ展開に想わずうなずいてしまいます。


07:エレガントジプシー組曲
曲はゆったりと進んでいくラテンというかメランコリックな色を持っています。曲調は少しチック・コリアさんの影響を感じるような展開です。

CD Time=1:33が最初のキメとユニゾン。ここではドラムのスティーヴ・ガッドさんのユニゾンしていない、いわゆる合間を埋める部分のドラミングが効いています。
それまでの曲のビートを継続しつつ、ここでリズムが少し跳ねて、4ビート的なリズムパターンを匂わせていきます。これは肝!です。

エフェクトされたアル・ディメオラさんのミュートした速いパッセージが続く部分が終わったCD Time=4:21から静かな展開へ。

ここから、ヤン・ハマーさんのミニ・ムーグのソロ。
このヤン・ハマーさんの硬質な音の感じは、前のアル・ディメオラさんのミュートの部分と良く似ていて上手く雰囲気を合わせた仕上がりになっています。ボーッと聴いているとアル・ディメオラさんのギターにも聴こえてくるのが技と言ったら良いでしょうか。
また、ここのバックのアル・ディメオラさんのアコギのバッキングが美しい響きで奏でられています。

CD Time=8:00過ぎくらいから、曲はだんだんとエンディングに向かっていくという感じで、今まで出てこなかったモチーフなども登場してきます。

これだけ目まぐるしく曲が展開していくと、演奏している方も大変かと。まあ、そつなくこなしているのが当たり前ですが、流石と言えばさすが。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


アル・ディメオラさんというギタリストは、非常にワールドワイドな感じがします。この時期の作品ではラテンやブラジル的な方向が強いのですが、その基本はそのままに近年はもっとワールドワイドな世界を展開しています。そのルーツ的な作品ですので、ファンに愛される作品と言えますね。

アル・ディメオラさんのギターは基本的に、今でも大きなアプローチの違いはない感じがしますがやはり超絶、そして粒揃いなのが凄い。
使用しているスケールなどは比較的オーソドックスで、スケールのお手本のようなフレーズも多いのですが、それでも、壮大で雄大で迫力のあるパッセージを弾くことができるのはやはり流石。並のギタリストだったら陳腐なフレーズのオンパレードになりかねないスケールをときに速く、そしてミュートを入れたりしながらバリエーションをつけています。
また、16分音符がだんだんとその倍になったり、戻ったり。16分音符の連続フレーズの中にときどきアクセントをつけるために3連の速いフレーズを挟みこんだり。しかもそれらが実にスムーズに繋がっていくところが最大の魅力で肝!な部分であります。

そんな、アル・ディメオラさんのルーツ的な作品ですので、ギター弾きにとっても楽しい作品であることは間違いないです。

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曲名リスト
1. フライト・オーヴァー・リオ
2. ミッドナイト・タンゴ
3. 地中海の舞踏
4. レース・ウィズ・デヴィル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ
5. レディ・オブ・ローマ,シスター・オブ・ブラジル
6. エレガント・ジプシー組曲

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エレガント・ジプシー/アル・ディメオラ

Blu-spec CD エレガント・ジプシー

今日のwalking Musicはアル・ディメオラさんのエレガント・ジプシーです。


この作品は1977年の作品で、アル・ディメオラさんの「白夜の大地」に続く2枚目のリーダー作品になります。

アル・ディメオラさんの作品は、「スーパー・ギタートリオ」に代表されるアコースティックものが個人的には好きですが、近年のワールドミュージック指向の作品も好きで良く聴いています。
エレガント・ジプシーを聴くのはかなり久しぶりです・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


01:フライト・オーヴァー・リオ
何とも言えない、スパニッシュというかエスニックと言うか・・・。何とも重厚な雰囲気で曲はスタートします。

かなり硬質な音でチューンされたベースはアンソニー・ジャクソンさんのプレイ。そこに、ヤン・ハマーさんのシンセが重なってくるとマハヴィッシュヌ・オーケストラ的と言ったら良いか、ジェフ・ベックさんの世界と言ったら良いか。
その感じを打ち破るのが、CD Time=1:28からのアップテンポ。
ここで肝!になっているのがドラムのスティーヴ・ガッドさんのドラムワーク。
最初はパーカッションに絡みながらハイハットのオープンでリズムを牽引していきますが、CD Time=2:07からは、8分音符の裏で奏でられるトップシンバルを3拍、そして4拍めのハイハット・オープン・クローズ。このリズムが全体のラテン調のアップテンポをグイグイと引っ張っていきます。


CD Time=2:33からがアル・ディメオラさんのソロ。
当時は、ジャケットにあるように、黒のレスポールを使用していたのでしょうか?強力な歪音なんですが、芯がハッキリと聴きとれる音。ピッキングのごまかしがしにくい音と言ったら良いでしょうか。
それは音符の粒が正確に揃っている冒頭のCD Time=2:45からいきなり解ります。
まるで、ご挨拶のように、しかも簡単そうに超速いパッセージをキッチリ決めます。
基本的に16分音符での連続したパッセージなんですが、CD Time=2:46にさりげなく入る倍の6連フレーズが強烈なスピード感をかも出しています。しかもスムーズな繋がり。そして正確な粒。ピッキング・・・。


CD Time=2:52からはフランジャー(当時だったらジェット・マシーン)でスぺーシーな浮遊感を演出しています。そして、ヤン・ハマーさんとの掛け合いに入ります。
この2人の『高速掛け合い』は言うまでもなく凄いのですが、そのバックで掛け合いの微妙な隙間を、奪うわけでもなく、出しゃばることもなく、見事に埋めているアンソニー・ジャクソンさんのベースが肝!です。
2人の掛け合いのバックですので、つい聴きそびれてしまうのですが、この、「聴こえているはずだけど、耳に入ってこない・・・」でも、「しっかりと曲を構成していて、かつじっくり聴くと凄いことをプレイしている・・・」、まさに、ベーシストの極みと言ったらよいでしょうか。


02:ミッドナイト・タンゴ
今度は一転してクリアトーンでアル・ディメオラさんがメロディを奏でていきます。このようなリズムをタンゴというのかどうか、専門的なことはわかりませんが、ちょっとアルバムタイトルのようにエレガントな感じで曲はスタートします。


リズムを牽引しているのが、ドラムのハイハットワーク。これは、レニ―・ホワイトさんのプレイ。そこに、アンソニー・ジャクソンさんの、エフェクトされた、やはり硬質な音色のベースが長めの音符でゆったりと乗ってきます。


曲は途中で展開をして、歪系の音色で奏でられたギターが入ってきます。・・・と想ったら、アコースティックギターのリフからアコースティック・ピアノのソロへと。さらに、ベースソロに繋がっていきます。

複雑な展開部分や楽器選択を持った曲で、このあたりの作曲とアレンジはまさにアル・ディメオラさんの真骨頂と言えますね。


03:パーカッションイントロ
ミンゴ・ルイスさんのパーカッションとレニ―・ホワイトさんのテンパレスのソロ。1分強と短い曲ですが、次の曲へのイントロということでしょうか。
でも、このワンポイントがあるとないのとでは、次の曲のスタートのインパクトが違うように想います・・・。


04:地中海の舞踏
パーカッションイントロを経てこの作品の大きな聴きどころである地中海の舞踏がスタートします。
個人的には、「アル・ディメオラさん=地中海の舞踏」という感じのときがあったくらい大好きな曲です。これは、別の言い方をすると「アコギバトル=地中海の舞踏」とも言えますね。
この曲がいきなり始まるよりは、3曲目のパーカッションイントロがあった方が最初のギターでのアルペジオが冴えて聴こえるような気がしませんか?その意味では3曲目のパーカッションイントロは、アルバムの構成、流れとして一味効いていると想うのです。


曲はご存じフラメンコ・ギタリストのパコ・デ・ルシアさんとのデュオ。
イントロのアルペジオを聴くだけでもわくわくしてくる!そしてギターを弾きたくなる!ギター弾きにはたまらないアルペジオです。
イントロの部分での肝!パコ・デ・ルシアさんのアルペジオ。
1小節めの2拍裏に入る3連符や2小節めの3,4拍部分の3連が実に効いています。
これは1弦から3弦に向かって、一本の指で引っ掻くように弾く奏法で奏でています。基本のアルペジオが8分音符なので単純に聴こえてしまいかねないところを、アル・ディメオラさんと同じようにアルペジオをするのではなく、この3連符を入れるだけで、物凄いビート感、スピード感があると想いませんか?
また、このパコ・デ・ルシアさんのアルペジオは弾いてみると想ったより難しいです。フラメンコギターでは良くある奏法ですが、これは指弾きの成せる技と言えますね。
そう、パコ・デ・ルシアさんは当たり前ですが指弾きです。
基本的には、フラメンコギターですので、人差し指と中指で弾いていると想うのですが、それにしてはイントロ部分のCD Time=0:28のユニゾンなどは、ピック弾きに負けないスピードと正確さ奏でています。このスピードで指で弾くのはかなり難しいですね。
以前、パコ・デ・ルシアさんのフラメンコ音楽のライブを観たことがありますが、それはそれは、物凄く速いパッセージをバシバシ決めていたことを想い出しました。


ファーストソロはアル・ディメオラさん。
トレモロ奏法からゆったりとしたフレーズまわして展開していきます。

CD Time=1:09から8分音符の3連符でややゆったりめの速弾きを決めて、そのまま倍速になる・・・かと想っているといったんゆったりとしたフレーズをはさんでから、CD Time=1:16で倍速の16分音符フレーズに突入していきます。
このブレイクとも言えるワンフレーズが実に効いている見事な組み立てと流れだと想います。


そしてアル・ディメオラさんのソロのハイライトはCD Time=1:37からの連続フレーズ。スタートはミュート奏法。これは右手の腹の部分をギターのブリッジの部分にのせてミュートしています。
16分音符でのフレーズを連続して奏でて、CD Time=1:43で8分音符の3連符に速度ダウンしてしばらくフレーズを続けたあと、CD Time=1:46で一瞬倍速の32分音符の3連に入りすぐに16分音符での連続フレーズから8分音符の3連、そしてフレーズ終わりは4分音符の3連で締めています。
この自在な速度変化が滞りなく、綺麗に、しかも粒揃いで、さらにテンポの乱れなく連続するところはまさに肝!
アル・ディメオラさんのフレーズの特徴であり、唯一無二のもので大好きなパターンです。
このフレーズはコピーをしましたが、まあ、そのまま演奏するには難易度が高すぎて・・・。仕方がないので、CD Time=1:55のようなパコ・デ・ルシアさんの掛声を完璧にコピーして、勝手に盛り上がっていたことを想い出します・・・。


続いてはパコ・デ・ルシアさんのソロ。
スタートから、アル・ディメオラさんのソロにインスパイアされたのか高速フレーズで飛ばしていきます。それにしても、まるでピックを使用していいるかのようなアタックの強さと正確なテンポキープ。
ソロのスタートから2小節めの終わりの同じ音を連続して16分音符で奏でるところなどは、常人が指で弾くにはかなりの難易度です。まあ、クラシック系のギタリストであれば何とかなるのかな、とも想いますが・・・。

CD Time=2:42からの少しトリッキーなフレーズから和音でのフレーズ、そして8分音符のゆるやかなフレーズに流れていくところはグッときます。

CD Time=3:06からが個人的には肝!
速いソロラインではないのですが、アル・ディメオラさんの超絶フレーズとの対比として、個性が出ているゆったりとした和音を使用したラインです。特にCD Time=3:08のコード「D」の部分が非常に綺麗な和音になっていますね。

そして、開放弦を絡めたCD Time=3:17のフレーズ。
これを見事に決めて、フレーズ終わりの6弦の解放の「E」を一発。
そして、それにすかさず反応してカッティングを入れるアル・ディメオラさん。
無茶苦茶カッコイイ部分で肝!です。

そしてここから、お互いにフラメンコ的なカッティングで呼応しながら、段々とソロの掛け合いに突入していきます。まさに、ギターバトルに突入です。


ここはただただ息を飲んで聴き入るのみですね。


それにしてもフレーズが良く呼応しています。お互いの音やフレーズをしっかり聴いていて、ギター同士の会話が物凄く雄弁に活発にディベートしています。
バトルの終わりは、搔きむしり奏法をお互いに負けずと奏で、そしてテーマに戻り、まるでバトルが嘘だったかのように静かめに終わっていきます。


ギターのロングトーンが終わるか終らないかくらいのところで、パコ・デ・ルシアさんのため息とも口笛とも聴こえる歓喜の声が・・・。
ここで、リスナーも、あのバトルが嘘ではなくかなり激しかったことを再認識することになるわけです・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


続きは次回に・・・。

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南から来た十字軍 【2】/クルセイダーズ

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南から来た十字軍

今日のwalking Musicはクルセイダーズ南から来た十字軍Track05からトータル・レビューです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

05:アンド・ゼン・ゼア・ウォズ・ザ・ブルース
いきなりラリー・カールトンさんのゆったりとしたチョーキングにゆったりとしたテンポの引きずるようなアフタービートが襲いかかってきます。ビートを生み出しているのは、スティックス・フーパーさんのバスドラムとロバート・ポップス・ポップウェルさんのベースがきっちりと連動しているところ。
さらに、その上にノッているアーサー・アダムスさんの歯切れの良いギターカッティングとジョー・サンプルさんの、こちらも歯切れの良いエレピ。何とも言えない心地よいビート感がハマります。

そのグルーヴの上でラリー・カールトンさんはいきなりのチョーキングから絶妙なロングトーンを押さえた左手のビブラートのみで聴かせてくれさらに、CD Time=0:08で一音半チョーキングをビシッと決めます。この最初の部分だけですでに肝!

テーマは2管。それに絡むようにラリー・カールトンさんがカウンター・メロディーを仕掛けていきます。

ファーストソロはウィルトン・フェルダーさんのサックス。
ソロのスタートから少しルーズにフレーズに間を置いたアプローチはウィルトン・フェルダーさんの特徴。これが、アフタービートの感じに良く合います。

CD Time=2:02からの2音づつのアップフレーズでスケールチェンジ。これもお馴染みのフレーズ。ややルーズに吹いているところがまた良かったりします。

CD Time=2:42からは2コーラスめ。高音のフレーズで攻めてきます。ここは、ラリー・カールトンさんの絡みが最高です。CD Time=2:50のウィルトン・フェルダーさんのフレーズに対しての反応などは流石です。ここは肝!

CD Time=3:24で叫びのひと吹きから静かに次のソリストに引き渡していきます。


次はジョー・サンプルさんのエレピ。
静かなソロの入りにラリー・カールトンさんがヴォリューム奏法で絡みます。この反応も流石ですね。

前半は鍵盤の狭い範囲での引きずったようなグルーブを持ったフレーズまわしをしていきます。展開をしてからのCD Time=4:10で今まで鍵盤の狭い範囲から飛び出して高音へスパークしていきアウトフレーズで弾き抜けます。

CD Time=4:22で歯切れの良いリズム的なリックがロバート・ポップス・ポップウェルさんのベースと強烈に絡みあいます。そしてブルージーなフレーズからの速いパッセージで2コーラスめへ。

CD Time=4:42からの2コーラスめは、8分音符の和音に半音で細かいグリッサンドを入れてアクセントをつける典型的なブルースフレーズを2小節。その後の2小節で速いパッセージをかまします。

そして再び同じブルースフレーズを2小節奏でてCD Time=5:00で速い機械的なシーケンスでアップフレーズを奏でます。そのままフレーズは上がり続けて展開部分に突入。CD Time=5:08では、エレピの最高音で耳に少々痛いキンッとしたところまで上がっていきます。この流れはまさに肝!です。

さらにこの部分でラリー・カールトンさんのバッキング反応が見事でCD Time=5:02などはジョー・サンプルさんのアップフレーズに合わせてアップしていくバッキングで答えています。

ソロエンドに向けては、ブルージーなフレーズ展開で次のソリストに引き継いでいきます。


3番手はウェイン・ヘンダーソンさんのトロンボーン。
2小節のフレーズをモチーフにして繰り返します。わかりやすいフレーズは非常にメロディアスです。その後も丁寧なフレーズまわしでしっかりと歌っていきます。

展開後のCD Time=6:17から、歯切れの良いフレーズまわしからCD Time=6:21のブレイクダウンしたようなフレーズ。そしてCD Time=6:23のトロンボーンならではのゆったりとアップするベンドフレーズ。ものすごくいい雰囲気に包まれます。

そして、タンギングで聴かせてくれる細かいフレーズからゆったりと次のソリストに引き継ぎます。CD Time=6:39のロバート・ポップス・ポップウェルさんの細かいアクセントフレーズも引き継ぎを後押しします。


4番手はラリー・カールトンさんのギター。
SE的なチョップと言う、音をミュートして弾きおろす奏法からチョーキングをキメます。そしてブルージーにフレーズを展開していきます。CD Time=6:46のアウト1音がいかにもラリー・カールトンさんらしい一撃でこの音の選択はいつ聴いても見事。この部分ですでに肝!です。

そのアウト1音からロングトーンでのビブラートを決めて少し引っかけるようなアクセントのフレーズから、CD Time=6:53で絶妙なアーティキュレーションのフレーズまわしを決めます。ここからCD Time=6:56までのフレーズもラリー・カールトンさんの得意節で好きな私などはたまらない部分です。ここもやはり肝!

展開部分に入るとCD Time=7:09で1音半チョーキングを決め、そして、想わず一緒にタメを作って聴いてしまうアップフレーズから高音でのチョーキング一発。

あくまでもブルージーにしっかりとアフタービートの感じを出しながらソロを終えていきます。


曲はテーマに戻り心地よいビートを残してフェードアウト。

この曲でのラリー・カールトンさんのソロは1曲目のスパイラルと双璧の出来です。悩みますが・・・こちらの方が個人的にはベスト・トラックですね。

さらに、ソロプレイだけではなくてバッキングが実に見事です。TPOをわきまえて、すぐにいろいろなサウンドに反応するスタイルはラリー・カールトンのギターテクニックだけでは測れないすご技。一度、ラリー・カールトンさんのバッキングプレイだけに耳を傾けて聴いてみても面白いと想います。

全体のリズムがまったりしているので10分近い長さは飽きも出そうですが、それでもじっくりとこのビートに沈み込んで、トリップして聴くと・・・これが快感なんです。


06:セレニティー
ロバート・ポップス・ポップウェルさんの8分音符でのゆるやかなラインに、印象的なギターフレーズをアーサー・アダムスさんが繰り返して進んでいく、何とも言えない陰鬱なムードもあるバラードです。

ジョー・サンプルさんのエレピが散りばめられて星のように輝いたフレーズにラリー・カールトンさんのハーモニクス奏法が、さらにきらびやかな感じを演出しています。

テーマはウィルトン・フェルダーさんのサックス。これが、今までの曲とは全く違った綺麗な音。どちらかというと今までの曲はやや引いた音質で録音されていましたが、ここは全面に少しエフェクトを強くかけて演奏されます。

曲は印象的な繰り返しの中ウィルトンフェルダーさんのサックスがささやくように奏でられながら、そしてその周りを取り囲むバッキングがきらびやかに。さらにウェインヘンダーソンさんのトロンボーンも登場して、幻想的でやや陰鬱なムードの中エンディングを迎えます。


07:フィーリング・ファンキー
ロバート・ポップス・ポップウェルさんのスラップからスタートするノリの良いファンキーなナンバーです。想わず、あごと腰が動いてしまうグルーヴを持っています。ジョー・サンプルさんのクラビのバッキングがまたいいです。

テーマはウェイルトンフェルダーさんのサックスとラリー・カールトンさんのギターのユニゾンで奏でられていきます。

中サビ部分は、ジョー・サンプルさんのバッキング的なコードメロディでリズム重視で流れていきます。そしてCD Time=0:59のブレイクでロバート・ポップス・ポップウェルさんのスラップワンポイント。これがカッコいい。

ファーストソロは、ウェイルトンフェルダーさんのサックス。ブルージーでファンキーで丁寧なラインを聴かせてくれます。

再び中サビ、そしてテーマを経てエンディングです。

かなり短い曲なので少し欲求不満になりそうですが、このファンキーさには変えられません。

エンディングとしては、前の2曲が結構長く聴くのにも気合が必要な部分がありましたので、このさっぱりとした構成は逆に良かったりもします。

★☆南から来た十字軍・トータルレビュー★☆

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『ご機嫌だぜ!』

・・・

細かく聴いてみた後でもやはり『ご機嫌だせ!』です。

クルセーダーズの場合は、そのキャリアが物凄く長いので、ジャズ時代を含めると、すべてを網羅して聴くのは結構大変だと想っています。

個人的には80年代の、3人のユニットの時代が実は好きでその頃のジョー・サンプル色が入った良い意味でのあかぬけた感じと、もともと持っている泥臭い感じのミックス具合が個人的にはちょうど良かったわけです。

まあ、それ以前の作品はそれほど聴きこんだ感じもないので多くは語ることができないのですが、この作品はやっぱりいいですね。

何と言っても、1曲目スパイラルの出来の良さは特筆するものがあります。この1曲を聴くためだけでもこの作品に触れる価値は十分にありますね。

さらに、ラリー・カールトンさんのソロプレイ以外のバッキングプレイも同じく特筆すべきものがあります。バッキングとは言っても、コードを刻むのはアーサー・アダムスさんにまかせているようなので、あくまでもフロントとしてのバッキングと言ったらよいでしょうか。

テーマメロディに絶妙に絡んだり、時にソリストへ仕掛けたり、また、ソリストのフレーズに素早く反応したり・・・

作品を通して、ずっとメロディを弾いているという感じもしますが、これが決して邪魔になっていないところが見事。管楽器的なフロントをギターが奏でている作品、という意味でも貴重であり、ギター弾きにとってはかなり参考になる作品と言えます。

まあ、いろいろなことを考えずにとにかくそのリズムに心と体を傾ける・・・。そうすると、何故か心も晴れて気持ちがファンキーになるから不思議。そして『ご機嫌だぜ!』と想わず叫んでしまうのです。

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1. スパイラル
2. キープ・ザット・セイム・オールド・フィーリング
3. マイ・ママ・トールド・ミー・ソー
4. 太陽の輝き
5. アンド・ゼン・ゼア・ウォズ・ザ・ブルース
6. セレニティー
7. フィーリング・ファンキー

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