Walking de Music

カテゴリーリー・リトナー
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リー・リトナー

          

キャプテン・フィンガーズ/リー・リトナー 【2】

キャプテン・フィンガーズ

リー・リトナーさんのキャプテン・フィンガーズのTrack04からレビューの続きです・・・。

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04:マルガリータ
ちょっとマイナーで先の展開が想像しにくいイントロ。リー・リトナーさんが変わっていくコード進行に合わせてフリーな感じでメロディを重ねていきます。
ブレイクの後、ダウリィ・ゴンガさんのエレピのバッキングが印象的な、テンポアップされたパターンに入ります。ハービー・メイソンさんのハイハットのアクセントにユニゾンのバッキングラインがビシッと決まっていきます。言ってみれば攻撃的なサウンド。それはフュージョンと言うのに相応しいエッセンスのひとつですね。

リー・リトナーさんのソロはCD Time=2:24からスタート。
テーマのメロディをモチーフにしたフレーズを最初の2小節はチョーキングのアップダウンで締め、次ぎの2小節は音程を変えてスライドを絡めて締めます。
そして次ぎの2小節は中間を8分音符のダウンフレーズからトリルで締めて、次ぎの2小節はモチーフ自体で締めます。
今までの3回は全て前の小節の4拍目からスタートしているのですが、この最後は頭を1拍休んでスタートしています。この休符が絶妙な間を創ります。最初の8小節のこのモチーフの展開は、技術的に難しいわけではないのですが抜群のセンスと上手さを感じます。

さらに、この後の8小節は速めのパッセージが段々と出て来て盛り上がっていくのですが、終わり部分のCD Time=2:50で再び最初のモチーフで締めています。ここに再び登場させるところは心憎いものがあります。

その後のラインは16分音符を連続させたラインを軸にして奏でていきます。特にCD Time=3:06からのコード進行に合わせてスケールが動いていく感じは物凄く気持ちの良いラインです。

このソロはスタートの展開が良いこともありますが、ジャズでもなく、ロックでもない。いかにもフュージョン!と言う感じのソロラインだと想います。


05:可愛いアイシャ
デイヴィッド・フォスターさんの重厚なエレピに乗せて、リー・リトナーさんのヴァイオリン奏法がお馴染みのメロディをスローに奏でていって段々をテンポを創り、ジェフ・ポーカロさんのタムがインしてきてブレイク。
ビル・チャップリンさんの歌が入って再びブレイク。そのブレイクにワウを使用したレイ・パーカー・Jrさんのギターカッティング。そしてビル・チャップリンさんの歌い始めに重ねて、ジェフ・ポーカロさんのおかずとマイク・ポーカロさんのベースのアクセントからインテンポに・・・。
いいスタートです。しかも超豪華なメンバー!
曲はそれこそ言わずと知れたスティービー・ワンダーさんの超代表曲。でも、この曲をフュージョンテイストでこの作品に収録すると言うセンスが、リー・リトナーさんの単なるギタリストではない、プロデューサー的な部分を物凄く感じます。

ジェフ・ポーカロさんのドラミングがタイトで良いですね。もちろんリズム隊としてのマイク・ポーカロさんとのマッチも完璧です。
さらに左チャンネルのレイ・パーカー・Jrさんのカッティングがファンキーで見事。そして右チャンネルのリー・リトナーさんのカッティングは(多分・・・)単音をミュートして奏でる得意技。
その抜群のリズムに乗ってビル・チャップリンさんが朗々と歌っていく感じがまた良いです。

テーマを挟んでリー・リトナーさんのソロです。
ここはテーマのメロディをギターで奏でると言う感じのソロまわしなんですが、絶妙なのはそのフェイク。そしてアーティキュレーション。
何も難しいフレーズを展開しなくても、テーマに沿ってフレーズを展開していくだけでも十分インプロヴィゼーションとして成り立つと言う典型的なラインだと想います。

CD Time=2:23から展開をしていきます。このソロバックのアレンジもインパクトになっています。
そしてブレイクに、デイヴィッド・フォスターさんのエレピでのダウンフレーズが入って転調をしたテーマ部分へ入ります。

この転調はGからG♯への半音転調。コーラスのフロントでビル・チャップリンさんがテーマをフェイクしてパワフルに歌っていきます。
この半音転調と言うのが、パワフルさと声のツヤを演出しています。半音上がっただけでもシャウトしやすくなるんですね。
その意味でも先ほどのソロバックのアレンジは単なるインパクトのみならず、半音転調を違和感なくするための見事なアレンジと言えます。

そしてリー・リトナーさんとビル・チャップリンさんのユニゾンプレイに入ります。
ジョージ・ベンソンさんのようにギターと同時に歌う場合は別として、どちらかを先に録音するのか、それともラインを決めておいて同時録音するのか、興味がありますね。リー・リトナーさんの場合は、ソロも譜面起こしをしていたと言う噂もありますので後者のような気もしますが、それにしても良く合っていてグルーヴやのりもいいですね。

エンディングに向けてビル・チャップリンさんのシャウトを奪い取るようにリー・リトナーさんのソロが続きます。
ここでは、ワンコードに乗って、かなり速いパッセージをたたみ掛けるように展開します。可愛いアイシャの可愛いと言う雰囲気を壊す、熱いソロでフェードアウトとなります。

それにしても名曲。テーマが結構コンパクトにまとまっていますのでテーマ回しをしてアドリヴをしていくだけでも面白いですね。セッション向きの楽曲とも言える名曲です。


06:スペース・グライド
何とも味のあるファンキーテイストのギター・カッティングでスタートします。このカッティングは作曲者でもあるミッチ・ホルダーさんだと想います。
タイトなジェフ・ポーカロさんのドラムが入ってから左チャンネルに入ってくるワウを効かせたレイ・パーカー・Jrさんのカッティングがさらにファンキーさに色を添えます。

スライドを使用したようなフレーズ展開から、得意の速いパッセージを聴かせてくれるリー・リトナーさんのソロの続いて、テーマのサビに絡んで対旋律を奏でていたアーニ―・ワッツさんのソロです。

この作品では唯一のサックスと言うことになります。
今までギターオンリーのサウンドでしたので、ここでのサックスラインが実に効いています。一瞬にしてサウンドが華やかになるのが、まさに管楽器の力と言う感じでしょうか。

エンディングはアーニ―・ワッツさんのソロを受けて、リー・リトナーさんがソロを。掛け合いか!と想った瞬間にフェードアウトしていきます。ここは、やはり掛け合いですよね?かなり残念なフェードアウトです・・・。


07:サン・ソング
クラシックギターの綺麗な響きからスタートするバラードです。ここでのリー・リトナーさんはライナーノーツからYAMAHAのクラシックギターだと想われます。

リー・リトナーさんはクラシック・ギターの名手とも言われています。具体的にクラシックのメソッドを学んだのかどうかは良く知りませんが例えば、CD Time=1:47からのコードでの音を、その後のCD Time=1:50でメロウな音に音色を変えるテクニックなどは、まさにクラシックの奏法的と言えます。

インテンポになるとそのままギターソロになっていきます。
ナイロン弦になることで、急激にヒューマンになるのがまさにクラシックギターの魔力ですね。もちろん、弦だけの変化だけではなくて、リー・リトナーさんのフレーズも全く違うのはもちろんなんですが。

最初はソロと言うよりはテーマでしょうか。創り込まれたような綺麗で丁寧なメロディです。
CD Time=2:39からは、クロマティックラインや3連符などをアクセントしたフレーズや16分音符の丁寧なフレーズを繋いでいきます。
CD Time=3:00からは、コード奏法を聴かせてくれます。リー・リトナーさんはクラシックギターでも、ピックを使用してカッティングのように歯切れの良いコードを奏法を得意としているのですが、ここでは、ピックと指を使用して弦を摘むような、ちょっとボサノバの奏法のような繊細なコード奏法です。

その後は作曲者でもあるデイヴ・グルーシンさんのエレピソロです。
高い音を細かいフレーズで繋ぎ、少しファニーに可愛らしく奏でていきます。
CD Time=4:03から歯切れの良いコード奏法。バックのストリングと同化していく感じが良いですね。

エンディングのCD Time=6:03からストリングスの旋律にリー・リトナーさんのソロが重なってきます。
最初はストリングスのメロディに答えるように進んでいくのですが、フェードアウトし始めると16分音符の連続したパッセージを奏でます。
CD Time=6:25から6:31までの約5秒間なんですが、流れが実にスムーズで、しかもメロディアスでまさに肝!
でも、無情にもその5秒後にはフェードアウトで曲はエンディング・・・。ここでも少し短いエンディングソロが残念です・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象は『やはりインパクトが薄め』でしたが、細かく聴いてみたら、インパクトと言うことでは変わらない感想なんですが、作品としては、丁寧で創り込まれている感じを受けました。非常にクオリティの高さのある作品だと想います。

1曲づつ聴いていくとフュージョンの持っている攻撃的な面があるのですが、例えば先日レビューをした渡辺香津美さんのトチカキリンのような尖がった鋭さはなくて、全体を通してみると非常にポップと言うか、聴きやすいサウンドです。
これも、インパクトが薄いと言う印象に繋がった部分と言えます。

ジェントル・ソウツでの演奏やライヴ映像をみると、そちらのインプロヴィゼーションの方がかなりアグレッシブでいい感じがします。ライヴの方がよりクリエイティヴでインパクトのある演奏をするように想います。
多分、スタジオ録音の場合は考え過ぎと言うか、練りすぎなのではないかと言う感じが、この作品を細かく聴いてみて想ったわけです

スタジオ・ミュージシャンとしての名前が先行して、ギターと音楽を本当に認めていた人は少なかったのでは・・・と言うことをリー・リトナーさんが言っていたことがあるとライナーノーツに記されています。

この作品では、売れっ子スタジオミュージシャンと言う枕詞が両肩にずっしりと乗っているリー・リトナーさんの、もう一歩型を破り切れていない部分を感じるのです・・・。

(CD TOTALTIME:46:03/ Walking消費カロリー:185.12kcal)

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キャプテン・フィンガーズキャプテン・フィンガーズ
リー・リトナー

曲名リスト
1. キャプテン・フィンガーズ
2. ドルフィン・ドリームス
3. フライ・バイ・ナイト
4. マルガリータ
5. 可愛いアイシャ
6. スペース・グライド
7. サン・ソング

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ジェントル・ソウツジェントル・ソウツ
リー・リトナー ジェントル・ソウツ
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キャプテン・フィンガーズ/リー・リトナー 【1】

キャプテン・フィンガーズ

ここ数日物凄く暑くありませんか?walkingもしっかりと汗がでる、まさに運動している!と言う感じです。と言うことで先日はリー・リトナーさんのキャプテン・フィンガーズwalkingをしました・・・。

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この作品は1977年、リー・リトナーさんの個人名義ではセカンドアルバムと言うことになります。個人的には印象があまりない作品なんです・・・何故か。
実は今回のwalkingには別の作品が聴きたくて持ち出したはずだったのですが、マジックか?この作品を持って出かけてしまったと言う、てん末なんです。
ですから、今回は聴こうとしたわけではなくて、せっかくだから聴いたと言う作品になったわけです。
それでも、フュージョン作品の中では名作中の名作。久しぶりに聴きますが、何故に印象が薄かったのでしょうか・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象はひとことで言うと『やはりインパクトが薄め』。

多分理由は簡単で、この作品の前にリリースされている(と想うのですが・・・)リー・リトナー&ジェントル・ソウツの作品ジェントル・ソウツ(*)のインパクトが強烈だった為とこの次の作品のキャプテンズ・ジャーニー(*)の完成度と凄技ギタープレイが衝撃だった為。言ってみれば、『運の悪い作品』だったと言えるからです。
特に、リー・リトナーさんの代表曲とも言えるキャプテン・フィンガーズのテイクは個人的にはジェントル・ソウツのテイクの方が良いかな、と想うわけです。
私はリアルタイムでこのあたりの作品を聴いたわけではなくて、順番としては、キャプテンズ・ジャーニー、ジェントル・ソウツそしてこの作品と言う感じでした。ですからインパクトが薄いのも何となくお解かりいただけると想います。さらにデビュー作のファースト・コースに至ってはもっと薄いのです・・・。

それでも細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れません・・・。1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

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01:キャプテン・フィンガーズ
イントロからユニゾンのパターン。これが難しいのです・・・とても。いきなりのこパターンを聴くと、16分休符からスタートしているように感じるのですが、曲中のこのユニゾンを聴くと、フレーズが4分休符+16分休符でスタートしていることが解ります。そして3小節目が3/4拍子になってハービー・メイソンさんのリフに入っていくと言う構成になっています。
とても解り難く、リズムが取り難いイントロ。でも結構好きです。ハービー・メイソンさんのドラムのリフが歯切れ良くていいですね。

ベースのスライドでの『クォッ』と言う『鳴きのいち音』をきっかけにバッキングがスタートします。ここでのベースはアンソニー・ジャクソンさん・・・と?

ライナーノーツをみると、アルフォンソ・ジョンソンさんとのダブル・ベースになっているんですね。でも2本で弾いている感じではありませんし・・・このあたりは良く解りませんが・・・。
それでもお馴染みのベースラインを軽快に奏でていきます。

左チャンネルでエレピの歯切れ良いバッキング。これは、パトリス・ラッシェンさんでしょうか。ちなみに、ライナー・ノーツには、ダウリィ・ゴンガさんのクレジットもエレピであります。私は恥ずかしながら最近知ったのですが、これはジョージ・デュークさんのセッション・ネームですね。
そして右チャンネルでは、軽快なギターのカッティング。これは、ジェイ・グレイドンさんのプレイ。しかもこの1曲のみの参加と言う、今考えれば贅沢・・・時代を感じます・・・。

リー・リトナーさんのテーマは少し変わった音質のナチュラルトーンで奏でられていきます。エフェクト的には、少しワウとコーラスを強めにかけたような感じ。これは、360システムズ・ポリフォニック・ギター・シンセサイザーでのプレイ。

当時はまだ世界に数台しかないと言われていたギターシンセでプログレ系のバンド、シンフォニック・スラムティモ・レインさんが使用をしていたり、ジョン・マクラフリンさんもマハヴィシュヌ・オーケストラで使用していました。
このギターシンセについて調べようと想ったのですが、検索にもあまり引っ掛かりませんでしたので、どうも歴史から消えつつあるようで・・・特に性能としては今一だったようですね。

テーマのCD Time=1:00はギターのメロディが左右のチャンネルに急に広がります。
右チャンネルはそれまでテーマを奏でていた音のようですが、左チャンネルは少しワウワウしたような、いかにもシンセと言う音。CD Time=1:38でも同じ広がりのサウンドで奏でられていきます。

このギターシンセの使い方は、シンセだからと言って全面依存すると言うことではない、実にさり気無い使い方だと想います。まあ、逆に言えば、鍵盤のシンセをオーバーダビングすれば済むこと・・・と言ってしまえば身もフタもないのですが・・・。

CD Time=2:17からはこの曲の一番の難関であり聴き所のユニゾンとキメの部分に入ります。
鍵盤でのこのフレーズは、もともと私はほんの少ししか鍵盤が弾けないのでテクニック的に難しいのかどうか良く解りませんが、ことギターに限っては実に難しいフレーズです。
ギターの場合は鍵盤楽器と違って同じ音が別のポジションでも鳴らせると言う特徴がります。いろいろなポジションでのプレイを模索することができるのですが、どのポジションでも難しいと言うのが実際。
また前半は単音のラインにコードカッティングが挟まれているので、そのタイミングと拍取りが一番難しい部分になります。
さらに後半は、16分音符の連続からCD Time=2:44の6連符のダウンパッセージ、そしてすかさずキメのコードカッティング・・・。流れはさらに高度になっていって、CD Time=2:53からはアクセントのコードカッティングの部分が16分音符のフレーズに挟まれた形になって、最後の6連符2拍フレーズからキメのコードカッティングへ怒涛の流れで向かいます。

所々に入るコードカッティングが実は曲者で、ただでさえ難しい単音のラインから時間差攻撃でコードカッティングに移り、そしてまた単音のライに戻る・・・。その上、コードカッティングが食っていたりするので、タイミングも難しい・・・。

個人の技量はもちろん必要な部分ですが、実はバンドアンサンブルとしても難しく、そのキーポイントになるのはドラムだと想います。テンポキープはもちろんなんですが、小節線が明確に解りにくいフレーズが連発する中で、しっかりとしたアクセントとタムまわしでのユニゾンを決めると言うのはかなり大変かと。いつもギターに耳が行く部分ですが、今回聴いてハービー・メイソンさんのプレイの絶妙さに肝!を感じました。

リー・リトナーさんのギターソロはCD Time=3:11から。
『同じ音で16分音符を連続させたフレーズ』をモチーフにして展開をしていきます。フレーズが歌うと言うよりは、メカニカルなフーレズの組み合わせと言う感じで奏でていきます。
CD Time=4:05からテーマのフェイク的なラインから6連符のダウンフレーズとダブルノートチョーキングでアクセントをつけたフレーズへ。ハービー・メイソンさんのインタープレイもいい感じですね。
この部分を聴くと、その前までリー・リトナーさんが、一聴陳腐にも聴こえる『同じ音の16分音符を連続させたフレーズ』を使用していた理由が何となく解ります。

この曲全体のメロディモチーフが16分音符でのラインなんですね。それをリズム的なアプローチで表現したのが『同じ音の16分音符を連続させたフレーズ』。それが発展して、CD Time=4:05からテーマのフェイク的なライン繋がっていくのだと想うのです。

CD Time=4:16から再び同じ音の連続フレーズを奏でてCD Time=4:20からのアウト・フレーズに繋げていきます。CD Time=4:26からの3連符を絡めた速いパッセージの連続技からCD Time=4:35で再びテーマフェイクのフレーズ展開。そしてチョーキングを使用したロック的なフレーズまわしからCD Time=4:51からの怒涛の6連符攻撃へ。そしてCD Time=5:05からサビのパターンにバッキングが入ると一転してメロディアスなラインで弾き抜けていきます。

このソロはひとつのモチーフを繰り返して拍を繋ぎ、違うフレーズに替わるとまたそのフレーズを繰り返す・・・そんな構成が基本になっています。リー・リトナーさんのフレーズが機械的、などと言われる代表的なソロラインと言えます。

しかし、改めて細かく聴いて見ると、この機械的とも想えるフレーズが全てテーマのモチーフを変化させたものに聴こえました。テーマのモチーフを様々なアプローチで変化をさせて奏でているのだろうと・・・。
さらにこの曲の持っているスピード感と、16分音符と6連符という大きな曲のテーマと言うか特徴をあちらこちらに散りばめたソロ構成になっていると言うことです。

リー・リトナーさんがあえて繰り返しフレーズを多用したのは、曲のモチーフを生かしたもっともヒューマンな方法、つまり機械的と言われていますが、実はテーマを常に意識して歌っているフレーズになっていると言うことではないかと想ったのです。テーマ自体が細かく速いフレーズの集合体みたいなメロディですから・・・。

先ほどジェントル・ソウツのバージョンの方が良いと書きましたが、では、どちらがオリジナル?と想っていろいろ調べてみたのですがどうにも良く解りませんでした・・・。
ジェントル・ソウツとこの作品は同じ年にリリースされているようですが、ジェントル・ソウツはご存知ダイレクト・カッティング。発売は5月のようです。そして、ライナーノーツをみると本作品でのバージョンは1976年9月の録音。これでいくと発売の順番は前後しているのですが、本作品の方がオリジナル?。
でも、私が聴いたのも、リアルタイムではありませんが発売と同じ順番。ですから本作のバージョンが後になります。
あの強烈なバージョンのキャプテン・フィンガーズのインパクトの前に、このテイクが霞むのはある意味仕方がなかったような気もしましたが、こちらも改めて細かく聴いてみたら結構良かったりしました。


02:ドルフィン・ドリームス
リー・リトナーさんのバラードな中でも良く演奏をされる名曲です。
いろいろなギターの音を使って情緒的なアルペジオにフワッとした音のギターでメロディを刻んでいきます。
サビからは歪んだギターでのバッキングラインと重厚なストリングスが重なってきて、さらに幻想的でクラシカルな展開を聴かせてくれます。

リー・リトナーさんのソロは360システムズ・ポリフォニック・ギター・シンセサイザーを使用したと想われる少しファニーな音で速いパッセージを挟みながら弾き抜けます。

その後のストリングがかなり重厚です。ストリングスアレンジもいい感じです。この後にスーッと静かになるような感じでイントロのパターンに入っていきます。このメリハリのある展開も良かったりします。


03:フライ・バイ・ナイト
ライトなフュージョンのテイストを持ったこの曲はデイヴ・グルーシンさんの曲。ここでのリー・リトナーさんはノーマルなギターでクリアトーンのメロディ演奏。
ハービー・メイソンさんとアンソニー・ジャクソンさんの奏でる少し跳ねたようなビートが実に軽快です。

リー・リトナーさんのソロはやはりテーマのモチーフをスタート部分に使用して段々と展開をしていきます。かなりブルージーと言うかジャズ的なラインを奏でていきます。

テーマを挟んで、エンディング部分でのソロ展開は特にジャズラインが炸裂していて、昔聴いた時にはあまり感じなかった、違う意味での凄さを感じます。やはり速いパッセージやテンポアップされたものに耳が行くのが若気・・・。このような渋いラインはどちらかと言うと飛ばしていたんですね・・・。

CD Time=4:41からのややバップ的なフレーズからオクターブ奏法のトリッキーなラインなどは鳥肌もののカッコ良さがあります。ちょっとフェードアウトが早くソロが短いのが残念・・・。

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キャプテン・フィンガーズにはコピーバンドで演奏したくても様々な問題で・・・と言ってもほとんどがテクニック的な問題なんですが・・・出来なかったと言う、熱い想い入れがあるためについ長くなってしまいました。
と言うことで、続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:40:54/ Walking消費カロリー:164.42kcal)

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リット2/リー・リトナー 
RIT/2/LEE RITENOUR

冬らしい寒い日には、walkingのテンポを上げて少し汗をかく様にしています。と言うことで昨日はリー・リトナーさんのRIT/2walkingです・・・。


この作品の前作RIT(*)は、私が言うまでもなくフュージョンとAORの融合と言うコンセプトの元でヒット、そしてフュージョン界でも大きな意味を持つ作品になったと想います。その続編がこのRIT/2。果たして2匹目の『どじょう』はいるのでしょうか・・・。

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01:クロス・マイ・ハート
インパクトのあるシンセベースのフレーズと4拍目のハンドクラップのサンプリングでスタート。この雰囲気はどう聴いてもアース・ウィンド&ファイヤーの名曲レッツ・グルーヴ。テンポもほぼ同じ・・・。
ところが、バックがインして来ると、これが不思議にリー・リトナー・サウンドに変身します。リー・リトナーさんのクリア・トーンのバッキングリフがそのサウンドを押し出していきます。
更に、テーマが入るとすっかりファンキーさは抜けて、一気にお洒落な感じになります。今度はエリック・タッグさんの特徴ある歌声が引っぱります。ファルセットのコーラスが入るCD Time=2:08からの中サビでは、さらにお洒落で綺麗な展開になります。そして、その流れでリー・リトナーさんのソロです。

テーマを少しフェイクした短いソロですが、音をかなり歪ませていて効果的にピッキング・ハーモニクス奏法などを使用して煌びやかさを出しています。

最初のファンキーな感じはエンディングではすでに無くて、ただただお洒落なサウンドと言う感じでフェードアウトしていきます。


02:プロミセス、プロミセス
1曲目と同じでシンセベースでパターンを創っている曲です。ややアップテンポで、重さの中にも軽快さのある曲です。

テーマはエリック・タッグさん。テーマのバックはいたってシンプルでシンセ・ベースとドラム。そして左チャンネルでリー・リトナーさんの低音を使用したミュートカッティング。そして右側でアルペジオを使用したカッティング。

サビに入ると、シンセが入ったり、コーラスが左右に入るのでいきなりサウンドが広がる感じがします。

リー・リトナーさんのソロは、1曲目より歪みを押さえていて、さらにデッドに録音されています。ゆったりとしたチョーキングを使用したフレーズで、曲中のアクセントになっていますね。

さらにアクセントになっているのが、CD Time=2:17からのテナーサックスソロ。これはトム・スコットさん。吹きすぎず、でも抜群の存在感は更に曲にバリエーションをもたらしています。

エンディングはリー・リトナーさんのソロで終わります。CD Time=3:47からのダウンフレーズからの速いパッセージはグッと来るものがあります。


03:ドリーム・ウォーキン
囁き、語るようなエリック・タッグさんの歌がいい味を出しているバラード。今までのシンセベースとハードなドラムビートの流れを落ち着いた雰囲気にしてくれるのは、ハービー・メイスンさんとエイブラハム・ラボリエルさんの生音でのリズム隊。
それでも、今まで流れを繋ぐように、バラードなんですがバスドラムとベースの見事に連動したビートが全面に出されているアレンジになっています。

リー・リトナーさんのソロは、ブリッジのメロディ的なユニゾンギターから入ります。そのメロディの持っているリズムをいろいろとフェイクしながら、ゆったりとメロディアスに奏でていきます。


04:キープ・イット・アライヴ
イントロのギターは歪んだ音をボトルネック奏法で奏でた部分と、クリアトーンでのユニゾンのフレーズを交互に繰り返します。
少し跳ねたビートとゆったりとしたテンポに、温かみを感じる曲です。


05:ア・ファンタジー
今までヴォーカルチューン続いていましたが、インストナンバーの登場です。
テーマはマイナーな曲調にのってスライドやボトルネックを使用したロングトーンでの音の変化を基調にしたメロディ。CD Time=1:10で一瞬メジャーなコードが挿入されて華やぐところがいかにもリー・リトナーさんらしい曲の展開ですね。

ソロはボトルネック奏法を使用して、浮遊感のあるラインでスタートします。CD Time=1:39でのボトルネックの使い方などは絶妙で、浮遊感の中にも抜群の安定感を感じます。


06:タイド・アップ
この曲はオリビア・ニュートン・ジョンさんもカバーしていてTOP40位になった曲。ミディアムテンポのリズムに、乗りが良く歌いやすいコーラスを中心に絡めた曲で、ヒットするのも良く解る、いわゆる売れ線のタイプ。リー・リトナーさんがどうこうと言うより、普通にいい曲だと想います。


07:ヴォイシズ
ギターのミュートカッティングにタイトなリズムが心地よいマイナー調の曲。ここでのドラムはジェフ・ポーカロさん。重い感じの曲調なんですが、エリック・タッグさんの声質と歌い方の為に重さの中にも優しさがありますね。

エンディングのリー・リトナーさんのギターソロは、CD Time=3:56のピックを高速でフレットに当てる、ピックでのライトハンド奏法などかなりハードなロックフレーズ。またバックのジェフ・ポーカロさんのタイトなリズムの中でアクセントになっているバスドラワークが、さらにビートを加速させています。


08:オン・ザ・ブロード・ウォーク
合唱隊が奏でるラテンテイストのモチーフに、流れるようパーカションがリズムを奏でていきます。また、ネーザン・イーストさんのスラップベースが複雑なリズムを創り出していて捉えどころの無いような感じのする曲です。


09:ロード・ランナー
ちょっとベンチャーズのようなミュートバッキングのギターがレトロな雰囲気。しかし、一端テーマに入るとそのコード進行、そしてストリングスの流れがリー・リトナーさんの世界です。

リー・リトナーさんのソロはこの作品で初めてのクリア・トーンでのソロ。フレーズもロック的なフレーズに上手くジャズラインを絡めて奏でていきます。今までのハードめなソロ展開とは違って、やっぱり少しホッとします。


10:マリブ
ナイロンギターのマイナーなアルペジオにクリアトーンのギターが情緒的なメロディを奏でていきます。ストリングスアレンジが華麗で、クラシカルなムードのある美しい曲です。

この曲は後に映像作品リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1(*)の中で、歌詞をつけてフィル・ペリーさんが歌います。
このインストバージョンはけっこう淡々とした感じで流れていますが、歌もののバージョンはもっと美しく、優雅で抑揚があります。ですから、ここでも歌ものにしたら良かったかなと想ったりもしました。


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この作品は普通にAORとして聴くと、いい曲が揃っていてそれなりに良い作品だと想います。
それではフュージョン的に聴いた場合はどうかと言うと、個人的にはけっこう退屈なイメージです。
どうしても、フュージョン作品を言うことで期待をすると、インストの楽曲への期待比重が増える訳で、この作品の曲が、その期待に答えているインスト曲かと言うと、リー・リトナーさんのインストとしてはかなり期待はずれと言えるのではないでしょうか・・・。

前作のRITはそれでも、インストと歌もののミックスが良く出来ていて、歌もの、インストのどちらをとっても良い出来だったと想います。
それに比べて本作は、インストの出来が余り良くないので、かえって中途半端になってしまったと言う感じがするのです。

結構近い音楽性を持った2つのジャンルなんですが、これを上手くミックスして、どちらのジャンルが好きな人にも満足感を与えることは、リー・リトナーさんをしてもかなり難しいのかな・・・と言う感じが物凄くしました。

背景にマーケットと言う巨大なものがあり、前作と同じくスマッシュヒットを飛ばそうと言う意図は良く見えるのですが・・・。
結局、2匹目の『どじょう』はいたのか?と言うことですね。

1匹目があまりにも巨大で凄かったので、2匹目は確かにいたのですが、捕まえても感動が薄かったと言うことでしょうか。
しかし、続けて3匹目を狙うようにRIT/3とも言える、バンデッド・トゥゲザー(*)と言う作品がリリースされます。これはまたの機会にレビューしたいと想います。

(CD TOTALTIME:40:12 / Walking消費カロリー:161.60kcal)

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リー・リトナー

曲名リスト
1. クロス・マイ・ハート
2. プロミセス,プロミセス
3. ドリームウォーキン
4. キープ・イット・アライヴ
5. ア・ファンタジー
6. タイド・アップ
7. ヴォイシズ
8. オン・ザ・ボードウォーク
9. ロード・ランナー
10. マリブ

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RITRIT
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リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1
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イン・リオ/リー・リトナー 
LEE RITENOUR IN RIO

イン・リオ

今日は久しぶりに朝早くwalkingをしました。やはり11月も終盤になればかなり寒いので、今シーズン初めてのマスクと手袋装備でwalkingです。と言うわけで今日は、リー・リトナーさんのイン・リオです・・・。


リー・リトナーさんの1979年の作品です。これはご存知ナイロン弦のアコースティック・ギターでブラジル・テイストの楽曲を奏でている作品です。プロデューサーがToshio Endoさん。良く存じ上げないのですが、日本人のようですね。また、ジャケットの写真のリー・リトナーさんもかなり若く、まさにギター王子?って言う感じの爽やかさです。
数あるリー・リトナーさんの作品の中でも好きな作品で、久しぶりに聴くのが実に楽しみです・・・。

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01:レインボー
爽やかな虹をそのまま表現したようなクラシカルなギターのアルペジオからスタートです。左チャンネルに入るギターのハーモニクスが虹の煌びやかな感じを更に演出していますね。

この作品はベーシックリズムをブラジルで録音して、それを3つのセクションで演奏しています。この曲はそのうちのリオ・リズム・セクション。今回改めてライナーノーツを見て気がついたのですが、メンバーの中にパーカッションでパット・メセニー・グループにも参加していたアーマンド・マーサルさんが参加しています。

軽いボサノバと言うかサンバのリズムが心地よく流れていく中で、実に綺麗なテーマがこれまた美しいナイロン弦で奏でられていきます。このテーマはスラーや和音を効果的に使用してナイロン弦のアコギの特徴を生かしきったメロディです。

途中のラテン系コーラスを挟んでリー・リトナーさんのソロです。
CD Time=2:27からスタートの4小節を聴いただけで、見事な音使いと歌っているメロディラインに感動します。CD Time=2:46からは2声の和音でC♯m7→G♯m7のコード進行をリズミカルに弾き抜けて、その次のBm7→E7→Amaj7と言うジャズのⅡ-Ⅴフレーズを、そのままの2声の和音で奏でます。このメロディラインと音の重ね方は見事としか言えません。まさに肝!です。

今度は単音で16分音符が中心にやや速いパッセージに展開していきます。その中でCD Time=2:58の弦を強くはじいてから出すハンマリングのフレーズのアーティキュレージョンが効果的です。

メロディアスで流れるようなフレーズの後で曲はEm7に転調します。そのCD Time=3:09からのフレーズはその転調の予告的フレーズを介してEm7のコードトーン、G=「ソ」に解決しています。難しい理論は別にしても、次の展開へスムーズに繋がっているのが解りますね。これはかなり肝!のフレーズです。

その後もかなりメロディアス。とにかくこのソロはメロディラインが美しいし、和音やパーカッシブな奏法、そしてナイロン弦を生かすスライドやハンマリングなど、そして全体の構成。リー・リトナーさんのソロの中でも上位を争う、まさに名演だと想います。

また、この曲では脇役に徹しているのですが、これが無いとこの曲は成立しない!と言っても良いのがドン・グルーシンさんのエレピ。曲もドン・グルーシンさんが書いていて、時にメロディに絡んだり、歯切れよいバッキングを奏でながら、曲全体を締めています。

02:サン・ワン・サンセット
今度は少し都会的なムードのミディアムバラードです。このリズム隊はN.Y.C・リズム・セクション。1拍目の裏で入るドラムのスネアが印象的で全体のイメージを創っています。ドラムはバディ・ウイリアムスさん。ちなみに相棒のベースはマーカス・ミラーさん。スッキリとした感じの中にも流れるようなリズムラインを奏でています。

リー・リトナーさんのソロは華麗なパッセージとパーカッシブなラインを上手くミックスして奏でます。バックのリズムがかなり心地よいのでノッてきたのか、CD Time=2:36では想わず歌って(唸って?)いる声がマイクに拾われています。

エンディング近くのCD Time=4:09からは、先ほど書きましたドラムのスネアが奏でている1拍目の裏を強調したアレンジで曲が進みます。最初は言葉で書くと「ん~チャ♪」と言う感じ。そしてCD Time=4:29からは、その部分をあえて強調せずにリー・リトナーさんがギターの和音で2拍目の頭に16分音符で「チャチャ♪」と奏でます。ここは「ん~チャチャチャ♪」でしょうか。さらにCD Time=3:40はリー・リトナーさんのギターが1拍目の頭で「チャチャ♪」と弾きます。ですから「チャチャんチャ♪」。
3回共に1拍目の裏が強いビートになっているのですが、それのバリエーションとしての3連発は、さりげないですが見事なアレンジだと想います。

03:リオ・ファンク
2曲目と同じN.Y.C・リズム・セクションのリズム。この曲は説明不要のリー・リトナーさんの代表曲ですね。マーカス・ミラーさんのこの曲のキーになるスラップのフレーズを聴くとやはりワクワクします。それに、リズムが加わってリー・リトナーさんのブラシングでのギターが加わるともう言葉になりません・・・。また、この部分で拍打ちしているカウベルがまたいい感じですね。

テーマはリズムを中心とした歯切れの良いメロディ。それに対してサビ部分の流れるような綺麗なメロディ。サビの部分でメロディに絡むデイヴ・グルーシンさんのピアノがまた美しい!

再びイントロのパターンに戻ってから、スライド一発からスタートするリー・リトナーさんのソロ。
はじく様な弾き方で短いセンテンスを繋いでいきます。そしてCD Time=2:14は和音のフレーズなんですが、高音を同じ音で奏で、その下の音をコードトーンに従って動かすと言うフレーズで、ファンクテイストが滲み出ている効果的なラインだと想います。

CD Time=2:34から、バックのキメに合わせたリズムで音を下げて行くフレーズから、サビのコード進行でのメロディアスなラインへ繋いでいくところは、やはり肝!です。

リー・リトナーさんのソロに続いてマーカス・ミラーさんのソロ。
かなり細かいサムが入ったスラップラインです。この曲のテンポは速いと言う感じよりは、ゆったり乗っているテンポで誤魔化しが効き難いテンポだと想うのです。しかしマーカス・ミラーさんのラインはリズムに狂いが無くて、走ることももたることも無く見事にテンポに乗っています。ベーシストとしては一番大切な部分だと想うのですが、それをソロでさりげなくこなしてしまうところが流石のマーカス・ミラー節!と言う感じで、凄いと想います。

04:イット・ハプンズ・エヴリデイ
この曲のオリジナルはクルセイダーズジョー・サンプルさんの曲です。
クルセイダーズと聞くとラリー・カールトンさんと言う感じなんですが、ここでのリー・リトナーさんはギターのアルペジオを中心としたプレイで、曲を完全にリトナー・サウンドにしています。どんな曲を弾いても強烈な個性でリトナー・サウンドにしてしまう所は魅力のひとつですね。

また、この曲は3つ目のリズム隊、Calif.・リズム・セクションが登場です。綺麗なメロディやソロを聴かせてくれるのがアーニー・ワッツさんのソプラノサックス。かなり綺麗な音で、このトラックの聴き所ですね。

05:イパネマ・ソル
クラシカルなリー・リトナーさんのアルペジオからスタートします。リー・リトナーさんはクラシック・ギターにもかなり精通していると聞いたことがあります。このようなアルペジオフレーズを聴くと確かにそのような感じがしますね。これは簡単そうなんですがけっこう難しいフレーズです。もちろんピックではなくて指で弾かないと出来ませんので、その辺りからもクラシックの香りがします。

そのクラシカルなムードから一変して、アーニ-・ワッツさんのフルートがテーマを奏でるマイナー調でアップテンポのサンバになります。

リー・リトナーさんのソロは、前半は短いセンテンスを繋いでいきますが、後半からはアップテンポにノッた速いパッセージの連続になります。
CD Time=2:32のリズミカルなコードワークから続く、流れる様な16分音符の速いラインは、ややスケール練習的な部分もありますが、それでもリズムにしっかりと乗っていて、ピッキングテクニックの正確さが良く解るフレーズです。

そのソロを受けて、このリズム・セクションの要、ベースのエイブラハム・ラボリエルさんのソロです。
メロディアスと言うよりは、リズムを中心としたお得意のフレーズを聴かせてくれます。CD Time=3:36からは、ソロに絡むリー・リトナーさんのバッキングにインプロヴァイズされて、これまたお得意の三味線の様な音色、ベースをバンバン叩くスラップラインを奏でます。先の、マーカス・ミラーさんとは全く違うスタイルで、こちらこちらでまた良かったりしますね。ファンキーで楽しそうに踊りながら弾く姿が目に浮かぶようです。

06:シンプリシダ-ド
軽いボサノバのリズムにストリングスが入ったミディアムバラードです。

ドン・グルーシンさんのエレピソロに続いて、リー・リトナーさんのソロの前半は、音を丁寧に選んで奏でています。後半になると速いパッセージが出てくるのですが、先ほどの曲の様なスケール練習的な部分は全く無くて、あくまでもメロディ重視のラインを奏でています。そしてソロエンドのCD Time=4:17ではクラシックギターのブリッジ近くを1弦から6弦に向かって流す弾き方で、音に変化をつけて煌びやかな感じを演出しています。このあたりのギターコントロールもクラシック・ギターの香りがしますね。

07:ア・リトル・ビット・オヴ・ジス・アンド・リトル・ビット・オヴ・ザット
リズムはレゲエ調。楽しげな雰囲気で曲は進みます。この曲でのリー・リトナーさんは、今までは全てナイロン弦ギターでのプレイだったのですが、エレクトリクギターでメロディやソロを弾いています。リズム的にはこの作品のコンセプトに合っていると想いますが、何故にこの曲でエレキを持ち出したのでしょうか。全編アコギにした方が良かったと想うのですが。このあたりの楽器選択は少し解りませんね。
でもクレジットにはリー・リトナーさんのエレキは書いてないんです。もしかしたら、このリズム・セクションでリズム・ギターとして参加しているジェフ・ミロノフさんのソロ?。

どちらにしても、何となく最後を飾る曲にしては・・・と言うしっくりこないままにエンディングとなります。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品でのナイロン弦ギターは実に美しい音を奏でていると想います。ジャケットの写真からすると、多分、普通のボディ厚を持ったクラシック・ギターだと想います。
後にリー・リトナーさんは、ソリッドボディでよりピックアップを重視した、いわゆるエレアコ、例えばギブソンのチェットアトキンスや最近ではサドウスキー、などの名器で、バンドの中でのリードギターとしてのアコギを極めていくことになります。
その先駆的な作品として、バンドの音量に埋もれていなくて、むしろ全体を牽引していて、なお且つナイロン弦の美しさを堪能することができる名作だと想うのです。

また、ソロプレイも珠玉の演奏で、レインボーリオ・ファンクなどコピーし甲斐のあるプレイを聴くことができます。

最後の曲は少し・・・と言う感じもありますが、曲の並びもバラードっぽい曲を上手く挟んでいて、メリハリがあって聴き易すく、トータルコンセプトの一貫した流れを十分感じることができます。

ですから、この作品はシャッフル再生ではなく、頭から聴いて欲しい作品だと想うのです。
そうすることで、リー・リトナーさんがこの作品で主張したいことが聴こえてくる・・・様な気がします。

それは、心地よいブラジルのリズムが生み出す爽やかでカラッとした風の様なもの・・・。
それを感じることが出来れば、身も心もゆったりとした気分になって、
癒しを求めて何度でも聴きたくなる愛聴盤にきっとなると想います・・・。

(CD TOTALTIME:49:56 / Walking消費カロリー:200.73kcal
 walkingには・・・全体の爽やかな感じが、冬のwalkingには不似合いではあります・・・。)

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イン・リオイン・リオ
リー・リトナー

曲名リスト
1. レインボー
2. サンワン・サンセット
3. リオ・ファンク
4. イット・ハプンズ・エヴリデイ
5. イパネマ・ソル
6. シンプリシダード
7. ア・リトル・ビット・オブ・ジス・アンド・リトル・ビット・オブ・ザット

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あとがき
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キャプテンズ・ジャーニー/リー・リトナー
THE CAPTAIN'S JOURNEY/LEE RITENOUR

キャプテンズ・ジャーニー

たいぶご無沙汰してしまいました。なにせ猛暑のために・・・walking出来る状態ではなかった!と言うのが真相?でもなく単に怠けてた?と言うことも真相?
今日はリー・リトナーさんの名作キャプテンズ・ジャーニーwalkingです。

今回リリースされたFUSION MASTERPIECEの中で、実は一番欲しかったのがこの作品なんです。あとのリリース作品は持っているものが多かったので・・・。この作品は1978年のリー・リトナーさんの3枚目のリーダー作です。

1曲目はキャプテンズ・ジャーニー パート1:静かな海
この作品はカッセトで持っていたので、次第にCD時代になるに連れて聴かなくなってしまったのです。と言うか存在すら想い出さない状態・・・。でもこの1曲目のイントロのリー・リトナーさんのボトルネック奏法を聴いた瞬間に急激にそのサウンドが蘇ってきました。カッティング3本とテーマの4種類のギターを弾いているのは今回改めて解ったと言うか、気がつきました。
リー・リトナーさんのギターソロが始まった瞬間にまた記憶が蘇って・・・。歌えるんです・・・しかも指使いもなんとなく解る感じ・・・。そう言えばこの作品の曲のソロに関してはほとんどコピーしたのだと言うことをことを想い出した訳です。それだけ聴き込んだ作品にも関わらず、今まで存在すら想い出さなかったのはなんとも言えない感じがしました。

続いて難しいユニゾンと決めのキャプテンズ・ジャーニー パート2:嵐
それにしても複雑な曲です。コピーも難しかったことを想い出します。でもその複雑な感じの中にかなりメロディアスだったり、クラシカルな展開だったり・・・。完成度もかなり高い曲ですね。エンディングでのテンポアップしたユニゾンがかなりカッコ良いです。

2曲目はモーニング・グローリー
一転してソウルフルでファンキーなナンバー。コーラスがフェードインしてきて、そこに重なるようにリー・リトナーさんの通称”チャカポーン”と言うカッティングが入ってくるところはかなり肝!です。
テーマ部分のメロディアスな優しい感じとサビからイントロのパターンのファンキーさの対比が面白い曲です。

3曲目はシュガーローフ・エクスプレス
問答無用のクロスオーヴァーの名曲ですね。個人的には後のベストでのヴァージョンの方が好みなんですが、こちらのオリジナルの方がエネルギッシュな感じがします。また、ライナーノーツを見て初めて知ったのですがこの曲はトレードマークのES-335では無くて、同じくギブソンのジャズギターの名器L-5で弾いています。実に綺麗な音だと想います。
また、中間部分のパーカッションとベースのラテンのリズムからピアノが入ってくるところは肝!です。パーカッションはアレックス・アカーニャさん。この曲ではドラムも叩いています。そして特徴的な和音を使ったベースのラテンフレーズはエイブラハム・ラボリエルさん。ピアノはリー・リトナーさんの作品では御馴染みのデイヴ・グルーシンさん。

4曲目はマッチ・メイカーズ
イントロのギターのカッティングが印象的な曲です。このカッティングをそつなく?こなすのは結構たいへんなんです。指使いは難しくないんですが、テンポキープと歯切れよさを出すのが難しいのです。
この作品を先に聴いたのかどうか忘れましたが、この曲は「プロポーズ大作戦」のスターフーズ・フーと言うコーナーで使われていた・・・と記憶してます。(自信・・・あまりなしですが・・・)
この作品全体的にそうなんですが、リー・リトナーさんはボトルネック奏法を多用しています。特にこの曲での使い方は絶妙だと想います。
もちろんギターソロでも使用しています。1:40過ぎのアップフレーズなどはセンスの良さを感じますね。このソロは全体的にすごいまとまっていてベストテイクだと個人的には想います。1:58過ぎの速いパッセーなどは絶妙の粒揃いです。またサビのパターンでのボトルネックの使い方も絶妙です。
ところで、この曲を聴くとプリズムバック・ストリート・ジャイブと言う曲を想い出します。ギターソロの出だしなんかは和田アキラさんが影響を受けているらしい感じが伺えますね。

5曲目はホワット・ドゥ・ユー・ウォント
イントロの何とも言えないシンセの音が印象的なスタートです。これはずっとシンセだと想っていたのですがライナーノーツを見るとどうもギターシンセでリー・リトナーさんが弾いているようです。この時代にギターシンセを使用するチャレンジが、いつも良い作品を与えてくれるスピリットになっているんですね。
さらにこの曲ではドラムのスティーヴ・ガッドさんのスネアワークがすごいです。全体を通してこの作品のクオリティをあげているのがスティーヴ・ガッドさんのリズムワークだと想います。
ギターソロは結構熱いソロを展開しています。フレーズはまさにリトナー節!

6曲目はザッツ・イナフ・フォー・ミー
テーマはここでもギブソンのL-5でのクリアトーンです。テーマに重なってイントロのパターンを使用した
ギターカッティングが面白い感じです。上手いですね。このあたりのカッティングセンスは絶妙です。女性コーラスの入った爽やかな曲です。

7曲目はエチュード
クラシカルなギターエチュードにバックの演奏をつけてアレンジしたような感じの曲です。
この曲でのリー・リトナーさんはラミレスのクラシックギター。名器と言われているクラシックギターですね。いい音しています。そう言えばエリック・クラプトンさんもアンプラグドでラミレスを使用していました。
エチュードと言うタイトルだけあって短かい曲なんですが、実にリリカルなバラードに仕上がっています。


改めて聴いて見ると、実に細部まで覚えていると言うか想い出したと言うか・・・。
曲が進んで行くにしたがって、実にリアルに細部を追っかけて、想い出しながら聴いていました。

それは丁度
久しぶりの同級会で学生時代すごく親しかったけど
卒業と同時に疎遠になった友人と
想い出話をしなからだんだんとリアルに細部を想い出して行く・・・
そんな感じに似ています。

でも、すでに卒業して何年も経って、お互いに社会の荒波にもまれて来たので
学生時代には感じなかった周りの環境や全体的な視野を含めた想い出話となっている・・・。

これも似ていて
当時はギターだけ聴いていたのですが、今回初めて、曲全体やアレンジなども含めて聴き取ることが出来たような気がします。
音楽に対して少し大人になった?と言うことでしょうか・・・
(CD TOTALTIME:38:36 / Walking消費カロリー:155.17kcal)
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キャプテンズ・ジャーニーキャプテンズ・ジャーニー
リー・リトナー デヴィッド・フォスター アーニー・ワッツ

曲名リスト
1. キャプテンズ・ジャーニー~パート1:静かな海、パート2:嵐
2. モーニング・グローリー
3. シュガーローフ・エクスプレス
4. マッチメイカーズ
5. ホワット・ドゥ・ユー・ウォント
6. ザッツ・イナフ・フォー・ミー
7. エチュード

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ポートレイト/リー・リトナー
PORTRAIT/ LEE RITENOUR



今日は風があって大変心地良い感じでwalkingをスタートしたのですが、やっぱり陽射しは夏。終わった時には汗だくと言う結果・・・。と言うことで今日もギター作品でwalkingです。リー・リトナーさんのポートレイトです。

今日のワイドショーで杏里さんとの破局が伝えられていたリー・リトナーさん。意外なところでその映像を見ることができました。真偽の程は解りませんが・・・。この作品は1987年のリリースです。

1曲目はアーザ(翼)
ブラジルのシンガー、ジャヴァンさんのヴォーカルがフューチャーされています。イントロが無く歌からスタートしてブレイクの部分のボサノバ風なナイロンギターのカッティングが良いですね。リー・リトナーさんの音楽の良いところは、このようなブラジルフレーバーの曲でも、またはRIT(*)の様なロック・ポップスでも、もちろん王道のフュージョンでも、全て世界を創って、リーリトナー色になってしまうところでしょうか。
テーマはストラト系のクリアなトーン。オクターブ奏法をふんだんに使っています。とにかく音が綺麗です。ソロはコンパクトにまとまっている中にも、ギターの音を生かした歯切れの良いフレーズと細かいブラッシングの入ったオクターブ奏法で、大変まとまったものになっています。

2曲目はターン・ザ・ヒート・アップ
こちらはヒットシングル、イズ・イット・ユーで歌ったエリック・タグさんをフューチャーしています。1曲目のアーザはブラジルテイストの曲でこの曲はアメリカンポップス的な曲。全く違うタイプの曲なんですが、連続して聴いても実に違和感無くリー・リトナーさんの世界です。この2曲を聴いただけでも先ほど書きました”どんな曲もリー・リトナー色にしてしまう・・・”と言うことが解ります。

3曲目はウィンド・ミル
ミディアムテンポの綺麗な曲です。ギターはナイロンのアコースティックギター。一瞬エレクトリックの様な感じもするのですが・・・。非常にクリアで煌びやかな音です。このナイロンギターの音もリー・リトナーさんの独特な音ですね。

4曲目はホワイト・ウォーター
イントロの部分のパーカッションはアレックス・アカーニャさん。一瞬ラテンか?と想ってしまいますが、シンセは入ると全く違ってもっと都会の雰囲気。16分音符の細かく速いユニゾンのテーマから長い音符と3連符で雄大で広がりのあるサビ。そしてサビの一番最後の部分は今までメロディをユニゾンしたり、対旋律を奏でていたシンセ類がロングトーンに・・・。そしてその間を縫うようにリー・リトナーさんの短いメロディ。それに少しシンセがかぶって次のユニゾンのメロディを先行して奏でて、最後にギターとユニゾンでエンド。わずか4小節くらい、時間で5~6秒くらいの部分ですが、この部分は本当に肝!です!そしてこの部分のアレンジが実に良く出来ていると想います。曲自体が素晴らしいのでこの部分が際たつのですが、この曲はラッセル・フェランテさんの作曲。そうですイエロー・ジャケッツですね。イエロー・ジャケッツの曲なのか、この作品のための曲なのかは解りませんが、実は演奏もイエロー・ジャケツのメンバーでこの曲がこの作品の前半のハイライトになっています。
リー・リトナーさんのソロはシンセ類のモチーフを受けて最初は掛け合いのように、そしてだんだんと盛り上がって行きます。基本的にはチョーキングを多用したロック調のソロですが、ロングトーンを上手く使用していて曲調にぴったりとはまっている名演です。このあたりのソロの構成は見事です。またこのソロのギターの音はストラト系でハーフトーンの歪みなんですが、私の大好きな音です。そしてリー・リトナーさん定番の”左にショートディレイ、すぐに右側でロングディレイ”もかかっています。当時私もライヴでこのセッティングを真似をしたものですが・・・。

5曲目はポートレイト
リー・リトナーさんとハービー・メイソンさんの共作です。ハービー・メイソンさんのタイトなリズムが心地よいです。この曲もナイロンのアコースティックギター。ここではかなりエレクトリック的な弾き方をしています。フレーズ自体もかなり速いパッセージがあったり、リズムカッティング的なものがあったりします。途中のスラップの音がこれまた綺麗。
ベースはネーザン・イーストさんです。

6曲目はグリット
ファンキーなナンバーです。この曲は後半のハイライトと言える曲です。何が?と言えばマーケット的な意味合いなんですが・・・。ゲストはケニーGさん。丁度ソング・バードが大ヒットした後くらいのセッションになります。当然ですが話題性もありその意味でのハイライトと言うことになります。演奏の方はハイライトか?と言うことなんですが、実はケニーGさんってあまりしっかりと聴いたことが今だないんです。私のまわりにもあまりファンは居なくて・・・。テナーサックスがフューチャーされているのですが基本的にリー・リトナーさんとの掛け合いの様な感じで進ん行く曲なのでケニーGさんのプレイを十分に聴くことが出来ないんです。確かに節々で良いフレーズを奏でてはいるのですが・・・。もっとフューチャーしても良かったのかなと、ちょっと欲求不満になりそうな感じです。忙しさもあったのでしょうけれど、話題性だけだったとしたら・・・いかがなものかと・・・。

7曲目はシェイズ・イン・ザ・シェイド
この曲もナイロンのアコースティックギター。やや陰鬱な感じのマイナーのコード進行とメロディが独特の雰囲気です。サビのオクターブ奏法の部分は一転変わって爽やかで明るいコード進行とメロディ。この対比が面白い曲です。それでも唐突ではなく繋がっているところがアレンジセンスの良さを感じます。

8曲目はチルドレン・ゲイム
この曲は私も好きなアーティスト、アントニオ・カルロス・ジョビンさんの曲。6/8拍子が何とも言えず、良いですね。ここでのリー・リトナーさんはナイロン、アコースティックギターシンセを使用して、ギターの音に口笛の様な音を重ねて演奏しています。この作品の前作があのシンセアックスと言うギターシンセをフューチャーしたアース・ラン(*)。今回も登場しているらしいのですが、あまり大々的には演奏していないようです。このナイロン、アコースティックギターシンセはスペックが不明なのですが、結構音の分離やシンセ部分の音の反応も当時としては良いようですね。このようないろいろなギターに兆戦したりする前向きな姿勢もリー・リトナーさんの魅力でもあります。

9曲目はランナウェイ
この曲ではサックスでマーク・ルッソさんが参加しています。ですからこの曲はイエロー・ジャケッツフルメンバーでの演奏です。この曲でも前の曲と同じギターシンセを使用しています。リー・リトナーさんの短めのソロに続いてマーク・ルッソさんのソロ。短いソロなのですが、超高音のフレーズなどかなりの熱演です。テーマでのギターとの絡みもなかなか良いです。サックスとの共演と言うことでみると先ほどの6曲目とは・・・差があります・・・。

10曲目はルート17
この曲もイエロー・ジャケッツのメンバーとの競演です。曲もキーボードのラッセル・フェランテさんとベースのジミー・ハスリップさんの作曲です。かなり洗練された曲ですが、ひとたびリー・リトナーさんが奏でると・・・やっぱりリー・リトナーさんの世界が広がってくるんですよね・・・。


全体的にはナイロンのアコースティックギターが多いためか、かなり優しい感じのソフトな作品になっていると想います。ライナーノーツにもありましたが、この時期はケニーGさんに代表されるようなソフト系のものがフュージョンでは人気のようでイエロージャケッツもアダルト路線に向かっていた頃だと・・・。

ですからこの作品の前のリーリトナーさんの世界とは少し違う感じもするので好き嫌いの分かれるところだと想います。

最近のリーリトナーさんが好きであれば、結構好みの作品なのでしょうが
キャプテンズ・ジャーニー(*)からジェントル・ソウツ(*)の頃が好きな方には多少と言うかかなり物足りないかと・・・。
RIT(*)の頃が好きな方には、最初の2曲をお薦めしたします・・・と言う感じでしょうか。

個人的には好きな作品です。ホワイトウォーターをはじめとする楽曲の良さもありますが、ギターの音がかなり好みなんです。特に歪み系のトーン。ある意味私の理想としていた音、出したくても出なかった音、憧れの音だったんです。いろいろな想いと共に超個人的には名盤と言える作品ですね。残念ながらアマゾンにも無いようですので廃盤のようですが・・・。
(CD TOTALTIME:45:03 / Walking消費カロリー:181.10kcal)
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ポートレイト
リー・リトナー

曲名リスト
1. アーザ(翼)
2. ターン・ザ・ヒート・アップ
3. ウィンド・ミル
4. ホワイト・ウォーター
5. ポートレイト
6. グリット
7. シェイズ・イン・ザ・シェイド
8.チルドレン・ゲイム
9. ランナウェイ
10. ルート17

(*)本文に登場したCD

RITRIT
リー・リトナー ポリーニョ・ダ・コスタ ジェリー・ヘイ

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キャプテンズ・ジャーニーキャプテンズ・ジャーニー
リー・リトナー デヴィッド・フォスター アーニー・ワッツ

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ジェントル・ソウツジェントル・ソウツ
リー・リトナー&ジェントル・ソウツ リー・リトナー ジェントル・ソウツ

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あとがき
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リット/リー・リトナー
RIT/LEE RITENOUR




けっこう悩むんです、どのCDでwalkingしようかと・・・。別にこれが最後!と言う訳ではないのですが、それでもこの貴重な時間を・・・と想うとやっぱりあれこれと。と言う訳で今日は悩んだ末・・・と言う程でもありませんが、リー・リトナーさんのRITwalkingです・・・

この作品は1981年のリリースです。ついにリー・リトナーさん売れ筋路線、軟弱路線へ!などと言われたりもしましたが、AORサウンドと言うことで大々的にヴォーカルを入れた作品です。個人的には、全く売れ線、軟弱とは想いませんでした。むしろかなり好きなサウンドで良く聴いていた作品です。

walkingは1曲目の、ミスター・ブリーフケースでスタートです。
TOTOホーンのようなシンセとシンセベースが印象的な、COプロデューサーでこの作品に大きな影響を与えているデヴィッド・フォスターさんのイントロから、スラップベースと独特の3連のハイハットワークが聴こえてきます。ベースはデヴィッド・ハンゲイトさん、そしてドラムはジェフ・ポーカロさん。TOTOのリズム隊です。かなり極力なリズムですね。walkingにはもちろん良く合います。
歌はエリック・タッグさん。技巧的という感じよりは、かなりソフトな感じの声です。少し鼻がつまったような感じもかなり個性的ですね。
ワンコーラスのあとはリー・リトナーさんのソロ。かなり強力なソロです。このソロはコピーをしましたが、技術的なことももちろんですが、この雰囲気がなかなか出ずに苦労した覚えがあります。それにしても、ベースのデヴィッド・ハンゲイトさんのベースはかなり良いですね。TOTOではなかなか聴くことが出来なかったスラッププレイです。さすがと言う感じです。

2曲目は、リー・リトナーさんらしい感じのメロディーとリズム、テル・ミー・プリティ・ライズ
リズム隊も、もう一人のプロデューサーハービー・メイソンさんとエイブラハム・ラボリエルさんのコンビ。後半のエリック・タッグさんの歌にリー・リトナーさんが絡むところと、歌を邪魔しないで存在感をアピールすると言う感じは、抜群の上手さがありますね。

3曲目はバラード、ノー・シンパシー。メロディの綺麗な曲です。

4曲目はビルボードで15位まで行ったイズ・イット・ユー。爽やかな曲です。
リー・リトナーさんは3種類のギターを弾いています。左がカッティング。主にコードを綺麗に出している感じ。右はオクターブを使用してのオブリガート的な感じ。センターではミュートを使用したカッティングを終りまで弾いています。このセンターのカッティングがこの曲の特徴的な部分でもありますね。歌はエリック・タッグさんなのですが、もうひとりビル・チャップマンさんが歌っています。2人とも上手い歌い分けをしていますし、こうやって改めて聴いてみると、チャッチーなメロディでもあるし、ヒットしたのもわかる気がします。

ナイロンギターのアルペジオにエレクトリックでリリカルにテーマを弾いているちょっと休憩的な曲・ドリーム・ウォークを挟んで、6曲目はカウント・ダウン
この曲にはサブタイトルでキャプテン・フィンガースとクレジットされています。意味合いは良く解らないのですが、リー・リトナーさんのお気に入りだったと言うことでしょうか・・・。言われてみれば、このRITのリリースされた前の年の1980年に渡辺貞夫さんが名作ライヴ作品ハウズ・エヴリシング(*)をリリースしています。その中のノー・プロブレムと言う曲でリー・リトナーさんがバックにドラムだけを残してソロに入るのですが、この時のフレーズがこのカウントダウンのモチーフだったと記憶しています。(ハウズ・エヴリシングだったか記憶に自信がありませんが・・・ノー・プロブレムであったことは間違えないと想います。)
ですから、きっとお気に入りのフレーズだったんだと・・・。そしてこの作品で曲にしたと言う意味でリー・リトナーさんのキャッチフレーズのキャプテン・フィンガースなのかなと・・・。このお気に入りのフレーズはけっこう難しいフレーズなんです。粒をそろえるのがポイントです。もちろんリー・リトナーさんの演奏はまさに粒揃い!
ボコーダーを使用したコーラスがスぺーシーな感じを良く出しています。ギターソロの終り部分のライトハンドを使った短いフレーズもインパクトがありますね。
ここでの演奏も良いのですが、デイヴ・グルーシンさんとのDVDGRPオールスターズ・ライブ・フィーチャリング・ダイアン・シューア(*)の