Walking de Music

walking de music!
このブログは、ウォーキングをしながら聴いたジャズ・フュージョン・CDのレビューを中心としたブログです。個人的に想い付くままに綴っています。

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リー・リトナー

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キャプテン・フィンガーズ/リー・リトナー 【2】

キャプテン・フィンガーズ

リー・リトナーさんのキャプテン・フィンガーズのTrack04からレビューの続きです・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

04:マルガリータ
ちょっとマイナーで先の展開が想像しにくいイントロ。リー・リトナーさんが変わっていくコード進行に合わせてフリーな感じでメロディを重ねていきます。
ブレイクの後、ダウリィ・ゴンガさんのエレピのバッキングが印象的な、テンポアップされたパターンに入ります。ハービー・メイソンさんのハイハットのアクセントにユニゾンのバッキングラインがビシッと決まっていきます。言ってみれば攻撃的なサウンド。それはフュージョンと言うのに相応しいエッセンスのひとつですね。

リー・リトナーさんのソロはCD Time=2:24からスタート。
テーマのメロディをモチーフにしたフレーズを最初の2小節はチョーキングのアップダウンで締め、次ぎの2小節は音程を変えてスライドを絡めて締めます。
そして次ぎの2小節は中間を8分音符のダウンフレーズからトリルで締めて、次ぎの2小節はモチーフ自体で締めます。
今までの3回は全て前の小節の4拍目からスタートしているのですが、この最後は頭を1拍休んでスタートしています。この休符が絶妙な間を創ります。最初の8小節のこのモチーフの展開は、技術的に難しいわけではないのですが抜群のセンスと上手さを感じます。

さらに、この後の8小節は速めのパッセージが段々と出て来て盛り上がっていくのですが、終わり部分のCD Time=2:50で再び最初のモチーフで締めています。ここに再び登場させるところは心憎いものがあります。

その後のラインは16分音符を連続させたラインを軸にして奏でていきます。特にCD Time=3:06からのコード進行に合わせてスケールが動いていく感じは物凄く気持ちの良いラインです。

このソロはスタートの展開が良いこともありますが、ジャズでもなく、ロックでもない。いかにもフュージョン!と言う感じのソロラインだと想います。


05:可愛いアイシャ
デイヴィッド・フォスターさんの重厚なエレピに乗せて、リー・リトナーさんのヴァイオリン奏法がお馴染みのメロディをスローに奏でていって段々をテンポを創り、ジェフ・ポーカロさんのタムがインしてきてブレイク。
ビル・チャップリンさんの歌が入って再びブレイク。そのブレイクにワウを使用したレイ・パーカー・Jrさんのギターカッティング。そしてビル・チャップリンさんの歌い始めに重ねて、ジェフ・ポーカロさんのおかずとマイク・ポーカロさんのベースのアクセントからインテンポに・・・。
いいスタートです。しかも超豪華なメンバー!
曲はそれこそ言わずと知れたスティービー・ワンダーさんの超代表曲。でも、この曲をフュージョンテイストでこの作品に収録すると言うセンスが、リー・リトナーさんの単なるギタリストではない、プロデューサー的な部分を物凄く感じます。

ジェフ・ポーカロさんのドラミングがタイトで良いですね。もちろんリズム隊としてのマイク・ポーカロさんとのマッチも完璧です。
さらに左チャンネルのレイ・パーカー・Jrさんのカッティングがファンキーで見事。そして右チャンネルのリー・リトナーさんのカッティングは(多分・・・)単音をミュートして奏でる得意技。
その抜群のリズムに乗ってビル・チャップリンさんが朗々と歌っていく感じがまた良いです。

テーマを挟んでリー・リトナーさんのソロです。
ここはテーマのメロディをギターで奏でると言う感じのソロまわしなんですが、絶妙なのはそのフェイク。そしてアーティキュレーション。
何も難しいフレーズを展開しなくても、テーマに沿ってフレーズを展開していくだけでも十分インプロヴィゼーションとして成り立つと言う典型的なラインだと想います。

CD Time=2:23から展開をしていきます。このソロバックのアレンジもインパクトになっています。
そしてブレイクに、デイヴィッド・フォスターさんのエレピでのダウンフレーズが入って転調をしたテーマ部分へ入ります。

この転調はGからG♯への半音転調。コーラスのフロントでビル・チャップリンさんがテーマをフェイクしてパワフルに歌っていきます。
この半音転調と言うのが、パワフルさと声のツヤを演出しています。半音上がっただけでもシャウトしやすくなるんですね。
その意味でも先ほどのソロバックのアレンジは単なるインパクトのみならず、半音転調を違和感なくするための見事なアレンジと言えます。

そしてリー・リトナーさんとビル・チャップリンさんのユニゾンプレイに入ります。
ジョージ・ベンソンさんのようにギターと同時に歌う場合は別として、どちらかを先に録音するのか、それともラインを決めておいて同時録音するのか、興味がありますね。リー・リトナーさんの場合は、ソロも譜面起こしをしていたと言う噂もありますので後者のような気もしますが、それにしても良く合っていてグルーヴやのりもいいですね。

エンディングに向けてビル・チャップリンさんのシャウトを奪い取るようにリー・リトナーさんのソロが続きます。
ここでは、ワンコードに乗って、かなり速いパッセージをたたみ掛けるように展開します。可愛いアイシャの可愛いと言う雰囲気を壊す、熱いソロでフェードアウトとなります。

それにしても名曲。テーマが結構コンパクトにまとまっていますのでテーマ回しをしてアドリヴをしていくだけでも面白いですね。セッション向きの楽曲とも言える名曲です。


06:スペース・グライド
何とも味のあるファンキーテイストのギター・カッティングでスタートします。このカッティングは作曲者でもあるミッチ・ホルダーさんだと想います。
タイトなジェフ・ポーカロさんのドラムが入ってから左チャンネルに入ってくるワウを効かせたレイ・パーカー・Jrさんのカッティングがさらにファンキーさに色を添えます。

スライドを使用したようなフレーズ展開から、得意の速いパッセージを聴かせてくれるリー・リトナーさんのソロの続いて、テーマのサビに絡んで対旋律を奏でていたアーニ―・ワッツさんのソロです。

この作品では唯一のサックスと言うことになります。
今までギターオンリーのサウンドでしたので、ここでのサックスラインが実に効いています。一瞬にしてサウンドが華やかになるのが、まさに管楽器の力と言う感じでしょうか。

エンディングはアーニ―・ワッツさんのソロを受けて、リー・リトナーさんがソロを。掛け合いか!と想った瞬間にフェードアウトしていきます。ここは、やはり掛け合いですよね?かなり残念なフェードアウトです・・・。


07:サン・ソング
クラシックギターの綺麗な響きからスタートするバラードです。ここでのリー・リトナーさんはライナーノーツからYAMAHAのクラシックギターだと想われます。

リー・リトナーさんはクラシック・ギターの名手とも言われています。具体的にクラシックのメソッドを学んだのかどうかは良く知りませんが例えば、CD Time=1:47からのコードでの音を、その後のCD Time=1:50でメロウな音に音色を変えるテクニックなどは、まさにクラシックの奏法的と言えます。

インテンポになるとそのままギターソロになっていきます。
ナイロン弦になることで、急激にヒューマンになるのがまさにクラシックギターの魔力ですね。もちろん、弦だけの変化だけではなくて、リー・リトナーさんのフレーズも全く違うのはもちろんなんですが。

最初はソロと言うよりはテーマでしょうか。創り込まれたような綺麗で丁寧なメロディです。
CD Time=2:39からは、クロマティックラインや3連符などをアクセントしたフレーズや16分音符の丁寧なフレーズを繋いでいきます。
CD Time=3:00からは、コード奏法を聴かせてくれます。リー・リトナーさんはクラシックギターでも、ピックを使用してカッティングのように歯切れの良いコードを奏法を得意としているのですが、ここでは、ピックと指を使用して弦を摘むような、ちょっとボサノバの奏法のような繊細なコード奏法です。

その後は作曲者でもあるデイヴ・グルーシンさんのエレピソロです。
高い音を細かいフレーズで繋ぎ、少しファニーに可愛らしく奏でていきます。
CD Time=4:03から歯切れの良いコード奏法。バックのストリングと同化していく感じが良いですね。

エンディングのCD Time=6:03からストリングスの旋律にリー・リトナーさんのソロが重なってきます。
最初はストリングスのメロディに答えるように進んでいくのですが、フェードアウトし始めると16分音符の連続したパッセージを奏でます。
CD Time=6:25から6:31までの約5秒間なんですが、流れが実にスムーズで、しかもメロディアスでまさに肝!
でも、無情にもその5秒後にはフェードアウトで曲はエンディング・・・。ここでも少し短いエンディングソロが残念です・・・。

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walkingを終えて聴き終えたときの印象は『やはりインパクトが薄め』でしたが、細かく聴いてみたら、インパクトと言うことでは変わらない感想なんですが、作品としては、丁寧で創り込まれている感じを受けました。非常にクオリティの高さのある作品だと想います。

1曲づつ聴いていくとフュージョンの持っている攻撃的な面があるのですが、例えば先日レビューをした渡辺香津美さんのトチカキリンのような尖がった鋭さはなくて、全体を通してみると非常にポップと言うか、聴きやすいサウンドです。
これも、インパクトが薄いと言う印象に繋がった部分と言えます。

ジェントル・ソウツでの演奏やライヴ映像をみると、そちらのインプロヴィゼーションの方がかなりアグレッシブでいい感じがします。ライヴの方がよりクリエイティヴでインパクトのある演奏をするように想います。
多分、スタジオ録音の場合は考え過ぎと言うか、練りすぎなのではないかと言う感じが、この作品を細かく聴いてみて想ったわけです

スタジオ・ミュージシャンとしての名前が先行して、ギターと音楽を本当に認めていた人は少なかったのでは・・・と言うことをリー・リトナーさんが言っていたことがあるとライナーノーツに記されています。

この作品では、売れっ子スタジオミュージシャンと言う枕詞が両肩にずっしりと乗っているリー・リトナーさんの、もう一歩型を破り切れていない部分を感じるのです・・・。

(CD TOTALTIME:46:03/ Walking消費カロリー:185.12kcal)

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キャプテン・フィンガーズキャプテン・フィンガーズ
リー・リトナー

曲名リスト
1. キャプテン・フィンガーズ
2. ドルフィン・ドリームス
3. フライ・バイ・ナイト
4. マルガリータ
5. 可愛いアイシャ
6. スペース・グライド
7. サン・ソング

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ジェントル・ソウツジェントル・ソウツ
リー・リトナー ジェントル・ソウツ
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あとがき
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キャプテン・フィンガーズ/リー・リトナー 【1】

キャプテン・フィンガーズ

ここ数日物凄く暑くありませんか?walkingもしっかりと汗がでる、まさに運動している!と言う感じです。と言うことで先日はリー・リトナーさんのキャプテン・フィンガーズwalkingをしました・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は1977年、リー・リトナーさんの個人名義ではセカンドアルバムと言うことになります。個人的には印象があまりない作品なんです・・・何故か。
実は今回のwalkingには別の作品が聴きたくて持ち出したはずだったのですが、マジックか?この作品を持って出かけてしまったと言う、てん末なんです。
ですから、今回は聴こうとしたわけではなくて、せっかくだから聴いたと言う作品になったわけです。
それでも、フュージョン作品の中では名作中の名作。久しぶりに聴きますが、何故に印象が薄かったのでしょうか・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひとことで言うと『やはりインパクトが薄め』。

多分理由は簡単で、この作品の前にリリースされている(と想うのですが・・・)リー・リトナー&ジェントル・ソウツの作品ジェントル・ソウツ(*)のインパクトが強烈だった為とこの次の作品のキャプテンズ・ジャーニー(*)の完成度と凄技ギタープレイが衝撃だった為。言ってみれば、『運の悪い作品』だったと言えるからです。
特に、リー・リトナーさんの代表曲とも言えるキャプテン・フィンガーズのテイクは個人的にはジェントル・ソウツのテイクの方が良いかな、と想うわけです。
私はリアルタイムでこのあたりの作品を聴いたわけではなくて、順番としては、キャプテンズ・ジャーニー、ジェントル・ソウツそしてこの作品と言う感じでした。ですからインパクトが薄いのも何となくお解かりいただけると想います。さらにデビュー作のファースト・コースに至ってはもっと薄いのです・・・。

それでも細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れません・・・。1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:キャプテン・フィンガーズ
イントロからユニゾンのパターン。これが難しいのです・・・とても。いきなりのこパターンを聴くと、16分休符からスタートしているように感じるのですが、曲中のこのユニゾンを聴くと、フレーズが4分休符+16分休符でスタートしていることが解ります。そして3小節目が3/4拍子になってハービー・メイソンさんのリフに入っていくと言う構成になっています。
とても解り難く、リズムが取り難いイントロ。でも結構好きです。ハービー・メイソンさんのドラムのリフが歯切れ良くていいですね。

ベースのスライドでの『クォッ』と言う『鳴きのいち音』をきっかけにバッキングがスタートします。ここでのベースはアンソニー・ジャクソンさん・・・と?

ライナーノーツをみると、アルフォンソ・ジョンソンさんとのダブル・ベースになっているんですね。でも2本で弾いている感じではありませんし・・・このあたりは良く解りませんが・・・。
それでもお馴染みのベースラインを軽快に奏でていきます。

左チャンネルでエレピの歯切れ良いバッキング。これは、パトリス・ラッシェンさんでしょうか。ちなみに、ライナー・ノーツには、ダウリィ・ゴンガさんのクレジットもエレピであります。私は恥ずかしながら最近知ったのですが、これはジョージ・デュークさんのセッション・ネームですね。
そして右チャンネルでは、軽快なギターのカッティング。これは、ジェイ・グレイドンさんのプレイ。しかもこの1曲のみの参加と言う、今考えれば贅沢・・・時代を感じます・・・。

リー・リトナーさんのテーマは少し変わった音質のナチュラルトーンで奏でられていきます。エフェクト的には、少しワウとコーラスを強めにかけたような感じ。これは、360システムズ・ポリフォニック・ギター・シンセサイザーでのプレイ。

当時はまだ世界に数台しかないと言われていたギターシンセでプログレ系のバンド、シンフォニック・スラムティモ・レインさんが使用をしていたり、ジョン・マクラフリンさんもマハヴィシュヌ・オーケストラで使用していました。
このギターシンセについて調べようと想ったのですが、検索にもあまり引っ掛かりませんでしたので、どうも歴史から消えつつあるようで・・・特に性能としては今一だったようですね。

テーマのCD Time=1:00はギターのメロディが左右のチャンネルに急に広がります。
右チャンネルはそれまでテーマを奏でていた音のようですが、左チャンネルは少しワウワウしたような、いかにもシンセと言う音。CD Time=1:38でも同じ広がりのサウンドで奏でられていきます。

このギターシンセの使い方は、シンセだからと言って全面依存すると言うことではない、実にさり気無い使い方だと想います。まあ、逆に言えば、鍵盤のシンセをオーバーダビングすれば済むこと・・・と言ってしまえば身もフタもないのですが・・・。

CD Time=2:17からはこの曲の一番の難関であり聴き所のユニゾンとキメの部分に入ります。
鍵盤でのこのフレーズは、もともと私はほんの少ししか鍵盤が弾けないのでテクニック的に難しいのかどうか良く解りませんが、ことギターに限っては実に難しいフレーズです。
ギターの場合は鍵盤楽器と違って同じ音が別のポジションでも鳴らせると言う特徴がります。いろいろなポジションでのプレイを模索することができるのですが、どのポジションでも難しいと言うのが実際。
また前半は単音のラインにコードカッティングが挟まれているので、そのタイミングと拍取りが一番難しい部分になります。
さらに後半は、16分音符の連続からCD Time=2:44の6連符のダウンパッセージ、そしてすかさずキメのコードカッティング・・・。流れはさらに高度になっていって、CD Time=2:53からはアクセントのコードカッティングの部分が16分音符のフレーズに挟まれた形になって、最後の6連符2拍フレーズからキメのコードカッティングへ怒涛の流れで向かいます。

所々に入るコードカッティングが実は曲者で、ただでさえ難しい単音のラインから時間差攻撃でコードカッティングに移り、そしてまた単音のライに戻る・・・。その上、コードカッティングが食っていたりするので、タイミングも難しい・・・。

個人の技量はもちろん必要な部分ですが、実はバンドアンサンブルとしても難しく、そのキーポイントになるのはドラムだと想います。テンポキープはもちろんなんですが、小節線が明確に解りにくいフレーズが連発する中で、しっかりとしたアクセントとタムまわしでのユニゾンを決めると言うのはかなり大変かと。いつもギターに耳が行く部分ですが、今回聴いてハービー・メイソンさんのプレイの絶妙さに肝!を感じました。

リー・リトナーさんのギターソロはCD Time=3:11から。
『同じ音で16分音符を連続させたフレーズ』をモチーフにして展開をしていきます。フレーズが歌うと言うよりは、メカニカルなフーレズの組み合わせと言う感じで奏でていきます。
CD Time=4:05からテーマのフェイク的なラインから6連符のダウンフレーズとダブルノートチョーキングでアクセントをつけたフレーズへ。ハービー・メイソンさんのインタープレイもいい感じですね。
この部分を聴くと、その前までリー・リトナーさんが、一聴陳腐にも聴こえる『同じ音の16分音符を連続させたフレーズ』を使用していた理由が何となく解ります。

この曲全体のメロディモチーフが16分音符でのラインなんですね。それをリズム的なアプローチで表現したのが『同じ音の16分音符を連続させたフレーズ』。それが発展して、CD Time=4:05からテーマのフェイク的なライン繋がっていくのだと想うのです。

CD Time=4:16から再び同じ音の連続フレーズを奏でてCD Time=4:20からのアウト・フレーズに繋げていきます。CD Time=4:26からの3連符を絡めた速いパッセージの連続技からCD Time=4:35で再びテーマフェイクのフレーズ展開。そしてチョーキングを使用したロック的なフレーズまわしからCD Time=4:51からの怒涛の6連符攻撃へ。そしてCD Time=5:05からサビのパターンにバッキングが入ると一転してメロディアスなラインで弾き抜けていきます。

このソロはひとつのモチーフを繰り返して拍を繋ぎ、違うフレーズに替わるとまたそのフレーズを繰り返す・・・そんな構成が基本になっています。リー・リトナーさんのフレーズが機械的、などと言われる代表的なソロラインと言えます。

しかし、改めて細かく聴いて見ると、この機械的とも想えるフレーズが全てテーマのモチーフを変化させたものに聴こえました。テーマのモチーフを様々なアプローチで変化をさせて奏でているのだろうと・・・。
さらにこの曲の持っているスピード感と、16分音符と6連符という大きな曲のテーマと言うか特徴をあちらこちらに散りばめたソロ構成になっていると言うことです。

リー・リトナーさんがあえて繰り返しフレーズを多用したのは、曲のモチーフを生かしたもっともヒューマンな方法、つまり機械的と言われていますが、実はテーマを常に意識して歌っているフレーズになっていると言うことではないかと想ったのです。テーマ自体が細かく速いフレーズの集合体みたいなメロディですから・・・。

先ほどジェントル・ソウツのバージョンの方が良いと書きましたが、では、どちらがオリジナル?と想っていろいろ調べてみたのですがどうにも良く解りませんでした・・・。
ジェントル・ソウツとこの作品は同じ年にリリースされているようですが、ジェントル・ソウツはご存知ダイレクト・カッティング。発売は5月のようです。そして、ライナーノーツをみると本作品でのバージョンは1976年9月の録音。これでいくと発売の順番は前後しているのですが、本作品の方がオリジナル?。
でも、私が聴いたのも、リアルタイムではありませんが発売と同じ順番。ですから本作のバージョンが後になります。
あの強烈なバージョンのキャプテン・フィンガーズのインパクトの前に、このテイクが霞むのはある意味仕方がなかったような気もしましたが、こちらも改めて細かく聴いてみたら結構良かったりしました。


02:ドルフィン・ドリームス
リー・リトナーさんのバラードな中でも良く演奏をされる名曲です。
いろいろなギターの音を使って情緒的なアルペジオにフワッとした音のギターでメロディを刻んでいきます。
サビからは歪んだギターでのバッキングラインと重厚なストリングスが重なってきて、さらに幻想的でクラシカルな展開を聴かせてくれます。

リー・リトナーさんのソロは360システムズ・ポリフォニック・ギター・シンセサイザーを使用したと想われる少しファニーな音で速いパッセージを挟みながら弾き抜けます。

その後のストリングがかなり重厚です。ストリングスアレンジもいい感じです。この後にスーッと静かになるような感じでイントロのパターンに入っていきます。このメリハリのある展開も良かったりします。


03:フライ・バイ・ナイト
ライトなフュージョンのテイストを持ったこの曲はデイヴ・グルーシンさんの曲。ここでのリー・リトナーさんはノーマルなギターでクリアトーンのメロディ演奏。
ハービー・メイソンさんとアンソニー・ジャクソンさんの奏でる少し跳ねたようなビートが実に軽快です。

リー・リトナーさんのソロはやはりテーマのモチーフをスタート部分に使用して段々と展開をしていきます。かなりブルージーと言うかジャズ的なラインを奏でていきます。

テーマを挟んで、エンディング部分でのソロ展開は特にジャズラインが炸裂していて、昔聴いた時にはあまり感じなかった、違う意味での凄さを感じます。やはり速いパッセージやテンポアップされたものに耳が行くのが若気・・・。このような渋いラインはどちらかと言うと飛ばしていたんですね・・・。

CD Time=4:41からのややバップ的なフレーズからオクターブ奏法のトリッキーなラインなどは鳥肌もののカッコ良さがあります。ちょっとフェードアウトが早くソロが短いのが残念・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

キャプテン・フィンガーズにはコピーバンドで演奏したくても様々な問題で・・・と言ってもほとんどがテクニック的な問題なんですが・・・出来なかったと言う、熱い想い入れがあるためについ長くなってしまいました。
と言うことで、続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:40:54/ Walking消費カロリー:164.42kcal)

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リット2/リー・リトナー 
RIT/2/LEE RITENOUR

冬らしい寒い日には、walkingのテンポを上げて少し汗をかく様にしています。と言うことで昨日はリー・リトナーさんのRIT/2walkingです・・・。


この作品の前作RIT(*)は、私が言うまでもなくフュージョンとAORの融合と言うコンセプトの元でヒット、そしてフュージョン界でも大きな意味を持つ作品になったと想います。その続編がこのRIT/2。果たして2匹目の『どじょう』はいるのでしょうか・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:クロス・マイ・ハート
インパクトのあるシンセベースのフレーズと4拍目のハンドクラップのサンプリングでスタート。この雰囲気はどう聴いてもアース・ウィンド&ファイヤーの名曲レッツ・グルーヴ。テンポもほぼ同じ・・・。
ところが、バックがインして来ると、これが不思議にリー・リトナー・サウンドに変身します。リー・リトナーさんのクリア・トーンのバッキングリフがそのサウンドを押し出していきます。
更に、テーマが入るとすっかりファンキーさは抜けて、一気にお洒落な感じになります。今度はエリック・タッグさんの特徴ある歌声が引っぱります。ファルセットのコーラスが入るCD Time=2:08からの中サビでは、さらにお洒落で綺麗な展開になります。そして、その流れでリー・リトナーさんのソロです。

テーマを少しフェイクした短いソロですが、音をかなり歪ませていて効果的にピッキング・ハーモニクス奏法などを使用して煌びやかさを出しています。

最初のファンキーな感じはエンディングではすでに無くて、ただただお洒落なサウンドと言う感じでフェードアウトしていきます。


02:プロミセス、プロミセス
1曲目と同じでシンセベースでパターンを創っている曲です。ややアップテンポで、重さの中にも軽快さのある曲です。

テーマはエリック・タッグさん。テーマのバックはいたってシンプルでシンセ・ベースとドラム。そして左チャンネルでリー・リトナーさんの低音を使用したミュートカッティング。そして右側でアルペジオを使用したカッティング。

サビに入ると、シンセが入ったり、コーラスが左右に入るのでいきなりサウンドが広がる感じがします。

リー・リトナーさんのソロは、1曲目より歪みを押さえていて、さらにデッドに録音されています。ゆったりとしたチョーキングを使用したフレーズで、曲中のアクセントになっていますね。

さらにアクセントになっているのが、CD Time=2:17からのテナーサックスソロ。これはトム・スコットさん。吹きすぎず、でも抜群の存在感は更に曲にバリエーションをもたらしています。

エンディングはリー・リトナーさんのソロで終わります。CD Time=3:47からのダウンフレーズからの速いパッセージはグッと来るものがあります。


03:ドリーム・ウォーキン
囁き、語るようなエリック・タッグさんの歌がいい味を出しているバラード。今までのシンセベースとハードなドラムビートの流れを落ち着いた雰囲気にしてくれるのは、ハービー・メイスンさんとエイブラハム・ラボリエルさんの生音でのリズム隊。
それでも、今まで流れを繋ぐように、バラードなんですがバスドラムとベースの見事に連動したビートが全面に出されているアレンジになっています。

リー・リトナーさんのソロは、ブリッジのメロディ的なユニゾンギターから入ります。そのメロディの持っているリズムをいろいろとフェイクしながら、ゆったりとメロディアスに奏でていきます。


04:キープ・イット・アライヴ
イントロのギターは歪んだ音をボトルネック奏法で奏でた部分と、クリアトーンでのユニゾンのフレーズを交互に繰り返します。
少し跳ねたビートとゆったりとしたテンポに、温かみを感じる曲です。


05:ア・ファンタジー
今までヴォーカルチューン続いていましたが、インストナンバーの登場です。
テーマはマイナーな曲調にのってスライドやボトルネックを使用したロングトーンでの音の変化を基調にしたメロディ。CD Time=1:10で一瞬メジャーなコードが挿入されて華やぐところがいかにもリー・リトナーさんらしい曲の展開ですね。

ソロはボトルネック奏法を使用して、浮遊感のあるラインでスタートします。CD Time=1:39でのボトルネックの使い方などは絶妙で、浮遊感の中にも抜群の安定感を感じます。


06:タイド・アップ
この曲はオリビア・ニュートン・ジョンさんもカバーしていてTOP40位になった曲。ミディアムテンポのリズムに、乗りが良く歌いやすいコーラスを中心に絡めた曲で、ヒットするのも良く解る、いわゆる売れ線のタイプ。リー・リトナーさんがどうこうと言うより、普通にいい曲だと想います。


07:ヴォイシズ
ギターのミュートカッティングにタイトなリズムが心地よいマイナー調の曲。ここでのドラムはジェフ・ポーカロさん。重い感じの曲調なんですが、エリック・タッグさんの声質と歌い方の為に重さの中にも優しさがありますね。

エンディングのリー・リトナーさんのギターソロは、CD Time=3:56のピックを高速でフレットに当てる、ピックでのライトハンド奏法などかなりハードなロックフレーズ。またバックのジェフ・ポーカロさんのタイトなリズムの中でアクセントになっているバスドラワークが、さらにビートを加速させています。


08:オン・ザ・ブロード・ウォーク
合唱隊が奏でるラテンテイストのモチーフに、流れるようパーカションがリズムを奏でていきます。また、ネーザン・イーストさんのスラップベースが複雑なリズムを創り出していて捉えどころの無いような感じのする曲です。


09:ロード・ランナー
ちょっとベンチャーズのようなミュートバッキングのギターがレトロな雰囲気。しかし、一端テーマに入るとそのコード進行、そしてストリングスの流れがリー・リトナーさんの世界です。

リー・リトナーさんのソロはこの作品で初めてのクリア・トーンでのソロ。フレーズもロック的なフレーズに上手くジャズラインを絡めて奏でていきます。今までのハードめなソロ展開とは違って、やっぱり少しホッとします。


10:マリブ
ナイロンギターのマイナーなアルペジオにクリアトーンのギターが情緒的なメロディを奏でていきます。ストリングスアレンジが華麗で、クラシカルなムードのある美しい曲です。

この曲は後に映像作品リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1(*)の中で、歌詞をつけてフィル・ペリーさんが歌います。
このインストバージョンはけっこう淡々とした感じで流れていますが、歌もののバージョンはもっと美しく、優雅で抑揚があります。ですから、ここでも歌ものにしたら良かったかなと想ったりもしました。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★


この作品は普通にAORとして聴くと、いい曲が揃っていてそれなりに良い作品だと想います。
それではフュージョン的に聴いた場合はどうかと言うと、個人的にはけっこう退屈なイメージです。
どうしても、フュージョン作品を言うことで期待をすると、インストの楽曲への期待比重が増える訳で、この作品の曲が、その期待に答えているインスト曲かと言うと、リー・リトナーさんのインストとしてはかなり期待はずれと言えるのではないでしょうか・・・。

前作のRITはそれでも、インストと歌もののミックスが良く出来ていて、歌もの、インストのどちらをとっても良い出来だったと想います。
それに比べて本作は、インストの出来が余り良くないので、かえって中途半端になってしまったと言う感じがするのです。

結構近い音楽性を持った2つのジャンルなんですが、これを上手くミックスして、どちらのジャンルが好きな人にも満足感を与えることは、リー・リトナーさんをしてもかなり難しいのかな・・・と言う感じが物凄くしました。

背景にマーケットと言う巨大なものがあり、前作と同じくスマッシュヒットを飛ばそうと言う意図は良く見えるのですが・・・。
結局、2匹目の『どじょう』はいたのか?と言うことですね。

1匹目があまりにも巨大で凄かったので、2匹目は確かにいたのですが、捕まえても感動が薄かったと言うことでしょうか。
しかし、続けて3匹目を狙うようにRIT/3とも言える、バンデッド・トゥゲザー(*)と言う作品がリリースされます。これはまたの機会にレビューしたいと想います。

(CD TOTALTIME:40:12 / Walking消費カロリー:161.60kcal)

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Noimage-amazonに画像がありません・・・RIT2RIT2
リー・リトナー

曲名リスト
1. クロス・マイ・ハート
2. プロミセス,プロミセス
3. ドリームウォーキン
4. キープ・イット・アライヴ
5. ア・ファンタジー
6. タイド・アップ
7. ヴォイシズ
8. オン・ザ・ボードウォーク
9. ロード・ランナー
10. マリブ

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リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1リー・リトナー&フレンズ・ライブ Vol.1
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