Walking de Music

walking de music!
このブログは、ウォーキングをしながら聴いたジャズ・フュージョン・CDのレビューを中心としたブログです。個人的に想い付くままに綴っています。

Walking de Music・・・
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JAZZ/FUSION-J

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ダブルフェイス/青木智仁

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ダブル・フェイス

今日のwalking Musicは
青木智仁
さんのダブル・フェイスです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1989年の作品。今は亡きベーシスト・青木智仁さんのフェースト・リーダー作品になります。

青木智仁さんの印象は非常に器用というイメージがあります。それはプレイが丁寧で、まじめな感じと言ったらよいでしょうか。さらにライナーノーツに名前が載っているだけで、勝手に期待してしまうという抜群の信頼感と安心感がありますね。ベース界のイチローさんと言ったら・・・言いすぎですね。
でも、なかなかこのようなベーシストは日本にはいないので、その意味では、新作を聴くことができないのが非常に残念です・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『ベースという面では印象が薄い・・・』

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので
1曲つづ聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:Triboro Bridge~Memories of M.K.

ドラムの打ち込みときつい音のスラップ・ベースが交互に奏でられてスタート。SE的な始まり方で、面白そうな感じをかもし出しています。

リズムがインして青木智仁さんのスラップに重なって、自身のフレットレスベースがメロディを奏でます。
この曲は、打ち込みを中心としたサウンドで、プロデュースもしている角松敏生さんの作曲になります。

ミディアムテンポに乗ったテーマは厚めにエフェクト処理された小池修さんのサックスが奏でます。サックス自体のサウンドや全体の感じ、またメロディのラインはデイヴィッド・サンボーンさんの曲のような感じでなかなかカッコ良いです。

しかし、テーマの端々を聴くと、段々と角松カラーが出てきて、それは中サビの部分を経て確信的なものに変わり、さらにCD Time=1:51からのサビに入るとまさに、「夏の角松メロディー!」という感じで全面にあふれてきます。

CD Time=2:49からはピアノソロ。たぶん小林信吾さんだと想います。そのまま続けて、ピアノの音を奪い取るようにシンセソロに入ります。

CD Time=3:30から青木智仁さんのソロです。
やや全体が静かになるアレンジですので、ここではフレットレス・ベースでメロディラインを奏でます。しかし、バックではスラップをバシバシとキメています。
CD Time=3:41からは歯切れの良いスラップをリズムカルに奏でます。そして次のCD Time=3:52からはフレットレス・ベースにひずみ系のエフェクトをかけてヘビーに奏でます。ちょっといろいろとやりすぎという感じもしますが・・・。

続いては、ギターソロです。これは今剛さん。
チョーキング・モチーフを上手く使用して華麗に弾き抜けています。ひずみ音がクリアで、空間系のエフェクトのかけ方が上手いので、非常にいい感じのソロに仕上がっていますね。

CD Time=5:18からは、小池修さんのサックスと今剛さんのギターの掛け合いです。
曲は、そのままフェードアウトしていきます。

曲が終わったときの感じは・・・角松敏生さんの作品?と錯覚をしてしまうくらいの角松ワールド全開の曲でした。でも、この曲では一応ソロなどもとっていますが、青木智仁さんの、ある意味真骨頂である安定感と信頼感のあるバッキングプレイを、あくまでも地味に堪能できるという感じに仕上がっています。


02:Mr.J.F.P
フレットレス・ベースでの速いパッセージからオーバーダビングで和音などを重ねてスタートします。曲調はまさにジャコ・パストリアスさんの感じ。それもそのはずで、これは青木智仁さんがジャコ・パストリアスさんに捧げた曲ということのようです。

個人的には、どうも青木智仁さんとジャコ・パストリアスさんってしっくりと来ない感じがします。どうしても青木智仁さんはスラップというイメージが強烈で・・・。

ここでの青木智仁さんのプレイは、いわゆるジャコ・パストリアスさんの強烈なビート感をリスペクトしているような感じです。ですから、ジャコ・パストリアスさん風なバッキング・フレーズを弾いています。

もうちょっと暴れても良かったようにも想いますが、このあたりが青木智仁さんの堅実さと言えるのでしょうか。逆に、ジャコ・パストリアスさんの場合は、派手で狂気的な部分に耳が行きがちなんですが、このようなグルーヴとビート感の部分をリスペクトしてプレイをするあたりが流石と言えますね。

ちなみにCD Time=1:30からのギターソロは布川俊樹さん。そして、バスドラがバシバシ決まっているドラムは村上“ポンタ”秀一さんのプレイです。


03:Forgive Me
エレピの綺麗なメロディがフェードインしてくるバラードです。そしてそのエレピの静寂さに、波紋を創るように本田雅人さんのサックスがハイトーンのフラジオで入ってきます。

エレピがメロディを奏でていくのですが、そのバックで心地よいリズムを生み出しているのは梶原順さんのミュートでのギター。そしてそれに絡むようにバッキングやカウンターメロディを奏でている松木恒秀さんのギター。

ファーストソロは本田雅人さん。切れの良い音で吹き抜けていきます。そして、松木恒秀さんのギターソロ。こちらは渋いトーンでジャージーに決めます。

この曲での青木智仁さんは、プルをアクセントにしながら細かいサムを決めるスラップでのプレイです。出過ぎず、かといって引っこみすぎない、バラード曲におけるスラップの教科書みたいな演奏です。

曲は一度終わる形になるのですが、続けてコーラスパートが入ってきます。これはどちらかと言うと、次の曲へのイントロダクション。このあたりの構成も角松敏生さんらしい演出と言えますね。


04:Don't Ever Hurt Me
この曲はオールド・アメリカンな雰囲気のあるヴォーカル曲。創ったのは青木智仁さんですが、歌っているのは「おかざわあきら」というクレジットですがこれはベーシストの岡沢 章さんでしょうか?

ブロードウェイでショウを観ているような雰囲気になりますが、青木智仁さんはこんな感じの音楽も好きなんだと単純に驚いた次第です。


05:Linda
とても爽やかでいかにもフュージョンという感じのこの曲は梶原順さんと今は亡き、浅野 祥之さんの2人。いかにもギタリストが好きそうな曲でテーマのメロディが心地よく、まさにギター向きの曲です。もう一人ここでは松原正樹さんがギターで参加をしています。

ギターは3台なんですが、さらに面白いのがドラム。
ドラムは村上“ポンタ”秀一さんと島村 英二さんが叩いています。左右で別れているようで、特に4拍目のアクセントが微妙にずれているのが逆に良いビートになっています。

エンディング部分は梶原順さんと浅野 祥之さんのソロの掛け合いです。もうちょっと聴きたい!という欲求不満を残しつつ、フェードアウトしていきます。

ここでの青木智仁さんは、ある意味定番とも言えるスラップベースでのプレイ。16ビートフュージョンのこれまた教科書みたいなプレイです。


06:Amboseli
ここで再び作品の最初のSE的なドラムと青木智仁さんのスラップが入ります。どう展開していくのか?と想っていると曲は一転して4ビートに突入します。この曲は村上“ポンタ”秀一さんと水野 正敏さんの作曲です。

村上“ポンタ”秀一さんのドラムを左チャンネルのみ、水野 正敏さんのアコースティック・ベースを右チャンネルのみにしてセンターでシンセが難解なメロディを奏でていきます。

青木智仁さんの登場はCD Time=2:00過ぎから。
フレットレス・ベースのソロに強烈なリヴァーヴをかけて、空間的な演出をしています。一緒に奏でられているのはトランペット。これは日野 皓正さんのプレイ。
日野 皓正さんのトランペットもかなり強いエフェクトでリバーヴをかけていて、ちょっと幻想的な雰囲気で掛け合います。

途中から青木智仁さんはスラップに移行して、その激しいスラッピングに乗せて日野 皓正さんのソロラインが加速していきます。

エンディングでは、日野 皓正さんと水野 正敏さんと村上“ポンタ”秀一さんが掛け合います。途中、ジャズスタンダードでお馴染みのメロディなども飛び出してきて、楽しげな中にもスピード感がある掛け合いでエンディングです。


07:Risa
ストリングスからスタートして軽やかなギターがメロディを奏でます。少し跳ねたリズムのバラードですが、楽しく優しげな曲調です。これは青木智仁さんの作曲。

ギターは幾見雅博さん。また、八木のぶおさんのブルースハープがいい感じですね。午後の陽だまりという感じで好感が持てる曲です。


08:砂の女
軽いボサノバのリズムからコンピューターでコントロールされたサウンドが重なり、そして角松敏生さんのヴォイスが重なってくると、もうここは角松サウンド。
さらに日本語で歌詞がついていて、さらに角松敏生さんが歌うという、まさに角松ワールドに支配されます。

ここでの青木智仁さんは、歌ものバックというスタンスで、歌を邪魔しないスラップの絶妙なバランスを聴かせてくれます。


09:Manhattan Love Affair
少し引きづるようなリズムを持ったアップテンポの曲です。この曲も角松敏生さんの曲。今度は角松インストワールドです。ギターでのメロディはもちろん角松敏生さん。

この曲での青木智仁さんは少し激しめにスラップを奏でます。前の曲でのヴォーカルと溶け込んだバランスのあるスラップとは違って、グイグイと打ち込みに対抗して攻めていくようなサウンド。多彩なスラップのアーティキュレーションが見事です。

小林信吾さんのシンセソロから角松敏生さんのギターソロの後、CD Time=2:23からは青木智仁さんの強烈なスラップでのソロ的なリズム流しが始まります。時折入れる細かいサムのアクセントが見事です。
途中で、アコースティック・ベースなどのソロも挟みながらのパフォーマンス。何と言ってもリズム感が抜群ですね。このようなスラップの切れはまさに青木智仁さんの独壇場だと想います。

エンディングではフレットレス・ベースで、ちょっとジャコ・パストリアスさんが入ったフレーズで締めくくっています。


10:With A Little Help From My Friends
ご存じ、ジョン・レノンさんとポール・マッカートニーさんの曲。歌っているのは青木智仁さん。
まあ、上手とは言えませんが、2コーラスめからサビに角松敏生さんのバックコーラスが入ると、それなりに聴こえてくるから不思議です。

そして、この曲ではベースは打ち込みで青木智仁さんはベースを弾いていません。


11:Risa Reprise
最後の曲は7曲目のRiseのリプライズ。ここではフレットレス・ベースでリリカルに青木智仁さんがメロディを奏でていきます。

バックコーラスではハイ・ファイ・セットの3人が歌い、フレットレス・ベースの音色を一層綺麗な響きにしています。


★☆ダブル・フェイス・トータルレビュー★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『ベースという面では印象が薄い・・・』

ベーシストである青木智仁さんのソロ作品ですので、ベースが全面に出ていて、いかにも美味しいスラップのパターン!や強烈なソロ!などを期待していたのですが、それは見事に裏切られたという感じがしました。それが、walkingを終えたときの印象『ベースという面では印象が薄い・・・』になってしまったのだと想います。

でも、改めて聴いてみるとこれは、ベーシストのソロ作品なのでベースという楽器が全面に出ている!という想いこみにすぎないということを感じました。

そこには、ベースという楽器の本来の使命とも言える、バックとしてのベーシストという姿があったわけです。

つまり、リズム楽器としての本質をとらえつつ、楽曲のコードの重要なファクターであるベース音というものを正確に奏で、そして、ソリストや他のバッキング楽器が気持ち良くその上に乗る・・・という使命。

そう考えるとベースは、聴こえているけど、決して意識することなく、耳と心にしっかり届いている・・・というのが最良かと。

『ベースという面では印象が薄い・・・』というのは逆に、見事にバンドの要としてのベーシストの仕事を聴かせてくれている作品だから、とも言えるわけですね。

作品全体的にはプロデューサーである角松敏生さんの色が濃くでている作品になっていますが、角松敏生さんがあえてこのスタイルで、ベーシスト・青木智仁をプロデュースしたとすれば、やはり流石だと想うわけです。

バリエーション豊富な楽曲がある中で、一聴ソロ作品としては地味ですがしっかりとバンドの要としてのベーシストの役割を聴かせるために、あえて角松敏生さんが自分色に染めた作品にした?というのもあながち間違っていないかな、と想ったりするわけです。

その意味では、バンドの要としてのベーシスト・青木智仁さんのバックミュージシャンとしての力を感じとれる作品に仕上がっていると想います。

ベースプレイということを期待して聴くと少々コケますが、角松ワールドが好きな方には、自然に聴き心地の良い作品です。

また、不思議なことに何回か聴いているうちに、段々とハマってくるんです・・・個人的には、ちょっとハマっています。

そこには、青木智仁さんのバンドの要としてのベーシスト以外のもう一つのフェイスが見え隠れしている感じです。ダブル・フェイスのもうひとつ、隠れている顔を覗きに、また、CDプレイヤーにかけてしまう作品ですね。

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aoki.jpgDOUBLE FACE
青木智仁

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starベーシストじゃなくても、「感涙」でウルウル…

曲名リスト
1. TRIBORO BRIDGE~MEMORIES OF M.R
2. MR.J.E.P
3. フォーギヴ・ミー~RISA インターリュード
4. ドント・エヴァー・ハート・ミー
5. LINDA
6. AMBOSELI
7. RISA
8. 砂の女
9. マンハッタン・ラヴ・アフェア
10. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド
11. RISA リプライズ

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あとがき
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WHAT YOU SING IS WHAT YOU GET 【2】/WYSIWYG

What You Sing Is What You Get

今日のwalking MusicはWYSIWYGWHAT YOU SING IS WHAT YOU GETの続きです。トラックの07から総論レヴューです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

07:Tales of the Temple
少し跳ねたちょっとアップテンポの8ビートに
Em9というちょっとダークですがお洒落なコード。
拍頭に他の楽器がコードを流し
その間を岡田治郎さんの細かいベースラインが埋めていくイントロ。

テーマは矢掘孝一さんのギターが中心ですが
引っかけたようなメロディに合わせて
全体が喰ったりしながら進みます。

テーマは,もうひと山欲しい!
というところで短く終わっていて
そのまま矢掘孝一さんのソロに入っていきます。

コード進行は循環コード。
テーマやイントロとは違ってメジャーなコード進行で
明るめの雰囲気があるのですが
矢掘孝一さんのチョイスしているフレーズにややダークな香りがあり
全体にイントロの雰囲気が残っているのがいい感じです。

間奏部分はギターソロのコード進行でユニゾンが入ります。

その後は4ビートに展開して新澤健一郎さんのシンセソロです。

再び間奏部分から続いては岡田治郎さんのベースソロ。

そして間奏部分からイントロへ戻ります。
そしてテーマから再び間奏部分に入りエンディングです。

この曲はセッション的な曲ということのようです。
でも、イントロやテーマ部分がかなりカッコ良いので
もう少し曲を練ったらかなりいける曲になったと
個人的には想います。


08:Ariel
岡田治郎さんのベースソロ・パフォーマンス曲です。
非常に綺麗な音のフレットレスで
軽くかかっているリヴァーヴがいい空間を演出しています。

曲はフリーテンポのバラードで朗々と歌い上げています。
今まで、速いパッセージが目立っていたのですが
ここで華やかさだけではない
リリカルな岡田治郎さんのプレイを聴くことができます。

ハーモニクスや和音でのベース音の選択などは
ジャコ・パストリアスさんのような雰囲気が漂います。


09Fairyland
前の曲から切れ目なくシンセの和音と
ドラムの16ビートでのスネアがフェードインしてきます。
パット・メセニー・グループで言うと
ラスト・トレイン・ホームみたいな雰囲気が漂います。

テーマは前の曲から引き続く感じで
岡田治郎さんのフレットレスベースが奏でていきます。

ドラムの16ビートとは逆にゆったりとしたメロディと
綺麗で情緒的に展開をするコード進行。
大変美しいこのメロディとコード進行は新澤健一郎さんの曲。

2コーラスめはベースから
クリアトーンの矢掘孝一さんのギターにバトンタッチされてのメロディ。
ギターでのメロディも良いのですが
ここはフレットレスベースでのメロディの勝ち。

ちょっとしたユニゾン的なサビが入って
矢掘孝一さんのソロに入ります。

コード進行はそのままテーマ部分の進行です。
このコード進行はけっこう使用するスケールが変わっていく
ソロを取るには難しい進行。

矢掘孝一さんは、クリアなトーンで
コード進行を十分に意識した速いパッセージを奏でていきます。
たぶんバックの演奏がなくても
そのソロラインだけでもコード進行を十分感じることができると想われる
見事なラインで弾き抜けていきます。

CD Time=2:20からCD Time=2:24までの流れなどは
もうグッと来てしまうまさに肝!です。

このソロがこの作品での矢掘孝一さんのベストプレイだと想います。

続いてソロを取るのは新澤健一郎さんのシンセ・・・。
と想ったのですが、その後のソロがピアノソロになっているので
これはもしかしたら矢掘孝一さんのギターシンセかも?

そう言われて聴くと
フレーズがギターっぽいと言えばそう聴こえますが・・・。

新澤健一郎さんのピアノソロは
これまた綺麗なコード進行に乗ってリリカルに奏でていきます。
最初は、短音でのパッセージが中心ですが
CD Time=4:05からはクラシカルに左手の和音などを入れながら
雄大なプレイに変わっていきます。
バックのドラムもそれに合わせて、スネアにアクセントを入れて
ピアノのプレイを盛り上げていきます。

ユニゾン的なサビを挟んで戻ったテーマは
今度はフレットレスベースとギターのユニゾンで奏でられていきます。

そしてエンディング。
この部分はパット・メセニー・グループの
ハヴ・ユー・ハードの終わり方を少し優しくした感じ。

ちょっと無理かな?と言う感じもする唐突さが個人的にはあります。
とてもいい曲なので、このエンディングが本当に残念。
もったいないというか・・・何というか・・・。

でも、この曲がこの作品の中でも
ベストトラックになっているのは確かです。


10:カレカ
この曲は矢掘孝一さんのバンド、fragileのレパートリー。
また違った感じで楽しめます。

タイトルからもお解りだと想いますが
ジャズ・スタンダードのオレオからインスパイアされた曲のようです。

アップテンポで複雑なコード進行を持っている難しそうな曲ですが
矢掘孝一さんは、最初クリアトーンで
パット・メセニーさん風のラインをバシバシキメます。
その後ひずみをかけた音でさらに加速します。

続く新澤健一郎さんのムーグソロは
アナログ的なラインで奏でます。

そして、岡田治郎さんのソロ。
超速いパッセージを連続します。
岡田治郎さんを同じくベーシストの水野正敏さんが
「ベースの孝三(ドラムの菅沼孝三さん)」と言ったらしいですが
それが納得できるプレイです。


11:Funky Mobius
ミディアムスローにタイトなリズムの
今までとは少し雰囲気の違うドラムの嶋村一徳さんの曲。

テーマは矢掘孝一さんですが
世界はまさにジョン・スコフィールドさん。

この作品のライナーノーツは矢掘孝一さんが書いているのですが
自らが
「ジョン・スコ奏法、マグロ泳法をまねたうねりを感じることによって編み出された・・・」
と書いています。
遊び心もあって、曲調とともに少しリラックスした演奏になっています。


12:Mistic Island
ゆったりとした16ビートですが
テーマが細かいフレーズで作品のエンディングというよりは
2曲目くらいの感じがする曲です。

ここでも岡田治郎さんのソロがファーストで
いい味のラインを聴かせてくれます。
その後の新澤健一郎さんのピアノソロも
バックの盛り上がりも重なって熱いソロを展開します。

個人的にはエンディングにはあまりふさわしくない感じがする曲。
今までの流れが断ち切られるような
あっけなさを感じてしまいます・・・。


★☆WHAT YOU SING IS WHAT YOU GET・トータルレビュー★☆

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『器用さが生み出す日本らしいフュージョンサウンド・・・』

強烈な個性があって
それを頑として貫くようなスタイルの
ミュージシャンは、特に海外に多くいます。
同時にそれが強烈な個性と世界観を生み出しています。

もっと、お洒落なコードを使った方が・・・
とか
もっと楽器の音を綺麗にした方が・・・
などと想ってしまう場面もあるのですが
それを抑えてても個性が勝!
というミュージシャンは逆に魅力的です。

しかし、特に日本のミュージシャンには
その部分がかけている人が多い感じがどうしてもしていまいます。
その分、器用さがあって
実に巧みにいろいろなエッセンスを散りばめている・・・
そんな感じがするのです。

これはこれでもちろん良いのですが
この器用さが日本のフュージョンの特徴的な色合い
という感じを実はずっと持っています。

その感覚がもろに出ているのが
この作品と言えます。

音楽的に器用と言うことは
楽器のテクニック的なことは申し分ないわけで
その部分がかえって
器用貧乏という感じになっていることもあります。

さらに、聴いていて一発で
このミュージシャンだ、よく似てる!
と解るようなことを堂々と
しかも遊び感覚でしてしまうのも
まさに器用さのなせる技。

でも、それは時に優等生的で
『危ない香り』や『危険な匂い』がなく
聴いているときのスリルが不足してしまうような感じがするのです。
その分抜群の安定感と安心感がありますが
これもまた器用さの現れ。

そんな
ある意味実に日本的なサウンドと言えるのが
この作品であるわけです。

でもけっこう好きです。
いい作品ですので機会があったらぜひ聴いてみてくださいませ。

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What You Sing Is What You GetWhat You Sing Is What You Get
WYSIWYG

曲名リスト
1. Smile
2. Hen
3. Secret Forest
4. Ice on Fire
5. Venus in the Dusk
6. Double Black Ferther
7. Tales of the Temple
8. Ariel
9. Fairyland
10. カレカ
11. Funky Mobius
12. Mistic Islans

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あとがき
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WHAT YOU SING IS WHAT YOU GET 【1】/WYSIWYG

What You Sing Is What You Get

今日のwalking Musicは
WYSIWYG
WHAT YOU SING IS WHAT YOU GETです。
walkingで通して聴いた印象とトラックの01から06までをレヴューします。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1997年の作品です。
ギタリストの矢掘孝一さんを中心として
キーボードが新澤健一郎さん
ベースが岡田治郎さん
そしてドラムが嶋村一徳さん
というメンバーのバンドユニットです。

バンドユニット名のWYSIWYGというのは
アルバムタイトルの頭文字をとったようです。
実は、WYSIWYGというのは
コンピュータのユーザインタフェースに関する用語で、
ディスプレイに現れるものと処理内容(特に印刷結果)が一致するように表現する技術
を言うそうです。
その場合にはWhat You See Is What You Getの頭文字で
「見たものが、手に入るもの」という意味があります。
このバンドの場合は「See」を「Sing」に置き換えていて
遊び心を感じますね。

この後に一枚作品をリリースしていますが
今は良く解りませんが解散状態でしょうか・・・。

けっこう良いバンドだと想うのですが・・・。

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『器用さが生み出す日本らしいフュージョンサウンド・・・』

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので
1曲つづ聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:Smile
全体のユニゾンから始まるこの曲はキーボードの新澤健一郎さんの作曲。
ミディアムテンポで少しアフタービート気味のリズムの上で
テーマは微妙に喰ったユニゾンのメロディで奏でられていきます。
ベースの岡田治郎さんのラインとリズムがかなりいい味を出しています。

間奏部分はギターの矢掘孝一さんのひずんだギターが
ロングトーンで綺麗なメロディを奏でます。

そして、ユニゾンでのちょっとしたキメフレーズから
ラテンフレーバーの漂うサビになります。

サビは主にギターが奏でているのですが
これが、実にギタリストが好きそうなメロディ。
実際にコピーを少ししてみたのですが
特にCD Time=1:19からのフレーズは
難しいのですが弾いていて想わずグッとくるラインでした。
ベースの岡田治郎さんの淡々としたベースラインに
ドラムの嶋村一徳さんの不規則に入るスネアが
さらに弾いている気分を高揚させてくれる感じです。

ファーストソロはベースの岡田治郎さん。
曲は静かな展開部分になりますが
ラインは速いパッセージを連続して弾き切ります。
でも、本当の聴きどころは
ソロが終わってテーマに戻ったCD Time=2:23から。
ソロの速いパッセージと雰囲気を引き継いだまま
バッキングに入ります。
これが、かなり凄いというか・・・。
ジャコ・パストリアスさんのような
パッセージを連続して奏でていきます。
想わず、この部分がテーマであることを忘れて
ベースに耳が釘付けになってしまう感じです。

続いては矢掘孝一さんのソロ。
耳への当たりが良く、綺麗にひずんだトーンで奏でていきます。
フレーズ的にはアウトラインを複雑につなげて
16分音符でたたみかけると言った感じです。
それにしてもフレーズの巧みさは見事です。
雰囲気的にはジョン・スコフィールドさんとマイク・スターンさんが
混ざったような感じと言ったらお解りでしょうか?

サビを挟んでキーボードの新澤健一郎さんのピアノソロです。
バックパターンはサビのパターンで進行します。
ラテンフレーバーのソロラインに
なりそうで・・・ならない、ところがいい感じです。
ソロ自体は、あまり暴れることもなく
実にスムーズでまとまったソロを展開しています。

エンディング部分はテーマに乗せて
ドラムの嶋村一徳さんがソロを奏でて終わります。
もう少し暴れても良かった感じが個人的にはしますが
テーマのユニゾンを逸脱しないような丁寧なラインでまとめている
という感じでしょうか。

なかなかインパクトのある一曲目ですが
個人的にはベースの岡田治郎さんの
太いベースの音色と巧妙なラインが肝!の楽曲です。


02:Hen
捉えどころのないような雰囲気とコード進行をもった新澤健一郎さんの曲。
メンバーが最初に聴いたときに発した言葉が「変な曲・・・」
それがタイトルになっているそうです。
リズムは4ビートで岡田治郎さんが4つ刻みをしています。

ファーストソロはベースの岡田治郎さん。
ミディアムテンポのリズムに
これでもか!という感じの速いパッセージをかませています。

一曲目では、線の太いベース音を聴かせてくれたのですが
このソロは曲調にあったやや不安定な感じの音。
しかも少しひずませることでさらに雰囲気を演出していて
センスの良さが光るソロに仕上がっています。

それに対して次のソロを奏でる矢掘孝一さんは
一曲目とは反対の綺麗なクリアトーンで攻めます。
基本的には4ビートに乗ったソロラインですが
後半から段々コードからもリズムからもアウトしていきます。
こうなると気分的にはパット・メセニーさんなんでしょうか?

CD Time=2:49からのフレーズはもろパット・メセニーさんのフレーズ。
CD Time=3:03からの速いパッセージ、そして
段々と上昇していくフレーズからタイミングをずらす
ポリリズム的なフレーズもパット・メセニー節。
ここまで似ていると、ちょっとパロディ的にも想えるのですが
堂々と真似てしまうところが遊び心かと。
これが逆によかったりしますね。


03:Secret Forest
この曲は新澤健一郎さんのシンセ・パフォーマンス。
0:51と短い曲で次の曲へのイントロダクションになっています。


04:Ice on Fire
タイトルのFireの通り、エネルギッシュでパワーのあるドラムの嶋村一徳さんの曲です。
アップテンポの曲で、さらにドラムのスネアと細かいベースラインの
アクセントが微妙にずれた感じで進むので
テンポの取りにくい難曲です。

でもその分、CD Time=0:58の
一番解りやすく、キャッチーなメロディ部分のワンポイントが
物凄く効いているテーマに仕上がっています。

ファーストソロは矢掘孝一さん。
チョーキングを多用したロック的なフレーズからスタートして
そのままCD Time=1:23から速弾きに突入するのですが
この部分のフレーズがロックを引きずっていなくて
ジャズ的なアウトラインになっているところが見事。

その後もハードなチョーキングフレーズなどを挟みつつも
ポイントではジャズラインで攻めてくる・・・。
これはまさにザ・フュージョン・ギター!という感じです。

熱い矢掘孝一さんのソロの後は
テンポアップして新澤健一郎さんのムーグでのソロ。
ドラムの嶋村一徳さんとのデュオで進みます。

特に後半のSE的でアナログ的な雰囲気のインタープレイは
ちょっとディープ・パープルの
ジョン・ロードさんとイアン・ペイスさんを
想いだしてしまいました。

そのままテンポアップしたまま
サビからテーマに戻りエンディングを迎えます。


05:Venus in the Dusk
矢掘孝一さんのナイロン弦でのソロからスタートします。
ここで使用しているギターはGodinと言うメーカーのエレアコ。
同じメーカーで別のギターを持っていますが
なかなか良い使い勝手で造りが丁寧がメーカーです。

このギターの特徴は専用ケーブルをダイレクトに使用して
RolandのギターシンセやVGにつなぐことができるところです。
イントロの後半部分はRolandのVGでシンセ効果を追加しています。

曲は矢掘孝一さんのボサノバ・バッキングからインテンポになります。
ライトで静かなボサノバ風の曲。
雰囲気的にはラリー・カールトンさんの曲調と言ったら良いでしょうか。

今まで激しめや複雑なリズムなどの曲が多かったので
少し箸やすめ的でホッとします。


06:Double Black Feather
今まで曲はベースラインがビートを効かせた
ジャコ・パストリアスさん風のものが多かったのですが
この曲は一転して4つ刻み。
とは言っても4ビートではなくて
感じはジョン・スコフィールドさん風。
その4つビートに乗って
テーマを矢掘孝一さんと新澤健一郎さんが速いパッセージで奏でます。

ファーストソロの矢掘孝一さんは
今度はジョン・スコフィールドさんの雰囲気を持ったフレーズを展開します。
パット・メセニーさんほどそっくりフレーズはありませんが
突然アウトフレーズへ飛んだりするところは
やはり良く似ています。

その後は新澤健一郎さんのピアノソロ。
コード進行はブルース進行。
最初は、ずっと続いている4つビートに乗って奏でていくのですが
途中からブルジーな4ビートに曲は変化します。

その変化していく感じが唐突ではなくて
自然に変わっていく様子がけっこう肝!です。

それが再び元のビートに戻っていく感じも良いです。
また、その変わっていく雰囲気に合わせたフレーズを
自然につなげている新澤健一郎さんのピアノも見事です。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★

とりあえず今回はトラック06まで。
続きはまた後日です・・・。

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What You Sing Is What You GetWhat You Sing Is What You Get
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曲名リスト
1. Smile
2. Hen
3. Secret Forest
4. Ice on Fire
5. Venus in the Dusk
6. Double Black Ferther
7. Tales of the Temple
8. Ariel
9. Fairyland
10. カレカ
11. Funky Mobius
12. Mistic Islans

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あとがき
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