Walking de Music

カテゴリーJAZZ/FUSION-洋
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JAZZ/FUSION-洋

          

フューズ/フューズ・ワン 
FUSE/FUSE ONE

フューズ

梅雨に入ったのですが、何故か雨が私のwalking場所では降らないのです。ですからいたって順調に運動をしていると言うわけです。と言うことで昨日はフューズ・ワンフューズwalkingをしました・・・。

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この作品は1980年のリリース。当時CMソングとしても使用されていたので物凄くカッコ良いイメージがあったのですが、ほぼ忘れていると言うのが実際です。
プロデューサー、クリード・テイラーさんによるオールスター・セッション・アルバムですがメンバーを見ると確かに凄いメンバーです。超豪華な顔ぶれのこの作品でwalkingをしました・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『時代を感じるサウンド・・・』

もっと攻撃的なカッコの良いサウンドだったような気がしていたのですが、意外に大人しいサウンドでした。
細かい演奏内容は後述するとして録音があまり良くないのが感想です。
とは言っても、聴いているCDプレイヤー自体があまりいい物ではないのですが、そのあたりを差し引いてもバランスの悪さが目立ちます。古い作品に対して録音のことを言うのは酷な感じもあるのですが・・・。それでも今回のCDはリマスター盤なんです・・・。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので
1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

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01:グランプリ
スペーシーなロニー・フォスターさんのシンセでのオーケストレーションから、アップテンポのファンキーなリズムが入ります。テーマはそのままシンセで作曲者でもあるロニー・フォスターさんが奏でていきます。

そのテーマをセンターにして、左チャンネルがパーカッション、右チャンネルがもうひとつのシンセ、そしてセンターのバックにドラムとベースが定位しています。
さらにセンターでギターの単音カッティングのような音が入っているのですが、どうも音色がやけに太い感じがするのでこれはスタンリー・クラークさんのテナー・ベースでは?と想ったのですが、良く聴くとやはりギターですね。このギターはジョン・マクラフリンさん。
ちなみに、パーカッションはポウリーニョ・ダ・コスタさん、シンセはジェレミー・ウォールさん、そしてドラムはレオン・チャンクラーさん。

サビに入るとジョー・ファレルさんのテナーサックスがリズムリックなテーマに加わります。サックスの音は完全にセンターに定位していて、やや騒がしいようなリバーヴがセンターで響き渡っています。ちょっと線の細い音と言うかモノラル的な音になっています。
同時にサビの終り部分でドラムのタム流しのおかずが入るのですが、これまたモノラル、センター定位。ですからタムの動きがまったく解らないような感じの録音になっています。

ファーストソロはスタンリー・クラークさんのテナー・ベース。
非常に歯切れの良いフレーズで流石の上手さを感じます。
続いて、ジョー・ファレルさんのテナー・サックスソロからロニー・フォスターさんのエレピソロへとつながっていきます。

それにしても、ほとんどの楽器がセンターに定位している感じで、ステレオ感があるのはシンセのみと言うサウンドに仕上げています。意図的なことだとは想うのですが、センターによっていることによって、特にスタンリー・クラークさんのベースラインがクリアに聴こえないのが物凄く残念ですね。


02:ウォーター・サイド
センターのアコギでのやや激しいカッティングはラリー・コリエルさん。そのカッティングを包むようにストリングスがメロディを奏でます。

ジェレミー・ウォールさんのエレクトリック・グランド・ピアノでのテーマに入るといきなりギターが綺麗なギターカッティングの音に変化して、さらに左右のチャンネルに振られて一気に広がりを聴かせてくれます。
このジェレミー・ウォールさんの奏でるエレクトリック・グランド・ピアノはクレジットからYAMAHAの製品と言うことがわかります。それにしてもちょっと・・・と言うレトリックな音ですね。当時は最先端の楽器だったのだと想いますが・・・時代を感じます。

ファーストソロはラリー・コリエルさん。
前半はエレクトリックでのソロになります。それにしても、アンプダイレクト!リアピックアップ!そして強いピッキング!でナチュラルに歪んでいると言う、生一本!と言うような音。個人的には少し耳に痛い音でありますが・・・。
後半はアコースティックでのソロに変わるのですが、こちらは、今もあまり変わらない独特のトーン。ナイロン弦ではないのですが、適度な丸さと、いかにも弦が弾けていると言う感じの音で、個人的には結構好きな音色です。
フレーズもまるで別人が弾いているかのような違いがあって、ラリー・コリエルさんはそんなに多く聴く方ではないのですが、ボキャブラリーの多さを感じるプレイです。
ちなみに淡々とブラジルテイストのリズムを刻んでいるのは、ドラムのレニー・ホワイトさんとベースのウィル・リーさん。


03:サンシャイン・レディ
綺麗なピアノの音色からスタートする爽やかさの漂うシャッフルのバラードです。
テーマはジョー・ファレルさんのソプラノサックスにジョン・マクラフリンさんのナイロン弦のアコギがユニゾンを奏でていきます。
しかし、若干違和感を感じるのが、ピッチがピッタリと合っていない感じがするためです。私の耳のためか、実際に合っていないのか、それともお互いの個性が強すぎるのか・・・

ファーストソロはジョー・ファレルさん。
今までのテナーサックスとは違って実に綺麗な音で奏でられています。朗々と歌う感じがなかなか良いですね。
それを受けてジョン・マクラフリンさんのソロです。
いたってデッドに録音されているので、音が生々しいです。それでもいい感じのライン展開で、時折聴かせてくれる速いパッセージの粒が見事に揃っているのは流石です。


04:トゥ・フーム・オール・シングス・コンサーン
シャッフル4ビートと言ったら良いでしょうか。複雑なテーマの流れを持っているフュージョンらしい、攻撃性を持っている曲です。
テーマは前の曲と同くジョー・ファレルさんとジョン・マクラフリンさんが、それぞれテナー・サックスとエレクトリックに持ち替えて奏でていきます。
4ビートになりそうでならないスタンリー・クラークさんの微妙なベースラインに、もどかしさの中にも快感を覚えていましそうです。

ファーストソロはジョン・マクラフリンさん。
クリアトーンでややフレーズをテヌートに奏でていきます。ここは一発速いパッセージを!と想っていると肩透かしを喰らうようなルーズな感じで、続くジョー・ファレルさんのソロに奪い取られていきます。と言うのも、スタートはいきなりの3連16部音符でのポリリズムパターンを高速に決めてきます。相手がジョン・マクラフリンさんだからでしょうか?そんな中にもジャージーさのあるラインで攻めのソロを展開します。

フェードアウト近くで暴れるドラムのレオンチャンクラーさんのプレイが結構良いですね。レオン・チャンクラーさんのプレイはクルセイダーズ時代に聴いたくらいでそんなにお馴染みではないのですが、ファンキーに攻め入ってて、スタンリー・クラークさんが逆に大人しい感じさえ受けてしまうプレイになっています。


05:ダブル・スチール
この曲は当時TDKのCMソングに使用されていたナンバーです。
今回クレジットでそのこと読んでもどんな曲だったか、はっきり想い出せませんでした。曲がスタートしても?と言う感じでしたが、テーマ前でとても印象的に入るシンセのキメフレーズを聴いてはっきりと想い出しました。

レオン・チャンクラーさんの淡々とした8ビートにウィル・リーさんのアフターにビートを引きずるようなスラップのラインが実にいい感のテンポを刻んでいきます。今まで聴いてきた曲とは随分違う感じで、特に録音に広がりを感じます。

聴き所はジョー・ファレルさんのテナーサックスソロ。
ソロスタートは1小節休み2小節めから入ります。そしてワンフレーズ終わって、CD Time=2:32から次ぎのフレーズに入り、さらにそのフレーズを短めにまとめて、CD Time=2:36から次ぎのフレーズに移ります。このフレーズのブレイクが、何とも言えない絶妙なタイミングで肝!です。この部分はあくまでもフレーズ間で、実際には音を奏でてはいないのですが、フレーズのつながりが空気感で解る!みたいな、聴こえない音を感じることができますね。


06:フレンド・シップ
幻想的なストリングスからジョー・ファレルさんのフルートとジョン・マクラフリンのアコギがまさにフレンドと言う感じで絡み始めます。

インテンポになってからフルートの旋律に絶妙にジョン・マクラフリンさんのアコギが絡んでいきます。
さらにその2人の間に時々、それでもさり気なく割って入るエレピが綺麗です。これはドン・グルーシンさんのプレイです。

CD Time=1:45からジョン・マクラフリンさんがソロを奏でるのですが、ここでは、今までささやかに絡んでいたドングルーシンさんのエレピが絡んできます。
すると、それを裂くように今度はスタンリー・クラークさんのベースが割って入ってきます。そして、またしてもエレピはささやかにバッキングに徹していきます。

途中の単音のラインでのジョン・マクラフリンさんのカッティングを合図に曲は一気にテンポアップしていきます。

そのテンポに乗ってジョン・マクラフリンさんが速いパッセージでソロを展開します。
そのラインに今度はドラムがタムまわしやバスドラワークで絡んでいきます。これはトニー・ウィリアムスさん。その流れは、そのままフルートのジョーファレルさんのソロにつながっていきます。

再び曲はスローな展開に戻ってエンディングに入っていきます。いろいろなインタープレイが楽しめるトラックに仕上がっていてこの作品の中でベストトラックだと想います。


07:タクシー・ブルース
結構ストレートなブルース進行を持った曲ですが、イントロの部分のスタンリー・クラークさんのスラップを使用したベースラインのグルーヴが凄いです。

テーマはユニゾンでギターが奏でていきます。これはラリー・コリエルさんのオーバーダビングです。そのテーマに乗ってますますスタンリー・クラークさんのスラップは加速していって、今度は和音を混ぜながら抜群のグルーヴを生み出していきます。

ファーストソロはラリー・コリエルさん。
比較的ストレートなフレーズ回しなんですが、CD Time=2:15からのハーモニクスを使用した煌びやかなフレーズに想わずハッとさせられます。

かなりラフな雰囲気で曲は進んでいくのですが、それにしてもスタンリー・クラークさんのスラップでのブルース・ラインが見事で、今まで割合に地味めな感じでのプレイだったのですが、最後に爆発と言う感じで肝!ですね。


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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『時代を感じるサウンド・・・』でした。
実際に細かく聴いていくとやはりその感じはあります。
良し悪しと言うことではなくて、かなりレトロな感じがしました。

walkingを終えた時は、録音自体があまり良くないと言う感じを持ったのですが、それぞれの楽器の音色や時代と言うことを考慮して、細かく聴いてみるとそれほど悪いと言うことではありませんでした。
しかし、楽器間のバランスと定位については、あまり良くないと言うか、好みではないので、やはり気になりました。

鍵盤楽器は綺麗に広がりを持っているのですが、その他の楽器についてはとにかくセンターに集中をしているので音がゴチャッとした感じがあります。
特にドラムについてはほぼモノラル的な感じがします。その為かどうか解りませんが、ベースがあまりクリアに聴こえません。
さらにギターをはじめにデッドな音で耳に痛い感じがしました。

ジャケットのデザイン、メンバー、それからTDKのCMと言うところから、非常に音の良い洗練されたカッコ良いサウンドと言うイメージが頭な中で出来ていましたので、少し肩透かしを喰った感じがありますね。
そのギャップの大きさがよりレトロな雰囲気を感じさせたのだと想います。

(CD TOTALTIME:37:38/ Walking消費カロリー:151.29kcal)

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フューズフューズ
フューズ・ワン

曲名リスト
1. グランプリ
2. ウォーターサイド
3. サンシャイン・レディ
4. トゥ・フーム・オール・シングス・コンサーン
5. ダブル・スチール
6. フレンドシップ
7. タクシー・ブルース

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あとがき
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ラーセン=フェイトン・バンド/ニール・ラーセン&バジー・フェイトン 
LARSEN/FEITEN BAND

ラーセン=フェイトン・バンド

いよいよ6月でしかも梅雨。なかなかwalkingも計画通りに行かない季節。昨日は梅雨の晴れ間を狙ってニール・ラーセン&バジー・フェイトンさんのラーセン=フェイトン・バンドwalkingをしました・・・。

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この作品は1980年のリリース。昨年発売された雑誌jazzLife特別編・JAZZ GUITAR2007-2008の中の『70年代ギターアルバム100選』にも入っていましたし、フュージョンの歴史を振り返る時に良く見かける作品です。もちろん、過去にも聴いたのですが・・・ほとんど印象に無いのが実際。今回はたまたま良く行くBOOK OFFで見つけたので久しぶりに聴いて見たと言うわけです。
ほとんど、初めて聴くに等しい感覚のこの作品でwalkingをしました・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『いいサウンド。だけど・・・』

なかなかいいサウンドで、聴き始めると、やはり聴いた記憶がよみがえってきました。
この音楽を果たしてフュージョンと呼んで良いのかどうか解りませんが、CD帯にもフュージョンと明記されています。
確かに、ニール・ラーセンさんの持っているジャズ的なテイストとバジー・フェイトンさんの持っているロック、ポップス的なテイストが融合していて、ある意味フュージョンではありますが・・・。
この時代は、スティーリー・ダンを初め、例えばエアプレイロマンティック(*)やTOTO宇宙の騎士(*)などの作品がリリースしていますので、AORのさきがけと言うことでのフュージョンと言ったらよいのしょうか。
まあ、ジャンルはとりあえず置いておいて、サウンドのクオリティは流石に高いと言う感じを受けました。

それでも細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れません・・・。
1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

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01:今夜はきまぐれ
ややスローめの8ビートでスタートします。ブラスの入り方やバジー・フェイトンさんのヴォーカルの感じがスティーリー・ダンを少し想い起こさせます。

バジー・フェイトンさんのミュート・カッティングがなかなか良い味を醸し出しています。それに加えて、ニール・ラーセンさんのオルガンのロングトーンがさらに渋かったりします。

サビの部分に入ると印象的なメロディとコーラスが耳に残ります。この曲はシングルカットされてスマッシュヒットをしました。いかにも売れ線の曲と言ってしまえばそれまでなんですが、このあたりの作曲のセンス、つまり、あくまでも歌ものバンドとして狙って行くと言う部分が上手いですね。リスナーの心をくすぐるようなコード進行とメロディをもっています。ちなみにこの曲はバジー・フェイトンさんの曲。

CD Time=2:19からバジー・フェイトンさんのギターソロです。
節回しとしてはいたって素直なメロディラインだと想います。それでも曲調やシングルカットと言う部分を考えて短いながらも印象に残るソロに仕上がっていると想います。
CD Time=2:35の3連符を使用したモチーフをソロエンドまで効果的に使用していますね。

また歌に絡むフレーズやエンディングからフェードアウトまでのフレーズなどを聴くとなるほど、ギターアルバム100選に入るのも解りますね。あくまでもメインは歌で、サブのギターをどう際立たせるか?と言う命題の答えと言える典型的なサウンドに仕上がっていると想います。


02:デインジャー・ゾーン
想わず前のめりになりそうな突っ込んだ重いビートを持っている曲です。バジー・フェイトンさんのカッティングがファンキーな味を出しています。

ちなみにこの重いビートのリズム隊はドラムがアート・ロドリゲスさんでベースがウィリー・ウィークスさん。さらにパーカッションのレニー・カストロさんが印象的なカウベル・ワークを聴かせてくれます。

CD Time=2:38から6連符の連続した速いパッセージでバジー・フェイトンさんのソロがスタートします。CD Time=2:43で元のビートに戻るまで一瞬『何?』と言う感じの強烈なインパクトのあるフレーズです。その後はハードめにソロを決めて行きます。
フレーズ的にはロック的と言う感じ。それでもブルージーな節回しもありますのでブルースもバックボーンにあるのでしょうか。そんな雰囲気も漂っています。


03:ファーザー・ノーティス
今までの2曲とは雰囲気の違うインスト曲。これはニール・ラーセンさんの曲。
実はこの曲を聴いて今回過去に聴いた記憶がよみがえって来たのです。この曲はCMか何かに使用されていたような気がするのですが・・・。

とにかく印象的なのがテーマ。何とも言えない明るくポップな感じのメロディの中に、少しマイナーな、センチメンタルのかけらのようなテイストがあって後を引くメロディと言えますね。

CD Time=1:28からサンバ風のリズムに乗って軽快にバジー・フェイトンさんのソロがスタートします。今までの曲のテイストとは違って、フュージョンサウンドと言うかジャズテイストがあります。CD Time=1:55からの流れるラインは見事でオールマイティな巾の広さを感じるプレイです。

この曲だけを単独で聴くと結構好きなんですが、前の2曲との繋がりと言うことで行くとどうでしょうか?個人的には若干の違和感と言うか唐突さがあるのですが・・・。


04:オーヴァー
ミディアムテンポのバラード調のニール・ラーセンさんの曲です。はっきり解らないのですが、ここでのヴォーカルはニール・ラーセンさんでしょうか。あまり上手とも言えないのですが、それでも味のある感じで嫌いではないです。
雰囲気、特にサビの雰囲気が、日本のスタジオミュージシャンの集合体のバンド・ショーグンに似た感じがします。

この曲でのバジー・フェイトンさんのプレイは前の曲とはまた違って、チョーキングを多用したロックテイストで攻めのソロを展開しています。


05:彼女はフリー
拍のビートで前に進む!と言う感じのリズムとサビの部分の軽快なビートの部分の対比が面白い曲。特にテーマからサビに入る部分はスムーズなんですが、サビから拍ビートに戻る方がスパッとしていて途切れる感じが逆に良かったりします。

バジー・フェイトンさんのソロはコンパクトにまとまっていて丁寧なフレーズ展開です。でも、この曲ではサビ部分のカッティングの歯切れよさとカッコ良さが抜群です。特にCD Time=2:22のキメのカッティングは物凄いインパクトになっています。
これはチョーキングを入れた単音でのバッキング。どちらかと言うとお手軽で効果的なエコバッキングと言ったら良いでしょうか。

また、このサビの部分ではギターは単音とコードカッティングの2種類でバッキングをしているようですが、左チャンネルのクラヴィ系の音でのニール・ラーセンさんのバッキングが、加えて歯切れよさを出しています。

曲の展開やサビのメロディ、特にスキャットになる部分は少し恥ずかしい感じもするくらいベタな感じなんですが、結構好きなサウンドだったりします・・・。


06:モーニング・スター
ややレゲエのリズムテイストを持ったバジー・フェイトンさんの曲です。
イントロのギターのノーマルトーンの音が綺麗です。特にブレイクする時のハーモニクスとその後のギターのワンポイントフレーズがいいですね。
1曲目もそうだったのですが、バジー・フェ-トンさんのCD Time=0:24の少し熱い歌いまわしとかCD Time=1:42のサビのコーラスなど、この曲はさらにスティーリー・ダンのサウンドのテイストを感じるのですが。

ゆったりとしたリズムに乗ってロングトーンを中心に奏でるバジー・フェ-トンさんのギターソロでフェードアウトです。もう少し聴きたいと想わせるラインなんですが、曲がまったりと長めなので、丁度良い長さにまとまっています。ここでも、歌メインの姿勢がしっかりと継続されていますね。


07:メイク・イット
イントロの部分のラテンのテイストが少し入っている部分と、テーマに入ってからの拍ビートの部分のメリハリがある曲です。このイントロ部分がところどころサビの代わりのように入っていて全く違うリズムをもっているのですが、違和感無く繋がっています。ある意味フュージョンであり、単なるポップスのバンドとは違うテイストを持っているこのバンドの魅力的な部分だと想います。


08:アステカの伝説
作品の最後はニール・ラーセンさんのインスト曲が再び登場です。タイトルの通り幻想的なムードを持った曲で、ミュートを使用して迫るようなラインを奏でているウィリー・ウィークスさんのスラップが印象的です。

CD Time=2:10からのニール・ラーセンさんのピアノのソロが美しいです。
今までソロの部分はほとんどバジー・フェートンさん。もう少しニール・ラーセンさんのソロも聴きたいところでしたが、この最後の曲でクラシカルにピアノソロを決めます。

曲はその幻想的な雰囲気のまま、静かにフェードアウトしていきます。


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walkingを終えて聴き終えたときの印象は『いいサウンド。だけど・・・』でした。
この『だけど・・・』の続きなんですが、それはインパクト。やはり、インパクトが薄いと言う感じがしました。
何か、迫ってくるような、それは攻撃的なサウンドと言う意味ではなくて、強く訴えるものを感じないと言うことです。まあ、あくまでも個人的な感覚と、最近の個人的な心理状態や環境によるものなのでお許し願いたいのですが・・・。

全体に感じるのは優等生的サウンド。
クオリティは高くて、完成度も申し分ないところなんですが、大人しいと言うか、逆にまとまり過ぎていると言う感じでしょうか。スーッと聴くにはとても耳に心地よいのですが。

またスティーリー・ダンが登場してしまいますが、スティーリー・ダンのサウンドも負けずに高クオリティで完成度が高いのは言うまでもありませんが、よりソウルフルと言うか、その中にとても心を躍らせるようなハートビートがあるように感じるのです。
多分大きな違いはやはりヴォーカルかなと。
ドナルド・フェイゲンさんのあの独特の歌いまわしと訳詞でもウィットに富んでいて楽しい歌詞の力はやはり大きいと。

この作品をギターと言う視点で見たときに、特にフュージョン・ギターとして見た時には、少し物足りないのは仕方のないところです。
つい、ギター好きならなお更、ギターフューチャーと言うことでギタリストの作品が中心になるのですが、このラーセン=フェイトン・バンドの作品は歌メインのギターサブ。
ギター的に見ると、サブのギターをどうやって歌ものの中で輝かせるか!

ソロのみならず、歌に絡んでギターが結構メロディを入れていますが、それが決して歌の邪魔になっていなくてポップに聴こえる、と言う面に置いて成功しているし、またその後に大きな影響を与えていると想います。

それにしても、昨年発売された雑誌jazzLife特別編・JAZZ GUITAR2007-2008の中の『70年代ギターアルバム100選』の作品を選んだjazzLife編集部さんは単なるギター・ミュージックだけではなくて、このような作品やこれはジャズ・フュージョン?と言えるような作品もチョイスしていて、触手がくすぐられる、流石のチョイスだと改めて想いました。

JAZZGUITAR 2007-2008 (SAN-EI MOOK)JAZZGUITAR 2007-2008 (SAN-EI MOOK)
内藤遊人


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(CD TOTALTIME:37:12/ Walking消費カロリー:149,54kcal)

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ラーセン=フェイトン・バンドラーセン=フェイトン・バンド
ラーセン・フェイトン・バンド

曲名リスト
1. 今夜は気まぐれ
2. デインジャー・ゾーン
3. ファーザー・ノーティス
4. オーヴァー
5. 彼女はフリー
6. モーニング・スター
7. メイク・イット
8. アステカの伝説

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(*)本文に登場したCD・DVD

ロマンティックロマンティック
エアプレイ
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宇宙の騎士宇宙の騎士
TOTO
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あとがき
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キャプテン・フィンガーズ 【その2】/リー・リトナー 
Captain Fingers/LEE RITENOUR

キャプテン・フィンガーズ

リー・リトナーさんのキャプテン・フィンガーズのTrack04からレビューの続きです・・・。

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04:マルガリータ
ちょっとマイナーで先の展開が想像しにくいイントロ。リー・リトナーさんが変わっていくコード進行に合わせてフリーな感じでメロディを重ねていきます。
ブレイクの後、ダウリィ・ゴンガさんのエレピのバッキングが印象的な、テンポアップされたパターンに入ります。ハービー・メイソンさんのハイハットのアクセントにユニゾンのバッキングラインがビシッと決まっていきます。言ってみれば攻撃的なサウンド。それはフュージョンと言うのに相応しいエッセンスのひとつですね。

リー・リトナーさんのソロはCD Time=2:24からスタート。
テーマのメロディをモチーフにしたフレーズを最初の2小節はチョーキングのアップダウンで締め、次ぎの2小節は音程を変えてスライドを絡めて締めます。
そして次ぎの2小節は中間を8分音符のダウンフレーズからトリルで締めて、次ぎの2小節はモチーフ自体で締めます。
今までの3回は全て前の小節の4拍目からスタートしているのですが、この最後は頭を1拍休んでスタートしています。この休符が絶妙な間を創ります。最初の8小節のこのモチーフの展開は、技術的に難しいわけではないのですが抜群のセンスと上手さを感じます。

さらに、この後の8小節は速めのパッセージが段々と出て来て盛り上がっていくのですが、終わり部分のCD Time=2:50で再び最初のモチーフで締めています。ここに再び登場させるところは心憎いものがあります。

その後のラインは16分音符を連続させたラインを軸にして奏でていきます。特にCD Time=3:06からのコード進行に合わせてスケールが動いていく感じは物凄く気持ちの良いラインです。

このソロはスタートの展開が良いこともありますが、ジャズでもなく、ロックでもない。いかにもフュージョン!と言う感じのソロラインだと想います。


05:可愛いアイシャ
デイヴィッド・フォスターさんの重厚なエレピに乗せて、リー・リトナーさんのヴァイオリン奏法がお馴染みのメロディをスローに奏でていって段々をテンポを創り、ジェフ・ポーカロさんのタムがインしてきてブレイク。
ビル・チャップリンさんの歌が入って再びブレイク。そのブレイクにワウを使用したレイ・パーカー・Jrさんのギターカッティング。そしてビル・チャップリンさんの歌い始めに重ねて、ジェフ・ポーカロさんのおかずとマイク・ポーカロさんのベースのアクセントからインテンポに・・・。
いいスタートです。しかも超豪華なメンバー!
曲はそれこそ言わずと知れたスティービー・ワンダーさんの超代表曲。でも、この曲をフュージョンテイストでこの作品に収録すると言うセンスが、リー・リトナーさんの単なるギタリストではない、プロデューサー的な部分を物凄く感じます。

ジェフ・ポーカロさんのドラミングがタイトで良いですね。もちろんリズム隊としてのマイク・ポーカロさんとのマッチも完璧です。
さらに左チャンネルのレイ・パーカー・Jrさんのカッティングがファンキーで見事。そして右チャンネルのリー・リトナーさんのカッティングは(多分・・・)単音をミュートして奏でる得意技。
その抜群のリズムに乗ってビル・チャップリンさんが朗々と歌っていく感じがまた良いです。

テーマを挟んでリー・リトナーさんのソロです。
ここはテーマのメロディをギターで奏でると言う感じのソロまわしなんですが、絶妙なのはそのフェイク。そしてアーティキュレーション。
何も難しいフレーズを展開しなくても、テーマに沿ってフレーズを展開していくだけでも十分インプロヴィゼーションとして成り立つと言う典型的なラインだと想います。

CD Time=2:23から展開をしていきます。このソロバックのアレンジもインパクトになっています。
そしてブレイクに、デイヴィッド・フォスターさんのエレピでのダウンフレーズが入って転調をしたテーマ部分へ入ります。

この転調はGからG♯への半音転調。コーラスのフロントでビル・チャップリンさんがテーマをフェイクしてパワフルに歌っていきます。
この半音転調と言うのが、パワフルさと声のツヤを演出しています。半音上がっただけでもシャウトしやすくなるんですね。
その意味でも先ほどのソロバックのアレンジは単なるインパクトのみならず、半音転調を違和感なくするための見事なアレンジと言えます。

そしてリー・リトナーさんとビル・チャップリンさんのユニゾンプレイに入ります。
ジョージ・ベンソンさんのようにギターと同時に歌う場合は別として、どちらかを先に録音するのか、それともラインを決めておいて同時録音するのか、興味がありますね。リー・リトナーさんの場合は、ソロも譜面起こしをしていたと言う噂もありますので後者のような気もしますが、それにしても良く合っていてグルーヴやのりもいいですね。

エンディングに向けてビル・チャップリンさんのシャウトを奪い取るようにリー・リトナーさんのソロが続きます。
ここでは、ワンコードに乗って、かなり速いパッセージをたたみ掛けるように展開します。可愛いアイシャの可愛いと言う雰囲気を壊す、熱いソロでフェードアウトとなります。

それにしても名曲。テーマが結構コンパクトにまとまっていますのでテーマ回しをしてアドリヴをしていくだけでも面白いですね。セッション向きの楽曲とも言える名曲です。


06:スペース・グライド
何とも味のあるファンキーテイストのギター・カッティングでスタートします。このカッティングは作曲者でもあるミッチ・ホルダーさんだと想います。
タイトなジェフ・ポーカロさんのドラムが入ってから左チャンネルに入ってくるワウを効かせたレイ・パーカー・Jrさんのカッティングがさらにファンキーさに色を添えます。

スライドを使用したようなフレーズ展開から、得意の速いパッセージを聴かせてくれるリー・リトナーさんのソロの続いて、テーマのサビに絡んで対旋律を奏でていたアーニ―・ワッツさんのソロです。

この作品では唯一のサックスと言うことになります。
今までギターオンリーのサウンドでしたので、ここでのサックスラインが実に効いています。一瞬にしてサウンドが華やかになるのが、まさに管楽器の力と言う感じでしょうか。

エンディングはアーニ―・ワッツさんのソロを受けて、リー・リトナーさんがソロを。掛け合いか!と想った瞬間にフェードアウトしていきます。ここは、やはり掛け合いですよね?かなり残念なフェードアウトです・・・。


07:サン・ソング
クラシックギターの綺麗な響きからスタートするバラードです。ここでのリー・リトナーさんはライナーノーツからYAMAHAのクラシックギターだと想われます。

リー・リトナーさんはクラシック・ギターの名手とも言われています。具体的にクラシックのメソッドを学んだのかどうかは良く知りませんが例えば、CD Time=1:47からのコードでの音を、その後のCD Time=1:50でメロウな音に音色を変えるテクニックなどは、まさにクラシックの奏法的と言えます。

インテンポになるとそのままギターソロになっていきます。
ナイロン弦になることで、急激にヒューマンになるのがまさにクラシックギターの魔力ですね。もちろん、弦だけの変化だけではなくて、リー・リトナーさんのフレーズも全く違うのはもちろんなんですが。

最初はソロと言うよりはテーマでしょうか。創り込まれたような綺麗で丁寧なメロディです。
CD Time=2:39からは、クロマティックラインや3連符などをアクセントしたフレーズや16分音符の丁寧なフレーズを繋いでいきます。
CD Time=3:00からは、コード奏法を聴かせてくれます。リー・リトナーさんはクラシックギターでも、ピックを使用してカッティングのように歯切れの良いコードを奏法を得意としているのですが、ここでは、ピックと指を使用して弦を摘むような、ちょっとボサノバの奏法のような繊細なコード奏法です。

その後は作曲者でもあるデイヴ・グルーシンさんのエレピソロです。
高い音を細かいフレーズで繋ぎ、少しファニーに可愛らしく奏でていきます。
CD Time=4:03から歯切れの良いコード奏法。バックのストリングと同化していく感じが良いですね。

エンディングのCD Time=6:03からストリングスの旋律にリー・リトナーさんのソロが重なってきます。
最初はストリングスのメロディに答えるように進んでいくのですが、フェードアウトし始めると16分音符の連続したパッセージを奏でます。
CD Time=6:25から6:31までの約5秒間なんですが、流れが実にスムーズで、しかもメロディアスでまさに肝!
でも、無情にもその5秒後にはフェードアウトで曲はエンディング・・・。ここでも少し短いエンディングソロが残念です・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象は『やはりインパクトが薄め』でしたが、細かく聴いてみたら、インパクトと言うことでは変わらない感想なんですが、作品としては、丁寧で創り込まれている感じを受けました。非常にクオリティの高さのある作品だと想います。

1曲づつ聴いていくとフュージョンの持っている攻撃的な面があるのですが、例えば先日レビューをした渡辺香津美さんのトチカキリンのような尖がった鋭さはなくて、全体を通してみると非常にポップと言うか、聴きやすいサウンドです。
これも、インパクトが薄いと言う印象に繋がった部分と言えます。

ジェントル・ソウツでの演奏やライヴ映像をみると、そちらのインプロヴィゼーションの方がかなりアグレッシブでいい感じがします。ライヴの方がよりクリエイティヴでインパクトのある演奏をするように想います。
多分、スタジオ録音の場合は考え過ぎと言うか、練りすぎなのではないかと言う感じが、この作品を細かく聴いてみて想ったわけです

スタジオ・ミュージシャンとしての名前が先行して、ギターと音楽を本当に認めていた人は少なかったのでは・・・と言うことをリー・リトナーさんが言っていたことがあるとライナーノーツに記されています。

この作品では、売れっ子スタジオミュージシャンと言う枕詞が両肩にずっしりと乗っているリー・リトナーさんの、もう一歩型を破り切れていない部分を感じるのです・・・。

(CD TOTALTIME:46:03/ Walking消費カロリー:185.12kcal)

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キャプテン・フィンガーズキャプテン・フィンガーズ
リー・リトナー

曲名リスト
1. キャプテン・フィンガーズ
2. ドルフィン・ドリームス
3. フライ・バイ・ナイト
4. マルガリータ
5. 可愛いアイシャ
6. スペース・グライド
7. サン・ソング

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ジェントル・ソウツジェントル・ソウツ
リー・リトナー ジェントル・ソウツ
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キャプテン・フィンガーズ 【その1】/リー・リトナー 
Captain Fingers/LEE RITENOUR

キャプテン・フィンガーズ

ここ数日物凄く暑くありませんか?walkingもしっかりと汗がでる、まさに運動している!と言う感じです。と言うことで先日はリー・リトナーさんのキャプテン・フィンガーズwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1977年、リー・リトナーさんの個人名義ではセカンドアルバムと言うことになります。個人的には印象があまりない作品なんです・・・何故か。
実は今回のwalkingには別の作品が聴きたくて持ち出したはずだったのですが、マジックか?この作品を持って出かけてしまったと言う、てん末なんです。
ですから、今回は聴こうとしたわけではなくて、せっかくだから聴いたと言う作品になったわけです。
それでも、フュージョン作品の中では名作中の名作。久しぶりに聴きますが、何故に印象が薄かったのでしょうか・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひとことで言うと『やはりインパクトが薄め』。

多分理由は簡単で、この作品の前にリリースされている(と想うのですが・・・)リー・リトナー&ジェントル・ソウツの作品ジェントル・ソウツ(*)のインパクトが強烈だった為とこの次の作品のキャプテンズ・ジャーニー(*)の完成度と凄技ギタープレイが衝撃だった為。言ってみれば、『運の悪い作品』だったと言えるからです。
特に、リー・リトナーさんの代表曲とも言えるキャプテン・フィンガーズのテイクは個人的にはジェントル・ソウツのテイクの方が良いかな、と想うわけです。
私はリアルタイムでこのあたりの作品を聴いたわけではなくて、順番としては、キャプテンズ・ジャーニー、ジェントル・ソウツそしてこの作品と言う感じでした。ですからインパクトが薄いのも何となくお解かりいただけると想います。さらにデビュー作のファースト・コースに至ってはもっと薄いのです・・・。

それでも細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れません・・・。1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:キャプテン・フィンガーズ
イントロからユニゾンのパターン。これが難しいのです・・・とても。いきなりのこパターンを聴くと、16分休符からスタートしているように感じるのですが、曲中のこのユニゾンを聴くと、フレーズが4分休符+16分休符でスタートしていることが解ります。そして3小節目が3/4拍子になってハービー・メイソンさんのリフに入っていくと言う構成になっています。
とても解り難く、リズムが取り難いイントロ。でも結構好きです。ハービー・メイソンさんのドラムのリフが歯切れ良くていいですね。

ベースのスライドでの『クォッ』と言う『鳴きのいち音』をきっかけにバッキングがスタートします。ここでのベースはアンソニー・ジャクソンさん・・・と?

ライナーノーツをみると、アルフォンソ・ジョンソンさんとのダブル・ベースになっているんですね。でも2本で弾いている感じではありませんし・・・このあたりは良く解りませんが・・・。
それでもお馴染みのベースラインを軽快に奏でていきます。

左チャンネルでエレピの歯切れ良いバッキング。これは、パトリス・ラッシェンさんでしょうか。ちなみに、ライナー・ノーツには、ダウリィ・ゴンガさんのクレジットもエレピであります。私は恥ずかしながら最近知ったのですが、これはジョージ・デュークさんのセッション・ネームですね。
そして右チャンネルでは、軽快なギターのカッティング。これは、ジェイ・グレイドンさんのプレイ。しかもこの1曲のみの参加と言う、今考えれば贅沢・・・時代を感じます・・・。

リー・リトナーさんのテーマは少し変わった音質のナチュラルトーンで奏でられていきます。エフェクト的には、少しワウとコーラスを強めにかけたような感じ。これは、360システムズ・ポリフォニック・ギター・シンセサイザーでのプレイ。

当時はまだ世界に数台しかないと言われていたギターシンセでプログレ系のバンド、シンフォニック・スラムティモ・レインさんが使用をしていたり、ジョン・マクラフリンさんもマハヴィシュヌ・オーケストラで使用していました。
このギターシンセについて調べようと想ったのですが、検索にもあまり引っ掛かりませんでしたので、どうも歴史から消えつつあるようで・・・特に性能としては今一だったようですね。

テーマのCD Time=1:00はギターのメロディが左右のチャンネルに急に広がります。
右チャンネルはそれまでテーマを奏でていた音のようですが、左チャンネルは少しワウワウしたような、いかにもシンセと言う音。CD Time=1:38でも同じ広がりのサウンドで奏でられていきます。

このギターシンセの使い方は、シンセだからと言って全面依存すると言うことではない、実にさり気無い使い方だと想います。まあ、逆に言えば、鍵盤のシンセをオーバーダビングすれば済むこと・・・と言ってしまえば身もフタもないのですが・・・。

CD Time=2:17からはこの曲の一番の難関であり聴き所のユニゾンとキメの部分に入ります。
鍵盤でのこのフレーズは、もともと私はほんの少ししか鍵盤が弾けないのでテクニック的に難しいのかどうか良く解りませんが、ことギターに限っては実に難しいフレーズです。
ギターの場合は鍵盤楽器と違って同じ音が別のポジションでも鳴らせると言う特徴がります。いろいろなポジションでのプレイを模索することができるのですが、どのポジションでも難しいと言うのが実際。
また前半は単音のラインにコードカッティングが挟まれているので、そのタイミングと拍取りが一番難しい部分になります。
さらに後半は、16分音符の連続からCD Time=2:44の6連符のダウンパッセージ、そしてすかさずキメのコードカッティング・・・。流れはさらに高度になっていって、CD Time=2:53からはアクセントのコードカッティングの部分が16分音符のフレーズに挟まれた形になって、最後の6連符2拍フレーズからキメのコードカッティングへ怒涛の流れで向かいます。

所々に入るコードカッティングが実は曲者で、ただでさえ難しい単音のラインから時間差攻撃でコードカッティングに移り、そしてまた単音のライに戻る・・・。その上、コードカッティングが食っていたりするので、タイミングも難しい・・・。

個人の技量はもちろん必要な部分ですが、実はバンドアンサンブルとしても難しく、そのキーポイントになるのはドラムだと想います。テンポキープはもちろんなんですが、小節線が明確に解りにくいフレーズが連発する中で、しっかりとしたアクセントとタムまわしでのユニゾンを決めると言うのはかなり大変かと。いつもギターに耳が行く部分ですが、今回聴いてハービー・メイソンさんのプレイの絶妙さに肝!を感じました。

リー・リトナーさんのギターソロはCD Time=3:11から。
『同じ音で16分音符を連続させたフレーズ』をモチーフにして展開をしていきます。フレーズが歌うと言うよりは、メカニカルなフーレズの組み合わせと言う感じで奏でていきます。
CD Time=4:05からテーマのフェイク的なラインから6連符のダウンフレーズとダブルノートチョーキングでアクセントをつけたフレーズへ。ハービー・メイソンさんのインタープレイもいい感じですね。
この部分を聴くと、その前までリー・リトナーさんが、一聴陳腐にも聴こえる『同じ音の16分音符を連続させたフレーズ』を使用していた理由が何となく解ります。

この曲全体のメロディモチーフが16分音符でのラインなんですね。それをリズム的なアプローチで表現したのが『同じ音の16分音符を連続させたフレーズ』。それが発展して、CD Time=4:05からテーマのフェイク的なライン繋がっていくのだと想うのです。

CD Time=4:16から再び同じ音の連続フレーズを奏でてCD Time=4:20からのアウト・フレーズに繋げていきます。CD Time=4:26からの3連符を絡めた速いパッセージの連続技からCD Time=4:35で再びテーマフェイクのフレーズ展開。そしてチョーキングを使用したロック的なフレーズまわしからCD Time=4:51からの怒涛の6連符攻撃へ。そしてCD Time=5:05からサビのパターンにバッキングが入ると一転してメロディアスなラインで弾き抜けていきます。

このソロはひとつのモチーフを繰り返して拍を繋ぎ、違うフレーズに替わるとまたそのフレーズを繰り返す・・・そんな構成が基本になっています。リー・リトナーさんのフレーズが機械的、などと言われる代表的なソロラインと言えます。

しかし、改めて細かく聴いて見ると、この機械的とも想えるフレーズが全てテーマのモチーフを変化させたものに聴こえました。テーマのモチーフを様々なアプローチで変化をさせて奏でているのだろうと・・・。
さらにこの曲の持っているスピード感と、16分音符と6連符という大きな曲のテーマと言うか特徴をあちらこちらに散りばめたソロ構成になっていると言うことです。

リー・リトナーさんがあえて繰り返しフレーズを多用したのは、曲のモチーフを生かしたもっともヒューマンな方法、つまり機械的と言われていますが、実はテーマを常に意識して歌っているフレーズになっていると言うことではないかと想ったのです。テーマ自体が細かく速いフレーズの集合体みたいなメロディですから・・・。

先ほどジェントル・ソウツのバージョンの方が良いと書きましたが、では、どちらがオリジナル?と想っていろいろ調べてみたのですがどうにも良く解りませんでした・・・。
ジェントル・ソウツとこの作品は同じ年にリリースされているようですが、ジェントル・ソウツはご存知ダイレクト・カッティング。発売は5月のようです。そして、ライナーノーツをみると本作品でのバージョンは1976年9月の録音。これでいくと発売の順番は前後しているのですが、本作品の方がオリジナル?。
でも、私が聴いたのも、リアルタイムではありませんが発売と同じ順番。ですから本作のバージョンが後になります。
あの強烈なバージョンのキャプテン・フィンガーズのインパクトの前に、このテイクが霞むのはある意味仕方がなかったような気もしましたが、こちらも改めて細かく聴いてみたら結構良かったりしました。


02:ドルフィン・ドリームス
リー・リトナーさんのバラードな中でも良く演奏をされる名曲です。
いろいろなギターの音を使って情緒的なアルペジオにフワッとした音のギターでメロディを刻んでいきます。
サビからは歪んだギターでのバッキングラインと重厚なストリングスが重なってきて、さらに幻想的でクラシカルな展開を聴かせてくれます。

リー・リトナーさんのソロは360システムズ・ポリフォニック・ギター・シンセサイザーを使用したと想われる少しファニーな音で速いパッセージを挟みながら弾き抜けます。

その後のストリングがかなり重厚です。ストリングスアレンジもいい感じです。この後にスーッと静かになるような感じでイントロのパターンに入っていきます。このメリハリのある展開も良かったりします。


03:フライ・バイ・ナイト
ライトなフュージョンのテイストを持ったこの曲はデイヴ・グルーシンさんの曲。ここでのリー・リトナーさんはノーマルなギターでクリアトーンのメロディ演奏。
ハービー・メイソンさんとアンソニー・ジャクソンさんの奏でる少し跳ねたようなビートが実に軽快です。

リー・リトナーさんのソロはやはりテーマのモチーフをスタート部分に使用して段々と展開をしていきます。かなりブルージーと言うかジャズ的なラインを奏でていきます。

テーマを挟んで、エンディング部分でのソロ展開は特にジャズラインが炸裂していて、昔聴いた時にはあまり感じなかった、違う意味での凄さを感じます。やはり速いパッセージやテンポアップされたものに耳が行くのが若気・・・。このような渋いラインはどちらかと言うと飛ばしていたんですね・・・。

CD Time=4:41からのややバップ的なフレーズからオクターブ奏法のトリッキーなラインなどは鳥肌もののカッコ良さがあります。ちょっとフェードアウトが早くソロが短いのが残念・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

キャプテン・フィンガーズにはコピーバンドで演奏したくても様々な問題で・・・と言ってもほとんどがテクニック的な問題なんですが・・・出来なかったと言う、熱い想い入れがあるためについ長くなってしまいました。
と言うことで、続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:40:54/ Walking消費カロリー:164.42kcal)

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ライク・マインズ【その2】/ゲイリー・バートン、チック・コリア、パット・メセニー、ロイ・へインズ、デイヴ・ホランド 
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ライク・マインズ

バートン、コリア、メセニー、へインズ、ホランドさんのライク・マインズのTrack05から細かく聴いてみます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

05:ライク・マインズ
この曲はゲイリー・バートンさんが福岡で書いたと言う曲。福岡とのイメージが全く合わないのですが、それにしても複雑なコード、そしてシンコペーション。これは難曲ですね。

ファーストソロはゲイリー・バートンさん。
細かく分析していませんが、多分コード進行を聴いた感じだと使用するスケールもコロコロ変わる曲ではないかと想います。それでも速いパッセージを中心にして、見事に連続したメロディを奏でていきます。決してフレーズがスケールによって切れ切れになっていないところがプロと言うことなんですが、それ以上にメロディアスに繋がっているところが、更に上をいくと言う感じです。
CD Time=1:25でベースのデイヴ・ホランドさんが一瞬4ビートになりそうになる感じが実にいいですね。

続いてはパット・メセニーさんです。
スタートの部分で一瞬全体が静かになるのですが、そのときにパット・メセニーさんの音が左チャンネルの方に綺麗にリバーヴが返されているのが解ります。
パット・メセニーさんのフレーズはけっこうアウトフレーズ。と言うかコード進行の複雑さを逆に捉えて、あえてアウト風にコードトーンを捉えていると言ったらよいでしょうか。ゲイリー・バートンさんのメロディアスなアプローチとはまた違った感じで、絶妙な浮遊感を醸し出しています。

続いてはチック・コリアさんのソロです。
2人のソロの中間のようなイメージでしょうか。メロディアスでありながらもアウトフレーズとリズミックなフレーズそして、クラシカルなコード和音を使用したダイナミックなフレーズを奏でていきます。

最後はベースのデイヴ・ホランドさんのソロです。
リズム的なアプローチでグルービーに奏でています。また、このバックでのロイ・へインズさんのスネアワークがデイヴ・ホランドさんのフレーズを静かに盛り上げています。


06:カントリー・ローズ
デイブ・ホランドさんのファニーな感じのソロからスタートするスローなブルースナンバーです。いわゆる4ビートのブルースではなくて、まさにカントリー的なもの。非常にまったりとしたビートの中にも、ロイ・へインズさんのリムショットが効いていてクセになりそうなナンバーです。

3人のソロは見事にブルージーに奏でているのですが、特にパット・メセニーさんのソロはかなりオーソドックスなブルースフレーズを奏でているのがけっこう意外な感じもしました。
また、お互いのバッキングはテンポがスローでまったりしていることもあって、よく遊んでいると言う感じがします。
全体にリラックスしていてよい感じのトラックに仕上がっています。


07:ティアーズ・オヴ・レイン
幻想的なイントロから始まるパット・メセニーさんのバラードです。
最初はフリーテンポで始まるのですが、インテンポになった時にシンセのような感じのロングトーンがずっと続いています。その音が段々クレッシェンドして、CD Time=1:14でこれがピアノで奏でている音だと言うことに気が付きます。このようなトリッキーな奏法もチック・コリアさんらしいアイデアですね。

前のブルースナンバーのまったりとしたスローと対比するようにマイナーで幻想的なまったりさのある中で演奏は続いていきます。

チック・コリアさんのソロは和音を上手く使用したスケール感の大きなラインを奏でています。また、パット・メセニーさんは曲調のためもありますが、パット・メセニー・グループでのソロラインのような得意技フレーズを連続しています。


08:スーン
この曲はジョージ・ガーシュインさんの曲。いわゆるスタンダードなコード進行を持ったスインギーなナンバーです。

ファーストソロはパット・メセニーさん。
かなりオーソドックスなジャズラインで弾き切ります。一瞬クロマティックを使用した得意フレーズへ行きそうになるかと想いきや、行かない!と言う、6曲目と同じで意外なアプローチを聴かせてくれます。それにしてもラインが切れ目無く繋がっていくのは見事です。

続いてはゲイリー・バートンさん。
ゲイリー・バートンさんのラインもオーソドックスなジャズラインです。目まぐるしく動くヴァイヴの音が実に心地よいです。そのフレーズの為か、全体にこのソロのバックは非常にスウィングしています。

そしてチック・コリアさんのソロ。
前の2人とは少し違って、もちろんオーソドックスなジャズラインもありますが、その中にパーカッシブなフレーズやアウトフレーズで抜群の個性を出しています。

その後はデイヴ・ホランドさんとロイ・へインズさんの掛け合いになります。

実にオーソドックスなジャズナンバーに仕上がっていて、まさに全員のルーツがジャズで、その基礎の部分がしっかりあってこその、チック・コリアさんならエレクトリック・バンドであったり、パット・メセニーさんならPMGであったりと言う、エレクトリックなアプローチがあるのだ、と言うことを今更ながら感じました。

以前ジョン・スコフィールドさんが「フュージョンだけしかできないミュージシャンには
興味が無い」と言っていましたが、まさに、ルーツ的なトラックに仕上がっています。


09:フォー・ザ・サウザンド・イヤーズ
パット・メセニーさんの3/4拍子で流れていく綺麗な曲です。
テーマが短くてすぐにソロに入っていきますが、パット・メセニーさんはPMGでの壮大な楽曲も魅力がありますが、このようないかにもセッション向きで、サラリと書いたような楽曲も魅力的ですね。

テーマはいつの間にかと言う感じでチック・コリアさんのソロに変わります。
細かいフレーズを連続して歯切れの良いメロディを奏でていきます。ちょっと弾き難そうな感じも受けるのですが、これはこの曲のコード進行の展開の速さと複雑さのためでしょうか。

続くパット・メセニーさんのソロは自分の曲と言うこともあり実にメロディアスなフレーズです。

この後、デイヴ・ホランドさんのソロからゲイリー・バートンさんのソロへと繋がりエンディングを迎えます。


10:ストレイト・アップ・サイド・ダウン
アップテンポなチック・コリアさんのナンバー。複雑なリズムをもったテーマのメロディをユニゾンで3人が奏でていきます。

複雑なテーマの雰囲気ではなくてソロのパターンは基本的にワンコード。しかもアップテンポ。今までの曲が複雑なコード進行でのソロが多かったので、このようなワンコード的に弾きまくるソロはまた違った面白さとテクニックを味わうことができますね。

ファーストソロはチック・コリアさん。
ひと言、超絶です。特に左手のコードワークが歯切れ良くてメロディラインがいきいきと響いています。CD Time=2:27では一瞬、クラシカルなコード奏法がリードするのですが、すぐに右手が再び速いパッセージを奏でていきます。このワンポイントのメリハリが良いですね。

続いてはパット・メセニーさん。
前半から飛ばしていきます。得意のクロマティックなアプローチを挟みながら軽快にフレーズを奏でていきます。
CD Time=3:50では珍しいピッキングハーモニクスを聴かせてくれます。これは、左手で16フレットを押さえて、右手の人差し指か中指でブリッジと押さえたところとの丁度半分の位置に触れてピックで弾くと同時に触れている指を離すと言うもの。たまにパット・メセニーさんは使用するのですが、ひとつのフレーズの流れな中でアクセントとして使うのは珍しいと想います。それもこのアップテンポですのでなかなかそのタイミングが難しいところ。失敗すればミストーンと言う場面。

実はこれと同じ奏法をCD Time=3:19でも弾いています。ここではやや低い音でのフレーズでしたので
そんなに際立っていませんが、おそらく、その後CD Time=3:50に向かうまでのフレーズが無意識の内に弾けるような得意技フレーズを連続しているので、このCD Time=3:50での『ひと響き』のタイミングを狙っていた!と勝手に推測するのですが・・・。

続いてはゲイリー・バートンさんのソロ。
こちらも超絶です。音がコロコロと高低を行き来するのが手にとる様に解ります。CD Time=4:28から引っ掛けるようなリズムで下がっていって再び上がるフレーズは鳥肌が立つようなラインです。

続いてデイヴ・ホランドさんのソロです。
速いパッセージとリズミカルなフレーズを融合した存在感のあるソロです。
また、ここではソロはもちろんなんですが、チック・コリアさんの静かに奏でるバッキングが何かとても可愛らしくていいです。これだけ静かに弾けて、存在感を出すと言うのはまさにテクニックですね。

さらにチック・コリアさんのバッキングの反応の良さはCD Time=6:53からのデイヴ・ホランドさんのポリリズムのパターンにあわせるところで聴くことができます。
またその後は、デイヴ・ホランドさんのメロディアスなCD Time=7:05からのフレーズに、今度はパット・メセニーさんが反応して優しくコードを奏でます。
このあたりのバッキングの妙はまさに肝!です。

短いのですが、ロイ・へインズさんのソロを挟んで再びテーマに戻り、そして怒涛のエンディングとなります。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

今回はどうもチック・コリアさんにやられた感があります。

ソロプレイはもちろんのこと、音質と録音もあると想いますが、バッキングでの絡みやフレーズは見事なものがあります。また、全体の雰囲気を司っていて、さらにバッキングを含めたトータルな曲の進行も支配してるような感じさえしました。
この作品のリーダーは?と言われたらチック・コリアさんと答えます。

それでも、それは今回聴いた印象で、ある意味、たまたまとも言えます。
次回はゲイリー・バートンさんのプレイかも知れませんし・・・。

つまり、誰のプレイを追っかけても聴き応えがあり、5人がそれぞれ持ち味を出して、超絶なプレイを繰り広げていると言うことですね。

3人のソリストがトライアングルの位置で音像の中心にあって、それぞれの奏でている音とフレーズの関係が良く解ります。
さらに、その周りで奏でているリズム隊がそれを盛り上げていると言う構図。

最初に感じたピアノの音が少し大きい?と言うマイナスイメージが、逆に楽しく聴くためのギミックだったと言うことに気がついたときには、すっかりその音の渦に巻き込まれていました。

また、物凄く難しい曲が多い中で、決してアップアップではなく、プレイの中に余裕みたいなものを垣間聴くことが出来るのが実に心憎いです!

(CD TOTALTIME:68:24/ Walking消費カロリー:274.97kcal)

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ライク・マインズライク・マインズ
パット・メセニー,ロイ・ヘインズ,デイヴ・ホランド ゲイリー・バートン・ウィズ・チック・コリア ゲイリー・バートン チック・コリア

曲名リスト
1. クェスチョン・アンド・アンサー
2. イルシデイション
3. ウィンドウズ
4. フューチャーズ
5. ライク・マインズ
6. カントリー・ローズ
7. ティアーズ・オブ・レイン
8. スーン
9. フォー・ア・サウザンド・イヤーズ
10. ストレイト・アップ・アンド・ダウン

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ライク・マインズ【その1】/ゲイリー・バートン、チック・コリア、パット・メセニー、ロイ・へインズ、デイヴ・ホランド 
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ライク・マインズ

ゴールデンウィークもほぼ終り。私はいつもながらでしたがwalkingの方は、連休中は人が多いので集中がなかなか出来ないのでちょっとご無沙汰をしました。と言うことで今日は久しぶりのwalkingバートン、コリア、メセニー、へインズ、ホランドさんのライク・マインズを聴きました・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


この作品は1998年の作品。これだけのメンバーが揃うと悪いはずがない!と言える作品ですね。ジャケットを見る限りはゲイリー・バートンさんのリーダー作と言ったらよいのでしょうか。
しかし元々はパット・メセニーさんがゲイリー・バートンさんにメールで、チック・コリアさんとの3人で作品を創ろうと持ちかけたのが最初とか・・・。
久しぶりに聴きました・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


walkingを終えて聴き終えたときの印象は、ひと言で言うと『満足』。ソリスト3人のソロがとにかく聴き応えがあって見事です。更にソロのみならず、バッキングでのかけ引きとアプローチに流石の上手さを感じました。

ヴァイヴとピアノ、ギターはどれもコード楽器としての役割が主。ですからハーモニーがぶつかるのでは?と想うのですが、ここが凄いところで、実に巧みに付かず離れず、いい味を出しつつ、お互いの音をよく聴いていて、一瞬のハーモニーの濁りさえ感じさせない・・・。それでいてしっかりインタープレイを絡めたバッキングをしています。

さらに、ソロプレイのフレーズなどを聴いていると実に個性的。そしてフレーズ自体がいわゆるスタンダードなジャズフレーズではなくて新しいジャズ、と言うか現代ジャズと言う感じを強く持ちました。このあたりの強烈な個性のぶつかり合いは、非常にサウンドのクオリティを高めていると想います。
ですから聴いていても非常に心地よい、それでいて非常にスリリング。

1曲つづ細かく聴いていきます・・・。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


01:クエスチョン・アンド・アンサー
パット・メセニーさんの言わずと知れた名曲です。さらにリズム隊はオリジナルと同じメンバーでドラムがロイ・へインズさん、ベースがデイヴ・ホランドさん。

全体の構成はほぼオリジナルと同じアレンジなんですが、ピアノとヴァイヴが入ることでかなり優しい感じに聴こえるのが不思議です。

イントロのシンコペーションのパターンは3人で奏でます。ストレートなコードですのでこの部分は、より広がりをもってサウンドしています。さらに、オリジナルではこのシンコペーションのパターンの『間』をパット・メセニーさんが『おかず』を入れていくのですが、このトラックではその部分をチック・コリアさんが和音で『おかず』を奏でています。

しかしCD Time=0:10からはゲイリー・バートンさんがその間を奪い、さらにCD Time=0:14で再びチック・コリアさんが奪い返します。

わずか20秒足らずのイントロなんですが、見事なかけ引きです。

テーマはヴァイヴとギターのユニゾン。今までに何回となく聴いたメロディラインなんですが、ヴァイヴが入るとまた違った爽やかさと言うか心地よさがあります。ヴァイヴでのメロディがしっかりと乗っているんです。
ギタリストが、特にギターで作曲をすると、いかにもギター的なメロディになりがちなんですが、まるでヴァイヴで奏でるために創ったかのような印象さえ覚えてしまうほどにピッタリとハマッていますね。パット・メセニーさんは鍵盤で創ったのでしょうか?

ファーストソロはチック・コリアさん。
テーマのバッキングの流れをそのまま引きずったようなフレーズでスタートします。バッキングをしている左手の歯切れの良いコードワークに乗せて丁寧にラインを奏でていきます。
CD Time=2:11からはテーマのメロディをフェイクして、クラシカルな展開でソロを閉めています。

続くソロはゲイリー・バートンさん。
出だしからハッとするような駆け上がりラインでスタートして一瞬にして世界を創ります。全体的に複雑でメロディアスなラインなんですが、よく聴いていると、実にテーマのメロディに沿って、ポイントではテーマのモチーフを上手く絡めていることが解ります。
究極のテーマのメロディ・フェイクとも言える見事なソロ・ラインだと想います。

最後はパット・メセニーさん。
相変わらず見事なメセニー節なんですが、ちょっとインパクトに欠ける感じがしました。これはフレーズとかの問題ではなくて、ギターの持っている音色のため。ヴァイヴと、ピアノの音があまりにもクリア過ぎるので、ギターの持っているある意味ダークな音質が際立ってしまった感じと言えばよいでしょうか。これはもう楽器の特性ですので仕方の無いことなんですが・・・。一転、ギターシンセなどで『かまして』も面白かったかも知れませんね・・・。

また、この作品の全体的な録音でもギターの音を少し弱めている部分があります。それはチック・コリアさんのピアノの音。左チャンネルにモノラルのように定位をさせていて、かつソロの時と音量の変化をほとんどつけていないので、ピアノの音がやや歪み気味で目立っています。

このテイクはファーストテイクと言うことですので、臨場感があって、ライヴ感が漂っていて良い感じではあるのですが、やはりピアノの音に耳が奪われてしまいます・・・。

CD Time=5:16からのイントロのパターンでのエンディング部分は3人のかけ引きがよく解る聴き応えのあるポイントになっています。3つの音の内、どの音を聴いても実に面白いです。
1人のプレイに集中していると、その他の2人との付かず離れずのプレイがよく解ります。それが3回楽しめると言うのは、一粒で3度美味しいと言う、まさに生きたインタープレイと言えると想います。


02:イルシデイション
パット・メセニーさんのアップテンポの楽曲です。テーマはヴァイヴとギターのユニゾン。実に軽快な4ビートで想わず体がスウィングしてしまうと言うのは、まさにこの感じですね。

言うまでもなく、それを牽引しているのが、ドラムのロイ・へインズさんとベースのデイヴ・ホランドさん。
さらに三者三様のアドリブラインがそれに拍車をかけています。

ファーストソロはチック・コリアさん。
アップテンポでさらに歯切れよさが増した左手のバッキングに速いパッセージを乗せて奏でていきます。

よく聴いていく内に、先ほどギターの音色を弱めていると言った録音が、かえって効果的なことに気が付きます。
と言うのは、ここでのバッキングはパット・メセニーさんでゲイリー・バートンさんはお休み。ピアノの音とギターの音が左右のチャンネルに振られていて、なお且つ音の定位が近いので両方の音を同時に聴く事が容易になっている感じがします。それはお互いの生のソロとバッキングの感性をリアルにリスナーが感じることができると言う効果になっていると想います。

例えば、CD Time=0:49の展開部分で、チック・コリアさんがロングトーンと和音でのフレーズを『しかけ』ると、パット・メセニーさんが同じ様な響きの和音とロングトーンで答えて、さらにグリスでのパーカッシブなフレーズで閉めて、それをきっかけにチック・コリアさんが再び速いパッセージに戻るところや、CD Time=1:12の細かいチック・コリアさんの左手のバッキングに、パット・メセニ